アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

ワタミも橋下も絶対に許さない

2012年02月27日 21時38分56秒 | 都構想・IRカジノ反対!
  

 先日の「過労自殺より皇族のニュースを優先するのは人民に対する差別だ」と書いた記事の中で、居酒屋チェーン「和民」(ワタミ)での過労自殺事件についても少し言及しましたが、その後もこの事件について調べるにつれ、とても「少し言及」位で収められるような事件ではない事が、次第に明らかになってきました。

 この事件は、ワタミに就職後僅か2か月後の2008年6月に、過労自殺で亡くなった元店員・森美菜さん(26歳)の労災が、過去の不支給決定を取り消して、この2月14日にようやく認定されたというものです。森さんの勤務実態は、神奈川労連ニュースによれば次のような無茶苦茶なものでした。
 (1)一週間の座学後、月約140時間もの残業を強制(2)最大7日間連続の勤務(3)研修もまったくないまま、なれない大量の調理業務(4)休日や勤務終了後もレポート書きに追われ、十分な休息時間がとれなかった(5)体調不良を訴えていたにもかかわらず会社はなんら適切な措置をとらなかった(6)さらに朝3時に閉店後も電車が動いていないため帰宅できずお店にいて始発電車で帰ることとなり、過度な疲労と精神的負担が蓄積された・・・。
 更に北海道新聞の記事によれば、自殺直前にノートに次のような書置きも残していました。
 「体が痛いです。体が辛いです。気持ちが沈みます。早く動けません。どうか助けて下さい。誰か助けて下さい。」
 そういう状況にまで労働者を追いつめておきながら、ワタミ会長の渡辺美樹が労災認定直後にツイッターで吐いた暴言がこれです。

● 労災認定の件、大変残念です。四年前のこと 昨日のことのように覚えています。彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理できていなかったとの認識は、ありません。ただ、 彼女の死に対しては、限りなく残念に思っています。会社の存在目的の第一は、社員の幸せだからです。(2/21 22:55)
● バングラデシュ 朝、五時半に、イスラムの祈りが、響き渡っています。たくさんのご指摘に、感謝します。どこまでも、誠実に、大切な社員が亡くなった事実と向き合っていきます。バングラデシュで学校をつくります。そのことは、亡くなった彼女も期待してくれていると信じています。(2/22 14:59)

 何が「彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていた」「労務管理できていなかったとの認識はなかった」じゃ、白々しい。バングラデシュで学校を作るのに、彼女を勝手にダシに使うな。その学校建設も、決してバングラデシュの事を思ってやったのではないだろう。ただ単に己の出世と会社の金儲けの為に、バングラデシュを踏み台にしているだけやないか。彼女が望んでいたのは決してそんな事ではない。お前の所のような人でなしやブラック企業を根絶する事以外にはあり得ない!それは実際に、お前の次のような言動からも充分明らかだ。

● 『無理』というのはですね、嘘吐きの言葉なんです。途中で止めてしまうから無理になるんですよ。途中で止めるから無理になるんです。途中で止めなければ無理じゃ無くなります。(中略)
 途中で止めてしまうから無理になるんです。止めさせないんです。鼻血を出そうがブッ倒れようが、とにかく一週間全力でやらせる。そうすればその人はもう無理とは口が裂けても言えないでしょう。(TV番組「カンブリア宮殿」での発言より)
● たとえばビルの8階とか9階で会議をしているとき、「いますぐ、ここから飛び降りろ!」と平気で言います。 本当に飛び降りたやつがいなくてよかったなと思いますけれど(笑)、これはその場で、心のままに叱るからです。(ロイターの取材記事での発言より)

・残業月140時間超。自殺を労災認定されたワタミは天地神明に誓ってブラック企業(デジタルマガジン)
 http://digimaga.net/2012/02/sweatshop-watami
・ワタミ渡邉美樹会長、労災認定された社員の自殺すら“総理大臣になる夢”のために利用(同上)
 http://digimaga.net/2012/02/watami-watanabe-dream-premier
・ワタミ・ブラック企業伝説まとめ(こころ世代のテンノーゲーム)
 http://d.hatena.ne.jp/umeten/20110216/p1

 正に「ふざけるな!」以外の何物でもありません。
 かつて私が「いずみ生協」を退職する直前の時期も、新自由主義化で人員が削減された上に業務委託やIT導入により、人は減らされた上に業務分担見直しやシステム変更で逆に仕事は増やされ、IT教育や業務引き継ぎもまともにされない中で、美菜さんと同じように朝7時位から夜の2時・3時と働かさせられていました。酷い時は日曜も休みなしで2週間連続勤務で。勿論全てサービス残業です。しかも「何でそんな時間まで勝手に残って仕事していたのか」「何とかお前の過重労働を減らそうと、みんな必死で取り組んでいるのに、当のお前がそんな他人任せでどうする」と叱責までされて。勝手に人を減らしといて、ロクに引き継ぎ・教育もしないで、責任だけ個人に擦り付けて。
 当時のいずみ生協は、「民主主義は口先だけ、実態は新自由主義そのもの」の「北朝鮮・スターリン生協」でした。職場運営は軍隊調で、会議では部長が下級職制をよく怒鳴りつけていました。そして下級職制(副センター長やグループ長)が私にその鬱憤をぶつけていたのです。
 つまり、「彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理できていなかったとの認識は、ありません。」というワタミ会長の認識と同じです。具体的なフォローは何もせずに、ひたすら個人に責任転嫁しておいて、「みんなもクソ忙しい中で、お前を何とか助けようと頑張っているのに、お前が全体の足を引っ張っている!」と。恐らくそういう認識なのでしょう。

 だから、彼女の置かれた立場は私にも痛いほど分かるのです。一歩間違えれば私も美菜さんのように自殺していたかも知れません。その寸での所で、私は「もういい加減にしろや、民主主義は口先だけの<大日本帝国><北朝鮮・スターリン生協>が!」と見切りを付ける事で生協を脱出できましたが、それはまだ私にそれだけのエネルギーが残っていたからこそ出来た訳で、その最後のエネルギーさえも枯渇してしまったら、恐らく私も自殺していたでしょう。美菜さんがノートに書いたような事を、私も深夜一人で作業している時に口走っていましたから。最後の「助けて下さい」が「いつか仕返ししてやる」と違っただけで。
 こんな状況で幾ら「お前がまず何とかしろ!」と言われても、一体何が出来るのでしょう。勝手に翼をもぎ取っておいて「何故飛べないのか!」と言っているようなものでしょうが。それを何とかするのが、管理者・経営者と違うのですか。それを何もせずに、会議で怒鳴り散らしたり「お前が悪い」と個人に責任転嫁するだけなら、どんなアホでも経営者になれます。オリンパスや大王製紙の社長のように。
 その挙句に、「一週間全力疾走」「ビル8階から飛び降り」強要で殺された上に自殺(自己責任)で片づけられたのでは、死んでも死にきれません。しかもタチが悪い事に、「類は類を呼ぶ」ようです。

・「ワタミ」会長に教育アドバイザー要請
 大阪市の橋下徹市長は20日夜、飲食店チェーンなどを展開するワタミ会長の渡辺美樹氏と東京都内で会談し、大阪府と大阪市の教育アドバイザーへの就任を要請した。
 渡辺氏によると、橋下氏からの要請で会談。約2時間にわたり、今後、大阪府と大阪市に首長提案する予定の教育基本条例案などについて意見交換した。渡辺氏は学校法人の理事長を務め、政府教育再生会議委員などを歴任した経歴もある。
 会談後、渡辺氏は「(橋下氏から)府と市で合同の教育委員会を開くので、アドバイザーになってほしいと要請があった。全面的にお手伝いするのは難しいが、現場が分かっているのでいいですよと伝えた」と発言。教育基本条例案については「基本的にはよくできている」と評価した。(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/111221/waf11122107130001-n1.htm

・橋下氏、9条改正議論を公約に 「国民投票やる」
 大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は24日、戦争の放棄などを定めた憲法9条の改正について、報道陣に「2年間かけて議論し、国民投票をやる。そこまでが大阪維新の会が主張すること」と述べ、次期衆院選向けの維新の会の政策集「船中八策」に盛り込む考えを示した。
 橋下氏は9条の重要性について「日本の国柄を決める天皇制と同じくらいの問題」との認識を示し、「日本人全体で9条をどうするか決めなきゃいけない時に来ている」と主張した。
 憲法改正案の発議に衆参両議院の3分の2以上の賛成が必要と定める96条の改正を先行させる考えを示した。そのうえで、9条の改正内容については「政治家がああだこうだと決めず、国民のみなさんに決めていただく」「国民の考えに乗っかって政治をやるのもありだ」とし、公約ではプロセスを示すだけにとどめる考えだ。(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/politics/update/0225/OSK201202250001.html

 ブラック・ワタミを師と仰ぎ教えを乞う。この一事を以てしても、橋下徹が小泉純一郎や石原慎太郎と同じゴリゴリの右翼・新自由主義者(弱肉強食論者)である事が分かります。「労働者は24時間会社の為に働き、国民はお国の為に死ね」「労働者や国民には人権なぞない、あるのは<戦争で殺される自由><搾取される自由><支配者の言いなりになる自由>だけだ」というのが、サラ金顧問弁護士だった頃から変わらない橋下の本音です。だから、私学助成の拡充や学費軽減を求めに来た高校生にも、「悔しかったらアンタが選挙に出て俺に勝ってみろ」「定期代ぐらいバイトで稼げ」と、冷たい言葉を平気で吐けるのです。
 そして、戦争反対をいう平和主義者や労働者の人権を主張する組合を目の敵にし、憲法9条改正を突破口に、日本国憲法の人権規定そのものを無き物にしようとするのです。
 そのくせ、自分が火の粉を浴びるような事だけは絶対に避けようとする。自分から9条改憲を煽っておきながら「あくまでも決めるのは国民だ」と逃げるのも、己の手は汚したくないからです。橋下は、光市母子殺害事件弁護士懲戒請求の時も、自分からそれを仕掛けておきながら、懲戒請求の当事者には絶対になろうとしませんでした。それと同じです。どこまでも腹黒くて卑怯な奴です。

 こんな橋下を放っておいたら、大阪中いや日本中がブラック企業だらけにされてしまいます。「戦争放棄」も「思想信条の自由」も「国民の生存権」も「労働者の団結権」も全て有名無実化されて、<殺される自由><搾取される自由><言いなりになる自由>だけになってしまいます。橋下が主導する職員・教育基本条例も、<お上言いなりの奴隷育成>が目的です。
 それに対して、「いや、それは下種の勘繰りだ」「橋下が問題にしているのはあくまでも行き過ぎた組合活動に過ぎない」「決して思想統制や組合弾圧を狙っている訳ではない」という方は、今のJRを見て下さい。過去にそうやって「行き過ぎた労組活動」を抑えつけ国鉄分割民営化が強行された後、JRはどうなりました?金儲け至上主義の経営に走り、不当労働行為を社内にはびこらせた挙句に、信楽高原鉄道事故や福知山線事故の責任もとろうとしないブラック企業に成り下がってしまったじゃないですか。大阪市も必ずそうなります。
 絶対にそんな事はさせません。私はこいつら、ワタミのようなブラック企業の経営者や、それを庇いだてする橋下のような「労働者の敵」を、絶対に許しはしない。どこまでも追いつめ徹底的に粉砕する。
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3 コメント

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展望 (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2012-03-01 18:27:54
エントリーと無関係の話題だけど、最近、ネット活動してて展望が出てきましたよ。
無党派の左派やネトウヨだった人の中にも名目だけの共産党員やカルト左翼なんかよりずっと健全・有能な人間がけっこういそうだということが判ったんです。

ま、さすが日本人、先進国国民ですねwww
ただ、まだみんな、理論的なことには弱そうですね。具体的・個別的な時事・政策問題ではけっこう良いセンスをみせるんですが、そこから上昇して普遍化された理論にまではなかなか到達してくれない。
新自由主義批判や橋下論、メディア論なんかでも事実批判レベルまでで、本質論や「実在する当為」にまでは眼が行かない。憲法9条がナゼ単なる理想などでは無く現実なのか?とか、「情報」とは何か?というような抽象的な議論は避けられちゃうw

ま、前進は何事も一歩一歩でしょうね。
大阪は自治体労組も党組織も・・・・ (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2012-03-03 18:56:02
三百代言ハシゲの公務員攻撃もヤツのトンデモ暴走劇場の主力商品だけど、一方の公務員労組の方もハシズムや敵側にあまり攻撃の口実を提供しないで欲しいよね。
やっぱ大阪は自治体労組運動も問題は根深いみたいじゃん。おまけに共産党の府組織もどうにもならん状況みたいね。また「批判派」の内部告発サイトが立ち上がったみたいじゃないw

http://egalite65.com/index.html
仰る通りです。感服します。 (河原)
2012-03-25 16:04:18
>私はこいつら、ワタミのようなブラック企業の>経営者や、それを庇いだてする橋下のような
>「労働者の敵」を、絶対に許しはしない。
>どこまでも追いつめ徹底的に粉砕する。

貴方と全く同感です。
また、危機感を全然持たないかのように見える日本人が多すぎることも、私は心配です。

町のどこへ行っても、小学生から、初老のおばさんまで、携帯電話やPSPで遊んでいる。
こんなことをしている間にも、恐ろしい勢力が、日本を覆いつつあるのに・・・。

ワタミも橋下も恐ろしいですが、TPP推進ありきの、民主党も恐ろしい。日本はUSAの属国ではない。民主党には、完全に騙された気分です。
                     もうあまり時間がありません。
マスゴミ連中は、まるで頼りにならないし・・・。

せめて、ネットの力を信じて、私たちが、できることを、やっていくしかありません。 

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