言語分析未来予測

上石高生
言葉の分析からの予測です。分析の正しさは未来に答えが出ます。分析予測は検証可能でなければなりません。

人民元改革

2010年09月08日 08時36分09秒 | 予測
 デフレの円高、という矛盾を、単なる投機家の消去法的判断では片付けられない。
 原因や問題は、中国の固定相場制という、世界経済の牽引役としては、あまりにも不平等な金融政策によるものだとしか考えられなかった。
 しかし中国は、2005年までは事実上の固定相場制だったが、2005年7月には管理変動相場制へと移行したという。

人民元改革(じんみんげんかいかく)とは、中国の通貨である人民元を2005年7月より管理フロート制(管理変動相場制)へ移行し、同時に通貨バスケット制を導入した事をいう。変動相場制を採り入れる事で通貨の価値が事実上上がるとの観測から、「人民元切り上げ」などとも呼ばれる。

 変動相場制への移行過程だと見られているが、管理フロート制(管理変動相場制)だと主要通貨全体のバランスの中で動くために急激な元高になるようなことはない。

管理変動相場制 中国、為替安定を重視(2005年7月22日 読売新聞)
自国経済の衝撃緩和狙う
 人民元が急激に切り上がれば、農産物などの輸入が増えて低所得の農村が被害を受けるなどの悪影響が予想されるほか、輸出や外資の直接投資に影響して景気が失速しかねない。このため、中国政府は、経済に与える打撃を最小限にとどめつつ、通貨改革を進めたいと考えた模様だ。
 ただ、単純な切り上げや、変動幅の拡大の場合、外国為替市場の関係者がさらなる切り上げを見込んで、元買いを進める恐れが大きい。そうした場合、中国政府にとって重荷になっているドル買い・元売りの介入を続けざるを得ない。
 第一生命経済研究所の嶌峰(しまみね)義清主席エコノミストは、「通貨バスケットなら主要通貨全体のバランスの中で動くことになるため、偏った動きになりにくい。中国政府が望ましいと考えたのは妥当だ」と見ている。


 中国の国内生産に影響がないように、管理フロート制(管理変動相場制)を導入したのだが、だからこそ他国の変動相場制通貨への影響は大きい。

 2006年5月15日には12年ぶりに1ドル=8元を超えた。

 2007年9月末、中国政府系ファンド設立。中国の外貨準備は、1兆4,336億ドル。この運用のために外貨準備運用会社を正式に設立した。中国投資の登録資本金は2,000億米ドル・約23兆円、中国政府が全額出資。
 2008年6月7日、原油先物、139ドルを突破。
 2008年7月11日、原油先物価格、147.27ドル。ここがピークとなる。(原油価格は7月3日、145.29ドルがピーク) アメリカ金融危機の始まり。
 中国は2008年7月に悪化する世界経済の状況のために、以前のドルペッグ制に戻した。この時のレートは、1ドル=約6.83元。
 2008年10月15日、中国政府系ファンド、61億ドルの巨額損失。

2010年6月に切り上げ
中国は2008年7月に悪化する世界経済の状況のために、以前のドルペッグ制に戻した。この時のレートは、1ドル=約6.83元。しかし、その後改めてアメリカなどの主要国から、人民元(再)切り上げへの圧力が高まり、2010年6月19日に切り上げを発表した。


人民元、切り上げまでの経緯(更新日:2010年06月23日)
6月19日、ついに中国政府はドルペッグ制を撤廃すると発表しています。
切り上げ発表後、2日間の値動き
週末の19日に切り上げを発表したので、外国為替市場における実際の値動きは、取引が行われる21日月曜から始まっています。
これまでドルペッグ制だった間は、1ドル=約6.83元に固定されていました。それが月曜の取引が始まると、人民元は上昇。1ドル=6.8元を超えて、6.7元台をつけました。しかしその後、22日火曜には6.8元台に反落しています。


 「元高で原油の輸入価格が下がり購買力が増す」動きのはずが、2010年9月1日には、1バレル=71.92ドルぐらいでしかない。石油在庫の増加、割高感があるという。中国の影響で「原油価格がさらに高騰する」という動きはないのだ。

 つまり、今の人民元高は、まだまだ実体に合っていないものであり、もっと高騰しても不思議ではない。
 しかし中国は保護主義であり、完全に変動相場制に移行する意志すらないのだ。

中国は人民元上昇を求める外的圧力に抵抗すべき=エコノミスト
ロイター 9月7日(火)17時41分配信
 李氏と余氏は「米国、欧州、日本による輸入が急激に鈍化し、同時に人民元が大きく上昇した場合、それらのマイナス要因の集合が、わが国の経済の大幅な調整につながる」と述べている。


 経済成長を遂げた中国の人民元が完全に変動相場制になったとき、為替市場は健全さを取り戻し、デフレ下の円は適正な価格へとなるのだろう。

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