今回はこの記事について触れてみたいと思います。
知られざるMLSの世界 シアトル・サウンダーズFCが掲げる“ファンと共に”というブランド
そもそも「ファン・サポーターとともに」というメッセージを発信するクラブは多いですが、
それをマネジメントに取り込んでいるケースはスペインのクラブ運営形態にみられるソシオ制度などごく僅かです。
アメリカでは議決権のない株式が販売されているケースもあり、これはどちらかというとグッズ的要素が強いようです。
詳細は鈴木友也さんのコラムをご覧下さい⇒「NFLオーナーになって抱いた株主の実感とマンU上場の裏事情」(日経ビジネスonline)
記事にあるMLSシアトル・サンダースのように一部のファン・サポーターに投票権を与える方法には
もちろんリスクが伴います。
実際にこのコラムと同じような方法を、実は数年前から私も構想し、
各方面に提案してみているのですが、どこも「面白いけど、リスクが高いよね」という反応でした。
が、そのリスクを管理し、問題をクリアできるのであれば、これほど「クラブと一体になっている感」を与えられる方法はありませんよね。
この場合、
①シアトルサンダースはシーズンパス保有者(=投票権保有者)を選定する基準を設けているのか?
②設けているとすれば、それはどのような基準か?
③SP購入希望者が基準をクリアしているかどうか審査する手順は?
④上記にかかる期間は?
⑤そもそも個人が購入できるシーズンパスの枚数に制限をかけているのか?
などなど、色々と明確にすべきポイントが見えてきます。
これ、もう少し深堀すると、プロスポーツクラブのマネジメントとスポーツ消費者行動論を橋渡しする特徴的なケーススタディになりますね。
どなたか論文に仕立ててみてはいかがでしょうか?
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と、以上のように述べてきましたが、
このやり方を採用する場合、以下の事柄が絶対条件になります。
それはあまりにも当たり前のことですが
「最終的な経営権はあくまでクラブ側(経営者)が持つこと」です。
つまり、このやり方、ファンや・サポーターが参加できる範囲を「ある程度に留める」ということです。
端的に言えば、「いい塩梅にファン・サポーターがクラブ経営に参画できている感」 を演出することにつきます。
じゃないと、完璧ソシオ制度になっちゃいますからね。
「ソシオじゃダメなの?という方は、各リーグの規約と、この辺のクラブの法人格とガバナンスのあり方なんかも
調べてみるとかなりいい勉強になります。大学院生の皆さん、是非やってみてくださいね。
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ちなみに、このシアトル・サウンダースの観客動員に関する記事も併せて読むと理解が進みます。
MLSの観客動員力~シアトルで平均4万人超の理由~(Number web)