路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【東京都】:「学歴詐称疑惑」再燃の小池百合子…その「虚飾の物語」を検証する ① 

2020-07-04 00:47:50 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【東京都】:「学歴詐称疑惑」再燃の小池百合子…その「虚飾の物語」を検証する ① ■『女帝 小池百合子』著者が真相を語った

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京都】:「学歴詐称疑惑」再燃の小池百合子…その「虚飾の物語」を検証する ① ■『女帝 小池百合子』著者が真相を語った

 「近藤大介 北京のランダムウォーカー」と題したこの連載は、普段は毎週火曜に中国を中心とした東アジア情勢に関するレポートを載せ、最後に推薦新刊図書の書評を加えている。だが、今回は特別編として、元政治記者の近藤大介氏と、現在ベストセラーになっている『女帝 小池百合子』(文藝春秋刊)の著者で、ノンフィクション作家の石井妙子氏との120分にわたる緊急対談をお届けするーー。 

まさに「虚飾の政治家」

近藤: 新著『女帝 小池百合子』(以下、本書)のご出版、おめでとうございます。まだ発売から一週間なのに、早くも大変な話題を呼んでいますね。7万部を超える勢いで、アマゾンの本の総合ランキングでも、10位前後で推移しています。

前作『原節子の真実』(新潮社刊、2016年)を読んで、これは平成日本における映画人評伝の最高傑作だと思いましたが、今回の新著は、平成・令和日本の政治家評伝の最高傑作ですね。いやあ、腰を抜かすような本が世に出たものです。

石井: お誉めの言葉、ありがとうございます。

近藤: 私はかつて政治記者をしていたこともあって、これまでずいぶん多くの政治モノの本を読んできました。しかし444ページもある大著なのに、徹夜して一気呵成に読破した本など、何年ぶりでしょう。

石井: そう言えば、4年前に私が『原節子の真実』を書き上げた時、近藤さんに、「私は次に何を書いたらいいでしょうね?」と尋ねましたよね。そうしたら、「原節子のような『過去の人』ではなく、いまこの世に生きているもっと『生々しい人』。しかも誰でも名前は知っているけど、本当のことはよく知らないような人物」と仰いました。

近藤: そうです、そうです。でも、これほど生々しい67歳の女性政治家のことを描くとは予想外でした(笑)。そして何より、嬉しかった。 

 というのは、われわれほぼ同世代のノンフィクションの物書きではないですか。若い頃はバブル経済の絶頂期で、才能あふれる同世代の書き手が、綺羅星のごとくいたものです。ところが、主戦場だった雑誌媒体が減ったこともあって、書き手の方も一人減り、二人減り……。先日、タクシーに乗ったら、偶然にも運転手が、かつての書き手仲間でした。別れ際、「近藤はこれからも書き続けてくれよ」と言われ、心中複雑でした。

 そんな中、私が「同世代の宝」と思っているのが石井さんで、その石井さんが今回、日本のノンフィクション史に残る傑作をものした。同世代の書き手として、純粋に嬉しいんです。

石井: ありがとうございます。たしかに媒体は減るし、同世代の書き手が減っていくのも寂しいことです。私も今度の本を出すまでに、4年近くかかってしまいました。

近藤: 4年もの歳月をかけて、小池百合子という「女帝」の半生に取り組んだきっかけは、何だったのですか?

石井: いまからちょうど4年前、舛添要一都知事が金銭スキャンダルで辞任しましたよね。その後行われた都知事選に、小池氏が衆議院議員を辞職して急遽、出馬し、東京都民は熱狂した。あの様子をテレビで観ていて、どこか違和感を覚え、胸がゾワゾワしてきたんです。

 彼女はいつも作り笑いを浮かべているのに、目はちっとも笑っていない。目は心の窓と言うけれど、この政治家の心はどうなっているんだろう?  彼女には、人知れない「心の闇」があり、さらにその奥にも「真実の闇」が広がっているのではないか。そんなノンフィクション作家としてのモヤモヤ感からでした。でも、直接のきっかけは編集者からの執筆依頼です。それがなかったら、書いたかどうか。
 
近藤: なるほど。読者がまだ『女帝 小池百合子』を読んでいないという前提で言うと、この本には現在、東京都知事として新型コロナウイルス問題で日々、テレビに出ずっぱりの小池百合子という政治家の、少女時代から現在に至る赤裸々な姿が記されています。しかも感情的な誹謗中傷ではなく、一つひとつ事実を検証し、積み上げていくという帰納的手法によって、「小池百合子」という人間の本質を浮き彫りにしています。 

 小池百合子氏は、生まれてこの方、一体いくつのウソをつき続けてきたのだろうと、石井さんの本を読みながら数えていったものの、50くらいまで来てやめました。「嘘八百」という言葉があるけれど、本当にこの本には800くらいのエピソードが詰め込まれているかもしれません。まさに「虚飾の政治家」です。

石井: 本書を書くにあたって、ゆうに100人以上の関係者から話を聞きました。いずれも彼女の67年の人生の折々で、交わりのあった人たちです。例えば、「カイロ大学を首席で卒業した」と小池氏が公表している留学時代(1971年~1976年)のことを知ろうと、遠くエジプトにも出かけて行って、その時代の彼女を知る10人近い人々に会いました。加えて、過去の小池氏の著作や発言、雑誌や新聞記事など、大量の資料を読み込みました。

するとこの政治家は、ウソにウソを塗り重ねたことで現在があるということが、次第にはっきりとわかってきたんです。ある時は自己顕示欲を満たすため、ある時は自己防衛のためにウソをつく。その後、それを隠そうと土を掘って埋めるけれど、隠そうとするあまり、土をかぶせすぎてしまうので、かえって、土が盛り上がり、そこにあるウソが透けて見える。そんなイメージでした。

近藤: 中国には「ウソも100回つけば真実になる」という言葉がありますが、小池氏の場合、ウソの上塗りで自己破綻していくということですね。でもあることに関して、最初にウソが小池氏の口から飛び出した時は、マスコミも喜んで報道したりするわけで、われわれも自戒しないといけません。

 その意味で本書は、人間・小池百合子のウソをウソと見抜き、正攻法で著した初の著作と言えます。 

「カイロ大卒」は完全な公職選挙法違反

石井: 書きながら、度々、自分に問いました。ここまで書いていいのか、と。公人ではありますが、どこまで掘り下げるかは悩みました。ノンフィクション作家というのは常に「二つの罪」を背負っていると思っています。それは、書くことの罪と、書かぬことの罪です。私は今回、後者の罪をより重く考え、本書を執筆しました。

近藤: 書くことの罪と、書かぬことの罪――まさに言葉を紡いでいく者の宿命ですね。

本書では、小池氏の5年間のカイロ留学時代のうち2年間を一つ屋根の下で暮らしたという早川玲子さん(仮名)がもっとも重要な存在として登場します。この方の証言は衝撃的ですね。

「(小池氏は)カイロ大学は1976年の進級試験に合格できず、従って卒業はしていません」

はっきりとこう述べている。これが事実なら、小池氏は完全な公職選挙法違反です。

石井: そうです。早川さんは、小池氏より10歳ほど年上で、小池氏がカイロ留学時代にアパートを一緒に借り、同居していた人物です。つまり、カイロ時代の小池氏を誰よりも熟知しています。

早川さんはその後もカイロに残りますが、小池氏が日本へ帰国後、カイロ時代のことをウソで塗り固めていくことに耐えられなくなってきた。それで真実はまったく違うのだということを、日本の大手新聞社に書き送ります。

ところが新聞社からは返事がない。それで、「小池氏が有名政治家になったから新聞社も書けないのだろう」と思い、落胆する。そんな時、たまたま私が『文藝春秋』に書いた関連記事が目に留まり、編集部に私宛の手紙を送ってきてくれたのです。2018年2月のことでした。

近藤: 早川さんにとっては、石井さんが最後の頼みの綱だと思ったんでしょうね。

石井: そのようです。これでダメなら、真実を受けとめてくれる人が世の中にいないということであって、自分が今まで持ち続けてきた小池氏に関する資料や日記などを、全部燃やしてしまおうと思っていたと聞きました。

実は私も彼女を探していたんです。というのも、カイロ時代に小池氏と交流があった人々を日本で訪ね歩くと、「当時のことは同居していた女性が一番知っているはず」と、何人にも言われたからです。

でも誰も、名前や経歴を覚えていない。まったく手掛かりがつかめなくて、それで、私も探し出すことを諦めていた。そこへ、当人からの手紙が届いたわけですから。私は思わず天を仰ぎました。

近藤: まさに運命が、石井さんと早川さんを結びつけたんですね。

石井: そう思います。早川さんも、「神の意思と思った」と仰っていました。会ってみると、大変知的で、強い意志を持った方でした。

近藤: 今回、『女帝 小池百合子』が出版されたことについては、どんな感想を述べていますか?

石井: 「これでもう思い残すことはありません。私はいつ死んでもいいです。書いて下さって本当に有難うございました」と仰って下さった。著者として、胸がいっぱいになりました。

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 政治 【選挙・メディア・マスコミ・担当:近藤 大介 , 石井 妙子】  2020年06月05日  09:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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