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人間の尊厳を踏みにじる片山さつき・世耕弘成を絶対に許さない

2012年05月28日 00時33分14秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
河本準一、母親の生活保護問題は「考えが甘かった」


 お笑い芸人「次長課長」の河本準一が、母親の面倒を見ずに生活保護に頼りきりにさせたと、ここ数日大騒ぎになっていますが、何故そんな騒ぎになるのか全然理解出来ません。この問題を取り上げた「絵文録ことのは」というブログの記事によると、実際の経過は次のようなものでした。

1.母は病気のため働けなくなり、自分で生活保護の手続きをしてきた。河本氏に福祉事務所から連絡があったが、当時の年収は100万円を切っており、生活費の援助ができなかった。そこで生活保護受給が始まった。
2.数年後(5年ほど前)、全国のテレビ出演ができるようになり、福祉事務所から援助の問い合わせがあったため、援助を開始した。この援助額については福祉事務所に連絡してあり、その分が生活保護から減額されている。
3.さらに数年後、事務所から援助増額の相談があり、増額した。その分はもちろん生活保護から減額されている。
4.そしていよいよ生活保護の必要がなくなり、生活保護は打ち切りとなった。

 これを読む限り、河本には別に何の落ち度もありません。意図的に収入を誤魔化したり粉飾していた訳ではないのですから。最初は母親を養えず福祉の世話になっていたが、その後次第に芸人として軌道に乗るに従い、福祉事務所の求めに応じて母親にも仕送りするようになった。勿論、その仕送りの開始時期や仕送り額が果たして適正だったかどうかという問題はあります。本当はもっと早く仕送りを開始すべきだった、或いはもっと多額の仕送りをすべきだったのに、福祉事務所からの詰めが甘かったのを良い事に、ついついそのままにしてしまったというのが、恐らく実際の所ではないでしょうか。
 そんな事は、私たちの間でもよくある話でしょう。謂わば「毎月の給料のうち幾らを仕送りに回せるか」といった類の、個人の資質・能力に属する問題です。毎月10万円回せる強者もおれば、全然回せない「親のスネカジリ」もいる。そりゃあ後者は前者より「考えが甘い」のかも知れませんが、別に犯罪を犯している訳でも何でもない。そもそも、そんな個人的な事で第三者からとやかく言われる筋合いはない。そんな問題を、何故さも国家の一大事であるかのように、政治家やマスコミが取り上げるのかが全然理解できない。そんな問題で大騒ぎするなら、かつての住専・銀行や今の東電への公的資金投入の方が、よっぽど道義や道徳に反しているのではないでしょうか。

 それで大騒ぎした末に出てきた議論が、生活保護費の切り下げや受給の厳格化とは。片山さつきが、この問題で、さも鬼の首でも取ったように大はしゃぎしていますが、私は寧ろ河本よりも、火付け役の片山や世耕弘成(ひろしげ)のこれらの発言の方が、よっぽど犯罪的だと思いますね。 
 http://satsuki-katayama.livedoor.biz/archives/7114897.html

 その結果どういう事が起こるか。それは、数年前に北九州市で起こった生活保護門前払いの「水際作戦」による孤老の「おにぎり食べたい」餓死事件や、今年に入ってからも札幌で起こった姉妹の餓死事件を見れば、一目瞭然ではないですか。これはもはや「個人の資質や能力、甲斐性」なんかでは済まされない、国家権力による立派な「殺人」です。片山さつきや世耕弘成はそれに手を貸したも同然です。謂わば、この2人が北九州の老人や札幌の姉妹を死に追いやったと言っても、過言ではないでしょう。

(札幌)40代姉妹死亡 生活保護の申請を窓口で拒否され追い返される


 これは決して身寄りのない人間だけに当てはまる問題ではありません。一応身寄りがあっても、実際は親や子が経済的に困窮していて頼れなかったり、勘当されたり音信不通で親子の縁が切れていたり、DVなどで頼るどころではないケースも決して少なくない事は、ホームレスやネットカフェ難民、「派遣村」の惨状を見れば分かるでしょう。先述の「絵文録ことのは」でも列挙されていた、次の様な事が起こるのです。

1.「援助可能な収入のある親族」が存在するものの、実際には援助を受けられない立場の人たちが、ただ単に「援助可能な人がいる」というだけで生活保護を受けられなくなること。
2.不正受給は改善すべきであるが、単純に「不正受給をなくすためには受給条件を厳しくすればよい」という流れになって結局、必要な人に必要な生活保護が認定されないこと。
3.不正受給の追及にのみ専念し、生活保護を必要とする人が増えている現状を何も変えようとしないこと。
4.そもそも、不正受給分が適正に配分されたとしても、生活保護が全然足りていないという現状から目をそらし、「不正受給のせいで必要な人に回らない」という考えで不正受給叩きに専念すること。(注:今でも実際の受給者は有資格者の約2割のみ)
5.門前払いが厳しすぎたり、一度受給すると生活保護から抜けることが難しくなるという現状の問題点が見逃されること。
6.別に不正でも何でもないことを不正だ不正だと騒ぎ立てることに対して疑問を抱いたら「不正受給者を擁護する」と扱われること。
7.「自分の払った税金」が他の人に使われることに対する嫌悪感が拡大すること。(注:そんな嫌悪感が広がれば社会保障自体が成り立たなくなる)
8.「払えるのに払わなかったのは許せない」という道徳・倫理的な「反感」が、いつの間にか「社会正義」扱いされ、巨大な圧力となって数々の弊害を招くこと。
9.「子は親を養って当然(社会に養わさせるな)」が今後の高齢化社会においても強固な信念として抱かれ続け、その結果として自分の親の介護負担が過重なものとなってそこから逃れられなくなること。(注:今や子の扶養義務だけではどうにもならなくなったから介護保険も生まれたのだろう)
10.河本氏と無関係な「民族問題」になぜか結びつけられること。(注:何でも在日外国人の犯罪に結びつけ、貧困・格差の目くらましに利用されるという事)

 福祉は「憐み」や「思し召し」なんかではありません。基本的人権の一つです。そうであるにも関わらず、福祉を人権(生存権)として捉えられず、まるで「施し」であるかのように捉え、「財源がなければ仕方がない」とか「有難く頂戴しろ」といった議論が横行しています。財源がなければ餓死しても良いのか。そんな目にあわされても「有難く頂戴」しなければならないのか。
 実際の不正受給者は生活保護受給者全体の僅か0.3%、千人のうちで3人いるかいないかなのに、さもそれが一杯いるかのように報道されています。生活保護費を巻き上げタコ部屋みたいな所に押し込める所謂「貧困ビジネス」にしても、実際は行政の一部も、貧弱な福祉予算や公営住宅の受け皿として見逃してきたくせに、問題が明るみに出た途端に、それを更なる福祉削減の口実に利用しようとしているのです。不正受給の事案の中には、大阪・岸和田や北海道の事例の様に、福祉削減の口実の為に、右翼暴力団を泳がせてきたものも、少なからずあるのではないでしょうか。

 その挙句に生活保護費の切り下げとは。昔は生活保護費も雀の涙ほどの、それこそパンツ一枚も買えないような金額だったのです。それに対して、朝日茂さんという方が「人間としての生活を取り戻す闘い」に立ち上がり、その「人間裁判」の運動の成果によって、ようやく今の水準に到達したのです。片山さつきや世耕弘成のやっている事は、その朝日茂さんの遺志を踏みにじり、歴史の針を逆向きに回すものでしかない。
 これは決して他人事ではない。今はどうにか働く事が出来る私でも、いつ何時腰痛が悪化して生活保護を受けなければならなくなるか分からないのですから。生活保護なんて、受けずに済めばそれに越した事はないのです。最低限度の生活費だけしか貰えず貯金もままならない、誰がそんな生活を好き好んでするものですか。それでも働く事が出来なくなれば、嫌でも生活保護に頼らざるを得ないのです。そんな最低限の権利(何度も言うが、これは決してお恵みなんかではない!)すら認めないとは、もはや鬼畜の所業とも言うべきものです。私は絶対にこいつらを許さない。

人間裁判―朝日茂の手記
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大月書店


※引き続き追記あり:この件に関する生活保護問題対策全国会議の声明文を、参考資料として当ブログにも必要に応じて転載していきます。下記リンクをクリックしてお読みください。このブログにも、「河本の母親が生活保護を辞退したのはつい1ヶ月前じゃないか」とかいう、しょうもない難癖コメントが来ましたが(当然削除)、そんな事で当然の権利行使が制限される筋合いはないのです。
 転載:生活保護制度に関する冷静な報道と議論を求める緊急声明(生活保護問題対策全国会議)
 転載2:利用者数の増加ではなく貧困の拡大が問題である(同上)
 転載3:扶養義務と生活保護制度の関係の正しい理解と冷静な議論のために(同上) 
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1 コメント

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片山さつきは議員ではなく、単なるアジエータである。即座に議員を辞職しろ (安打製造屋)
2012-05-28 22:27:43
私は世耕某が何をしたか知らないが、片山さつきがやった事は人間として最低である。偶々河本は芸能人で売り出し中であったが故に、家族の生活保護の問題が取り上げられたに過ぎない(記事を読むと決して不正した訳ではなく、手続きの不備を如何にも悪いように大袈裟に取り上げられただけの事)。その事を片山さつきは河本をスケープゴートに仕立てて、生活保護等の福祉縮小削減に利用するとは、破廉恥極まりない。その事を自己のブログで自慢しているとは、まさしく売名行為。(そこについたコメントも非常に見苦しいし且つ読むに堪えない)

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