アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

共産躍進でも素直には喜べない

2014年12月09日 20時21分31秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな


 この際、正直に言います。いきなり決まった衆院解散・総選挙で、まず私の頭に浮かんだ事は、「またビラ撒きかあ、鬱陶しい」という、少々鬱屈した感情でした。
 私が生協に勤めていた時は職場の共産党支部で活動していました。生協を辞めた後もしばらく地元の支部に移って活動していましたが、仕事の関係で会議にも出られなくなり、数年前に党も辞めました。でも、今でも共産党員の人とは付き合いがあり、選挙ではいつも共産党に投票しています。
 但し、民主党政権の時だけ、選挙区は民主党に入れました。自民党に政権を取らせない為には、選挙区では共産党では勝目が無いので、比例区は共産党に入れるが、選挙区ではまだ当選の可能性のある民主党候補に入れようと。いわゆる「戦略的投票」というやつです。それ以外はずっと共産党に入れてきました。
 そして、近所の共産党員の人に頼まれて、選挙の時には自分の受け持ち地域で350世帯ほどビラ配布(ポスティング)も行ってきました。もう今は共産党員でもないのに、折角の休日を支持拡大の電話かけなどでつぶされるのは嫌です。しかし、350世帯ほどのビラ配布なら、たかだか1時間半ぐらいで終わりますし、良い運動にもなるので、頼まれた時は「それぐらいなら」と二つ返事でOKしました。
 でも、いくら「それぐらい」と言っても、公示から投票まで2週間しかない選挙期間中では、ビラ撒きの日も限られます。時間的に休日しかビラ配布は無理なので、その間は毎日、天気予報とにらめっこです。出来るだけ晴れた暖かい日に撒きたいですもの。でも、撒ける日は限られるので、最悪、どしゃぶりの雨や大雪の中でも撒かなければならないと、最初は少々憂鬱な気分でいました。

 しかし、その憂鬱な気分も、マスコミが報じる選挙の議席予想を見て、次第に奮い立ってきました。
 その頃はまだ、自民党が勝つか負けるか、新聞や週刊誌によって予想はまちまちでした。日刊ゲンダイや週刊ポスト、フライデーなどに自民大敗の見出しが躍る一方で、産経・読売などは自民大勝と書いていたように思います。
 同じように、維新など「第三極」政党の獲得予想議席数についても、半減から微増まで色々でした。その中で、共産党については、大体9~13議席というのが、選挙序盤戦での大方の予想でした。酷いのになると、次世代が13議席も取るのに共産党はわずか9議席しか取れないとか、そんな予想も少なくありませんでした。
 民主党や維新の党に負けるのはまだ仕方ないとしても、さすがに次世代の党なんかには負けたくありません。口を開けば拉致や尖閣と靖国しか言わず、後は自民党と一緒になってアベノミクスの宣伝や、未だに「非正規のバイトが貧しいのは本人の努力不足」とかいう、古くさい精神論・根性論を振り回すしか能のない、バカウヨ・ジジイどもの集まりに、なんで天下の共産党が負けなアカンねん!いくら、今の共産党に昔のような勢いはないと言っても、「そこまでコケにされて堪るか!いくら何でも、爺世代なんかに負ける訳にはいかない!」と、俄然、対抗心が湧いてきました。

 それが、投票まで後1週間に迫った途端に、どのマスコミも判で押したように「自民300議席超え、単独でも過半数突破」「民主は上乗せもせいぜい微増まで」「共産倍増、小選挙区でも議席獲得の可能性」と報じ始めたものだから、もう驚いています。確かに、共産党は昨年の東京都議選、参院選でも躍進しましたが、これはどちらも小選挙区制ではなかったから躍進できたのであって、衆院選はそこまで甘くないと思っていましたから。
 「かつて一番多い時で41議席もあった党が、いつまでも8議席や9議席では、もうやってられんわ。せめて二桁の大台には乗せたいなあ。いくら何でも、石原慎太郎の知名度だけでどうにか持っているような、右翼ジジイどもなんかには負けたくはない!」・・・そういう気持ちでいた中で、降って湧いたような躍進のうわさに私もびっくり。
 しかし、たとえ、そのように共産党が躍進したとしても、とても素直に喜ぶ気にはなれません。確かに「共産倍増」は嬉しいし、心情的にはもっと議席を取って欲しいくらいですが、その一方で「自民単独でも過半数突破」では、もう改憲発議されてしまうではないですか。
 アホなネトウヨは二言目には「中国・北朝鮮から国を守れ」と言うが、その国でなぜ安倍なんかが、アベノミクスやオリンピックやカジノやリニアにうつつを抜かしてられるのか?本当に中国や北朝鮮が攻めて来るなら、アベノミクスやオリンピックにうつつを抜かしている暇なんかないはずだ。本当は「国を守る」のではなく「自分達の利権を守りたい」だけなんだろう。そんな奴らの為に、若者は自衛隊に召集され海外の戦地へ送られ、中高年は福島原発での勤労奉仕に動員され、戦争や放射能なんかに殺されて堪るか!
 


 一体、本当に今度の選挙で自民党はボロ勝ちするのだろうか?そう思ってこの数日色々と調べてました。その中で見つけたのが「【総選挙予測】各党の議席はどうなる?2014年衆議院総選挙の結果予想・情勢調査まとめ」というサイトに載っていた上記の表です。今までの各識者やマスコミ媒体による予測獲得議席数を比較したものです。
 そこで面白い事に気付きました。マスコミが「自民党の300議席超え」を声高に叫び出し、ヤフーの12月5日の調査で「投票率50%で300議席」「60%では311議席」といった大化け数字が出る前までは、一部を除き「250~280議席台」と言うのが、識者やマスコミが予想した自民党の議席予測です。なぜそんな低めに予想していたかと言うと、不意打ち解散による野党の選挙準備・候補者擁立の遅れが逆に、選挙区レベルでの野党候補一本化を促す事になり、自民党との接戦に持ち込めたのだとか。実際、自民党関係者による「前回は余りにも勝ち過ぎたので、今回は野党がどうあれ自民党は20議席ほど減らす」という声も、報道の中で紹介されていました。
 そして、自民党の議席減予想の中では、自民党に取って代わる勢力として、維新や次世代などのいわゆる「第三極」政党に、比較的多めの議席を割り振っていました(維新30~40台、次世代4~15)。その中で共産党は9~15と、伸長するとは言っても次世代ともそう変わらない議席予測に終わっていました。
 それが、マスコミが自民300議席超と騒ぎ出した途端に、ヤフーの選挙予測も、民主党は70~100から60議席台に一気に伸び幅を縮小させ、次世代・生活・社民に至っては議席ゼロの可能性も指摘する一方で、共産党だけは序盤戦での10議席前後から20議席以上に躍進と、それまでとは明らかに違う予測を出し始めました。

 「自民党は意外と負けるかも」という当初予想が影を潜め、「解散前よりも更に大幅に上乗せ」に変わったのは一体なぜなのか。私が思うに、野党の選挙協力が、マスコミが思う程、有権者には評価されていなかったのではないでしょうか。反自民だ何だと言っても、対抗馬も元自民の保守系が大半で、議員体質も「自民と似たり寄ったり」では、白けるのも当然です。
 例えば東京14区。ここは元職の木村剛司(きむら・たけつか、民主→未来→生活→民主)が、他の野党の支援も受け、「うちわ」問題で大臣を辞職した松島みどり(自民党)を猛追している選挙区です。自民苦戦が伝えられる数少ない選挙区の一つで、私も「大臣を辞任した候補者を公認するような、国民を舐めきった自民党には絶対に勝たせたくない」と思っていたのですが・・・。
 松島がなぜ苦戦しているかというと、所詮「代打」候補だからです。元々この選挙区は、西川太一郎という保守系政治家(元・荒川区長)の地盤で、その西川が自民党と袂を分かち保守新党に行ったので、それに対抗する為に出てきたのが松島でした。だから、大臣経験者であってもまだ地盤が固まっていない。その上、人柄もイマイチで地元の人気も余り良くない。だから過去にも何度か落選の憂き目にあった。安倍もよくそんな「代打」を大臣にしたものです。
 だから、私も木村にはちょっぴり期待していたのですが、彼も元は西川太一郎の秘書だったとか。おまけに所属政党もコロコロ変わる「政界渡り鳥」では、地元の有権者にとっては、所詮は「どっちもどっち」でしかありません。この木村という人が、アベノミクスだけに限らず、秘密保護法や集団的自衛権行使についても、どういうスタンスでいるのか詳しくは分かりませんが、余り積極的には反対していなかったのではないでしょうか。集団的自衛権行使の「閣議決定には反対」する一方で、米軍の駆け付け警護もOKの「領海警備法案」を提唱したりしているし。
 いくら野党統一候補と言っても、こんな候補者ばかりでは、有権者は白けるばかりです。いくら「アベノミクスで潤うのは勝ち組だけだ」と感じていても、対抗馬も自分とは別世界の「勝ち組」では、果たしてどれだけの人が「投票しよう」という気になるか。

 今度の選挙で、野党では唯一、共産党が躍進すると言われていますが、果たしてどれだけ喜んで良いものやら。確かに、自分の支持政党が躍進するのは嬉しいですが、与党が衆院でも議席の3分の2以上を制するようになれば、参院で否決された法案の再可決はおろか、憲法改正の発議まで可能になってしまいます。その中で、たかだが20や30に議席数が伸びた所で、一体どれほどの効果があるか。
 それでも、負けるよりかは勝つ方が良いに決まっているし、民主も維新もダメでは、もう共産党しか入れる所はないので、今回も共産党に入れます。但し、12月14日の投票日は仕事なので、期日前投票にするか、定時退勤して帰ってから投票所に行くか、どっちにしようかまだ決めていませんが。でも、絶対に棄権だけはしないようにしようと思っています。
 その中で唯一希望が持てるのは、「第三極も自民と似たり寄ったり」というのが、ようやく有権者にも浸透してきた事です。今まで、自民党がたとえ選挙に負けても、代わりに民主党や第三極が伸びただけで、共産党にはなかなか票が入りませんでした。たとえ一時的に入っても、また別の第三極が登場して、そちらに流れたりしてきました。でも、その第三極も結局は自民党と似たり寄ったりなら、「やっぱり何だかんだ言っても自民党しかない」となってしまったのが、事の真相ではないでしょうか。一般の有権者にとっては、秘密保護法や集団的自衛権や沖縄の基地問題なんて、まだまだ他人事ですから。本当はそうじゃないのだけれど。
 今度の第三極衰退が、その悪循環から抜け出すきっかけになれば良いのですが。今頃そんな事言っても、もう手遅れかも知れませんが。これは、私も一時期、選挙区は民主党に入れた事があるので、自戒を込めて言うのですが。
 少なくとも沖縄の4選挙区については、野党統一候補が全勝して欲しい。翁長(おなが)新知事後援会「ひやみかち うまんちゅの会」の推薦を受けた沖縄の野党統一候補は、全員、辺野古移設にも集団的自衛権にも反対です。本土の「なんちゃって野党・第三極」とは違い、いずれも筋金入りの反自民です。自民・維新が野党分断の為に差し向けた1区の当て馬(下地幹郎)なんかに騙されずに、全員当選して欲しい。
 その上で更に欲を言うなら、安倍晋三の山口4区や小渕優子の群馬5区でも、極右の維新や次世代を除いたリベラル系の野党統一候補を擁立して欲しかったです。両方とも民主党も維新も出馬していないのですから。大臣辞任に追い込まれた小渕も平気で公認するような安倍晋三を、このまま勝たせるのは余りにも癪です。
 自民以外に、山口4区では共産と生活、群馬5区では共産と社民が出馬しています。共産・社民・生活の3党間では、まだ統一公約の策定も可能だったのでは。少なくとも「民主と維新」ほど酷い事にはならなかったと思います。もし、そこで出馬していたら、それでも多分当選は無理でしょうが、たとえ負けても、後の有権者に与えるインパクトはまた違ったものになっていたかも知れません。ヤクザ映画の中で菅原文太が言った「弾はまだ残っとるがよ」の台詞ではありませんが、万一、そこで安倍晋三を落選させる事が出来れば、安倍は比例重複候補ではありませんから、「それだけで安倍政権も直ぐ打倒できるのに」と思うと、もう残念でなりません。
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