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こんな事なら俺が選挙に出たら良かった!

2015年04月15日 15時22分44秒 | 二大政党制よりも多党制




 今度の統一地方選挙で、生まれて初めて選挙で無効票を投じて来ました。
 統一地方選挙は4年に1度、4月に前半戦と後半戦に分かれて行われます。前半戦は都道府県と政令都市の知事・市長・議員の選挙です。但し、大阪では以前に知事と大阪市長のダブル選挙があったので、私の地元では府議選だけとなりました。
 その府議選ですが、支持する候補が誰もいません。以前なら共産党も候補を立てていたので、私はダメ元でも自分の支持する共産党の候補に入れていました。ところが今回は、府議会の定数が大幅に削減され、選挙区も周辺の泉大津・忠岡と合区となってしまいました。選挙区定数は合区の影響で1から2に増やされましたが、出馬したのは、「維新の会」現職府議・大橋一功(かずのり)と自民党公認(元高石市議)・奥田悦雄の他には、素性のよく分からない川戸康嗣(かわと・やすし)という無所属候補の3人だけでした。



 自民党も「維新の会」も嫌いな私としては、もう無所属の川戸にでも入れようかと思い、念のために川戸候補の公約を選挙公報で読みましたが、支持する気には全然なりませんでした。
 なぜそう思ったかというと、まず何よりも、この5月には大阪都構想の賛否を問う住民投票が行われると言うのに、それに対する言及が全然ありません。確かに、住民投票に参加できるのは大阪市民だけですが、その他の市議や府議も無関係ではいられないはずなのに、一番取り上げなければならないこの話題について、なぜ3人とも選挙ポスターや選挙公報で一言も触れないのか。その一番知りたい事には一言も触れずに、いくら「住民目線と実現力」「地域医療の充実、地域の活性化」なぞと抽象的な言葉を並べられても、全然支持する気にはなれません。「39歳」と、やけに若さだけを強調している点も、その事で余計に不信感が増してしまいました。
 そして決定的だったのが、あの義家弘介(よしいえ・ひろゆき)政務官から応援してもらっている点です。義家弘介といえば「ヤンキー先生」として有名な人物です。ところが実際は、母校の北海学園余市高校(北海道)での教育のおかげで、元暴走族の不良高校生が母校の教師として立ち直る事ができたにも関わらず、欲に目がくらんで文部官僚や自民党国会議員に転身し、今やかつての恩師を「偏向教師」呼ばわりしている卑劣漢です。川戸は、そんな人物から応援されている事を自慢していたのを、この目で確認しました。これでは、いくら消去法でも一票を投じる訳にはいきません。(なお、義家からの応援メッセージについては、その後、川戸候補のHP等からは削除されてしまったようで、今ここに表示する事ができません)(注:追記あり)
 でも、私は自分のブログで、「棄権だけはするな。そんな事をしたら、それこそ自民党の思う壺だ」と、ずっと主張してきました。その私が棄権する訳にはいきません。そうしたらもう、後は無効票を投ずるしかないじゃないですか。棄権とは文字通り「権利放棄」にしかなりませんが、無効票だと一種の「抗議票」としてカウントされ、多くなればマスコミにも取り上げられるようになる事は、この前の出直し大阪市長選挙でも証明されましたからね。

 そこで、「保守系のボンボン世襲候補か、上から目線の成り金社長みたいな候補しか出てなくて、入れたい人がいない」と、投票用紙に書いて出してやったのです。
 そもそも、おかしいじゃないですか。「自民も維新も嫌だ」という人は私だけでなく他にも大勢いるはずなのに、そういう人の投票先がまったくない、と言うのは。
 大阪都構想に関して言えば、「維新の会」は推進、自民党は反対の立場です。そういう意味では、大阪都構想に反対するだけなら、別に自民党に入れても良いでしょう。でも、大阪都構想一つとっても、実現するには国による法律改正が必要です。その他の問題にしても、たとえば原発や米軍基地の問題一つとっても、国政の影響をもっともこうむるのは、現にそこに住んでいる人たちなのですから、国政と地方政治を機械的に切り分ける事なぞ本当はできないのです。しかも、自民党は、その他の原発や米軍基地の問題どれ一つとっても、住民とは相いれない立場にある事は、これまでの動きからも明らかです。同様に「維新の会」も、これらの問題やその他の消費税、TPP、集団的自衛権、「残業代ゼロ」法案などの問題や、もっと地元と関わりの深い国保料・住民税の減免、保育所増設などの問題にしても、ことごとく「自民党の別動隊」として、自民党と一緒になって住民の陳情に背を向けてきました。

 でも、いざ選挙で投票しようと思っても、出馬しているのは「苦労知らずの保守のボンボン世襲候補」か「弱肉強食、上から目線で金儲け・競争至上主義のホリエモンみたいな奴」しかいないとなったら、もう後は私のように無効票を投ずるか棄権するしかないじゃないですか。これでは投票率が下がるのも当然です。実際、私の選挙区でも、今回ついに投票率が4割を割り込み、とうとう39%台になってしまいました。全国的にも、無投票当選の選挙区が全体の21.9%を占め、過去最高記録となりました。川戸候補も、その中でたった4千票余りしか獲得できず、第3位で落選してしまいました。
 どんな選挙区にも候補者を立てる共産党すら、今度の私の地元選挙区では候補を擁立しませんでした。多分、候補を擁立しても勝てる見込みがなかったから、擁立を見送ったのでしょうが、本当にそれで良かったのでしょうか。



 そこで、念のために、どの党も候補を擁立した一番最近の選挙である昨年末の衆院選データを元に、当選の可能性を探ってみました。
 今回の府議選と同じ高石・泉大津・忠岡の大阪3市町における衆院選党派別得票データで比較した試算結果が上記の表です。
 それによると、与党の自民党・公明党や、その別動隊にしか過ぎない「維新の会」以外の、民主・共産・生活・社民の野党4党の比例票を合計すれば約1万2千票になります。また、小選挙区票で比較しても、この選挙区で自民党と「維新の会」以外に候補を立てたのは共産党だけですが、その候補だけでも8千票余になります。いずれも、それだけでは当選するには非常に困難な数字ですが、それでも供託金没収点や法定得票数はゆうに上回っています。
 
 ここで「供託金」の金額やその「没収点」、「法定得票数」について少し説明しておきます。
 日本では、町村議会以外の選挙に出るには、多額の供託金を積まなければなりません。その額は選挙の種類によって異なります。衆院選では300万円、都道府県議選では60万円、政令指定都市の市議選では50万円ものお金を、候補者個人が供託しなければならないのです。そのお金は、得票が供託金没収点を上回れば全額返って来ますが、1票でも下回れば全て没収されてしまいます。没収点も選挙の種類によって異なりますが、今回の府議選での私の地元選挙区の場合に当てはめて考えると、有効得票総数を選挙区定数2の8倍で割った票数=3863票が供託金没収点となります。
 また、選挙にはそれ以外に、法定得票数という基準もあり、こちらの金額も選挙の種類によって変わってきます。法定得票数というのは、当選者が死亡するなどして欠員が生じた場合に、繰り上げ当選の対象となるギリギリの数字です。こちらはもう少し多くて、今回の府議選に当てはめて考えると、有効得票総数を同じく定数2の4倍で割った票数=7726票となります。

 このように、日本では諸外国と比べても異様に選挙立候補へのハードルが高いのですが、それでも前述の試算結果によれば、ゆうにそれを上回る得票が可能である事が分かります。しかも、これはあくまで各党の基礎票だけに限った試算でしかありません。それ以外にも、今は棄権に回っている有権者も、選挙での頑張り次第では、自分に投票してくれるようになるかも知れません。実際、今回の府議選で2位当選した奥田候補の票数も1万6千票余りでした。最低当選ラインの1万6千票に対して、前述の4党比例票の合計は1万2千票と、4千票余りにまで肉薄しているのです。この事からも、本当に共産党が候補擁立を見送って良かったのかどうか、私は疑問に思います。
 
 

 今回の統一地方選挙で、千葉市花見川区から市議選に立候補した上野竜太郎という人の事が話題になっています。彼は25歳のニートでしたが、彼なりに社会の矛盾に目覚める中で、千葉市議選に無所属で立候補する事を決断しました。
 でも、中学2年生で引きこもりになってからは、まともに学校へ行った事も働いた事もない自分が、果たして議員として務まるだろうか?そう自問自答しながら、他の候補と同じように50万円の供託金を積み、選挙ポスターなどの事務経費は公費でまかなう事ができるのに、それも「公約で議員歳費の削減を掲げたから」と拒否して、わざわざ自作の選挙ポスターをコンビニでコピーして、早朝から深夜まで自分一人で黙々と、掲示板にポスターを貼って回ったそうです。
 完全無所属のたった一人の選挙戦なので、できる事と言えばポスター貼りぐらいです。学歴も職歴もマイクも選挙カーもなしで、延々とポスターだけを貼り続けました。一応、ブログやツイッター、フェイスブックへの投稿は立候補後に始めたそうですが、他の候補とは違いネット初心者で勝手もなかなか分からなかったそうです。ポスターも白黒の文字だけで、それも自身の氏名と年齢とニートである事だけを大書した、お世辞にも上手いポスターとは言えない代物ですが、それでも落選したとは言え、総額たった8千円の選挙費用(!)で1399票も獲得し(定数10に対し15人立候補した中で第12位の得票、開票結果参照)、供託金も見事取り返す事に成功しました。左上写真の候補者の後ろに貼ってあるのが、そのポスターです。
 彼の選挙公約(上記真ん中の写真参照)を読むと、稚拙な文章ながらも、ニートやその他の社会的弱者の声を何とか政治に反映させようと奮闘する気持ちが伝わってきます。彼はもはやニートなんかではなく立派な政治家です。彼から見たら、私の抗議の無効票投票も所詮は自己満足にしか過ぎません。こんな事になるなら、私も府議選に無所属で立候補すれば良かった・・・と、その時は一瞬マジで思いました。
 それに引き換え、自民党の選挙ポスターの嘘くさい事。首相官邸自ら裏から手を回して、創価学会・公明党に圧力をかけ、大阪都構想の賛否を問う住民投票実施に反対から賛成に寝返らせておきながら、よくもまあ臆面もなく「大阪市の廃止・分割に反対」なんて掲げる事ができたものだ。安倍よりも上野竜太郎さんの方が、よっぽど政治家として相応(ふさわ)しいわ。

(追記)
 その後、コメント欄に川戸候補本人から、「義家弘介との繋がりは一切ない」との申し出がありました。どうやら私の勘違いだったようです。ここに謹んでお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
コメント (5)
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