昨日は黄砂の影響さえ無視すれば、おだやかなよい天気だったのですが、今日は朝から曇天でうす暗く、すっきりしません。さて、これからきくのは、ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツたちによる「音楽の捧げもの」です。このCDは1999年に録音されたもので、このブログですでに、BWV1072~1078、BWV1086、BWV1087をきいていいます。昨日きいたコンセール・デ・ナシオンの、凝った演奏とはちがい、ゴルツ、ベーリンガーたち(フライブルク・バロック・オーケストラのメンバーといっていいかも)は旧全集どおりの曲順で演奏しています。
おもしろいのは、3声のリチェルカーレとトリオ・ソナタで、チェンバロではなくフォルテピアノで演奏しているところ。3声のリチェルカーレは楽器指定がありませんが、バッハがジルバーマンのフォルテピアノで即興演奏した曲とされるため、フォルテピアノを選択したのでしょう。また、当世的ともいえるトリオ・ソナタは、バッハがベルリンでの様式を意識したものといえ、やはりフォルテピアノでの演奏がふさわしい、と考えたものとみられます。なお、ここでのフォルテピアノは、ざんねんながらジルバーマンのそれではなく、シュタインの複製です。
CD : CD92.133(Hänssler CLASSIC)
たしかに、とっつきやすいのは、名前からして「音楽の捧げもの」ですよね。王の主題も美しく変化にとんでいますし、トリオ・ソナタの存在も大きいと思います。
1楽器、1独奏楽器のトリオ・ソナタはそれなりの数があるのに、2独奏楽器のためのオリジナルのそれは希少です。しかし、この1曲だけで十分なほどの傑作だと思います。
個人的には、BWV1079の中では6声のリチェルカーレが一番好きで、つぎが反行の拡大によるカノンです。ずっと昔はトリオ・ソナタが一番でした。