映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。2008年のタナダユキ監督作品で蒼井優主演の「百万円と苦虫女 」です。
今回もアマゾンプライムにて観賞しましたが、以前、テレビで再放映されていて何気なく見てましたが、改めて観て良い作品なので紹介したいと思います。
主人公は、短大卒業後に就職もせずアルバイト暮しをしていた蒼井優演じる佐藤鈴子が、あることから拘置所に入ってしまい、退所後に家族を離れて前科の知られないように、知らない町を転々とするロードムービーです。
こんな内容だと、とても暗い感じに思いますが、鈴子は望んで犯罪を犯したわけでなく、むしろ被害者で、前科者となってしまったことで、年の離れた優秀な弟が、イジメにあってしまいお受験も出来ず悲惨な目に遭ってしまいます。弟は、姉の強さをみて絆を深め、手紙を通じて励まされる中で、彼女もそうした弟の事情を知ることで新たな自分を見つけて前に進むドラマが素敵です。
また、登場する俳優陣も豪華で、今やだれもが認める実力派が脇を固めています。特に短い出演ですが、ピエール瀧の現在のキャスティングとは違う演技が良いです。のちに恋人となる学生役の森山未來も、この作品の重要な役割を担ってます。
イジメや犯罪歴のある人に向けられる視線など、いつの時代にも通用する社会派ドラマの要素も持っているのでいつ見ても、地味に心打たれる映画です。