これからきくのは、ネヴィル・マリナーとアカデミー室内管弦楽団(ジ・アカデミー)による「音楽の捧げもの」(PHILIPS 442 556-2)です。マリナーの録音は、このブログでもいくつか紹介していますが、まだ追悼(2016年10月2日死去)としてはきいていませんでした。そこで今日はちょと時期は外したのですが、1978年録音の「音楽の捧げもの」をきいてみようと思います。マリナーの指揮者としての活動初期は、バッハにしろヴィヴァルディにしろ、いわゆるピリオド奏法を先取りしたかのようなバッハで、とてもおもしろくきけたものです。同じく故人のクリストファー・ホグウッドも、ジ・アカデミーでチェンバロを弾いていた時期がありました(この「音楽の捧げもの」でのチェンバロとオルガンはニコラス・クレーマー)。その後はレパートリーも広がり、方向性はずいぶん変わりました。それはともかく、マリナーはこの「音楽の捧げもの」で、3声のリチェルカーレをオルガン、6声をアンサンブルに編成して両端に配し、トリオ・ソナタを中心としたシンメトリーな曲順で録音しています。