アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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今度は業務改善発表会に応募する事にしました。

2016年01月17日 21時10分18秒 | 職場人権レポートVol.3



 報告が遅くなりましたが、昨年受けた正社員登用試験の結果について書いておきます。やはり不合格でした。応募動機の中の会社批判の部分が幹部の癇に障ったのでしょう。私を推薦してくれた所長や次長も、その点については非常に残念がっていました。その代わりと言う事でもないでしょうが、「今年3月に行われる、『改善大賞』という名の全社規模での業務改善発表会に、この間の私の業務改善の取り組みを出してみてはどうか」と、所長から勧められたので、下記の要領で応募する事にしました。

改善大賞応募用紙

(1)会社名: (略)
(2)事業所名: (略)

(3)改善テーマ(改善の要点を簡潔に記入してください): 外国人バイトの作業精度・モチベーション向上に向けて
(4)応募区分(「安全衛生」「作業効率」「物流品質」「その他」の4択の中から選択): 物流品質

(5)発案者(複数可): (私の本名)
(6)実行推進者(代表者): 同上
(7)実行者(複数名可。部門名・チーム名等): (私とその同僚の計3名の氏名)

(8)事例の対象となる業務の内容(職場全体に関わる内容の場合は未記入でも可):

 ①対象人数:4名(私と同じ部署で働いている外国人バイト=ベトナム人3名、サウジアラビア人1名の氏名)
 ②業務内容:農産PC加工品の仕分け、出荷、備品管理

(9)改善前の状況・問題点:

 私の職場では、数ヶ月前から大勢のベトナム人留学生バイトが現場に配属されるようになりましたが、彼らは日本語を片言しか喋れず、文字も基本的に平仮名・カタカナしか読めません。そんなベトナム人バイトに対して、どうしたら仕事をきちんと教える事が出来るか思い悩みました。
 私たちの担当業務は、農産PC(プロセッシングセンター)で加工されたカット野菜やカットフルーツを、店舗別に台車に積み揃えて出荷する作業です。言ってしまえば「ただ商品を分けるだけの仕事」ですが、実際はそんな単純なものではありません。
 商品の詰め方、ラベルの貼り方、備品・道具の管理等について細かなルールが存在します。いずれも必要なルールばかりですが、内容が細かいので、口頭による一回切りの説明だけでは、とてもきちんと教える事なぞ出来ません。如何に、それらの内容をベトナム人バイトにも分かるように教えるか。私たちは、それまで外国人と一緒に働いた事なぞほとんど無かったので、一体どうして良いか途方に暮れてしまいました。

(10)改善内容:

 ベトナム人バイトは一応、片言でも日本語で日常会話はでき、文字も平仮名・カタカナだけなら一通り読めます。だったら、小学校高学年ぐらいの子供でも理解できる平易な文章で、全ての漢字にルビを振ったマニュアルを作れば、何とかなるのではないかと考えました。実際、外国人にとって習得が難しいとされる日本語も、他の言語と比べれば、発音自体はそんなに難しくはありません。
 そこで、「やはり漢字の読み書きがネックになっているのではないか」と考えました。それに対し、担当業務をいくつかの作業工程に分解し、それぞれの工程について写真付きで丁寧に解説した作業マニュアルを作業場に貼り出しました。それと共に、「ベトナム人に我々の仕事を覚えてもらう為には、我々も、もっとベトナムの事を知らなければならない」と思い、ベトナムの国土・言語・歴史についてまとめた資料も、併せてマニュアルの横に貼り出しました。その後、サウジアラビアからも女性が1名来日して私の部署で働くようになりましたが、ゆくゆくは彼女の国の言語や文化についても、勉強して語れるようにならなければならないと感じています。

(11)特に工夫した点、苦労したポイント:

 作業マニュアル作成に際して、特に以下の点に苦労しました。
 ①実際の作業に即して使用する必要上、一工程一ページで完結する形でまとめなければならない。
 ②同様の理由で、ページ数も余り増やせない。
 ③外国人にも分かる様に、漢字には全てルビを振り、平易な表現に努めなければならない。
 ④仮に文字が読めなくても目で見て理解できる様に、説明用の写真も入れなければならない。
 ⑤教育用のマニュアルなので、限られた紙数の中でも、手順を踏む理由は必ず書かなければならない。
 また、ベトナム紹介資料の作成に際しては、特に以下の点に苦労しました。
 ①参考文献が少ないので探すのに苦労した。
 ②ベトナムは多民族国家で、各地域で異なる歴史を歩んできたので、まとめるのに苦労した。
 ③ベトナム語も発音が難しく、覚えるのに苦労した。
 ③単なる「国の紹介」だけに終わっては意味がない。是非とも日越友好に結びつく様な内容にしたかった。

(12)改善後の効果(可能な限り定量表現に努めてください):

 細かくデータを取った訳ではありませんが、農産PC部門については、配送先にも迷惑をかける様な大きな事故やミスはまだ一度も起こしていない筈です。今回の年末も、約10日間もの間、日本人の学生バイトも含め、多くの応援作業者に対応しなければなりませんでしたが、外国人向け作業マニュアルを使ってOJT(職場内教育)を行う事で、場当たり的な対応に陥る事なく、比較的スムーズに業務遂行が出来たと思います。

(13)改善結果に対する得意先の評価:

 前項でも述べた通り、得意先様からも大きなお叱りは受けておりません。いわば「当たり前の事を当たり前に、普通にやっただけ」ですが、外国人バイトを使うのは初めての経験であるにも関わらず、無事に業務を遂行できた事が何よりも良かったと思います。

(14)改善にかかったコストの詳細:

 マニュアル、ベトナム紹介資料とも、現場に掲示する為に、A3サイズの拡大コピーを取らなければなりませんでした。見てくれるような写真にする為には、カラーで印刷しなければなりません。また、現場で見てもらう為には、A3サイズ程度の大きさにしないと訴求力がありません。そのカラーコピー代がバカになりませんでした。最低でもA3サイズのカラーコピー1枚80円×のべ15枚=1200円。内容を更新すれば更にお金がかかります。

※注:多分、この質問項目では、カラーコピー代だけでなく、印刷の用紙代・インク代や、マニュアル作成に要した時間当たりの人件費も含めた一切合切(いっさいがっさい)のコスト総額を聞いているのでしょう。でも、そんな所までいちいち控えを取っていませんでしたし、どうせ請求しても認めてくれないでしょう。
 カラーコピーすらも、会社のコピー機でカラー印刷するには社員のIDコードを入力しなければならず(バイトは白黒コピーしか使用できない)、コピー1枚取るのにも、いちいち社員に頼むのも煩わしいので、コンビニでコピーする他なかったのです。
 そりゃあ、できる事なら人件費や印刷代も含めて全部請求したいですよ。マニュアル作成なんて本来なら社員の仕事なのに、社員が横着かまして何もしてくれないから、バイトの私が渋々肩代わりしてきたのです。でも、今更いちいち全部ひっくるめてコスト計算するのも面倒なので、ここは、マルチコピー機の領収書で確実に請求できそうなカラーコピー代だけを載せるようにしました。そして、コピー代については実際に請求して首尾よく受け取る事ができました。

(15) 今回の改善に関する当該者による感想・意見・今後の展望:

 まず、マニュアルの必要性について。通常の特売日等での応援作業者教育については、せいぜい一日で完結する場合が大半なので、その場しのぎの対応でも間に合うかも知れません。しかし、年末繁忙期の様に、一週間から10日前後に渡る比較的長期間もの間、大勢の応援作業者を戦力として活用しなければならない場合については、その場しのぎではなく、安全教育の整備や作業マニュアルの作成も含めた計画的な対応が求められると思います。
 次に、外国人バイトへの対応について。日本の少子高齢化や経済の国際化が進むにつれて、今後ますます職場に外国人労働者が増えてくるでしょう。しかし、外国人も生身の人間です。新自由主義、利益至上主義の風潮の中で、外国人労働者を単なる低賃金の捨て駒の様に扱うだけでは、諸外国から反発を買うだけです。特に日本では、在日コリアンへのヘイトスピーチ(差別扇動)にみられるように、アジア蔑視の根強い風潮があります。まずは私たち自らが、在日外国人の事を理解し、相手の人格・人権を尊重できる様にならなければ、21世紀の国際社会で生きていく事は難しいと思います。

※注:ここが私の一番言いたかった事です。
 経済の国際化、グローバリゼーションの進展によって、外国人雇用の分野は今後ますます拡大していくでしょう。その点については、私も会社も考えている事は同じです。
 でも、そこから先が違います。会社は、外国人をあくまでも使い捨ての駒と見なしているのに対し、私は、日本人も在日外国人も、共に人権が尊重され共存できる社会を目指しています。「世界が幸福にならなければ自分も幸福になれない」と言った宮沢賢治の言葉を今一度思い起こすべきです。まあ、こんな事ばかり言っているから、社員登用試験でも面接で落とされ、今回の応募も多分採用されないでしょうけれど。

(16)参考資料:

 左上写真:作業マニュアル P5(作業場の整理整頓)
 右上写真:ベトナム紹介資料 P2(ベトナム語の挨拶)
 下段写真:作業マニュアル・ベトナム紹介資料 掲示場全景
コメント
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