忙中閑話

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安保法案強行採決の愚

2015-07-14 | 随想

 問題の安全保障関連法案が衆議院特別委員会で”強行”採決され、明日にも衆院本会議
で”強行採決”されそうだ。
100時間以上をかけ審議をし尽したというが、国会での答弁では論点をはぐらかすばかりで
審議になっておらず全くかみ合っていない。

専門家である憲法学者の大半が”違憲”といっているのに、また国民の半数以上が反対
しているのに全く聞く耳を持たない。
 ※毎日新聞の調査  賛成が34%、反対が53%
  テレビ東京と日本経済新聞の調査 賛成25%、反対55%

口を開けば「国民に対して丁寧な説明をしていく」といってはいるが、「戦争につながることは
けっしてない」を繰り返すばかりでこれでは説明になっていないし当然理解は得られない。

「生命線であるホルムズ海峡が機雷封鎖されたとき機雷除去をやらなくてもいいのか」だの
「邦人救出の輸送船を警護している米軍が攻撃された時自衛隊が反撃できないのはおかし
い」だの、極端な例では「日本を守ってくれている米軍が攻撃されているのに日本は黙って
みているだけでいいのか」といった例が挙げられたがまったく陳腐な話である。

そもそも「日本を守ってくれている米軍」という件(くだり)がおかしい。米軍は日本が米国に
とっての極東戦略上の重要拠点なので守っているだけで決して善意で日本を守っている訳
ではない。自国の利益が最優先なのである。自国にとって価値がなくなれば簡単に見捨てる。
その良い例がイラク・フセイン政権に対しての対応である。反米イランの対抗勢力として
さんざんフセインを利用し、軍事支援までした挙句に、増長したフセインがクェート侵攻するに
至り一転して討伐する結果となった。民主主義であるはずの米国が独裁政権で
あるフセインを支持し援助するのだからその"民主主義”がいかにご都合主義であるかがわかる。
今は民主化が根付いた南朝鮮(韓国)もしかり。戦後数十年の間、駐留米軍の意に沿わなく
なった軍事政権が幾度となくクーデターで倒されている。

ホルムズ海峡の機雷除去はわかったようでこれもおかしな話である。イランが機雷を敷設
したとして、戦闘状態下では機雷除去は出来ないだろう。仮に除去できたとしても戦闘状態
下ではタンカーがいつ攻撃されるかわからないので運航できるはずもない。つまり休戦なり
の和平が締結されない限り機雷は除去できないはずである。そしてこの時に国会でこの件を
焦点を絞って審議すれば誰も反対する人はいないだろう。

それをなぜいま性急に事を急ぐのか、その理由、背景が全くわからない。べつに米国からの
強い要請があった風でもない。

祖父である岸元首相の安保条約にならって、岸さんのように歴史に名前を残したいだけなの
ではないかと思ったりする。岸さんは決して名宰相とは言われないのだが・・・。

安倍政権も今回の強引で独善的な運営をしていると先は決して長くはない。


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