たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『木靴の樹』シナリオ(14)

2017年01月22日 19時33分09秒 | 映画『木靴の樹』
(フランス映画社発行のパンフレットより引用しています。)

・ルンクの後家さんの家・台所(夜)

 食事の支度をしているルンクの後家さん。アンセルモと子供達が暖炉を囲んでいる。製粉場からペピーノが戻ってくる。

ペピーノ「今夜は寒い・・・星がいっぱいだ」

ルンクの後家さん「お湯がわいているよ」

アンセルモ「(子供達に)火を消すな。おき火で寝床を温める」

ルンクの後家さん「(みんなに)冷めないうちにおあがり」

 めいめい皿を手に、暖炉の周りで食事をはじめるアンセルモと子供達。

ベッティーナ「じいちゃん、火の粉をとばしてよ」

アンセルモ「火の粉は地獄からぬけ出す悪魔じゃ」

アネッタ「なぜ地獄からぬけ出すの?」

アンセルモ「人間の魂をとりにくる」

アネッタ「なぜ暖炉の中に?」

アンセルモ「違うよ、悪魔が暖炉の中にひそんでいて、煙突から屋根に出て、魂をつかまえて、地獄におとすのだよ」

アネッタ「(暖炉をのぞき)悪魔は善人が怖いんだね」

アンセルモ「悪魔は正直な人間やよい子に出会うと、逃げ出すのだ」

アネッタ「(十字を切って)十字も怖いのね」

アンセルモ「お祈りをしているかい?」

アネッタ「してるわ」

アンセルモ「では怖くない、火を動かすと、悪魔の逃げていくのが見える。(火の粉を飛ばし)悪魔、出ていけ!出ていけ!悪い子はここにいない」




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