もう一人は、老婦人。
ほんとうに、よぼよぼして、足元もおぼつかないのに、
一生懸命、子供家族、孫たちのクリスマスプレゼントを買いに来たらしい。
でも、お一人で、きょろきょろして、人ごみの中、どうも途方にくれていらしたようなので、お声がけした。
「なにかお探しですか?」
そうしたら、まず、男性用のあったかいパジャマを探してるとのこと。
それから、青いデザインのネクタイか、ドレスシャツ。
どうもご自分では決められないので、私に決めてほしいという。
しかーし、私が決めるのではなく、いくつかオプションを挙げて、その中から彼女に最終決定をしてもらうことにした(せっかくの彼女からのプレゼントだからね)。どこのブランドの品物がいいか、それから値段ができるだけリーズナブルなのはどれか。
私がご案内する後ろを、よぼよぼついていらして、二人で時間をかけて選んだ。
ちょうど、今日からもう一人売り場に人が加わったので、幸い時間的には問題なかった。それなのに(たった15分くらいの時間だったのに)、彼女は「お忙しいのにごめんなさいね」って何回も言ってくれた。
そうそう、これですよ。
私たちの年代を含めて最近の若い年代に欠けてきているのは。
よく、「あなたはここの店員なんだから、私(客)がどんなにわがままいっても、黙ってつきあいなさい!」みたいな態度の人が結構いる中で、こういう老婦人のお心遣いはうれしい。
で、選びましたよ、二人で。
あったかそうなフランネルのパジャマと、
青いネクタイ2本(同じのを2本、彼女は選んでいた。別々な人にあげるって。で、ドレスシャツは買わなかった)
一つ一つ値段を聞きながらね。
で、レジで、お会計の時、また彼女がおずおずと聞いたんだ。
「ねえ、店員さん、これ、ネクタイ買うのと、ドレスシャツを買うのと、どっちがお安かったかしらね?」
それは、もともとは同じ値段くらいだったけど、今日は断然ネクタイがお得ですよ、というと、うれしそうに納得した。
印象に残ったのは、次のシーン。
彼女、金額を聞くと、バックの中からそれはそれは大切そうに、白い古封筒を取り出したの。その表には、「1000$」って、震えるよいよいの手で書いた文字があった。で、中には、シワシワのお札が一杯入ってた。
私は心の中で、「そんな大金、現金で持ち歩いたら、危ないって!」って思ったけど、その中から彼女が大切そうに一枚一枚お札を金額分抜き出すのを見てたら、はっと気付いた。
その封筒は、きっと、今年のクリスマス分の、予算の全額なんだ、と。
だから、大切にまとめて持ち歩いてるんだと。
この国は、老人に厳しい国。年金も、なんでも、全部自分でやらなきゃならない。
医療保険だって、高いし、民間のしかない。子供夫婦と当たり前のように
同居することもない。
だから、その金額が、どんなに彼女にとって大きい金額か。
そんな貴重なお金の使い道を決める時間を、私に託してくれたんだ。
そう思ったら、なんか、じーんとして、目頭が熱くなったんだ。
彼女、耳が超遠い、そして私の変な英語(?)の二重苦で、大変だったけど、本当にやりがいのある接客だった。っていうか、あの封筒のことを知ってたら、もっともっと丁寧に接客したかったと思った。
ほんとうに、よぼよぼして、足元もおぼつかないのに、
一生懸命、子供家族、孫たちのクリスマスプレゼントを買いに来たらしい。
でも、お一人で、きょろきょろして、人ごみの中、どうも途方にくれていらしたようなので、お声がけした。
「なにかお探しですか?」
そうしたら、まず、男性用のあったかいパジャマを探してるとのこと。
それから、青いデザインのネクタイか、ドレスシャツ。
どうもご自分では決められないので、私に決めてほしいという。
しかーし、私が決めるのではなく、いくつかオプションを挙げて、その中から彼女に最終決定をしてもらうことにした(せっかくの彼女からのプレゼントだからね)。どこのブランドの品物がいいか、それから値段ができるだけリーズナブルなのはどれか。
私がご案内する後ろを、よぼよぼついていらして、二人で時間をかけて選んだ。
ちょうど、今日からもう一人売り場に人が加わったので、幸い時間的には問題なかった。それなのに(たった15分くらいの時間だったのに)、彼女は「お忙しいのにごめんなさいね」って何回も言ってくれた。
そうそう、これですよ。
私たちの年代を含めて最近の若い年代に欠けてきているのは。
よく、「あなたはここの店員なんだから、私(客)がどんなにわがままいっても、黙ってつきあいなさい!」みたいな態度の人が結構いる中で、こういう老婦人のお心遣いはうれしい。
で、選びましたよ、二人で。
あったかそうなフランネルのパジャマと、
青いネクタイ2本(同じのを2本、彼女は選んでいた。別々な人にあげるって。で、ドレスシャツは買わなかった)
一つ一つ値段を聞きながらね。
で、レジで、お会計の時、また彼女がおずおずと聞いたんだ。
「ねえ、店員さん、これ、ネクタイ買うのと、ドレスシャツを買うのと、どっちがお安かったかしらね?」
それは、もともとは同じ値段くらいだったけど、今日は断然ネクタイがお得ですよ、というと、うれしそうに納得した。
印象に残ったのは、次のシーン。
彼女、金額を聞くと、バックの中からそれはそれは大切そうに、白い古封筒を取り出したの。その表には、「1000$」って、震えるよいよいの手で書いた文字があった。で、中には、シワシワのお札が一杯入ってた。
私は心の中で、「そんな大金、現金で持ち歩いたら、危ないって!」って思ったけど、その中から彼女が大切そうに一枚一枚お札を金額分抜き出すのを見てたら、はっと気付いた。
その封筒は、きっと、今年のクリスマス分の、予算の全額なんだ、と。
だから、大切にまとめて持ち歩いてるんだと。
この国は、老人に厳しい国。年金も、なんでも、全部自分でやらなきゃならない。
医療保険だって、高いし、民間のしかない。子供夫婦と当たり前のように
同居することもない。
だから、その金額が、どんなに彼女にとって大きい金額か。
そんな貴重なお金の使い道を決める時間を、私に託してくれたんだ。
そう思ったら、なんか、じーんとして、目頭が熱くなったんだ。
彼女、耳が超遠い、そして私の変な英語(?)の二重苦で、大変だったけど、本当にやりがいのある接客だった。っていうか、あの封筒のことを知ってたら、もっともっと丁寧に接客したかったと思った。