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アディの解剖学《骨系》~下肢~

2008-02-26 16:23:59 | アディの解剖学《骨系》
-LESSON1 下肢帯(寛骨)-

●寛骨 かんこつ(innominate)
 ・腸骨、坐骨、恥骨の3つの骨が癒合したものです。癒合部分はY字形をしています。
 ・寛骨臼 かんこつきゅう:外側面中央にある大きな半球状の陥凹で、大腿骨頭がはまります。
 ・月状面 げつじょうめん:C字形をした、寛骨臼の関節面です。
 ・寛骨臼切痕 かんこつきゅうせっこん:C字形の開いた部分、関節面が途切れた部分です。
 ・寛骨臼窩 かんこつきゅうか:月状面で囲まれたくぼみの部分です。
 ・閉鎖孔 へいさこう:寛骨臼の下方にある大きな孔です。閉鎖膜によって閉じられます。


●腸骨 ちょうこつ(ilium)
 1.腸骨体:寛骨臼上部
  ・腸恥隆起 ちょうちりゅうき:恥骨との結合部位の、丘状に膨隆した部分です。

 2.腸骨翼:腸骨体から上方へ広がる部分
  ・腸骨稜 ちょうこつりょう:腸骨翼のアーチ状の上縁が肥厚した部分です。
  ・Jacoby(ヤコビー)線:左右の腸骨稜の最上端を結んだ線で、第4と第5腰椎の間に位置します。
  ・上前腸骨棘 じょうぜんちょうこつきょく:腸骨稜前端の突出部分で、鼠径靱帯がつきます。
  ・上後腸骨棘 じょうごちょうこつきょく:腸骨稜後端の突出部分です。
  ・下前腸骨棘 かぜんちょうこつきょく:上前腸骨棘下方の突出部分です。
  ・下後腸骨棘 かごちょうこつきょく:上後腸骨棘下方の突出部分です。
  ・腸骨窩 ちょうこつか:腸骨翼の内側面前部の浅いくぼみです。
  ・耳状面 じじょうめん:腸骨翼の内側面後部にある耳状の面で、仙骨と仙腸関節をつくります。
  ・腸骨粗面 ちょうこつそめん:耳状面の後上方の粗面で、後仙腸靱帯がつきます。
  ・弓状線 きゅうじょうせん:耳状面前縁から前下方の恥骨櫛へ向かう、アーチ状の稜線です。
  ・殿筋面 でんきんめん:腸骨翼の外側面のことで、大・中・小の殿筋がおきます。
  ・前殿筋線 ぜんでんきんせん:殿筋面の前上方から大坐骨切痕へ向かって走ります。
  ・後殿筋線 こうでんきんせん:前殿筋線の後方で、腸骨稜から下方へ向かう線です。
  ・下殿筋線 かでんきんせん:上前腸骨棘下方から後下方へ向かって走る線です。


●坐骨 ざこつ(ischium)
 ・坐骨体 ざこつたい:寛骨臼の後下部から閉鎖孔の後ろにある柱状の部分まで。
 ・坐骨結節 ざこつけっせつ(坐骨粗面 ざこつそめん):坐骨体下部の、後方に向かう隆起です。
 ・坐骨棘 ざこつきょく:坐骨体の後縁中央にあり、後内方へ向かって突出する部分です。
 ・大坐骨切痕 だいざこつせっこん:腸骨の下後腸骨棘と坐骨棘との間の深い陥凹です。
 ・小坐骨切痕 しょうざこつせっこん:坐骨棘の下方の小さい陥凹です。
 ・坐骨枝 ざこつし:坐骨結節より前方の細い板状の部分で、恥骨下枝と結合します。


●恥骨 ちこつ(pubis)
 ・恥骨体 ちこつたい:寛骨臼の前下部をつくる部分です。
 ・腸恥隆起 ちょうちりゅうき:腸骨との結合部位の、丘状に膨隆した部分です。
 ・恥骨上枝 ちこつじょうし:恥骨体から前下方かつ内方へ向かう部分です。
 ・恥骨結合面 ちこつけつごうめん:恥骨上枝の先端の、肥大した部分です。
 ・恥骨結合 ちこつけつごう:両側の恥骨結合面が結合してできたものです。
 ・恥骨櫛 ちこつしつ:恥骨上枝の上縁の部分です。
 ・恥骨結節 ちこつけっせつ:恥骨櫛の前下方端にある、小さな隆起です。
 ・恥骨稜 ちこつりょう:恥骨結節から恥骨結合面の上縁にいたる稜線です。
 ・恥骨下枝 ちこつかし:恥骨結合面より下方の扁平な部分です。


-LESSON2 大腿、下腿部-

●大腿骨 だいたいこつ(femur)
 1.上端
  ・大腿骨頭 だいたいこつとう:半球状の大きなふくらみで、寛骨臼にはまります。
   ※鼡径靱帯と大腿動脈の交点から下方・外側へ3cmのところで、大腿骨頭に触れることができます。
  ・大腿骨頭窩 だいたいこつとうか:大腿骨頭の中央にある陥凹で、大腿骨頭靱帯がつきます。
  ・大腿骨頸 だいたいこつけい:大腿骨頭に続く、くびれた短円柱状の部分です。
  ・大転子 だいてんし:外側上方の大きな隆起で、中・小殿筋や梨状筋が停止します。
   ※股関節屈曲45°のとき、ローザーネラトン線(上前腸骨棘-坐骨結節)で、大転子に触れます。
  ・小転子 しょうてんし:内側下方の小さな隆起で、大腰筋が停止します。
  ・転子間線 てんしかんせん:大転子と小転子の間にある、前面の粗な稜線です。
  ・転子間稜 てんしかんりょう:大転子と小転子の間にある、後面の粗な稜線です。
  ・転子窩 てんしか:大転子の基部内側のくぼみで、外閉鎖筋が停止します。
  ・大腿頸体角 だいたいけいたいかく:大腿骨頸と大腿骨体の角度で、成人では130°です。

 2.大腿骨体
  ・粗線 そせん:後面中央を上下に走る、粗な線状の隆起です。
  ・内側唇 ないそくしん:粗線のうち、内側にある線です。
  ・外側唇 がいそくしん:粗線のうち、外側にある線です。
  ・殿筋粗面 でんきんそめん:外側唇の上方で、大転子の下方に達する部分です。
  ・恥骨筋線 ちこつきんせん:内側唇の上方で、小転子に至る粗な線のことです。

 3.下端
  ・内側顆 ないそくか:内側に肥厚した部分です。粗線の内側唇が至ります。
  ・外側顆 がいそくか:外側に肥厚した部分です。粗線の外側唇が至ります。
  ・膝蓋面 しつがいめん:内側顆と外側顆がつくる関節面の前方で、膝蓋骨と関節します。
  ・顆間窩 かかんか:内側顆と外側顆の間にできる、後方の陥凹です。
  ・内側上顆 ないそくじょうか:内側顆の側面で後上方部にみえる隆起です。
  ・外側上顆 がいそくじょうか:外側顆の側面で後上方部にみえる隆起です。


●膝蓋骨 しつがいこつ(patella)
 ・膝蓋骨底 しつがいこつてい:ゆるやかなカーブを描く、上縁の部分です。
 ・膝蓋骨尖 しつがいこつせん:下方のとがった部分です。


●脛骨 けいこつ(tibia)
 1.上端
  ・内側顆 ないそくか:内側に肥厚した部分です。
  ・外側顆 がいそくか:外側に肥厚した部分です。
  ・上関節面 じょうかんせつめん:上腕骨の内側顆と外側顆に対応し、2つに分かれています。
  ・顆間隆起 かかんりゅうき:内側顆と外側顆の間にある、ふたこぶ状の隆起です。
  ・内側顆間隆起 ないそくかかんりゅうき:顆間隆起の2つの隆起のうち、内側のものです。
  ・外側顆間隆起 がいそくかかんりゅうき:顆間隆起の2つの隆起のうち、外側のものです。
  ・腓骨関節面 ひこつかんせつめん:外側顆の後方への張り出しにある、卵円形の関節面です。

 2.脛骨体
  ・前縁 ぜんえん:前方の、鋭く隆起した部分です。
  ・脛骨粗面 けいこつそめん:前縁の上端にある、粗な結節状の隆起です。
  ・内側縁 ないそくえん:内側の縁で、丸みを帯びています。
  ・骨間縁 こつかんえん(外側縁 がいそくえん):外側の縁で、腓骨との間に骨間膜を張ります。
  ・ヒラメ筋線 ひらめきんせん:後面にあり、脛骨関節面下縁から内下方に走る粗な稜線です。

 3.下端
  ・腓骨切痕 ひこつせっこん:外側縁下端で、腓骨の下端と接するくぼみです。
  ・内果 ないか:下端の内側部で、下方に突出した部分です。
  ・内果溝 ないかこう:内果のすぐ後に縦走する浅い溝です。
  ・内果関節面 ないかかんせつめん:内果の内面のことで、距骨と関節します。
  ・下関節面 かかんせつめん:下端の下面のことで、距骨と関節します。


●腓骨 ひこつ(fibula)
 1.上端
  ・腓骨頭 ひこつとう:上端の肥厚した部分です。
  ・腓骨頭尖 ひこつとうせん:腓骨頭の外側が、上方に突出した部分です。
  ・腓骨頭関節面 ひこつとうかんせつめん:腓骨頭の内側方の上面で、脛骨と関節します。

 2.腓骨体
  ・骨間縁 こつかんえん:腓骨体の内側面を走ります。
  ・内側稜 ないそくりょう:骨間縁の下方から腓骨頭の後端に向かって上行する隆起線です。

 3.下端
  ・外果 がいか:外側部の下方への突出です。
  ・外果関節面 がいかかんせつめん:外果の内側面にあり、距骨と関節します。
  ・外果窩 がいかか:距骨との関節面の後方にあるくぼみです。


-LESSON3 足部の骨-

足根骨と中足骨・足の指骨に分類

足根骨
●距骨 きょこつ(talus)
 ・距骨頭 きょこつとう:前方に突出した部分です。
 ・舟状骨関節面 しゅうじょうこつかんせつめん:距骨頭にあり、舟状骨後面と関節します。
 ・距骨頸 きょこつけい:距骨頭の後のくびれた部分です。
 ・距骨体 きょこつたい:距骨の後方の部分です。
 ・距骨後突起 きょこつこうとっき:距骨体の後方への突起です。
 ・距骨外側突起 きょこつがいそくとっき:距骨体の外側方への突起です。
 ・長母指屈筋腱溝 ちょうぼしくつきんけんこう:距骨後突起の中央を走ります。
 ・距骨滑車 きょこつかっしゃ:距骨体の上方への隆起で、脛骨・腓骨と関節します。
 ・後踵骨関節面 こうしょうこつかんせつめん:後距骨関節面と対応した、踵骨との関節面です。
 ・中踵骨関節面 ちゅうしょうこつかんせつめん:中距骨関節面と対応した、踵骨との関節面です。
 ・前踵骨関節面 ぜんしょうこつかんせつめん:前骨関節面と対応した、踵骨との関節面です。
 ・距骨溝 きょこつこう:前・中踵骨関節面と後踵骨関節面との間にみられる溝です。


●踵骨 しょうこつ(calcaneus)
 ・立方骨関節面 りっぽうこつかんせつめん:前面にある、立方骨との関節面です。
 ・踵骨隆起 しょうこつりゅうき:後方の大きな突出で、踵骨腱(アキレス腱)が付着します。
 ・内側突起 ないそくとっき:踵骨隆起の後下端の、内側下方に突出する部分です。
 ・外側突起 がいそくとっき:踵骨隆起の後下端の、外側下方に突出する部分です。
 ・後距骨関節面 こうきょこつかんせつめん:上面の中央部にある、距骨との関節面です。
 ・中距骨関節面 ちゅうきょこつかんせつめん:前内側方にある、距骨との関節面です。
 ・前距骨関節面 ぜんきょこつかんせつめん:中距骨関節面前方にある、距骨との関節面です。
 ・踵骨溝 しょうこつこう:前・中距骨関節面と後距骨関節面との間にみられる溝です。
 ・載距突起 さいきょとっき:内側面の上方上部に張り出す突起です。
 ・長母指屈筋腱溝 ちょうぼしくつきんけんこう:載距突起の下側後上方から前下方へ向かう溝です。
 ・長腓骨筋腱溝 ちょうひこつきんけんこう:外側面後上方から前下方へ向かう溝です。
 ・腓骨筋滑車 ひこつきんかっしゃ:長腓骨筋腱溝のすぐ前上方にある膨隆です。


●立方骨 りっぽうこつ(cuboid bone)
 ・外側楔状骨の外側、踵骨の前にあります。
 ・前側方には第4、第5中足骨に対する2つの関節面があります。


●舟状骨 しゅうじょうこつ(navicular bone)
 ・距骨の前方にあり、前面は内側・中間・外側楔状骨との関節面があります。
 ・舟状骨粗面 しゅうじょうこつそめん:舟状骨内側部の隆起です。


●内側楔状骨 ないそくけつじょうこつ(medial cuneiform bone)
 ・後面は舟状骨との関節面があり、前面には中足骨との関節面があります。


●中間楔状骨 ちゅうかんけつじょうこつ(intermediate cuneiform bone)
 ・後面は舟状骨との関節面があり、前面には中足骨との関節面があります。


●外側楔状骨 がいそくけつじょうこつ(lateral cuneiform bone)
 ・後面は舟状骨との関節面があり、前面には中足骨との関節面があります。


中足骨・足の指骨
●中足骨 ちゅうそくこつ(metatarsal bone)
 ・母指側から順に、第1(I)、第2(II)、第3(III)、第4(IV)、第5(V)中足骨と呼びます。
 ・近位端を中足骨底、細い部分を中足骨体、遠位端を中足骨頭といいます。


●基節骨 きせつこつ(proximal phalanx)
 ・母指側から順に、第1、第2、第3、第4、第5基節骨と呼びます。
 ・中足骨と同様、基節骨底、基節骨体、基節骨頭をもちます。


●中節骨 ちゅうせつこつ(middle phalanx)
 ・母指にはなく、第2、第3、第4、第5基節骨があります。
 ・中足骨と同様、基節骨底、基節骨体、基節骨頭をもちます。


●末節骨 まっせつこつ(distal phalanx)
 ・母指側から順に、第1、第2、第3、第4、第5基節骨と呼びます。
 ・中足骨と同様、基節骨底、基節骨体、基節骨頭をもちます。



アディの解剖学《骨系》~上肢~

2008-02-26 16:10:18 | アディの解剖学《骨系》
-LESSON1 上肢帯-

●鎖骨 さこつ(clavicle)
 ・S字状に彎曲した棒状の骨で、内側の胸骨端、外側の肩峰端および中部からなります。

 1.胸骨端 きょうこつたん
  ・胸骨関節面 きょうこつかんせつめん:先端にあり、胸骨の鎖骨切痕と関節します。
  ・肋鎖靱帯圧痕 ろくさじんたいあっこん:下面にあり、肋鎖靱帯がつきます。

 2.肩峰端 けんぽうたん
  ・肩峰関節面 けんぽうかんせつめん:肩甲骨の肩峰と関節します。
  ・円錐靱帯結節 えんすいじんたいけっせつ:下面後部の彎曲部にあり、円錐靱帯がつきます。
  ・菱形靱帯線 りょうけいじんたいせん:円錐靱帯結節から外側端まで続く線状の粗面で、菱形靱帯がつきます。


●肩甲骨 けんこうこつ(scapula)
 ・逆三角形の扁平骨で、鎖骨のみと関節しています。
 ・三角形の頂点をそれぞれ上角(じょうかく)、下角(かかく)、外側角(がいそくかく)といいます。
 ・3つの辺は、上縁(じょうえん)、内側縁(ないそくえん)、外側縁(がいそくえん)といいます。

 1.前面(肋骨面 ろっこつめん)
  ・肩甲下窩 けんこうかか:肩甲骨前面全体のくぼみです。

 2.後面(背側面 はいそくめん)
  ・肩甲棘 けんこうきょく:上約1/3のところを横切って走る棚状の突隆です。
  ・肩峰 けんぽう:肩甲棘の外側端にある、大きく扁平な突起です。
  ・棘上窩 きょくじょうか:肩甲棘の上の陥凹です。
  ・棘下窩 きょくかか:肩甲棘の下の陥凹です。

 3.上縁 じょうえん
  ・肩甲切痕 けんこうせっこん:上縁外側部にある切れ込みです。
  ・烏口突起 うこうとっき:肩甲切痕と関節窩との間から、前外側方へ突出した部分です。

 4.外側角 がいそくかく
  ・関節窩 かんせつか:上腕骨の骨頭と関節する、卵円形のくぼみです。
  ・肩甲頸 けんこうけい:関節窩の周辺で、やや細い部分です。
  ・関節上結節 かんせつじょうけっせつ:関節窩の上方にあり、上腕二頭筋長頭がおこります。
  ・関節下結節 けんせつかけっせつ:肩甲頸の下方にあり、上腕三頭筋長頭がおこります。


-LESSON2 上腕、前腕部-

●上腕骨 じょうわんこつ(humerus)
 1.上端
  ・上腕骨頭 じょうわんこつとう:上内側方にある、半球状の部分です。肩甲骨関節窩と関節します。
  ・解剖頸 かいぼうけい:上腕骨頭の周囲で、浅い溝がとりまく細い部分です。
  ・大結節 だいけっせつ:上腕骨頭のすぐ外側にある大きな隆起です。
  ・大結節稜 だいけっせつりょう:大結節の下方への延長部分で、表面が粗な骨稜です。
  ・小結節 しょうけっせつ:大結節の内側前方にある隆起です。
  ・小結節稜 しょうけっせつりょう:小結節の下方へのびる、表面が粗な骨稜です。
  ・外科頸 げかけい:大結節、小結節の下方のくびれで、上端部で最も骨折しやすい部分です。
  ・結節間溝 けっせつかんこう:大結節と小結節、大結節稜と小結節稜との間の溝です。

 2.上腕骨体
  ・三角筋粗面 さんかくきんそめん:上腕骨体の中央外側部にあり、三角筋が停止します。
  ・橈骨神経溝 とうこつしんけいこう:後面の内上方から外下方へ斜走する浅い溝です。

 3.下端
  ・内側上顆 ないそくじょうか:内側方へ広がった部分です。
  ・外側上顆 がいそくじょうか:外側方へ広がった部分です。
  ・尺骨神経溝 しゃくこつしんけいこう:内側上顆の後面にある浅い溝で、尺骨神経が通ります。
  ・上腕骨顆 じょうわんこつか:内側上顆と外側上顆との間の部分で、関節面をもちます。
  ・上腕骨滑車 じょうわんこつかっしゃ:上腕骨顆の内側部で、尺骨の滑車切痕と関節します。
  ・上腕骨小頭 じょうわんこつしょうとう:上腕骨顆の外側部で、橈骨頭と関節します。
  ・鉤突窩 こうとつか:上腕骨滑車の前上方にあるくぼみです。
  ・肘頭窩 ちゅうとうか:上腕骨滑車の後上方にあるくぼみです。
  ・橈骨窩 とうこつか:上腕骨小頭の前上方にあるくぼみで、屈曲時に橈骨頭がはまります。


●尺骨 しゃくこつ(ulna):前腕内側(小指側)の骨
 1.上端
  ・滑車切痕 かっしゃせっこん:深い切れ込みで、上腕骨滑車と関節します。
  ・肘頭 ちゅうとう:滑車切痕の後上方への突出部分です。先端は前方へ曲がります。
  ・鉤状突起 こうじょうとっき:滑車切痕の下部から前方に突出した部分です。
  ・尺骨粗面 しゃくこつそめん:鉤状突起の前内側の下方にある粗面で、上腕筋が停止します。
  ・橈骨切痕 とうこつせっこん:鉤状突起の外側のくぼみで、橈骨の関節環状面と関節します。
  ・回外筋稜 かいがいきんりょう:橈骨切痕後縁から下方へ向かう稜線で、回外筋の起始です。

 2.尺骨体
  ・骨間縁 こつかんえん:尺骨体の外側縁で、橈骨骨間縁との間に前腕骨間膜を張ります。

 3.下端(尺骨頭)
  ・尺骨頭 しゃくこつとう:尺骨の下端です。
  ・関節環状面 かんせつかんじょうめん:尺骨頭の前外側で、橈骨の尺骨切痕と関節します。
  ・茎状突起 けいじょうとっき:下端内側にある、下方への突出です。


●橈骨 とうこつ(radius):前腕外側(母指側)の骨
 1.上端(橈骨頭)
  ・橈骨頭 とうこつとう:円板状で上面に浅いくぼみがあり、上腕骨小頭と関節します。
  ・関節環状面 かんせつかんじょうめん:橈骨頭の側面周囲で、尺骨の橈骨切痕と関節します。

 2.橈骨体 とうこつたい
  ・骨間縁 こつかんえん:橈骨体の内側縁で、尺骨骨間縁との間に前腕骨間膜を張ります。
  ・橈骨粗面 とうこつそめん:橈骨体前面で、上端近くに内側に隆起する部分です。

 3.下端
  ・茎状突起 けいじょうとっき:外側下方へ突出する部分で、基部に腕橈骨筋が停止します。
  ・尺骨切痕 しゃくこつせっこん:下端の内側のくぼみで、尺骨頭と関節します。
  ・手根関節面 しゅこんかんせつめん:下面にあり、手根骨と関節します。


※茎状突起:茎状突起は、側頭骨、尺骨、橈骨、第3中手骨にあります。


-LESSON3 手根骨-

●手根骨(carpal bone)
 ・8つの小骨で構成されており、手背側に凸彎したアーチ状をして並んでいます。
 ・近位列(舟状・月状・三角・豆状骨)と遠位列(大菱形・小菱形・有頭・有鉤骨)があります。
 ・内側手根隆起 ないそくしゅこんりゅうき:豆状骨と有鉤骨鉤でできる、手掌内側縁の隆起です。
 ・外側手根隆起 がいそくしゅこんりゅうき:舟状骨結節と大菱形骨結節でできる、手掌外側縁の隆起です。
 ・手根溝 しゅこんこう:内側手根隆起と外側手根隆起の間の深いくぼみです。
 ・手根管 しゅこんかん:手根隆起間に屈筋支帯が張ってできた、トンネルのことです。

●舟状骨 しゅうじょうこつ(scaphoid bone)
 ・舟状骨結節 しゅうじょうこつけっせつ:掌側面の高まりで、屈筋支帯がつきます。


●月状骨 げつじょうこつ(lunate bone)
 ・近位面では橈骨と関節し、遠位では有頭骨の頭の部分と接します。


●三角骨 さんかくこつ(triquetral bone)
 ・月状骨と有鉤骨にはさまれ、内側面に豆状骨をのせています。


●豆状骨 とうじょうこつ(pisiform bone)
 ・一番小さい手根骨で、屈筋支帯がつきます。


●大菱形骨 だいりょうけいこつ(trapezium bone)
 ・大菱形骨結節 だいりょうけいこつけっせつ:掌側面の高まりで、屈筋支帯がつきます。


●小菱形骨 しょうりょうけいこつ(trapezoid bone)
 ・月状骨、大菱形骨、有頭骨、第2中手骨にはさまれており、4つの関節面をもちます。


●有頭骨 ゆうとうこつ(capitate bone)
 ・近位列の方に向く、頭の部分があります。


●有鈎骨 ゆうこうこつ(hamate bone)
 ・有鉤骨鉤 ゆうこうこつこう:掌側面の長い突起で、屈筋支帯がつきます。


-LESSON4 中手骨、指骨-

●中手骨 ちゅうしゅこつ(metacarpal bone)
 ・母指側から順に、第1(I)、第2(II)、第3(III)、第4(IV)、第5(V)中手骨と呼びます。
 ・第1中手骨は鞍関節面をもちます。
 ・近位端を中手骨底、細い部分を中手骨体、遠位端を中手骨頭といいます。


●基節骨 きせつこつ(proximal phalanx)
 ・母指側から順に、第1、第2、第3、第4、第5基節骨と呼びます。
 ・中手骨と同様、基節骨底、基節骨体、基節骨頭をもちます。


●中節骨 ちゅうせつこつ(middle phalanx)
 ・母指にはなく、第2、第3、第4、第5中節骨があります。
 ・中手骨と同様、中節骨底、中節骨体、中節骨頭をもちます。


●末節骨 まっせつこつ(distal phalanx)
 ・母指側から順に、第1、第2、第3、第4、第5末節骨と呼びます。
 ・中手骨と同様、末節骨底、末節骨体、末節骨頭をもちます。


アディの解剖学《骨系》~体幹~

2008-02-26 16:07:54 | アディの解剖学《骨系》
-LESSON1 脊柱(頸椎)-

●頸椎 けいつい(cervical vertebra):C1~C7

 1.第1頸椎(環椎 かんつい)
  ・椎体 ついたい:第1頸椎には椎体がないことが特徴です。
  ・外側塊 がいそくかい:左右両側にあります。
  ・前弓 ぜんきゅう:両外側塊の後面から弓状に出ています。
  ・後弓 こうきゅう:両外側塊の後面から弓状に出ています。
  ・椎孔 ついこう:椎体と椎弓の間にできる輪状の孔です。
  ・前結節 ぜんけっせつ:前弓の前方に突出した部分です。
  ・後結節 こうけっせつ:後弓の後方に出た、小さな高まりです。
  ・歯突起窩 しとっきか:前弓の後面中央にある、第2頸椎歯突起との関節面です。
  ・横突起 おうとっき:外側塊から側方に向かって出ています。
  ・横突孔 おうとつこう:横突起の根元にあいています。椎骨動・静脈が通ります。
  ・上関節窩 じょうかんせつか:外側塊の上面にあり、後頭骨と関節しています。
  ・下関節窩 かかんせつか:外側塊の下面にあり、第2頸椎の上関節面と関節します。

 2.第2頸椎(軸椎 じくつい)
  ・椎体 ついたい:椎骨の前方下面にあって、横長の楕円状を呈しています。
  ・椎弓 ついきゅう:椎体後面の両側から弓状に出ています。
  ・椎孔 ついこう:椎体と椎弓の間にできる輪状の孔です。
  ・椎弓根 ついきゅうこん:椎体とつながる部分で、椎弓の前部です。
  ・椎弓板 ついきゅうばん:椎弓の後部を指します。
  ・上椎切痕 じょうついせっこん:椎弓根の上縁にあります。
  ・下椎切痕 かついせっこん:椎弓根の下縁にあります。
  ・椎間孔 ついかんこう:上下の椎骨の下椎切痕と上椎切痕との間のすきまです。
  ・歯突起 しとっき:椎体の上方に突出しています。
  ・前関節面 ぜんかんせつめん:歯突起前面にあり、第1頸椎の前弓と関節します。
  ・後関節面 こうかんせつめん:歯突起後面にあり、環椎横靱帯(かんついおうじんたい)が通ります。
  ・棘突起 きょくとっき:椎弓の後端から後下方へ向かって出ています。先端は2分しています。
  ・横突起 おうとっき:左右の椎弓と椎弓根の境界から側方に向かって出ています。
  ・横突孔 おうとつこう:横突起の根元にあいています。椎骨動・静脈が通ります。
  ・上関節面 じょうかんせつめん:椎弓根の上面にあり、第1頸椎の下関節窩と関節します。
  ・下関節面 かかんせつめん:椎弓板と横突起の間にあり、第3頸椎の上関節面と関節します。

 3.第3~第6頸椎
  ・椎体 ついたい:椎骨の前部にあって、横長の楕円状を呈しています。
  ・椎弓 ついきゅう:椎体後面の両側から弓状に出ています。
  ・椎孔 ついこう:椎体と椎弓の間にできる半円状の孔です。
  ・椎弓根 ついきゅうこん:椎体とつながる部分で、椎弓の前部です。
  ・椎弓板 ついきゅうばん:椎弓の後部を指します。
  ・上椎切痕 じょうついせっこん:椎弓根の上縁にあります。
  ・下椎切痕 かついせっこん:椎弓根の下縁にあります。
  ・椎間孔 ついかんこう:上下の椎骨の下椎切痕と上椎切痕との間のすきまです。
  ・棘突起 きょくとっき:椎弓の後端から後下方へ向かって出ています。先端は2分しています。
  ・横突起 おうとっき:左右の椎弓と椎弓根の境界から側方に向かって出ています。
  ・横突孔 おうとつこう:横突起の根元にあいています。椎骨動・静脈が通ります。
  ・上関節突起 じょうかんせつとっき:椎弓根の後方から上方へ出ています。
  ・上関節面 じょうかんせつめん:上関節突起にあり、1つ上の椎骨の下関節面と関節します。
  ・下関節突起 かかんせつとっき:椎弓根の後方から下方へ出ています。
  ・下関節面 かかんせつめん:下関節突起にあり、1つ下の椎骨の上関節面と関節します。


 4.第6頸椎の高さにあるもの
  ・甲状軟骨下角(こうじょうなんこつかかく)
  ・反回神経(はんかいしんけい)が下喉頭神経(かこうとうしんけい)として喉頭に入る部分
  ・気管、食道の起始部
  ・頸動脈結節 けいどうみゃくけっせつ
  ・中頸交感神経節(ちゅうけいこうかんしんけいせつ)と鎖骨下ワナ(さこつかワナ)
  ・下甲状腺動脈(かこうじょうせんどうみゃく)および椎骨動脈が第6頸椎の横突孔に入る部分

 5..第7頸椎(隆椎 りゅうつい)
  ・椎体 ついたい:椎骨の前部にあって、横長の楕円状を呈しています。
  ・椎弓 ついきゅう:椎体後面の両側から弓状に出ています。
  ・椎孔 ついこう:椎体と椎弓の間にできる半円状の孔です。
  ・椎弓根 ついきゅうこん:椎体とつながる部分で、椎弓の前部です。
  ・椎弓板 ついきゅうばん:椎弓の後部を指します。
  ・上椎切痕 じょうついせっこん:椎弓根の上縁にあります。
  ・下椎切痕 かついせっこん:椎弓根の下縁にあります。
  ・椎間孔 ついかんこう:上下の椎骨の下椎切痕と上椎切痕との間のすきまです。
  ・棘突起 きょくとっき:椎弓の後端から後下方へ出ています。先端は2分していません。
  ・横突起 おうとっき:左右の椎弓と椎弓根の境界から側方に向かって出ています。
  ・横突孔 おうとつこう:横突起の根元にあいています。大きさは小さく椎骨動脈は通りません。
  ・上関節突起 じょうかんせつとっき:椎弓根の後方から上方へ出ています。
  ・上関節面 じょうかんせつめん:上関節突起にあり、1つ上の椎骨の下関節面と関節します。
  ・下関節突起 かかんせつとっき:椎弓根の後方から下方へ出ています。
  ・下関節面 かかんせつめん:下関節突起にあり、1つ下の椎骨の上関節面と関節します。


-LESSON2 脊柱(胸椎以下)-

●胸椎 きょうつい(thoracic vertebra):T1~T12
  ・椎体 ついたい:椎骨の前部にあって、ハート型をしています。
  ・椎弓 ついきゅう:椎体後面の両側から弓状に出ています。
  ・椎孔 ついこう:椎体と椎弓の間にできる輪状の孔です。
  ・椎弓根 ついきゅうこん:椎体とつながる部分で、椎弓の前部です。
  ・椎弓板 ついきゅうばん:椎弓の後部を指します。
  ・上椎切痕 じょうついせっこん:椎弓根の上縁にあります。
  ・下椎切痕 かついせっこん:椎弓根の下縁にあります。
  ・椎間孔 ついかんこう:上下の椎骨の下椎切痕と上椎切痕との間のすきまです。
  ・棘突起 きょくとっき:椎弓の後端から後下方へ向かって出ています。
  ・横突起 おうとっき:左右の椎弓と椎弓根の境界から側方に向かって出ています。
  ・横突肋骨窩 おうとつろっこつか:第1~10胸椎横突起の先端にあり、肋骨結節と連結します。
  ・上肋骨窩 じょうろっこつか:第1胸椎椎体の側面後端の上方にあり、肋骨頭に連結します。
     第2~10胸椎椎体では、上の椎骨の下肋骨窩と合して、1つの肋骨頭に連結します。
  ・下肋骨窩 かろっこつか:第1~9胸椎椎体の側面後端の下方にあり、肋骨頭に連結します。
  ・肋骨窩 ろっこつか:第11・12胸椎椎体の側面中央にあり、各々第11・12肋骨に連結します。
  ・上関節突起 じょうかんせつとっき:椎弓根の後方から上方へ出ています。
  ・上関節面 じょうかんせつめん:上関節突起にあり、1つ上の椎骨の下関節面と関節します。
  ・下関節突起 かかんせつとっき:椎弓根の後方から下方へ出ています。
  ・下関節面 かかんせつめん:下関節突起にあり、1つ下の椎骨の上関節面と関節します。


●腰椎 ようつい(lumbar vertebra):L1~L5
  ・椎体 ついたい:椎骨の前部にあって、楕円状を呈しています。
  ・椎弓 ついきゅう:椎体後面の両側から弓状に出ています。
  ・椎孔 ついこう:椎体と椎弓の間にできる菱形の孔です。
  ・椎弓根 ついきゅうこん:椎体とつながる部分で、椎弓の前部です。
  ・椎弓板 ついきゅうばん:椎弓の後部を指します。
  ・上椎切痕 じょうついせっこん:椎弓根の上縁にあります。
  ・下椎切痕 かついせっこん:椎弓根の下縁にあります。
  ・椎間孔 ついかんこう:上下の椎骨の下椎切痕と上椎切痕との間のすきまです。
  ・棘突起 きょくとっき:椎弓の後端から後方へ向かって水平に出ています。
  ・横突起 おうとっき:上関節突起の外側面に癒合しながら後方に向かって突出しています。
  ・乳様突起 にゅうようとっき:横突起の先端にある隆起です。
  ・副突起 ふくとっき:乳様突起の外下方から突出しています。
  ・肋骨突起 ろっこつとっき:左右の椎弓と椎弓根の境界から側方に向かって出ています。
  ・上関節突起 じょうかんせつとっき:椎弓根の後方から上方へ垂直に出ています。
  ・上関節面 じょうかんせつめん:上関節突起にあり、1つ上の椎骨の下関節面と関節します。
  ・下関節突起 かかんせつとっき:椎弓根の後方から下方へ垂直に出ています。
  ・下関節面 かかんせつめん:下関節突起にあり、1つ下の椎骨の上関節面と関節します。


●仙骨 せんこつ(sacrum):S
 ・5個の仙椎が癒合して1個の仙骨になっています。

 1.前面
  ・仙骨底 せんこつてい:仙骨の上端のことです。
  ・仙骨尖 せんこつせん:仙骨の下端のことです。下面で尾骨と連結します。
  ・岬角 こうかく:仙骨底の前縁に張り出した部分です。
  ・横線 おうせん:各仙椎の癒合を示す4本の線です。
  ・前仙骨孔 ぜんせんこつこう:各横線の両端にあります。

 2.後面
  ・正中仙骨稜 せいちゅうせんこつりょう:仙椎の棘突起が癒合した、縦の稜線です。
  ・中間仙骨稜 ちゅうかんせんこつりょう:仙椎の関節突起が癒合した、縦の稜線です。
  ・外側仙骨稜 がいそくせんこつりょう:仙椎の横突起にあたる、波状の隆起です。
  ・後仙骨孔 こうせんこつこう:前面の前仙骨孔に対応してあいています。
  ・上関節突起 じょうかんせつとっき:中間仙骨稜の上部から後上方へ出ています。
  ・上関節面 じょうかんせつめん:上関節突起にあり、腰骨の下関節面と関節します。
  ・仙骨角 せんこつかく:左右両側の中間仙骨稜下部に突出しています。
  ・仙骨管 せんこつかん:仙椎の椎孔にあたり、脊髄神経の束(馬尾 ばび)が入ります。
  ・仙骨裂孔 せんこつれっこう:仙骨管の下口にあたり、後面に向かってあいています。

 3.側面
  ・耳状面 じじょうめん:耳状の関節面で、腸骨の耳状面と関節します。


●尾骨 びこつ(coccyx):Co
 ・3~5個の尾椎が癒合して1個の尾骨になっています。仙骨の仙骨尖と連結します。
 ・尾骨角 びこつかく:上関節突起に相当します。
 ・横突起 おうとっき:短い横突起です。


-LESSON3 胸郭-

●肋骨 ろっこつ(rib)
 ・胸郭の側壁をつくる、12対の弓状の長い骨です。
 ・本来は軟骨ですが、後部は骨化して肋硬骨になり、前部はそのまま肋軟骨として残ります。
 ・真肋 しんろく:第1~7肋軟骨は直接胸骨につくため、真肋といいます。
 ・仮肋 かろく:第8~12肋軟骨は直接胸骨につかないため、仮肋といいます。
 ・遊離肋 ゆうりろく:第11・12肋骨は胸骨と連結せず、遊離しているため、遊離肋といいます。

 1.第1~10肋骨
  ・肋骨頭 ろっこつとう:肋骨の後端で、胸椎体と関節します。
  ・肋骨頭稜 ろっこつとうりょう:肋骨頭にあり、胸椎体との関節面を上下に分けます。
  ・肋骨頸 ろっこつけい:肋骨頭に続く部分です。
  ・肋骨結節 ろっこつけっせつ:肋骨頸の外側端の突出で、関節面と粗面からなります。
  ・肋骨結節関節面 ろっこつけっせつかんせつめん:胸椎横突起と関節します。
  ・肋骨結節粗面 ろっこつけっせつそめん:外側肋横突靱帯がつきます。
  ・肋骨体 ろっこつたい:前方に向かって彎曲した部分です。
  ・肋骨角 ろっこつかく:肋骨体で最も強く彎曲した部分です。
  ・肋骨溝 ろっこつこう:肋骨体の内側面下縁にみられます。肋間動脈・静脈・神経が走ります。
  ・前斜角筋結節 ぜんしゃかくきんけっせつ:第1肋骨体上面中央にある小隆起です。
  ・鎖骨下動脈溝 さこつかどうみゃくこう:前斜角筋結節の後部にある溝です。
  ・鎖骨下静脈溝 さこつかじょうみゃくこう:前斜角筋結節の前部にある溝です。
  ・前鋸筋粗面 ぜんきょきんそめん:第2肋骨の外面中央部にあります。

 2.第11・12肋骨
  ・肋骨頭:肋骨の後端で、胸椎体と関節します。
  ・肋骨頸 ろっこつけい:肋骨頭に続く部分ですが、第11・12肋骨では不鮮明です。
  ・肋骨体 ろっこつたい:第1~10肋骨に比べて、彎曲は弱く、肋骨結節や肋骨溝を欠きます。

 3.肋軟骨(ろくなんこつ)
  ・第1~7肋軟骨は直接胸骨につき、第8~10肋軟骨はすぐ上の肋軟骨に連結します。


●胸骨 きょうこつ(sternum)

 1.胸骨柄 きょうこつへい:胸骨の上部で、六角形に近い形をしています。
  ・頸切痕 けいせっこん:上縁にある切れ込みで、皮下で容易に触れられます。
  ・鎖骨切痕 さこつせっこん:頸切痕の斜め下方にあり、鎖骨の胸骨端と関節します。
  ・第1肋骨切痕 だいいちろっこつせっこん:第1肋軟骨と関節します。
  ・第2肋骨切痕 だいにろっこつせっこん:胸骨体の上端にまたがり、第2肋軟骨と関節します。

 2.胸骨体 きょうこつたい:胸骨柄の下部にある長い部分です。
  ・第2肋骨切痕 だいにろっこつせっこん:胸骨柄の下端から続き、第2肋軟骨と関節します。
  ・第3~7肋骨切痕:それぞれ、第3~7肋軟骨と関節します。
  ・胸骨角 きょうこつかく:胸骨柄と胸骨体の結合部で、前方に突出した部分です。

 3.剣状突起 けんじょうとっき:胸骨下端の細長い突起です。


-LESSON4 脊柱の機能-

1.体幹部において支柱となります。
2.体軸の方向を決定します。
3.脊柱管を構成し、脊髄を保護します。
4.固有背筋などに筋の付着部を提供します。


アディの解剖学《骨系》~頭蓋~

2008-02-26 16:03:57 | アディの解剖学《骨系》
-LESSON1 脳頭蓋-

●前頭骨 ぜんとうこつ(frontal bone)
 1.外面
  ・眼窩上孔 がんかじょうこう(眼窩上切痕 がんかじょうせっこん)
   :眼窩上縁内側部の外側。
  ・前頭孔 ぜんとうこう(前頭切痕 ぜんとうせっこん)
   :眼窩上縁内側部の内側。

 2.内面
  ・上矢状洞溝 じょうしじょうどうこう:正中を走ります。

 3.骨内
  ・前頭洞 ぜんとうどう
   :前頭鱗下部(ぜんとうりんかぶ)や眼窩部の前部に広がります。


●頭頂骨 とうちょうこつ(parietal bone)
 1.外面
  ・上側頭線 じょうそくとうせん、下側頭線 かそくとうせん
   :側頭筋が付着します。

 2.内面
  ・上矢状洞溝 じょうしじょうどうこう
   :矢状縫合に一致して存在します。


●後頭骨 こうとうこつ(occipital bone)
 1.外面
  ・外後頭隆起 がいこうとうりゅうき:中央にある突起です。
  ・上項線 じょうこうせん:外後頭隆起の左右を走っています。
  ・最上項線 さいじょうこうせん:上項線の上方を横走しています。
  ・下項線 かこうせん:上項線の下方を横走しています。
  ・大後頭孔 だいこうとうこう(大孔 だいこう)
   :頭蓋底の部分に開いています。
  ・後頭顆 こうとうか:大後頭孔の両側にある隆起です。
  ・舌下神経管 ぜっかしんけいかん:後頭顆の前外方に開口しています。
  ・顆管 かかん:後頭顆の後外方に開口しています。

 2.内面
  ・横洞溝(おうどうこう)、上矢状洞溝(じょうしじょうどうこう)の一部が見られます。


●側頭骨 そくとうこつ(temporal bone)
 1.外面
  ・外耳孔 がいじこう:下方の外面にみられ、奥は外耳道になっています。
  ・頬骨突起 きょうこつとっき:外耳孔の上前方にあり、頬骨につながります。
  ・下顎窩 かがくか:外耳孔の前方にあり、下顎骨と関節します。
  ・茎状突起 けいじょうとっき:外耳孔の下後方にあります。
  ・乳様突起 にゅうようとっき:外耳孔の下前方にあります。

 2.錐体部(すいたいぶ):頭蓋腔内に突出した部分です。
  ・三叉神経圧痕 さんさしんけいあっこん:錐体前面の前方部にあります。
  ・内耳孔 ないじこう:錐体後面の中央にあります。


●蝶形骨 ちょうけいこつ(sphenoid bone)
 1.蝶形骨体
  ・蝶形骨洞 ちょうけいこつどう:蝶形骨体の内部を占めています。
  ・トルコ鞍 トルコあん:蝶形骨体の上面にある鞍状のくぼみです。
  ・下垂体窩 かすいたいか:トルコ鞍の中央のくぼみで、下垂体が入ります。
  ・鞍背 あんぱい:トルコ鞍の後縁の隆起です。
  ・斜台 しゃだい:鞍背の後面にあり、後頭骨と合わさります。

 2.小翼(しょうよく)
  ・視神経管 ししんけいかん:小翼基部を貫いています。
  ・上眼窩裂 じょうがんかれつ:小翼と大翼の間にあるすきまです。

 3.大翼(だいよく)
  ・前方から、正円孔(せいえんこう)、卵円孔(らんえんこう)、棘孔(きょくこう)が並んでいます。

 4翼状突起(よくじょうとっき)
  ・内側板 ないそくばん:内側翼突筋がおこります。
  ・翼突鉤 よくとつこう:内側板の下端が外方に折れ曲がった部分です。
  ・外側板 がいそくばん:外側翼突筋がおこります。


●篩骨 しこつ(ethmoid bone)
 1.内側
  ・篩板 しばん:篩骨の最上部にあり、鼻腔の天井をつくっています。多くの小孔があります。
  ・鶏冠 けいかん:篩板の上方に突出しています。
  ・垂直板 すいちょくばん:篩板の下方に出て、鼻中隔の前上部をつくります。

 2.外側
  ・外側塊 がいそくかい(篩骨迷路 しこつめいろ):内部に篩骨洞(篩骨蜂巣)がある骨塊です。
  ・外側塊からは、上鼻甲介(じょうびこうかい)、中鼻甲介(ちゅうびこうかい)が突出しています。


-LESSON2 顔面頭蓋-

●涙骨 るいこつ(lacrimal bone)
 ・涙嚢窩 るいのうか(涙嚢溝 るいのうこう)
 :眼窩面を縦に走る、鼻涙管の始まりの部分です。

●鼻骨 びこつ(nasal bone)

●鋤骨 じょこつ(vomer)

●下鼻甲介 かびこうかい(inferior nassal bone)

●上顎骨 じょうがくこつ(maxillary bone)
 ・上顎洞 じょうがくどう:上顎骨内部の空洞です。
 ・眼窩下溝 がんかかこう:上顎骨上面の眼窩下壁に通っています。
 ・歯槽突起 しそうとっき:上顎骨下部にあり、歯根を入れるくぼみ(歯槽)が並んでいます。
 ・口蓋突起 こうがいとっき:左右の上顎骨の口蓋突起は、正中口蓋縫合をなします。
 ・前頭突起 ぜんとうとっき:鼻腔の側壁をつくり、前頭骨につながっています。
 ・頬骨突起 きょうこつとっき:頬骨と連結します。

●下顎骨 かがくこつ(mandible bone)
 1.下顎体(かがくたい)
  ・下顎角 かがくかく:下顎体下縁から下顎枝後縁に移行する角の部分です。
  ・歯槽部 しそうぶ:下顎体の上部にあり、歯槽に歯根をおさめます。
  ・オトガイ隆起 オトガイりゅうき:下顎体の下部の、前方に膨隆している部分です。
  ・オトガイ孔 オトガイこう:外面の側方、前方寄りにあります。
  ・オトガイ棘 オトガイきょく:下顎体の内面にある小突起です。
  ・二腹筋窩 にふくきんか:オトガイ棘の下側にあるくぼみです。
  ・顎舌骨筋線 がくぜっこつきんせん:内面の前部から後上方に向かって走っています。
  ・舌下腺窩 ぜっかせんか:顎舌骨筋線の前上方にある、舌下腺のくぼみです。
  ・顎下腺窩 がくかせんか:顎舌骨筋線の下方にある、顎下腺のくぼみです。
  ・翼突筋粗面 よくとつきんそめん:下顎角に近い内面の領域にあります。

 2.下顎枝(かがくし)
  ・筋突起 きんとっき:下顎枝前方にあり、側頭筋が付着します。
  ・関節突起 かんせつとっき:先端の下顎頭で顎関節をつくります。
  ・下顎孔 かがくこう:下顎枝内面の中央にあいています。
  ・下顎小舌 かがくしょうぜつ:下顎孔前縁に沿った小突起です。
  ・下顎管 がくかかん:下顎孔から前方に向かって走り、オトガイ孔まで続きます。


●口蓋骨 こうがいこつ(palatine bone)
 ・水平板 すいへいばん:骨口蓋をつくり、上顎骨の口蓋突起と連結します(横口蓋結合)。
 ・鉛直板 えんちょくばん:鼻腔側壁をつくります。

●頬骨 きょうこつ(zygomatic bone)
 ・側頭突起 そくとうとっき:後方にあり、側頭骨の頬骨突起と連結して頬骨弓をなします。
 ・前頭突起 ぜんとうとっき:前頭骨と結合します。

●舌骨 ぜっこつ(hyoid bone)
 ・舌骨体 ぜっこつたい:前部の扁平な部分です。
 ・大角 だいかく:舌骨体の両側から後上方へ伸びる部分です。
 ・小角 しょうかく:舌骨体と大角の境で、後方に向く突出部です。


-LESSON3 頭蓋骨・頭蓋腔と外部との交通-

●頭蓋骨前面
 1.鼻腔(びくう)
  ・梨状口 りじょうこう:鼻腔の前方への開口部です。
  ・後鼻孔 こうびこう:鼻腔の後方に続いています。
  ・鼻中隔 びちゅうかく:鼻腔を左右に分けます。
  ・鼻甲介 びこうかい:上・中・下鼻甲介があり、その下方に上・中・下鼻道をつくります。
  ・副鼻腔 ふくびくう:前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、上顎洞をさし、上・中鼻道につながります。

 2.眼窩(がんか)
  ・上眼窩裂 じょうがんかれつ:上壁と外側壁の間にある裂孔です。
  ・下眼窩裂 かがんかれつ:外側壁と下壁の間にある裂孔です。
  ・視神経管 ししんけいかん:上壁の内側後方部に開口しています。
  ・眼窩下溝 がんかかこう:後方の下眼窩裂から続き、眼窩下管、眼窩下孔となります。
  ・眼窩上孔 がんかじょうこう:眼窩上縁近くに見られる小孔です。
  ・前頭切痕 ぜんとうせっこん:眼窩上孔の内側方にあります。


●頭蓋骨側面
 ・上側頭線 ぜんそくとうせん:前頭骨から側頭骨に至るアーチ状の線です。側頭筋膜がつきます。
 ・下側頭線 かそくとうせん:上側頭線の下側にアーチを描き、側頭筋が付着します。
 ・頬骨弓 きょうこつきゅう:側頭骨の頬骨突起と、頬骨の側頭突起がなします。
 ・側頭窩 そくとうか:頬骨弓の上方にある、くぼみです。
 ・側頭下窩 そくとうかか:側頭窩の下方にある、くぼみです。
 ・翼口蓋窩 よくこうがいか:側頭下窩の奥、上顎骨と蝶形骨翼状突起との間にみられます。
 ・外耳孔、茎状突起、乳様突起、下顎窩:LESSON1の「側頭骨」の部分を参照。


●頭蓋骨後面
 ・外後頭隆起、上項線、最上項線、下項線:LESSON1の「後頭骨」の部分を参照。


●頭蓋骨下面
 ・骨口蓋 こつこうがい:歯列弓に囲まれ、口腔の天井と鼻腔の底をなす部分です。
 ・後鼻孔 こうびこう:骨口蓋の後方端の上に開口しています。
 ・卵円孔 らんえんこう:蝶形骨にあります。
 ・棘孔 きょくこう:蝶形骨にあります。
 ・破裂孔 はれつこう:蝶形骨と側頭骨の間にあります。
 ・頸動脈管 けいどうみゃくかん:側頭骨と後頭骨の間にあります。
 ・茎乳突孔 けいにゅうとつこう:茎状突起と乳様突起の間にあります。
 ・大後頭孔、後頭顆、舌下神経管、顆管:LESSON1の「後頭骨」の部分を参照。


●頭蓋骨内面
 1.前頭蓋窩 ぜんとうがいか:前頭骨、篩骨、蝶形骨からなり、大脳の前頭葉がのります。
  ・篩板 しばん:中央部にあり、多数の小孔で鼻腔と交通します。
  ・鶏冠 けいかん:篩板の前部にあり、大脳鎌が付着します。

 2.中頭蓋窩 ちゅうとうがいか:大脳の側頭葉や視床下部がのる部分です。
  ・トルコ鞍 トルコあん:中央部にあります。
  ・下垂体窩 かすいたいか:トルコ鞍にあり、下垂体を入れるくぼみです。
  ・視神経管 ししんけいかん:前方にあります。
  ・上眼窩裂 じょうがんかれつ:前方にあります。
  ・破裂孔 はれつこう:内側部にあります。
  ・正円孔 せいえんこう、卵円孔 らんえんこう、棘孔 きょくこう:外側前方から並んでいます。
  ・三叉神経圧痕 さんさしんけいあつこん:破裂孔の後縁にあります。
  ・頸動脈管 けいどうみゃくかん:破裂孔の後壁に開いています。

 3.後頭蓋窩 こうとうがいか:小脳、橋、延髄がのる部分です。
  ・斜台 しゃだい:大後頭孔の前部で、橋と延髄がのります。
  ・舌下神経管 ぜっかしんけいかん:大後頭孔の前外側壁にあります。
  ・頸静脈孔 けいじょうみゃくこう:後頭骨と側頭骨錐体との間にあります。
  ・内耳孔 ないじこう:側頭骨錐体後面の中央にみられ、内耳道に続いています。

-LESSON4 縫合と頭蓋泉門-

●縫合 ほうごう
 ・冠状縫合 かんじょうほうごう:前頭骨と左右の頭頂骨の間にみられます。
 ・矢状縫合 しじょうほうごう:左右の頭頂骨の間にみられます。
 ・ラムダ縫合 ラムダほうごう(人字縫合 じんじほうごう)
  :左右の頭頂骨と後頭骨の間です。ギリシア文字のラムダ(λ)が由来です。

●頭蓋泉門 とうがいせんもん
  :新生児の頭蓋で、骨の間が離れて膜のみで連結される部分です。
   出産時には骨を重なり合わせて産道を通過しやすくなり、癒合が発育の指標にもなります。
   大泉門は2年、他の泉門は半年から1年ほどで閉鎖します。

 ・大泉門 だいせんもん:左右の前頭骨と左右の頭頂骨の間の領域です。
   (出生時は前頭骨が左右に分割しています。)
 ・小泉門 しょうせんもん:左右の頭頂骨と後頭骨の間の、三角形の領域です。
 ・前側頭泉門 ぜんそくとうせんもん:蝶形骨大翼と頭頂骨の間の領域で、左右1対あります。
 ・後側頭泉門 こうそくとうせんもん:頭頂骨、側頭骨、後頭骨の間の領域で、左右1対あります。


アディの解剖学《骨系》~総論~

2008-02-26 15:56:28 | アディの解剖学《骨系》
-LESSON1 骨の役割-

1.骨格系を形成して身体の支柱となる
 ・人間の身体は206個の骨からなっています。
2.(受動的)運動器官である
 ・反対に、筋肉は能動的運動器官といい、自分から運動することができます。
3.筋に付着部を提供する
4.体腔を形成して臓器を守る
 ・頭蓋腔 とうがいくう:脳頭蓋の骨でつくられ、脳を守っています。
 ・脊柱管 せきちゅうかん:脊柱の骨でつくられ、脊髄を守っています。
 ・胸郭 きょうかく:胸椎・肋骨・胸骨でつくられ、心臓・肺・気管・食道などを守っています。
 ・腹腔 ふくくう:胸椎・肋骨でつくられ、胃・小腸・大腸・肝臓・膵臓・腎臓などを守っています。
 ・胎盤腔 たいばんくう:寛骨・仙骨・尾骨でつくられ、膀胱・子宮・卵巣・直腸などを守っています。
5.無機塩類(カルシウム・リンなど)を貯える
 ・生体内のカルシウムの99%、リンの85%が骨に(リン酸の形で)貯蔵されています。
6.造血機能
 ・赤色骨髄でつくられます。


-LESSON2 骨の形態による分類-

1.長管骨(長骨) ちょうかんこつ:縦に長いもの(上腕骨・大腿骨など)。
2.短骨 たんこつ:サイコロ型のもの(手根骨・足根骨など)。
3.扁平骨 へんぺいこつ:平たいもの(頭蓋骨・胸骨・肩甲骨など)。
4.不規則骨 ふきそくこつ:複雑な形のもの(蝶形骨・篩骨など)。
5.種子骨 しゅしこつ:腱などにある丸いもの(膝蓋骨など)。


-LESSON3 骨組織-

骨の化学組成

●無機成分
リン酸カルシウム(ハイドロオキシアパタイトの結晶となり骨に存在) 85%
炭酸カルシウム 10%
リン酸マグネシウム 1.5%

●有機成分
コラーゲン(骨にしなりを与える膠様線維、蛋白質)
プロテオグリカン(組織の水分や代謝に関与する糖蛋白複合体)


LESSON4 骨の発生と成長-

骨は破骨細胞による破壊・吸収と、骨芽細胞による新生を繰り返して、再構築(リモデリング)しながら成長しています。
●破骨細胞:骨塩やコラーゲンを分解して、その分解産物を貪食・吸収します。
●骨芽細胞:コラーゲンの形成、細胞外液のカルシウムの取り込みによって骨を石灰化します。

骨折のときも、この「骨化(こつか)」という現象で骨組織は形成され、治癒されていきます。骨化には、関節軟骨で起こる軟骨内骨化(なんこつないこつか)と、骨膜で起こる膜内骨化(まくないこつか)があります。

●軟骨内骨化:骨幹・骨端の軟骨が骨組織に置き換わる現象で、このようにできた骨を置換骨(ちかんこつ)といいます。置換は20歳で終わりますが、成長した骨も常にリモデリングを繰り返しています。
●膜内骨化:軟骨の置換によらず、破骨細胞と骨芽細胞のはたらきで骨組織を形成していく現象です。

骨吸収と骨新生は、骨のカルシウム・リンを調節します。
●骨吸収:副甲状腺ホルモン(パラソルモン)、ビタミンDによって促進されます。
●骨新生:カルシトニン、成長ホルモン、サイロキシン、アンドロゲン(男性ホルモン)、エストロゲン(女性ホルモン)で促進されます。