路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【政界地獄耳・09.19】:自民だけでは政治倫理を確立できない

2024-09-24 07:40:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政界地獄耳・09.19】:自民だけでは政治倫理を確立できない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・09.19】:自民だけでは政治倫理を確立できない

 ★今年7月23日、衆院の全党と会派の議員約140人が参加した超党派の第2回「政治改革の柱として衆議院選挙制度の抜本改革を実現する超党派議員連盟」が開かれた。いささか古い話だが、総裁選でも争点にすらならない。83年の総選挙でも政治倫理問題が最大の争点となり、時の首相・中曽根康弘は「倫理、リンリと、まるで鈴虫が鳴いているようだと」と一蹴し同年の流行語大賞に輝いた。30年前、中選挙区から小選挙区に制度を変える時も背景には政治とカネがあった。89年から93年にかけ宇野、海部、宮沢の3内閣が倒れ、細川内閣の時に新選挙制度「小選挙区比例代表並立制」が成立した。

 ★つまり、自民党は政治倫理を確立したためしがなく、政治とカネに決別したこともない。本気で改める気がない。それをなくそうと小選挙区で2大政党制に誘導したものの、今は政党乱立時代だ。政治の信頼回復には幅広い民意を政治に反映させる必要がある。小選挙区制では当選者が1人で対立候補が落選すれば、僅差であろうとも死に票が増える。小選挙区制の弱点でもある。また、一度選挙区で勝つと、その構図のまま定着してしまい、変化が起こりにくい。さて議連には総裁選候補者の元幹事長・石破茂、元官房長官・加藤勝信が顧問として入っている。議連は現行制度の問題点を共有し、新制度に向け見直しを共有している。30年前に制度は変えたが、政治資金規正法が中途半端に終わった反省も重要だろう。議論は腐敗防止法にまで進むことを期待したい。

 ★政治の劣化が制度だけで防げるとは思わないが、人材発掘、育成、政策機能を政党が責任を持つ仕組みを作る、1党の独裁的な政権維持によるなれ合いや腐敗の温床にならないための方策などを各党の議員が知恵を出す。無論、議論は数年かかり、実施できるのは2回か3回後の総選挙だろうから、7年から10年後の制度かもしれない。だが、総裁選の候補者を見ていると自民党単独ではこの議論をリードできまい。誰になろうが議論が進むことを願う。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年09月19日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・09.18】:国民は完全に思い出した 自民の統一教会問題

2024-09-24 07:40:25 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【政界地獄耳・09.18】:国民は完全に思い出した 自民の統一教会問題

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・09.18】:国民は完全に思い出した 自民の統一教会問題 

 ★17日の朝日新聞の「安倍氏、旧統一教会会長と面談か 写真入手」「13年参院選直前 総裁応接室」「萩生田氏 岸氏も同席」は浮かれムードの自民党総裁選を現実に引き戻した。同紙によれば、前政調会長・萩生田光一は「『私です』と写真の人物が自分であることを認めた。一方で、『事務所で当時の日程を確認したが、面会記録はなかった』」とのらりくらりだ。このおとぼけで自民党は旧統一教会との付き合いも、裏金も会見も開かず政倫審にも出ず、ブログで報告するぐらいで多くの議員が逃げ回ってきた。

 ※:【解説人語】安倍氏と旧統一教会会長並ぶ写真 記者が語る取材と意味:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 ★畳みかけるように同日のしんぶん赤旗は「癒着解明・被害救済 自民9候補 争点化せず」「接点発覚の候補者・推薦人も」と候補者も推薦人も統一教会との関係者が多く気にしていないことを問題視した。同紙は総裁選の9候補に「これまでの統一教会や関連団体との接点」と「統一教会問題についての主張や政策」を問うアンケートを送ったがどこからも返事はないという。政党機関紙だからかもしれないが、逃げ回っていることに変わりはない。22年7月に元首相・安倍晋三が銃撃された事件後、統一教会や関連団体と自民党議員の癒着が相次ぎ、自民党の自主点検では、衆参の同党所属議員379人(当時)のうち179人に教会側との接点があったが、隠している議員も多く実態は何もわかっていない。

 ★野党幹部は「官邸での面会だったら総裁選挙どころではないはず。強引に安倍を国葬にした首相・岸田文雄の判断も問われるのではないか。これで早期解散でしのげるというなら国民の審判は早い方がいい」と勢いづく。安倍政治の継承を掲げ、旧統一教会との関係が取りざたされる前経済安保相・小林鷹之や同相・高市早苗は総裁候補なのだから、これをかわすのではなく正面から答えるべきだ。また萩生田は前首相・菅義偉の片腕として元環境相・小泉進次郎を推しているが、小泉もこの問題に答えるべき。自民党全体の問題として考えないと、国民は政治とカネと共に統一教会問題を完全に思い出したぞ。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年09月18日  07:18:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【徹底追及 統一教会】:自民党と統一協会の組織的つながり明らか 総裁選候補と岸田首相も問われる

2024-09-24 07:40:20 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【徹底追及 統一教会】:自民党と統一協会の組織的つながり明らか 総裁選候補と岸田首相も問われる ■小池書記局長が記者会見

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【徹底追及 統一教会】:自民党と統一協会の組織的つながり明らか 総裁選候補と岸田首相も問われる ■小池書記局長が記者会見

 日本共産党の小池晃書記局長は17日、国会で記者会見し、安倍晋三首相(当時)らが2013年の参院選公示の4日前に自民党本部内で統一協会(世界平和統一家庭連合)の会長らと面談していたことが、同日付「朝日」の写真付き記事で明らかになったとし、「自民党ぐるみで組織的に教団から組織票やあるいは選挙運動での支援をもらい、その見返りに何らかの便宜を統一協会に与えていたのではないかと言われても仕方がない」と厳しく批判しました。

写真

(写真)記者会見する小池晃書記局長=17日、国会内

 小池氏は、統一協会と自民党との組織的なつながりを裏付ける決定的な写真と取材内容だと指摘。「今回の写真は動かぬ証拠だと言っていい」と述べ、全面的な再調査が必要だと主張しました。

 小池氏は、自民党総裁選候補者にも問われる問題だとして、「今まで総裁選の候補者9人は全員再調査を拒否してきたが、もう到底通用しない」と強調。「赤旗」が総裁選候補者9人に、統一協会や関連団体との接点があるか、統一協会問題についての主張や政策はどうなっているかをアンケートしたところ、1人も回答がなかったと指摘。「こういう問題に、ほおかむりをしたまま総裁選挙に臨むことは許されない」と強調しました。

 小池氏は、岸田文雄首相が「過去の統一協会との接点が判明した場合には、その都度説明責任を果たすと言明してきた。自民党現総裁として全面的な再調査を行う責任がある」と主張しました。

 小池氏は、写真には萩生田光一元経済産業相と岸信夫元防衛相も写っており、「何が話し合われたのか知っているはずだ。萩生田氏は『記録も記憶もない』と言っているが、そんな言い分は通用しない。国民に対して説明すべきだ」と求めました。

 元稿:しんぶん赤旗 主要ニュース 政治 【疑惑・政局・自民党と統一協会(世界平和統一家庭連合)との癒着】  2024年09月18日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【徹底追及 統一教会】:癒着解明・被害救済 自民9候補 争点化せず 接点発覚の候補者・推薦人も 総裁選の政策で

2024-09-24 07:40:15 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【徹底追及 統一教会】:癒着解明・被害救済 自民9候補 争点化せず 接点発覚の候補者・推薦人も ■総裁選の政策で

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【徹底追及 統一教会】:癒着解明・被害救済 自民9候補 争点化せず 接点発覚の候補者・推薦人も ■総裁選の政策で 

 9人が立候補した自民党総裁選は、統一協会(世界平和統一家庭連合)と政界の癒着や被害者救済への姿勢が注目されています。ところが、統一協会の問題を政策として示した候補者は皆無で、争点化を避けています。候補者や推薦人の顔ぶれを見ると、協会や関連団体との接点が発覚した議員もいます。協会側と厳しく向き合えるのか、各候補に問われています。(統一協会取材班)


 本紙は総裁選の候補者が出そろった告示前日、9候補の事務所にアンケート用紙を送りました。「これまでの統一協会や関連団体との接点」と「統一協会問題についての主張や政策」を問う内容です。

 各候補の多忙を考慮して「あり」「なし」の2択で答える欄も設けていました。しかし、期限を過ぎても誰ひとりとして返信はありませんでした。

 2022年7月に安倍晋三元首相が銃撃された事件後、統一協会や関連団体と自民党議員の癒着が相次いで浮上。同年に自民党が実施した自主点検では、衆参の同党所属議員379人(当時)のうち179人に協会側との接点があったとしています。

 その中には、総裁選の候補者3人、候補者を推薦した58人の名前がありました。(表参照)

 候補者で名前が出ていたのは、石破茂元幹事長、加藤勝信元官房長官、小林鷹之前経済安保担当相です。

 石破氏は、地方創生担当相だった15年6月に協会系政治団体「世界戦略総合研究所」の定例会で講演。17年に協会系の日刊紙「世界日報」の元社長から10万円の献金を受けたと明らかにしています。

 加藤氏は、協会の関連団体「世界平和女性連合」に「会費」名目で計3万円を支出。18年には、信者が集まるイベントに祝電を送るなどしていました。

 小林氏は、同年に協会の関連団体「千葉県平和大使協議会」の大会に祝電を送りました。21年7月には、信者らの自転車イベント「ピースロード」の開会式であいさつしました。

 自民党の自主点検で名前が出なかった高市早苗経済安保担当相も「世界日報」に対談・インタビュー記事が掲載。林芳正官房長官は、21年9月に山口県内で協会関係者と面会したことを明らかにしました。

表

 元稿:しんぶん赤旗 主要ニュース 政治 【疑惑・政局・自民党総裁選は、統一協会(世界平和統一家庭連合)と政界の癒着や被害者救済への姿勢が注目】  2024年09月17日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・09.17】:「早期解散」進次郎に大きなブーメラン 民主党政権時のブログで…

2024-09-24 07:40:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳・09.17】:「早期解散」進次郎に大きなブーメラン 民主党政権時のブログで…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・09.17】:「早期解散」進次郎に大きなブーメラン 民主党政権時のブログで… 

 ★一連の自民党総裁選挙報道を見ていると、選択的夫婦別姓問題や早期解散を巡るやりとりが話題だが、ネットにこんな書き込みがある。「9人が9人とも『失われた信頼を取り戻す』と気負うが、信頼を失った根本原因が『統一教会と闇金』にあることを知ってか知らずか具体論を語らずにどうやって『信頼を取り戻す』というのか」との指摘はすべての政治記者に問われているものではないか。候補者が言うがまま、実現性の乏しい政策を無責任に言い、その各論を無批判に受け入れていまいか。

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             自民党総裁選挙2024が告示!次の総理はどう決まる?

 ★そもそもこの中の誰かが首相になった後、今垂れ流される8人の“公約”は自民党の政策に生かされるのか。負けたら消滅するような政策を掲げる愚策に付き合う必要があるか。この茶番に加担しているのが政治記者であるという自覚も必要だ。別のネットの指摘では「明けない夜はないけれど政治の夜明けは黙っていては来ない」は至言だ。国民が見抜いていることを後戻りさせる政治記事が多い。元環境相・小泉進次郎は総裁選で勝利して首相になれば、他の候補が懸念を示す早期に衆院解散・総選挙に踏み切り、政治改革と規制改革、働き方などの「三つの改革」を1年以内に実施するという。その成果をもって解散するならわかるが、早期解散は新首相の国家ビジョンだけで国民に信を問うという政治とカネ隠しに他ならない。 

 ★以下は10年6月、民主党政権時の野党自民党議員のブログだ。「そもそも、参議院選挙前に民主党が明らかにすべきなのは、鳩山総理と菅総理の違い、何を引き継ぎ、何をやめるのか。去年の総選挙のマニフェストの何を継続し、何を廃止もしくは見直すのか。これらを明らかにせず、変わったのは総理だけ。これで有権者は何を判断材料に投票をすればいいのか。民主党からすれば、本音は『逃げ切った』という感じでしょうね。本当に逃げ切れるかどうか、それを許すも、許さないも、審判を下すのは有権者のみなさんです」。書いたのは小泉。大きなブーメランが返ってきた。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年09月17日  07:46:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・09.21】:兵庫知事不信任 速やかに辞職すべきだ

2024-09-24 07:21:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【社説・09.21】:兵庫知事不信任 速やかに辞職すべきだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・09.21】:兵庫知事不信任 速やかに辞職すべきだ 

 兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラ疑惑などで内部告発された問題を巡り、県議会は知事不信任決議を全会一致で可決した。
 
 斎藤知事は今月29日までに議会を解散するか、議会を解散せず辞職するか、30日午前0時をもって自動的に失職するかの選択を迫られている。
 
 地方自治体は住民の直接選挙で選ばれた首長と議会が「車の両輪」となり行政を運営する。けん制し合う仕組みとして、議会には不信任決議が、首長には議会解散権がそれぞれある。
 
 今回は予算や政策を巡る対立ではない。知事個人の資質や振る舞いが問われた。知事が議会を解散する大義名分はない。
 
 全会一致の不信任は、ほとんど全ての県民が知事にノーを突き付けたに等しい。県職員労働組合も辞職を求めており、職務執行に不可欠な職員との信頼関係は崩れている。県政の停滞を早く解消するためにも、知事は速やかに辞職するべきだ。
 
 告発文書には、知事の職員に対するパワハラをはじめ、企業からの贈答品受領、昨秋のプロ野球優勝パレードの寄付金集めで、金融機関に補助金を増額しキックバックさせたことなど、7項目の疑惑が記されていた。
 
 県議会の調査特別委員会(百条委員会)の証人尋問では多くの職員が知事による「叱責(しっせき)」の数々を証言したが、知事はパワハラだとは認めなかった。
 
 最も問題なのは、知事が元局長の告発を公益通報者保護法の対象外と判断し、告発者にとって不利益となる懲戒処分を行ったことだ。知事は違法性を否定するが、知事の指示を受けた副知事(当時)が元局長に情報源を明かすよう迫っていた。
 
 百条委員会で専門家は「知事らの振る舞いは公益通報者保護法に違反すると考える」と指摘した。元局長は懲戒処分を受けた後に死亡した。自殺とみられる。知事は部下の人命が失われた事態を直視せねばならない。
 
 もし議会解散なら、百条委員会もなくなる。中途半端に終わらせてはならない。事実関係を調べる県の第三者調査委員会も設置された。百条委員会と併せ、県の一連の対応が妥当だったのか厳しく検証してほしい。
 
 今回、あらためて浮き彫りになったのは、知事の権限の大きさだ。周囲が追従者ばかりなら、独善に陥りかねない。
 
 斎藤氏は2021年の知事選で県政刷新を掲げて当選した。改革のためなら、手段は正当化されるという「おごり」が生じていたのではないか。斎藤氏を推薦した日本維新の会と自民党の責任も問われよう。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム【社説】  2024年09月21日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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《社説①・09.21》:兵庫県知事への不信任 自らを省みて身を引く時

2024-09-24 07:21:20 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

《社説①・09.21》:兵庫県知事への不信任 自らを省みて身を引く時

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・09.21》:兵庫県知事への不信任 自らを省みて身を引く時 

 県民の代表に不信任を突きつけられた事実は重い。県政の混乱を招いた責任を自覚し、自ら身を引くべきだ。

 パワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された斎藤元彦・兵庫県知事への不信任決議が県議会で可決された。 

県議会で自身への不信任決議を求める発言を聞く斎藤元彦・兵庫県知事=神戸市中央区で2024年9月19日午後5時15分、滝川大貴撮影

 県議会の調査特別委員会(百条委)で明らかになった事実を踏まえた全会一致での決議である。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2024/09/21/20240921ddm005070159000p/9.webp?3" type="image/webp" />斎藤元彦・兵庫県知事を巡る告発文書には職員らへのパワーハラスメントに関する疑惑が書かれている=大阪市北区で2024年7月12日、梅田麻衣子撮影</picture>
斎藤元彦・兵庫県知事を巡る告発文書には職員らへのパワーハラスメントに関する疑惑が書かれている=大阪市北区で2024年7月12日、梅田麻衣子撮影

 発端は県の幹部職員が3月、知事のパワハラや視察先からの贈答品受け取りなどについて、匿名の告発文書を報道機関や一部県議に送付したことだった。

 知事は「うそ八百」と否定し、県はこの幹部を停職3カ月の懲戒処分にした。幹部は家族に「一死をもって抗議する」との趣旨のメッセージを残して7月に亡くなった。自殺とみられている。

 6月に設置された百条委ではその後、証人尋問やアンケートで告発の内容を裏付けるような職員の証言が相次いだ。知事もパワハラは否定しつつ、大声を出したことや勤務時間外にチャットで職員を叱責したことなどを認めている。

 最大の問題は県が告発を公益通報として扱わなかったことだ。

 知事はただちに告発者を特定するよう部下に指示していた。告発者の探索を禁止している公益通報者保護法の指針に反する行為だったのは明らかだ。

 不信任となった知事は10日以内に議会を解散しなければ失職すると、地方自治法は定める。自ら辞職する選択肢もある。不信任決議の可決は過去4例あるが、議会を解散した知事はいない。

 自治体は、首長と議員の双方が直接選挙で選ばれる二元代表制を取る。そのため、政治的に対立した場合の対抗手段として首長に議会の解散が認められている。 

 しかし、今回は解散に大義名分がない。不信任決議は内部告発への対応の誤りなどから知事として適格性を欠くと指摘している。

 「県民の負託」を理由に知事は辞職を拒んできたが、有権者からも憤りの声が上がっている。知事を支えてきた日本維新の会が辞職要求に転じたのも県民の批判を意識せざるを得なかったからだろう。

 知事が身勝手な理由で議会を解散し、県政の混乱をいたずらに長引かせることは許されない。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム【社説】  2024年09月21日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説・09.20】:斎藤知事不信任/身を引く決断するときだ

2024-09-24 07:20:50 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【社説・09.20】:斎藤知事不信任/身を引く決断するときだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・09.20】:斎藤知事不信任/身を引く決断するときだ

 兵庫県の元西播磨県民局長が斎藤元彦知事らを文書で告発した問題で、県議会の全議員86人が提出した知事の不信任決議案が可決された。

 不信任の理由として議会側は「県政に深刻な停滞と混乱をもたらした政治的責任」などを挙げた。特定の政策ではなく、言動や資質に不信任を突きつけるのは極めて異例だ。

 知事は10日以内に辞職・失職か議会解散かの判断を迫られるが、「結果は重く受け止める。県にとって何が大事か考えたい」と明言を避けた。解散を選んでも、改選後の議会で不信任決議案が再提出され、出席議員の過半数が賛成すれば失職する。

 議会を解散し信を問う大義が乏しく、県民の理解は得られまい。知事は全会一致での決議を真摯(しんし)に受け止め、身を引く決断をするべきだ。

 問題の発端は、元県民局長の男性が3月、知事のパワハラや企業からの贈答品受領など7項目の疑惑を告発した文書を匿名で作成し、報道機関などに配布したことだ。これに対し知事は会見で文書を「うそ八百」「事実無根」などと非難した。男性は4月、同様の内容を県の公益通報窓口にも通報した。

 しかし県は内部公益通報に基づく調査結果を待たずに内部調査のみで文書を「誹謗(ひぼう)中傷」と認定し、男性を懲戒処分にした。調査の中立性を疑問視する声が噴出し、県議会は調査特別委員会(百条委員会)を設置した。男性は百条委での証言を前に死亡した。自死とみられる。 

 知事の責任の核心は文書を公益通報として扱わなかった対応にある。公益通報者保護法は告発を理由とした不利益な扱いを禁じる。だが知事らは文書が公益通報に当たるかを検討しないまま通報者の特定を急ぎ、調査、処分へと失態を重ねた。

 男性の文書配布について、知事は「真実相当性がなく、外部公益通報には当たらない」と繰り返し、処分の正当性を主張してきた。一方で百条委の証人尋問では職員に大声を出したり、深夜や休日に会議用アプリのチャットで職員らを叱責(しっせき)したりしたことは認め、反省の弁を述べた。ただ委員の質問に「道義的責任が何か分からない」と答えるなど、一連の対応や言動には知事としての適性に疑問を抱かざるを得ない。

 知事は県議会各会派などの辞職要求にも「改革を進めたい」と続投に強い意欲を示してきた。今、そうした姿勢がどれだけ県民の支持を得られるだろう。

 総務省によると、知事不信任案の可決は全国5例目で、議会を解散したケースはない。県議選になれば16億円の費用がかかるという。知事は県民生活への影響と県政の停滞をこれ以上長引かせてはならない。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年09月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張②・09.20】:兵庫知事に不信任 身を引くべき重い可決だ

2024-09-24 07:20:40 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【主張②・09.20】:兵庫知事に不信任 身を引くべき重い可決だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・09.20】:兵庫知事に不信任 身を引くべき重い可決だ 

 パワハラなどの疑惑が内部告発された兵庫県の斎藤元彦知事に対し、県議会が不信任決議案を全会一致で可決した。決議には法的拘束力があり、斎藤氏は10日以内に議会を解散しなければ知事を失職する。

 不信任決議案が可決され、投票結果を聞く斎藤元彦兵庫県知事=19日、神戸市中央区の兵庫県公館(渡辺恭晃撮影)

 斎藤氏は「結果責任は重い」としつつも態度を保留した。だが、全会一致の不信任は極めて重大だ。潔く身を引くのが筋である。

 決議案は県議会の全会派が共同提出した。「これ以上の県政の停滞と混乱」は許されないとし、令和7年度予算は「新たに信任を得た知事の下で編成されるべきだ」と辞職を求めた。内部告発から約半年もの間、混乱が続いてきた県政の健全化に向けた妥当な判断である。

 日本の地方自治は、首長と議会による二元代表制だ。議会の不信任決議に首長は議会解散で対抗できるが、制度の目的は相互の牽制(けんせい)による健全な運営である。これまで不信任案が可決されて議会を解散した知事はいなかった。

 斎藤氏は議会解散の可能性を否定していないが、解散しても再び不信任を受けて失職する見通しである。斎藤氏による解散権の行使は、自身の延命にしかならない。厳に慎むべきだ。

 一連の発端は、当時の幹部職員が3月、斎藤氏のパワハラなど7項目の疑惑を告発する文書を報道機関や県議に送ったことだった。この職員は4月、県の公益通報窓口にも通報したが、県側は調査結果を待たずに懲戒処分とし、職員は7月に死亡した。自殺とみられる。

 斎藤氏はすべての疑惑を否定し、職員の処分も「適切だった」と主張している。

 だが、疑惑を検証する県議会の調査特別委員会(百条委)では、県の対応は通報者に対する不利益な扱いを禁じる公益通報者保護法に違反するとの指摘が相次いだ。職員アンケートでは、約4割が斎藤氏のパワハラを見聞きしたと回答した。

 昨年のプロ野球阪神・オリックス優勝パレードの資金集めのため補助金を増額し、企業協賛金としてキックバックさせたなど、告発された疑惑の解明はまだ途上である。

斎藤氏がどのような判断を下しても、県と県議会は真相解明に努めるとともに再発防止策を講じ、県政への信頼回復を図る必要がある。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年09月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・09.20】:兵庫知事の不信任決議 一刻も早く辞職すべきだ

2024-09-24 07:20:30 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【社説・09.20】:兵庫知事の不信任決議 一刻も早く辞職すべきだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・09.20】:兵庫知事の不信任決議 一刻も早く辞職すべきだ 

 兵庫県の斎藤元彦知事に対し県議会はきのう、不信任決議を全会一致で可決した。3年前に初当選した知事選で推薦した自民党と日本維新の会の両会派を含め、全員が賛成する異例の事態に至った。

 元県幹部による告発文書にあった七つの疑惑を巡り、県議会調査特別委員会(百条委員会)で知事の言動と対応が明らかになり、86人の県議全員が辞職を求めていた。当然だろう。組織や社会の健全化のための公益通報者保護制度を軽んじる姿勢は、その一点だけで自治体のリーダーとしての資質に欠ける。

 このままでの県政運営は厳しい。県民のため、一刻も早く辞職すべきだ。

 可決後、斎藤知事は自らの対応は「決議をしっかり受け止め、しっかり考えたい」と話した。地方自治法に基づき10日以内に辞職・失職か、議会解散かを選ぶ必要がある。どちらを選択するかや、判断の時期は明言しなかった。

 県政が混乱しているのは明らかだ。批判の電話がやまず、事業や来年度予算編成への影響が出かねない。職員労組からも辞職を求められた。信頼回復は望めそうにない。

 県議会の解散を選べば初となる。政策の対立ではなく、知事自身の姿勢に対する民意を踏まえたとした不信任案の可決だけに、大義をどう説明するのか。自らの正当性を問いたいのなら、辞職・失職後に出直し選で民意を問うのが筋だろう。

 不信任の最大の要因は、公益通報者保護法の違反が濃厚だからだ。知事は自らの疑惑にもかかわらず第三者による調査をせず、告発文書を「真実相当性がない」として懲戒処分を下した。百条委では知事が通報者の特定を指示したと、県職員が証言した。不信任決議案の賛成討論では初動の不適切さ、人権感覚の希薄さを指弾する声が続いた。通報者は自死とみられる。命を守れなかった事実は重い。

 斎藤知事は「適切だった」として非を認めていない。百条委で道義的な責任を感じないかと問われ、「道義的責任が何かわからない」と答えた。証言が相次ぐパワハラや贈答品の受け取りの疑惑は、時代錯誤の言動だと感じさせる。なおさら資質に疑問符を付けざるを得ない。

 告発文書を見て知事が優先してやるべきだったのは、数々の疑惑の解明だろう。中でも看過できないのは、昨年の阪神、オリックスの優勝パレード費を巡り、県側が金融機関に協賛金を求める代わりに補助金を増額する「キックバック」を持ちかけたとの指摘だ。もし事実ならば刑事事件に相当する。弁護士による第三者調査委員会を設けてようやく調査を始めたが、うやむやにすべきではない。

 斎藤知事は辞めない理由を「前回の選挙で有権者の負託を受けた」「県政改革を進めたい」と繰り返してきた。5期20年務めた前知事が後継とした候補者らを破り、圧勝したことが念頭にある。刷新や改革を負託されたはずだが、独善が目立つ現状は民意と真逆ではないのか。政治的責任の重さを省みるべきだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年09月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・09.13】:知事に辞職要求/県民の不信直視し決断を

2024-09-24 07:13:30 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【社説・09.13】:知事に辞職要求/県民の不信直視し決断を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・09.13】:知事に辞職要求/県民の不信直視し決断を 

 兵庫県の元西播磨県民局長が斎藤元彦知事らを文書で告発した問題で、県議会の自民党、公明党、ひょうご県民連合、共産党の4会派は、無所属議員4人と共同で知事に辞職するよう申し入れた。維新の会も申し入れており、全議員86人が辞職を要求する極めて異例の事態だ。

 厳しい立場に追い込まれた知事だが「出処進退は自分で決める」と辞職を否定している。新年度予算編成や阪神・淡路大震災30年を控え、県政の混乱と停滞をこれ以上長引かせるべきではない。知事は自らの言動や資質への批判を真摯(しんし)に受け止め、進退を決断せねばならない。

 各会派は、知事が辞職に応じない場合、定例会開会日の19日にも不信任決議案を提出する構えだ。可決には議員の3分の2以上が出席し、うち4分の3以上の賛成が必要だが、辞職要求が県議会全体に広がったことで可決される公算が大きい。

 可決されれば、知事は失職か県議会を解散するかの選択を迫られる。議会を解散しても、改選後の議会で不信任決議案が再提出され、出席議員の過半数が賛成すれば失職する。既に議会の信を失った状態で、新たな展望が開けるとは思えない。

 最も問われているのは、知事のパワハラ疑惑などを告発した文書が公益通報に当たるかを検討しないまま通報者の特定を急ぎ、内部調査のみで懲戒処分をした県の対応の是非だ。

 県議会の調査特別委員会(百条委員会)では、第三者機関による調査や、公益通報窓口の調査結果を待つよう進言したのに聞き入れられなかったとする職員らの証言が相次いだ。

 知事は「文書は誹謗(ひぼう)中傷性が高い」と繰り返し、処分の正当性を主張する。だが当事者である知事が告発者を捜し、調査に関与することは公益通報者保護法の趣旨を逸脱している。参考人の弁護士は百条委で報道機関などへの文書送付を外部公益通報に当たると指摘し、一連の対応は違法状態だと断じた。

 通報者保護を軽視した結果、人命が失われた責任は重い。県民の不信が極まる現状を直視するべきだ。「県民の負託に応えて県政を前に進める」と主張するなら、辞職して選挙で信を問うのが筋だろう。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年09月13日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【泉房穂の直言!】:モンスターお殿様に不信任を 兵庫県知事の告発問題、個人のキャラの問題ではない

2024-09-24 07:11:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【泉房穂の直言!】:モンスターお殿様に不信任を 兵庫県知事の告発問題、個人のキャラの問題ではない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【泉房穂の直言!】:モンスターお殿様に不信任を 兵庫県知事の告発問題、個人のキャラの問題ではない

                     ◇ ◇
 
 第1回で取り上げるのは兵庫県の斎藤元彦知事の告発問題です。本質は単なる知事の個人的資質の問題ではなく、政治家の権力乱用に対するチェックの在り方を巡る構造的な問題です。「命の重み」もキーワードです。少なくとも関連する形で人が亡くなっています。その重みは受け止めるべきです。
 知事、県庁、県議会、マスコミ、有権者の五つに分けて考えたいと思います。

 ◆カネとヒト 強大な知事の権限

 知事の主たる権限は方針決定権と予算編成権と人事権の三つです。方針決定権は自治体のビジョン、俗に言う公約とか政策。ポイントは2番目と3番目のカネとヒトです。補助金は知事が増やしたいと言った瞬間に増えるし、いらんと言うとなくなる。すごく強大なお金を巡る権限を持っている。人事権は内部では締め付け。外部では人事権を使って調査をしまくって告発者を死に追いやった。
8月30日、兵庫県議会の調査特別委員会(百条委員会)に出席した斎藤元彦知事=YouTubeチャンネル「兵庫県議会インターネット配信」から

 8月30日、兵庫県議会の調査特別委員会(百条委員会)に出席した斎藤元彦知事=YouTubeチャンネル「兵庫県議会インターネット配信」から

 この二つの権限を県民のために行使せず、自分が欲しいもののために、あるいはカネ集めに使うことができてしまう。知事の持つ権限の怖さをメディアは報じるべきです。

◆ご機嫌を損ねたくない県庁の風土

 二つ目の県庁の問題ですが、兵庫県の知事は1962年以来、総務省(旧自治省)出身者オンリーです。総務省の官僚は上から目線で県庁職員は頭が上がらない。県庁職員は東京から送られてくるお殿様のご機嫌を損なわないことが仕事になっているんです。斎藤氏をビッグモンスターに育ててしまったのは県庁の風土です。
 
 イベント会場の授乳室が知事の控室に使われたとの報道がありますが、職員が「知事、授乳室は必要ですから別の所で着替えてください」と言えばいいだけの話です。60年にわたる総務官僚出身知事の歴史が、県民を見ずにお殿様のご機嫌をうかがう県庁の文化になってしまった。
8月30日、兵庫県議会の調査特別委員会(百条委員会)で質問する議員ら=YouTubeチャンネル「兵庫県議会インターネット配信」から

8月30日、兵庫県議会の調査特別委員会(百条委員会)で質問する議員ら=YouTubeチャンネル「兵庫県議会インターネット配信」から

 三つ目の県議会ですが、知事と近しい状況を維持したい心理が働いてしまっています。不信任決議に行くか逡巡(しゅんじゅん)していて、辞職勧告決議で終わらせたいという意見がまだあります。これからまさに県議会の対応が問われてくると思います。

 ◆知事選でマスコミが書かなかった批判

 四つ目のマスコミです。(前回県知事選の)報道はひどかった。もっと丁寧に候補者の人となりなどを報道するべきなのに「継続か刷新か」と選挙報道を単純化しすぎたから、(斎藤知事が)若きヒーロー、イケメン知事現る、といったイメージになってしまった。当選後も県内の首長からは「知事と連絡も取れない。もうあかん」という批判があったのに書かなかった。
 最後に有権者です。知事の任期は来年7月までなので、遅かれ早かれ知事選がやってくる。ちゃんとした人を選ばないと県民の生活に悪影響が出る。最後は有権者が問われます。

◆もうリコールと不信任決議しかない

 今回のようにモンスター知事が開き直った時に、何ができるか。法的にはリコールと不信任しかない。でもこの二つは法整備が不十分です。リコールを請求するには厳しい要件がある。兵庫県の場合はおよそ66万人の署名がいる。署名も対面でないと駄目で住所も書いてもらう必要がある。署名の数や集め方に関する厳格な要件を時代に合わせて大幅に緩和するべきです。
 知事の不信任決議にも不備がある。知事の不祥事で県議会が解散されるいわれはない。不信任になったら知事に議会を解散されて選挙になり、落選するかもしれないので議員はためらってしまう。議会の解散があるため不信任が使えていない。不信任されたら住民投票をするように見直せばいいと思います。

 ◆罰則がない公益通報者保護法

 もう一つ不備があるのは公益通報者保護法。告発者捜しをして不利益な扱いをしてはいけないと書いてあるが、罰則はありません。明石市は条例をつくっていて、議会の同意を得た外部の弁護士2人が告発者から請求があった場合、不利益があったかどうか調査をする義務がある。自治体ごとに窓口があるところとないところが割れているのも法の不備です。
 
 いずれにしても、知事個人のキャラクターの問題とか面白おかしくする段階は過ぎていて、権力の乱用のチェックという普遍的なテーマが問われていると思います。

 泉房穂(いずみ・ふさほ) 1963年生まれ。兵庫県出身。NHKディレクターなどを経て司法試験合格。2003年衆院選で当選。2011年から明石市長を12年務め、中学生の給食費など「5つの無料化」を市独自で実現した。

 
 
 ◆<泉房穂の直言!>
 
 兵庫県明石市の前市長で衆院議員の経験もある泉房穂さんに中央、地方関係なく旬の政治の話題を解説してもらいます。市長退任後は幅広い政治経験に裏打ちされた軽快なトークで、テレビ番組などのコメンテーターとしても活躍する泉さん。月1回程度掲載予定のこのコラムでも、自らセールスポイントという「庶民的な立場からの本音トーク」で、政界に直言していただきます。

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム【連載「泉房穂の直言!」】  2024年09月11日  12:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・09.24》:立憲新代表に野田氏 政権担い得る力量示す時

2024-09-24 02:03:50 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

《社説①・09.24》:立憲新代表に野田氏 政権担い得る力量示す時

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・09.24》:立憲新代表に野田氏 政権担い得る力量示す時

 立憲民主党の新代表に野田佳彦元首相が選出された。政権に批判的な民意の受け皿になることができるか。野党第1党の党首として力量が問われる。

 上位2人による決選投票で枝野幸男前代表を破った。最年少の泉健太代表が3位、衆院当選1回の吉田晴美氏は4位に終わった。

立憲民主党臨時党大会後の記者会見で話す野田佳彦新代表=東京都港区で2024年9月23日午後4時49分、宮武祐希撮影

 同時期に実施されている自民党総裁選では、派閥裏金事件を受けて党の刷新がキーワードになっている。一方、立憲は、今秋の衆院解散・総選挙が取り沙汰される中、安定感重視でトップを選んだ。

 野田氏が目指すのは、従来のリベラル層だけでなく、保守・中道層を含めて幅広い支持を得られる政党だ。そのために「現実路線」の政策を打ち出した。

 安倍晋三政権下で憲法解釈を変え、集団的自衛権の行使を一部容認した安全保障関連法について、「すぐに見直すことはしない」と述べているのが象徴的だ。

 過去2回の国政選挙で公約した「時限的な5%への消費税減税」を封印し、党綱領でうたう「原発ゼロ」も「原発に依存しない」に表現を修正した。

 背景にあるのは旧民主党政権時代、自公政権との違いを出そうとするあまりに実現性の乏しい政策に傾斜し、行き詰まったことへの反省だ。

 しかし、与党との違いが分かりにくくなり、存在感が薄れるジレンマがある。リベラル層の支持離れを招くリスクもはらむ。

 野田氏は「徹底した政治改革で自民のうみを出し切る」と訴え、裏金事件で自民に愛想を尽かした保守・中道層を取り込みたい考えだ。同時に選択的夫婦別姓制度の導入などジェンダー問題に取り組み、従来の支持者固めも狙う。

 ただ、経済や安全保障で国民に信頼される政策を打ち出さなければ、評価は得られまい。

 野党連携の形も変わりそうだ。野田氏は自民への対抗策として、憲法改正に前向きな日本維新の会との候補者調整に意欲を示す。これまで協力してきた共産党との関係も課題となる。

 「自民1強」が続き政治の緊張感が失われて久しい。国民の政治不信が募る中、政権を託すに足る信頼感を取り戻し、最大野党の存在意義を示す時である。

 

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム【社説】  2024年09月24日  02:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・09.24》:米4年半ぶりの利下げ 政策転換の影響に注視を

2024-09-24 02:03:40 | 【金融・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

《社説②・09.24》:米4年半ぶりの利下げ 政策転換の影響に注視を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・09.24》:米4年半ぶりの利下げ 政策転換の影響に注視を 

 景気後退を回避しつつ、インフレの再燃も防げるか。米経済が正念場を迎えている。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が約4年半ぶりの利下げに踏み切った。政策金利を通常の2倍に当たる0・5%引き下げ、年4・75~5・0%にすると決めた。金融政策の軸足を従来のインフレ抑制から景気下支えに転換するものである。

 

 これまで米経済の最大の課題はインフレをいかに抑えるかだった。新型コロナウイルス禍からの経済活動の回復やウクライナ危機に伴う資源高を背景に、2021年春以降、物価高が加速した。消費者物価上昇率は一時、9%台まで跳ね上がった。

 これを受け、FRBは22年3月から11回の利上げを実施し、政策金利を01年以来の高水準に引き上げた。この金融引き締めの効果で、今年8月の消費者物価上昇率は2・5%まで低下し、FRBが目標とする2%に近づいている。

 一方で、今春以降、失業率は上昇傾向を示し、市場では景気後退懸念が台頭していた。

 FRBには「物価の安定」に加え、「雇用の最大化」という使命も課されている。金融緩和への転換で景気を下支えし、雇用環境を改善することを目指している。

 パウエルFRB議長は大幅利下げの理由について「『失業率の上昇なしに物価を安定させる』という強い決意の表れだ」と説明した。年内に計0・5%の追加利下げを行う見通しを示している。

 ただ、今後のかじ取りは容易ではない。

 インフレ再燃の芽はなお残っている。11月に選ばれる新大統領が財政拡張路線を取れば、物価上昇圧力が高まり、利下げ停止を余儀なくされる恐れがある。

 逆に利下げペースが遅すぎて、雇用が悪化すれば、景気後退リスクを高めかねない。経済や物価の情勢を的確に見極め、臨機応変に対応することが求められる。

 米金融政策の動向は、世界経済や国際金融市場にも大きな影響を及ぼす。異次元緩和の手じまいを進める日銀は、FRBとは逆方向の利上げ局面にある。日米金利差の縮小に伴う急激な円高・ドル安など市場の変動に注意を払わなければならない。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム【社説】  2024年09月24日  02:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2024年09月23日 今日は?】:プロ野球巨人の王貞治が55号本塁打 当時の日本新記録樹立

2024-09-24 00:01:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2024年09月23日 今日は?】:プロ野球巨人の王貞治が55号本塁打 当時の日本新記録樹立

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2024年09月23日 今日は?】:プロ野球巨人の王貞治が55号本塁打 当時の日本新記録樹立

 ◆09月23日=今日はどんな日

  万年筆の日

 ◆出来事

  ▼ベルリン天文台のガレが、太陽系の一番外側を公転する第8惑星「海王星」発見(1846)▼プロ野球巨人の王貞治が55号本塁打。当時の日本新記録樹立(1964)▼大相撲の代名詞にもなった蔵前国技館が秋場所千秋楽を最後に幕を閉じる(1984)

バレンティンが超えようとする、王貞治“55本の奇跡”を再検証。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

1964年9月23日、後楽園球場で行われた巨人対大洋の28回戦。5回裏、王貞治は大洋の佐々木吉郎投手から右越えにホームランを放ち、シーズン55本塁打の日本新記録を達成した。

 ◆誕生日

  ▼川平慈英(62年=俳優)▼イジリー岡田(64年=タレント)▼稲葉浩志(64年=B’z)▼鈴木杏樹(69年=女優)▼渡部建(72年=アンジャッシュ)▼後藤真希(85年=タレント)▼叶美香(非公表=タレント)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2024年09月23日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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