桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

2012年の初詣(1)

2012年01月02日 22時15分29秒 | 寺社散策

 初詣に行ってきました。東京の王子にある王子稲荷神社です。
 元日に行くつもりでしたが、今年の元日は初日の出を拝むどころか、いつまで待っても雲が切れませんでした。ときおり窓の外を見上げて、うーむうーむ、どうしようか、と唸っているうちに、午後一時を過ぎ、二時を過ぎてしまったので、元日の初詣は取りやめてしまいました。
 代わりに、いつもの散歩道の途中にある香取神社に行ってお茶を濁しましたが、陽射しがないので、殊の外寒く感じられる元日でした。



 翌二日の今日も晴れたり曇ったり……。
 松戸で常磐線緩行電車から快速電車に乗り換え、日暮里で京浜東北線に乗り換え。それぞれ降りたところが乗り換え階段に近かったこともあり、電車もスイスイとやってきたので、北小金から所要三十七分という早さで王子駅に到着しました。



 私はスマートになってしまったいまの都電よりドテッとした図体の前の都電のほうが好きですが、もう見ることはでいないのかも……。



 王子駅の親水公園口を出ると、目の前が親水公園でした。石段を下って、この太鼓橋を渡り、いま、途中で立ち止まってカメラを構えている急坂を上って行くと、王子神社があります。 



 坂の途中に王子神社のイチョウ(公孫樹)がありました。東京都指定の天然記念物です。



 王子神社は参道入口から拝殿まで100メートル近い行列ができていました。
 石段を上り切ると、拝殿と鳥居の中間あたり(この行列の右手)に出ますが、グルリと首を巡らせ、行列の最後尾を確かめた私は初詣にきているのに、ここに初詣をすることは即座に断念しました。
 何が嫌いといって、行列に並ぶことほど嫌いなもののない私です。




 代わりに同じ境内にあった關(せき)神社へ……。
 ここには百人一首などで知られる歌人・蝉丸法師と逆髪姫、古屋美女が祀られています。蝉丸公は、逆毛に悩む姉のために侍女の古屋美女に命じて初めて「かもじ(かつら)」を考案したことから、「髪」の祖神といわれ、理髪業界から信仰を集めています。關神社には、理容師さんや美容師さんなどの理容業界の人をはじめ、近年では薄毛や頭髪に関する悩みを抱えた人も多く祈願に訪れているそうです。




 關神社から王子稲荷前を通り過ぎて、名主の滝公園へ行ってみましたが、四日まで休園でした。
 安政年間(1854年-60年)に王子村の名主・畑野孫八が自邸に開いたのが始まりで、「名主の滝」の名前の由来もここから。庭園として整備されたのは、明治のなかごろで、垣内徳三郎という人の所有になってからでした。昭和十三年には、精養軒が買収し、食堂やプールなどがつくられて、公開されてきましたが、昭和二十年四月の空襲で焼失。東京都によって再公開されるようになったのはようやく昭和三十五年十一月になってからです。

 王子近辺は武蔵野台地の突端に当たるので、かつては「王子七滝」と呼ばれる七つの滝がありましたが、このうち現存するのは「名主の滝」だけです。「名主の滝」は、8メートルという落差を有する男滝(おだき)を中心に、女滝(めだき)、独鈷(どっこ)の滝、湧玉(ゆうぎょく)の滝の四つの滝からなっています。



 休園とあっては仕方がないので踵を返し、金輪寺へ。
 元は王子神社と王子稲荷神社の別当で、江戸時代には徳川将軍家の御膳所でもあった同名の金輪寺の塔頭の一つ、藤本坊です。前の金輪寺が明治の神仏分離令によって廃寺になったあと、寺名を引き継いで再興したものです。




 金輪寺からさらに戻って王子稲荷神社に参拝します。



 王子神社に較べると、駅から遠い上に、初めての人だとわかりにくい場所にあります。落語「王子の狐」で有名。



 歌川広重「名所江戸百景」のうち「王子装束ゑの木大晦日の狐火」。



 おや、まあ、こんなところにあったのですか、と思ってシャッターを切りました。拝殿の左手に出口があったのでそこから出ると、王子稲荷の坂と呼ばれている上り坂の途中に出ます。そこにあったのが、この中央工学校。今太閤こと田中角栄さんの母校です。
 長いこと取材記者をやってきたので、お会いした有名人、というのは数多くいますが、後光が射して見えた人はただ一人……この中央工学校のOB・田中角栄さんだけでした。
 取材仲間には「いや、長嶋茂雄こそだ。ノーノー、ジャンボ尾崎だ」という人たちがいましたが、趣味が違うからか、私には何も感じられませんでした。
 角栄さんはある博覧会の肝いりで挨拶にこられたときにお目にかかることができ、そのあと短時間でしたが、インタビューをさせてもらったことがあります。現役バリバリの総理のころです。
 私の主たる目的は博覧会の取材だったので、角栄さんがこられることは知っていましたが、インタビューすることなどは考えていませんでした。写真だけ撮らせてもらおうと待っていた私も、自分にコメントを求めたくて待っているのだろうと勘違いをされたのです。

 初詣を終えたあとは、近隣にいくつかお寺があるので、巡って行きます。



 坂を上り詰めたあと、近くを流れる石神井川に向かって下る坂道をダラダラと下って行くと、願徳寺がありました。浄土真宗大谷派の寺院。
 このあと石神井川に沿ってしばらく歩いてみます。
〈つづく〉


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 一日早いお年玉 | トップ | 2012年の初詣(2) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

寺社散策」カテゴリの最新記事