路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【ラサール石井 東憤西笑】:岸田首相の演説はまるで悪徳通販のパンフレットだ 国防よりも国民の生活の向上を

2023-01-26 06:15:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【ラサール石井 東憤西笑】:岸田首相の演説はまるで悪徳通販のパンフレットだ 国防よりも国民の生活の向上を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ラサール石井 東憤西笑】:岸田首相の演説はまるで悪徳通販のパンフレットだ 国防よりも国民の生活の向上を

 さて通常国会が始まり、岸田総理が自身2度目の施政方針演説を行った。

 文面を見ればおそらく官僚が書いた文章であろう、そこに総理自身の考えがどれほど入っているのかは分からないが、もっともらしい言葉が並び、なるほどなるほどとうなずかせる文章に一見はなっている。まあ一般人からしてみれば難しい言葉や問題が多すぎて「何のことやらさっぱりわからん」というのが正直なところであろう。

<picture>施政方針演説を行う岸田首相(C)日刊ゲンダイ</picture>

  施政方針演説を行う岸田首相(C)日刊ゲンダイ

 結局これは「私はこれとこれがやりたいと思ってるんで国会で話し合って決めるからよろしくね」って話なんだけど、よーく聞いてしっかり見極めないと、これって通販の説明やパンフレットに似ていて、安いと思って飛びついたらそれは初回だけで、そこから毎月法外な値段を取られ、慌てて解約しようと思っても「3カ月は解約できません」とかものすごく小さい文字で書いてあったりするから要注意だ。

 まずこの内閣がすでに支持率30%を切っていて死に体であることを忘れちゃいけない。落ち着いた顔をしているが、岸田氏の尻にはもう火がついている。演説している後ろからうっすら煙が見えるほどだ。

 だから方針がブレブレだ。「聞く力」を強調し「慎重に検討し」とばかり言っていたら「検討使」と呼ばれ、だったら決断してやると「防衛費倍増」や「敵基地攻撃能力」などを議論もなしに勝手に決めてアメリカに約束した。

 キャッチフレーズもいつの間にかしれーっと変わる。「所得倍増計画」は「資産所得倍増計画」に。「異次元の少子化対策」は「次元の異なる少子化対策」に(どこが違うの?)。

 こんなごまかし信用できますか。

 だいたい国民が貧困に喘いでいて、コロナも決して収束に向かっているわけでもないのに、施政方針演説の冒頭から国防国防とうたい、アメリカから爆買いする武器の負担を更なる増税で賄おうとする。まず国民の生活の向上なくして、何が国防か。国が守ろうとしているのは一体なんなのか。

 しかもその防衛費増額や敵基地攻撃能力をすでに既定路線、もう決まったかのようにこれまたしれーっと言っているが、国会で決まったわけでもなく、国民みんなが納得したわけでもない。なんでも閣議で決定してこれほど国会が軽視されている時代もないのではないか。

 演説には「賃上げ」なんて話も出てきますが、ニンジンぶら下げてるだけかどうかはこれから検証しなきゃいけない。賃上げされてもその分増税されたらおんなじだ。

 政治家は政治の専門家だから任せとけば間違いない、なんて言ってこれまで何度だまされてきたか。これから始まる国会をよく見て、言うべきことは声を上げていかないとね。 

ラサール石井
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 ■ラサール石井 タレント

 1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・「ラサール石井 東憤西笑」】  2023年01月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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