シリア・レバノンを知るための64章 (エリア・スタディーズ123) | |
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シリアの平和を願う署名に協力して下さい!
発信者: シリア支援団体サダーカ / The Syrian Support Organization Sadaqa
Meguro-ku
[本キャンペーンの動画はこちら→http://youtu.be/Lzf-Lxe3tgI]
2011年3月に始まったと言われるシリアの紛争では、国連の発表によるとすでに10万人以上が命を落とし、全人口の4分の1以上に当たる550万人以上が住んでいた家を離れて国内外へと避難をする事態となっています。
混乱や戦争の犠牲になるのはいつも弱者です。
何かを良くしたいと始まったはずのシリア人たちによる行動は、この2年の間に、外国の利害も絡み合う悲惨な戦争へと変化しています。私たちの良く知るシリア人の友人は、「もうシリアは終わりだよ」と嘆きながらも、紛争による被害が大きい地域への食糧配布、家を失った人々への避難場所の提供など、シリア国内での支援活動に奔走し続けています。「この紛争さえ終われば、必ずやこの国はまた復活できる」、そんな信念が痛いほど伝わってきます。そして、「シリアはまだ終わっていない」と私たちも信じています。
この「シリアという国の平和を諦めない」という想いを込めて、「シリアの平和を願う署名」という小さなアクションを始めたいと思います。
このキャンペーンは、日本の終戦記念日の8月15日から、9月21日の国際平和デーまでの期間で、できる限り多くの日本人から、「シリアの平和を願う」というシンプルな署名を集める活動です。多くの日本人が1日も早くシリアが平和になることを願っているというメッセージを、シリアの友人たちへ、そして、世界中へと一緒に伝えていきましょう。
シリア支援団体サダーカ
http://www.sadaqasyria.jp/
(以上転載)
前回記事でシリアの事を取り上げた後、Change.orgの上記署名を呼びかけるチェーン・メールがタイミング良く回ってきたので、私も賛同の上ここに紹介しておきます。シリアに一日も早く平和が来ますように。
ただ私は、上記難民の窮状を口実に、シリアに戦争を仕掛けようとする米国オバマ政権の企みには断固反対します。
その理由は第一に、そもそも米国にそんな事をする資格はありません。米国は「残虐な化学兵器を使って反政府運動を弾圧している」とシリアのアサド政権を非難しています。しかし、広島・長崎に原爆を投下し、ベトナム戦争では枯葉剤を、湾岸戦争やイラク戦争では劣化ウラン弾を使った米国が、かつての自国の化学兵器使用を棚に上げて、シリア政府を非難する資格はありません。
第二に、そのシリアでの化学兵器使用の証拠もあやふやです。米国はなかなか証拠を開示しようとはしません。おそらく開戦間際になって、ようやく証拠を開示してくるでしょうが、その検証もろくにさせずに、それを侵略の口実にするなぞあってはならない事です。イラク戦争の愚を再び繰り返すような真似をさせてはなりません。
第三に、同じ独裁国でも親米独裁のサウジやエジプト、バーレーンに対しては庇い立て、リビアやシリアの様な反米独裁国だけを目の敵にし、一方的に先制攻撃に踏み切るのは、「民主化」支援というのはあくまで口実に過ぎず、実際は中東の石油確保の為の「帝国主義」的侵略に他なりません。
第四に、同じアラブの反独裁・民主化運動でも、チュニジアやエジプトでの運動とリビアやシリアでの運動とは、大分様相を異にしており、それを十把一絡げに「アラブの春」と無条件に肯定する事は出来ないのではないかと、最近では思い始めています。前者にはまだ曲がりなりにも独裁政権下での自由抑圧や格差拡大に怒る民衆の怒りが根底にありました。しかし後者については、当初は前者同様に市民の民主化運動として始まったものの、やがて反政府派勢力に元軍人や周辺諸国からの介入が加わる事で、今は寧ろ大国の代理戦争に変質しつつあるのではと感じ始めています。最近では反政府勢力同士の対立や、内部でのイスラム原理主義者の台頭、反政府側による化学兵器の使用疑惑まで出るに至っています。それを抜きに「民主化の為に」「人道的な限定空爆を支持しろ」と言われても、賛同や容認なぞ到底出来ません。
以上の点を踏まえた上で、たとえそれがシリアの様な反米独裁であろうとも、その反米・反イスラエル等のスローガンもまた独裁体制維持のお題目にしか過ぎません。その独裁や圧政の犠牲になるのは常に民衆であり、民衆をまず救わなければならないとの一点から、上記の署名に賛同する事にしました。