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フジコ・ヘミングは新市場型イノベーション

2011-09-29 00:10:44 | ビジネス

「フジ子・ヘミング現象」の何が問題なのか?(冷泉彰彦)
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2011/09/post-346.php

フジコ・ヘミングは新市場型破壊的イノベーションであった。
(破壊的イノベーションというよりブルーオーシャンという方がよいか?)

クラシック音楽業界は市場規模が比較的小さく、既に成熟産業で、のびしろはさほどない。
ロックやポップスなどに比べると流動性は乏しく、競争は決められた枠の中でしか行われない。
規模が小さく成長が期待できい成熟産業で過当競争を繰り広げるよりも、ある種のマナーによって競争を抑制し、確かな利益を享受し合った方がよいと考えることができる。
この手の業界は既得権益を守ることが重要であり、そのための階層構造がしっかりと出来上がっている。
有名コンクール、評論家、etc...。
それが可能なのも、音楽というものは大変に感性的なものであり、定量化できないものだからだ。
同じ人が同じ楽曲を聴いても、その時の気分によって感じるものが変わるように、音楽の評価などというものは定性的に成らざるを得ない。
評価は全て定性的なものになるため、その信頼性が問題になる。
信頼を得るために、定性的なものを、できる限り定量的にみせることが行われる。
ここに既得権益ビジネスの付け入る隙がある。
長年の技術の蓄積による高度化と複雑化で、専門教育を受けた人でなければ、定性的評価を定量的に見せかけるために技術的要素の真贋を判断できない。
あとは、この専門性を権威化することに既得権益層の利害が一致すればよい。
利害の相反関係が崩れない限り、クラシック村は安泰である。
あとは、市場規模が縮小しないように芸術教育に投資するよう公共機関に働きかけたり、たまにスターを輩出したりすることが行われる。

クラシック村からすれば、普段クラシックを聴かないような層に合わせて流行を追うよりも、秩序を守ることの方が重要だ。
それが利益を守ることにつながるからだ。
だから、その秩序を壊すものは嫌われる。

彼女は不運にもクラシック業界でスターになるチャンスを逸したが、
むしろそれがイノベーションにつながったかもしれない。
彼女の音楽は、専門的知識を有しないにわかクラシックファンに受け入れられ、大ヒットした。
クラシックに深くコミットしない層を巻き込んでのセンセーションなので、これは新市場型のイノベーションといえるだろう。


この構図はワインでいうところのイエローテイルと同じだ。
http://www.sapporobeer.jp/wine/yellowtail/index.htmlワインというのはラベルやウンチクが大切で、お高くとまった既得権益層の連中を満足させないと評価されないし、そこで評価されることが重要である。
高級路線はクラシックと同じ既得権益ビジネスで、低級路線は大量生産によるコストダウンの2極化である。
タンニンだなんだといった指標が重要なのであるが、ビールを好む人には適さないかもしれない。
そんな中、オーストラリアのイエローテイルが新市場型のイノベーションを起こした。
飲みやすく親しみやすいワインを開発したのである。
この会社は瞬く間に全米No.1ワインメーカーになった。
ワイン市場は成熟産業で成長の余地はないと思われていたのにだ。
成功の理由は、普段ワインを飲まない層を取り込んだことである。


とまぁ、眠い中つらつらと書いたわけだが、既得権益っていうのはイノベーションにとっては美味しい餌だったりするのだ。
確認もせずに感覚的に書いているので細かい数字を割愛しつつ、ところどころ間違っている可能性は有りでございますのでご注意ください。


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