エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#できる話 #できない話

2018-08-15 06:25:26 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの
 
現世考 : #主権在民 #8時間労働 #情報公開 #政治チャックするゆとり確保 #様々な立場の人たちとの日々の話し合い
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 ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『大切にされなかったら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』
 6章。「身体を失くすと,本当の自分も失くすよ」,p.102の,第4パラグラフ,8行目途中から。その前も一緒に。




生きている実感を失う病


 自分が生きている実感を忘れる梯子を(訳注:アレキサイミア 失感情語症から)もう一段下ったのが,生きている実感を失う離人症です。これは,自分が生きている実感を失う病です。ウテの脳画像は,第4章でみたように,空っぽで,生きている実感を失う病をはっきり示していましたね。生きている実感をなくす病いは,トラウマを負わされた体験をしている間では,よくあることです。むかし,自宅近くの公園で,夜,襲われて,意識がもうろうとして,雪の上に倒れ,手に小さな傷を負って,ナイフを手にした10代の若者3人に取り囲まれていたことがありました。手の小さな刺し傷の痛みも忘れて,少しも恐れずに,私は,空っぽの財布は返してくれ,と落ち着いて交渉していましたっけ。

  私がPTSDにならなかったのは,他の人たちを相手に,非常に詳しく研究してきた,1つの経験に強い関心があったおかげであり,警察に見せるために,私を襲った連中に絵を描かせることができる,と思ったからでもあります。もちろく,連中は1人もつかまりませんでしたけど,仕返しをしてやる,と空想したおかげで,私は生きがい感を満足できたんです。

 トラウマを負わされた人たちは,あまり幸せではありませんから,自分の身体とはバラバラになっていると感じます。生きている実感を失う病を上手に示した良い例は,ドイツの精神分析家,ポール・シルダーが,1928年にベルリンで出版したものです。シルダーは「生きている実感をなくした人にとって,この世の中は,馴染めないもの,変なところ,未知な世界,実感がない場所です。物事は,奇妙にも,大きさが小さくなるような気がする場合もあれば,活気がないなぁという気になる時も,あります。音は遠くから聞こえてくるような気がします。…いろんな気持ちは,同じように,コロコロ変わります。患者さんたちは,痛みも喜びも体感できない,とこぼします。…いろんな気持ちが,当事者にとって馴染めないものになっているんです。」と書いています。

 ジュネーブ大学の神経科学の研究グルーブが,側頭頭長接合部の特定部位に弱い電流を流すことで,同じような幽体離脱を引き起こせることに,私は魅了されたことがあります。ある患者さんのケースでは,同様の電気刺激で,天井からぶら下がって,自分の身体を見下ろしている感覚が生じました。別の患者さんのケースでは,同じ電気刺激で,自分の背後に誰かが立っているという不気味な感覚が生じました。この研究によって,私どもの患者さんたちが教えてくれていたことが,なるほど本当だ,と分かりました。すなわち,本当の自分が身体から離れて,それ自体が,1人のお化けみたいに生きている,ということです。同じように,ラニウスとフレウェンは,オランダのグロニンゲン大学の研究グルーブとは別に,恐怖を感じなくなっている人たちの脳画像を撮って分かったことは,出来事を思い出すときに恐怖中枢が働いていない,ということでした。

 


 恐怖を感じないのは,恐怖中枢が働いていないから。

 分りやすいことですが,症状だけ見て,こう見ることができるかと言えば,発達トラウマ障害の子どもの全体像と病因をよく知っていないと,できない話になります。

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