改訂!! 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

{社説①}:広島カープ ファンと走ったVじゃけえ

2016-09-12 03:19:55 | 産業・経済・企業・ビジネスニュース

{社説①}:広島カープ ファンと走ったVじゃけえ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説①}:広島カープ ファンと走ったVじゃけえ

 プロ野球の広島東洋カープがセ・リーグ王者に輝いた。四半世紀もの空白を埋めての優勝だ。その瞬間、赤いユニホームを身にまとった「カープ女子」も歓声を上げた。

 一度はチームを去って昨年戻ってきた黒田博樹投手、新井貴浩内野手という40歳前後の2人と、生きのいい若手、中堅の力がかみ合い、6月初めから首位を独走した。

 高額年俸の選手を数多く抱える余裕のある巨人やソフトバンクなどに比べ、資金面での劣勢は否めない。中心選手がフリーエージェント権を行使して他球団に 移籍するのは止められず、その度にファンは悔しい思いをしてきた。だが、球団はドラフト会議で指名した無名の高校生らを地道に育てる方針は変えなかった。

 東京一極集中が進む中、地方で頑張っている姿は広島ファン以外の共感を呼んでいる。

 広島は原爆投下4年後の1949(昭和24)年、市民の出資で設立された。12球団で唯一、赤字を埋めてくれる親会社がなく、独立採算制を採用している市民球団だ。

 それでも、古葉竹識(こばたけし)監督が胴上げされた75年のリーグ初優勝以来、40年以上も黒字経営を続けている。昨年度の売り上げは約148億円、 最終(当期)利益は約7億6000万円といずれも過去最高を記録した。観客動員も約211万人と球団史上初めて200万人を超えた。

 球団経営を支えるのが、2009年春、JR広島駅近くに完成したマツダスタジアムだ。

 米大リーグを参考に遊び心満載の仕様になっている。選手の目線で臨場感を味わえる「砂かぶり席」、赤いクッションソファに寝そべりながら観戦できる「寝ソベリア」など多彩な観客席はその一例だ。今春にはお化け屋敷を開設した。

 孫から祖父母まで楽しめる「3世代」を念頭に置いた球場運営を目指し、野球に興味のない人も楽しめるような工夫を怠らないことが右肩上がりの観客数につながっている。

 松田元(まつだはじめ)オーナーはかつて「広島ではカープは空気みたいな存在」と話していた。だが、いざとなれば「カープのためなら一肌脱ぐ」という市民は少なくない。

 総工費約90億円を要したマツダスタジアムの建設に際し、市民は1億2600万円を寄付した。設立間もない時期に経営難に陥った時は「たる募金」で乗り越えたこともあった。物心両面で市民から支えられている球団なのだ。

 スポーツには人々の気持ちを沸き立たせる効果があり、地域経済をも活性化させる。野球やサッカーなどプロチームが本拠を構える地域にとってカープの優勝と球団経営は大きな刺激になるだろう。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年09月11日  03:19:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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{社説②}:米同時テロ15年 新たな連帯感を世界に

2016-09-12 03:19:50 | 事件・犯罪・疑惑

{社説②}:米同時テロ15年 新たな連帯感を世界に

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説②}:米同時テロ15年 新たな連帯感を世界に

 世界の変容に、改めて驚かされる。

 15年前のきょう、ニューヨークの超高層ビルが砂の城のように崩れ、ワシントン郊外の国防総省で黒煙が上がった。民間機を乗っ取って標的に突っ込んだ9・11同時多発テロは未曽有の大事件であり悪夢だった。

 悪夢は世界に広がった。2004年のマドリード列車爆破、05年のロンドン地下鉄爆破……。昨年以降はパリやブリュッセルなどでもテロが起き、アジアや中東・アフリカのテロで多くの日本人も犠牲になった。

 この15年、かつて米国民に同情した世界の人々は、テロが自分の問題であることを思い知らされた。

 米国の意識も変わった。9・11は国際テロ組織アルカイダのしわざと知ったブッシュ政権は01年、アルカイダの拠点アフガニスタンへの攻撃を始め、03 年にはイラク戦争でフセイン政権を倒した。「地球規模のテロとの戦争」である。ネオコン(新保守主義派)の主張を入れて米国は力で世界を変えようとした。

 その米国では近年、ネオコンが鳴りをひそめ、オバマ大統領は「米国は世界の警察官ではない」と公言した。他方、共和党の大統領候補トランプ氏は、民主党のオバマ大統領とクリントン前国務長官こそ過激派組織「イスラム国」(IS)の「共同創設者」だと主張する。

 オバマ政権の中東政策の甘さが、アルカイダから分かれたISの台頭を許したという論旨だろう。では、ありもしない大量破壊兵器を理由にイラクを攻撃した ブッシュ大統領(共和党)の責任はどうなのか。トランプ氏は大統領選の対抗馬クリントン氏を批判したいようだが、何ともご都合主義的な発言である。

 オバマ大統領の「脱警察官」発言もご都合主義のにおいがする。軍事作戦に慎重なのはいいが、中東の多くの国々は長年、米国の指導力に期待してきた。オバ マ政権の一方的な“中東離れ″と優柔不断に見える態度が友好国を戸惑わせ、結束を失わせ、イスラム過激派を勢いづかせてきた傾向は否めない。

 アルカイダの指導者は、9・11のようなテロを「何千回でも」実行するとの声明を出した。テロとの戦いは長丁場だ。米国に必要なのは、なし崩しの“中東 離れ″ではなく、世界の不安定要因であるシリア内戦や、この15年ほとんど関与していない中東和平に真剣に取り組むことではないか。過激主義を生む土壌を なくすにはイスラム世界自身の努力も大切だ。

 9・11後の米国には宗教や文明を超えた連帯感があった。世界の多極化もあるにせよ、米国の迷走がその連帯感を失わせたのも事実だろう。米国は15年前の初心に戻り、世界に新たな連帯の輪を広げてほしい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年09月11日  03:19:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【余録】:公園で2対2のバスケットの勝負が…

2016-09-12 03:19:45 | 【障害者スポーツ、パラリンピック】:

【余録】:公園で2対2のバスケットの勝負が…

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【余録】:公園で2対2のバスケットの勝負が…

 公園で2対2のバスケットの勝負が始まった。ある健常者の若者が車いすの相棒とチームを組み、健常者のコンビと対戦する。相棒が素早く敵のディフェンスを かわし、鮮やかにシュートを決める▲障害者だから手加減してやろうと思ったのに。相手はそんな負け惜しみを言う。若者が言い返す。相棒が乗る車いすはマシ ン、つまり機械だが、彼にとって脚そのものだと。「マシン脚を持ってねえからってひがむなよ」。かつて「SLAM DUNK」(スラムダンク)でバスケッ ト人気を日本中に広めた漫画家、井上雄彦(いのうえたけひこ)さんの「リアル」の一場面だ▲「リアル」はそれぞれの苦難を抱えつつ車いすバスケットに情熱 を燃やす若者の群像劇。リオ・パラリンピックでもバスケットを含め、競技用車いすを使う日本代表が活躍している▲選手たちを支えるメーカーがある。千葉市 の「オーエックスエンジニアリング」もその一つだ。元はバイク販売会社。創業者の石井重行(いしいしげゆき)さんはバイクの試験走行中に転倒し下半身不随 になった。自分が車いすを使うようになり、一念発起して車いすメーカーに転身した▲だが資金繰りが悪化し、社員の給与も遅れがちになる。それでも諦めず改 良を重ねた。選手が活躍し始めると注文が増えていく。必要とされる時代が来たのだ。石井さんは人生をかけた勝負に勝った▲障害者をことさら感動的に取り上 げるメディアの手法が議論を呼んでいる。パラリンピックはどうか。そこにお仕着せの感動などない。トップアスリートが限界まで努力を重ね、ひたすら頂点を 目指す。彼らもまた人生をかけたリアルな勝負の世界にいる。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2016年09月11日  03:55:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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{社説①}:北朝鮮核実験 国際包囲網もっと強く

2016-09-12 03:19:40 | 北朝鮮・拉致被害・朝鮮総連問題

{社説①}:北朝鮮核実験 国際包囲網もっと強く

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説①}:北朝鮮核実験 国際包囲網もっと強く

 日本の安全保障を揺るがす重大な事態が、またも北朝鮮によって引き起こされた。

 北朝鮮がきのう、同国北東部の咸鏡北道(ハムギョンプクド)吉州(キルジュ)郡豊渓里(プンゲリ)で核実験を強行した。北朝鮮は「核弾頭の威力を判定するための核実験」に成功したと主張している。

 2006年以降、5回目になる。今年は1月に続いて2回目。1年に2回の核実験は初めてで、今回の爆発規模は過去最大とみられている。

 北朝鮮は今年、中距離弾道ミサイルの「ノドン」や「ムスダン」、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)など計21発を発射してもいる。多くても年に数発だった昨年までとは比較にならないペースだ。

 ■一段と脅威は高まった

 北朝鮮の脅威のレベルが一段と高まったと言わざるを得ない。日本としては、北朝鮮の核・ミサイル問題への対応の優先順位を引き上げなければならない。

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、核弾頭の爆発実験と核弾頭を搭載できるミサイルの発射実験を早期に行うよう指示していた。北朝鮮の国営メディアが今年3月に報じた金委員長の指示が、相次ぐ核実験とミサイル発射につながっているとみられる。

 北朝鮮が核実験を繰り返す中で焦点となってきたのは、ミサイルに搭載する核弾頭とするための小型化である。最終的な判断はまだできないが、開発が着々と進んでいることは確かだろう。

 北朝鮮の核ミサイル保有は、周辺国すべての利益に反する。国際社会は結束し、悪夢が現実になることを防がなければならない。

 しかし、国際社会が現実にできることは限られている。

 北朝鮮に対しては既に、かつてないほど厳しい経済制裁が実施されている。日本や米国、韓国には効果的な制裁強化策はほとんど残っていない。中国は、北朝鮮の核開発には強く反対するものの、金正恩体制の崩壊までは望んでいない。

 北朝鮮は、国際社会が手詰まり状態にあることを見透かしている。3回目の核実験までは中国や米国などに事前通告を行ったが、今年に入ってからは中国にすら事前通告しなくなったようだ。

 金委員長は核開発にあたって、リビアのカダフィ政権を教訓として示唆している。カダフィ政権は米英との交渉で核開発を放棄したが、11年に起きた内戦での欧米の武力介入によって崩壊に追い込まれた。

 だから、北朝鮮としては核開発を放棄できないという理屈だ。この考えが変わらない限り、北朝鮮の核開発は止まらない。

 北朝鮮の核開発が1990年代初めに大きな問題となった時、米国は北朝鮮への武力攻撃を真剣に検討した。北朝鮮の技術水準が初歩的なものにすぎなかった当時よりも、現在の方がはるかに深刻な状況である。私たちは、それをきちんと認識しているだろうか。

 北朝鮮は既に、日本のほぼ全域を射程に収めるノドン・ミサイルを200基以上も配備している。日本は北朝鮮の乱暴な行動によって最も大きな脅威を受ける国の一つである。日本は主体的に、国際包囲網を作る外交努力を進めていかなければならない。

 ■米中への働きかけ重要

 特に、北朝鮮への影響力を持つ中国への働きかけは重要だ。中国には国際制裁にもっと積極的に同調するよう求めていきたい。

 中国は、今年3月の国連安全保障理事会決議に基づく制裁を実施したものの、実際には北朝鮮との貿易にそれほど大きな影響が出ていないとみられている。地域の安定のため、中国に大国としての責任を果たしてもらうことが必要だ。

 さらに重要なのは、米国への働きかけである。

 北朝鮮は、核問題では米国だけを交渉相手とみなし、自らの体制の安全を保証するよう要求してきた。

 一方でオバマ政権は、北朝鮮が態度を改めるまで対応しない「戦略的忍耐」という路線を取った。

 国際社会を脅す国家に融和的な態度を見せ、安易な取引に応じるべきではない。その意味ではオバマ政権の対応は理解できるが、結果として北朝鮮の核開発を放置することになった面は否めない。

 5回の核実験のうち4回が、オバマ政権になってから行われたのである。北朝鮮の行動がエスカレートすることを阻止する行動も必要だ。

 北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発も進めている。11月の選挙で選ばれる米国の次期大統領が政権にいる間に、北朝鮮のミサイルはさらに高度なものになると予想される。米国にとっても、自国の安全を脅かす問題となるはずだ。

 日本は、利害を同じくする韓国と連携して、米国の次期政権が北朝鮮の問題に本腰を入れるよう強く求めていかなければならない。

 北朝鮮の核開発を封じ込めることは、日本外交にとって最も大きな試練だ。日本は、米韓両国との連携を改めて固め、国際的な包囲網をさらに強固なものとすることに全力を傾けるべきである。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年09月10日  03:13:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【余録】:「人民生活が大変なのに…

2016-09-12 03:19:35 | 北朝鮮・拉致被害・朝鮮総連問題

【余録】:「人民生活が大変なのに…

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【余録】:「人民生活が大変なのに…

 「人民生活が大変なのに人工地球衛星などしょっちゅう発射してどうするのか。早く人民生活問題でも解決したらよい」。北朝鮮の現状についてのごくまっとう な意見だが、実は朝鮮人民軍のある部隊長がくり返していた「暴言」という▲これは「文芸春秋SPECIAL秋号」で紹介されている北朝鮮軍内部からの流出 文書が挙げる将兵の「政治的事故」の一つである。文書を分析した鐸木昌之(すずきまさゆき)尚美学園大教授によれば「敵の暴言」、つまり西側の主張が軍の 幹部にまで浸透していたことがうかがえる▲文書は物不足による軍紀の乱れや指導部への不満による「事故」続発を伝える。その中で使われている「陽奉陰異」 は表向きは忠誠を誓い、陰で背信行為をなすことである。韓国や西側の情報や文化の浸透による面従腹背の広がりは軍の学習資料でも指弾されている▲ミサイル 発射がくり返される中、5回目の核実験を行った北朝鮮である。爆発規模は過去最大で、北は「新開発の核弾頭」と称している。内外への宣伝効果を狙う手口は 従来通りだが、ミサイルともども技術的進展は冷静に分析し、脅威のほどを見定めねばなるまい▲安保理のミサイル発射への非難声明のすぐ後に、国際社会の手 詰まりを見透かしたような北の挑戦的行動である。それによる国内の結束にも自信ありげな金(キム)正(ジョン)恩(ウン)指導部だが、核ミサイルで先の文 書が示すような北の将兵や民衆の信念の空洞化を埋め合わせできるのか▲くり返される粛清や幹部の脱北も「陽奉陰異」が当たり前の社会の疑心暗鬼ゆえだろ う。核やミサイルでは制御できぬこれからの「政治的事故」である。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2016年09月10日  03:53:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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{社説①}:「貧困」への中傷 子供の人権を脅かすな

2016-09-12 03:19:30 | 社会保障・年金制度・生活保護

{社説①}:「貧困」への中傷 子供の人権を脅かすな

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説①}:「貧困」への中傷 子供の人権を脅かすな

 ひとり親家庭で育った女子高校生が経済的理由で専門学校への進学をあきらめたことをNHKがニュース番組で紹介したところ、ネットに「貧困ではない」「捏造(ねつぞう)だ」と中傷する書き込みが相次いでいる。

 今は深刻な子供の貧困問題に国を挙げて取り組まなければならないときだ。それなのに自らの困窮を語った高校生を袋だたきにするような言動は、卑劣極まりない。まず貧困の実態をきちんと理解すべきである。

 番組は、女子高生が冷房のない部屋で暮らし、パソコンが買えないためキーボードだけ買ってもらって練習していることなどを伝えた。

 ところが、「部屋にアニメグッズがたくさんある」「1000円以上のランチを食べたとツイートしている」「映画を見に行った」などの書き込みがネットにあふれ、生徒の容姿の中傷や自宅の写真までアップされた。

 自民党の片山さつき参院議員もツイッターで「チケットやグッズ、ランチ節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょう」と書いた。

 日本の相対的貧困率は16・1%(2012年)で、先進諸国では高い水準だ。相対的貧困とは、全世帯を所得順に並べ、その真ん中に位置する世帯の年収の 半分(12年は122万円)に満たない人の割合を指す。必ずしも食べ物や住まいがないわけではないが、子供たちの成育に深刻な影響を与え、社会からの孤立 や排除につながるのが相対的貧困だ。

 お金のかかる部活動ができない。修学旅行や進学をあきらめる。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でつながっていないと仲間はずれにされるから食事や教育費を犠牲にしてスマートフォンを持っている。そんな生徒は多い。

 各国とも貧富の差を縮め、格差を固定させないように税や社会保険で所得の再分配を図っているが、日本は再分配が若年層にあまり効果をもたらしていないと指摘される。

 特に、ひとり親が非正規雇用で働き子供を養っている家庭の貧困率の高さは突出している。

 複数の仕事を掛け持ちでこなしているため、子供の世話をする余裕がない親は多い。自我が未発達の子供にとっては将来自立するための土台ができないまま育つことにもなる。

 そういう子供に自己責任を求めること自体が無理だろう。

 生活保護の不正請求をたたくような感覚で子供の貧困に険しい目をむけるのは間違っている。子供たちはますます声を上げられず、孤立したまま困窮を極めていく。

 そうした現実に対して理解を広げる必要がある。すさんだ社会にしてはならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年09月09日  03:20:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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{社説②}:ASEAN 南シナ海安定の「要」だ

2016-09-12 03:19:25 | 国際・欧州・中東・アフリカ・北米・南米

{社説②}:ASEAN 南シナ海安定の「要」だ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説②}:ASEAN 南シナ海安定の「要」だ

 南シナ海の安定を図るための要となるのは東南アジア諸国連合(ASEAN)の結束である。

 ASEANと周辺国による一連の首脳会議がラオスで開かれた。

 注目されたのは南シナ海情勢への対応だ。ASEAN10カ国の首脳会議では、複数の首脳が中国による埋め立てへの懸念を表明した。

 中国は、ASEANとの首脳会議で法的拘束力を持つ「行動規範」の早期策定を再確認した。南シナ海での緊急事態を想定した外交当局間のホットライン開設 や、艦船の衝突回避規範の採択も確認された。いずれも実効性を確保することが重要だ。中国とASEAN双方に真剣な取り組みを期待したい。

 南シナ海における中国の権益主張を退けた仲裁裁判所の判決については、ASEAN内での温度差を改めてうかがわせた。

 もっとも、ASEANはもともと多様な背景を持つ国々の集まりである。中国との関係も、領有権紛争を抱えるベトナムやフィリピンと、経済的な依存を深めるカンボジアやラオスなどでは大きく異なる。

 それでも、中国ASEAN首脳会議の共同声明には「国際法に従った平和的な解決」という原則が盛り込まれた。仲裁判決には触れなかったものの、「法の支配」という普遍的な原則を確認したことは現実的な対応と言えるだろう。

 ただ、この声明が、領土や主権の争いを「直接の関係国」による交渉で解決するとした点は気にかかる。南シナ海は海上交通の要衝であり、自由で平和な海であり続けることは国際社会の共通利益だ。「域外国」として日米を排除する論理に使うのならば受け入れがたい。

 心配なのは、仲裁判決の当事者であるフィリピンの迷走ぶりだ。

 ドゥテルテ大統領は、オバマ米大統領に対する暴言で首脳会談の機会を逃し、すぐに後悔を口にした。そうかと思えば、きのう行われた米国とASEANの首脳会議には姿を見せなかった。

 フィリピンは、スカボロー礁での中国による新たな埋め立てへの危機感を表明している。ドゥテルテ氏の言動は、そうした切迫した状況を認識しているか疑わせるものだ。フィリピンの国益にも反する言動であることを自覚してほしい。

 ラオスに集まったすべての国が共有できるのは「法の支配」という原則のはずである。一つ一つの国で中国と対等に向き合うことが難しいASEANの各国にとっては、大きな助けとなりうるものだ。

 日米両国は、「法の支配」の原則に基づくASEANの取り組みを支えていきたい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年09月09日  03:20:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【余録】:温暖化防止の国際会議で各国が大きな部屋を一つずつ…

2016-09-12 03:19:20 | 【地球温暖化・温室効果ガス・気候変動に関

【余録】:温暖化防止の国際会議で各国が大きな部屋を一つずつ使用するなか…

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【余録】:温暖化防止の国際会議で各国が大きな部屋を一つずつ使用するなか…

 温暖化防止の国際会議で各国が大きな部屋を一つずつ使用するなか、日本政府代表団だけが省庁別に小部屋を七つも使っていたことがあった。省庁で利害が異な るため別々に話し合って後から方針をすり合わせた方がやりやすいからだそうだ▲「日本が会議で明確な主張を示せていない原因がこの部屋割りに表れている。 自国の省庁間でさえ連携をうまく図れない交渉団が、外国とどうやって渡り合えるというのだ」。小紙はその時のスイス代表団員の指摘を伝えていた。いや、縦 割り行政おそるべしである▲ではこの調査結果はその数字通り事態の改善を示しているのか。それとも問題が他の役所の縄張りに潜伏しただけなのか。15歳か ら39歳までのひきこもりの人が全国で54万1000人いるという内閣府の推計のことである▲この数は6年前の調査に比べ15万人の減少という。内閣府は 「ひきこもりの人への支援がある程度効いたのだろう」と評価する。しかし前回の調査で全体の24%近かった35〜39歳の年代層は、40歳を超えた今では 調査対象から外れてしまった。その実態は分からない▲ひきこもりの長期化、高年齢化が指摘される中で40歳以上が調査対象外とは何とも奇怪である。聞けば 内閣府の推計は若年層への対策が目的で、上の年代は厚生労働省の担当らしい。しかし基礎的なデータもないまま、さらに深刻の度を加える問題に取り組めるの か▲ひきこもりの長期化で教育や福祉、医療の支援の網からこぼれ落ちてしまう当事者や家族たちである。その窮状をさらに潜伏させてしまう行政の部屋割りは すぐさま改めてもらわねばならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2016年09月09日  03:49:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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{社説①}:オバマ氏の歴訪 もっとアジアで指導力を

2016-09-12 03:19:15 | 国際・欧州・中東・アフリカ・北米・南米

{社説①}:オバマ氏の歴訪 もっとアジアで指導力を

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説①}:オバマ氏の歴訪 もっとアジアで指導力を

 花道と言うには多難な旅である。

 任期中最後のアジア歴訪を続けるオバマ米大統領はラオスで演説し、自身のアジア重視政策(リバランス)の意義と成果を強調した。だが、主要20カ国・地 域(G20)首脳会議に始まる一連の国際会議で、南シナ海問題や北朝鮮の核・ミサイル問題での進展が見られないのは残念だ。

 オバマ大統領の任期はあと4カ月余りと、いわゆるレームダック(死に体)状態にある。それが影響したとも言いきれまいが、G20が開かれた中国・杭州の 空港に大統領一行が降り立った直後、ホワイトハウスと中国の当局者の間で口論が生じ、中国の空港当局者が「ここは我々の国だ」と叫ぶ一幕もあった。

 ささいな出来事に見えるが、米大統領の外遊では通常考えられないことだ。G20では南シナ海問題でオバマ大統領と中国の習近平国家主席の見解はすれ違 い、何の進展もなかった。それだけに、この一件は米中の意思疎通の乏しさを象徴するような後味の悪さを感じさせる。

 ラオスでの東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議を機に予定されていた米比首脳会談が中止になったのも異例だった。

 フィリピンの強圧的な麻薬取り締まりに批判的なオバマ大統領に対し、ドゥテルテ比大統領が侮蔑的な暴言を吐いたため米側が中止を申し出た。後に謝罪したとはいえ同氏の発言は著しく品格に欠けている。

 オバマ大統領は7月の仲裁裁判所の判決に基づいてフィリピン側と南シナ海問題を協議し、判決に反発する中国に両国の連帯を見せたいところだった。フィリピン沖のスカボロー礁では中国が埋め立ての準備をしているとの観測もあるからだ。

 大事な会談が中止になったのは残念だが、8日には東アジアサミットも開かれる。南シナ海や東シナ海における中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発をオバマ大統領はもっと積極的に論じ、関係国の賛同を得る努力をすべきである。

 ラオスでの演説でオバマ氏は、南シナ海で中国をけん制する「航行の自由作戦」を今後も続けると表明した。米比首脳会談の代わりに開かれた米韓首脳会談では、北朝鮮の脅威に対抗して国際的な連携を強めることで朴槿恵大統領と一致した。

 だが、それだけでは解決への枠組みとは言いがたい。歴史的な広島訪問で成果を上げたオバマ氏も、軍事が絡む駆け引きでは後手に回る傾向がある。中東情勢 に関して「米国は世界の警察官ではない」と言明したことが、東アジア情勢に響いた印象もある。ほしいのは指導力だ。

 難問を放置してアジア政策の成果を誇ることはできない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年09月08日  03:04:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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{社説②}:パラリンピック 支援を拡大する契機に

2016-09-12 03:19:10 | 【障害者スポーツ、パラリンピック】:

{社説②}:パラリンピック 支援を拡大する契機に

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説②}:パラリンピック 支援を拡大する契機に

 リオデジャネイロで障害者スポーツの祭典、パラリンピックが日本時間の8日開幕する。22競技528種目が実施され、約160カ国・地域から過去最多のロンドン大会を上回る約4400人が参加する。

 逆境を乗り越えて挑戦する姿は五輪に劣らず見る人の心を揺さぶる。それだけにドーピング(禁止薬物使用)の力を借りるのは論外だ。

 ロンドン大会で金メダル36個を獲得したロシア選手団について国際パラリンピック委員会(IPC)は国家主導のドーピング違反を理由に個人資格を含め参 加を認めなかった。ロシアはスポーツ仲裁裁判所などに訴えたが、却下された。パラリンピックの価値は守られたと言える。

 障害者スポーツの世界でもスポンサーの支援を受けて各国を転戦するプロ選手が増えたこともあり、競技レベルは年々、上がっている。

 その意味で一番の注目は陸上の男子走り幅跳びだろう。右足が義足のマルクス・レーム選手(ドイツ)は昨年、障害者の世界選手権で8メートル40の世界記録をマークした。これはリオ五輪の優勝記録8メートル38を上回る。

 レーム選手はリオ五輪出場を目指した。だが、国際陸上競技連盟からカーボン製の義足が競技するうえで有利に働いていないことを科学的に証明するよう求められ、最終的に断念した。パラリンピック本番では歴史に残るジャンプを期待したい。

 義足の性能や公平性を巡る議論は決着していない。しかし、多くの日本代表選手の義足を手がけてきた義肢装具士の臼井二美男さんによれば、義足の板バネをたわませるための筋力は過酷なトレーニングがなければ得られないものだという。

 義足をはじめ、失われた機能を代替する用具や道具は障害者スポーツに欠かせないが、オーダーメードとなる最先端のものは個人が手軽に購入できる値段では ない。経済的な理由から手にすることができない国の選手たちもいる。これがパラリンピックに選手を派遣できる国が五輪より約40も少ない一因だ。

 今大会、選手約130人が参加する日本は恵まれていると言えるだろう。それでも笹川スポーツ財団などによると、経済的な負担が重く、スポーツをしたくて もできない障害者は少なくない現実がある。スポーツ実施率は健常者の半分以下。日本代表選手も約2割が障害を理由に施設の利用を断られた経験をしている。

 NHKは今回初めて、大会期間中毎日、競技の生中継を行う予定だ。普段目にすることのない競技を知る機会が増えるだろう。4年後は東京で開催される。障害者がスポーツと出会い、続けるための支援を広げる契機としたい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年09月08日  03:04:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【余録】:紀元1〜2世紀のストア派の哲学者エピクテトスは…

2016-09-12 03:19:05 | 【障害者スポーツ、パラリンピック】:

【余録】:紀元1〜2世紀のストア派の哲学者エピクテトスは…

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【余録】:紀元1〜2世紀のストア派の哲学者エピクテトスは…

 紀元1〜2世紀のストア派の哲学者エピクテトスは片足が不自由だった。だが彼は自分をオリンピア祭のレスリングの史上最強の覇者だったミロンになぞらえ、 「私はミロンではないだろう。けれど私は身体をおろそかにしない」という▲エピクテトスによれば、ミロンをめざして練習するレスリングの競技者たちもたと え自らが及ばないと分かっても鍛錬をやめはしない。哲学者としてソクラテスをめざす彼は、自らの運命を引き受けつつ、それを超える高みに向けた努力を怠ら ない人の心を称揚した▲「スリー・アギトス」とは青、赤、緑の三つの弧からなるパラリンピックのシンボルマークである。アギトスとはラテン語で「私は動 く」。地球上の各地から選手が集まり、その強い意志によって世界にインスピレーションを与えていく運動を象徴するものだという▲160カ国・地域から 4400人が参加するリオ・パラリンピックが日本時間の今朝開幕、12日間にわたって22競技528種目が繰り広げられる。前回のロンドン大会では金5個 を含むメダル16個を獲得した日本は132人が参加、初めてNHKも毎日生中継をする▲参加22カ国・567人、運営資金約1億円だった52年前の東京大 会から思えば巨大イベントと化したパラリンピックだ。ロシア不在の大会をもたらしたドーピング問題、義足など器具の性能やルールをめぐる公平性の論議もス リー・アギトスにからみつく今日である▲とはいえ自らの限界を超える高みをめざす人々が競い合う大会である。今度はどんな奇跡が世界を驚かすのか。その感動は世界をどう変えていくのだろう。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2016年09月08日  03:37:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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{社説①}:中国と国際社会 協調路線で責任果たせ

2016-09-12 03:18:55 | 外交・中国・台湾・尖閣国有化

{社説①}:中国と国際社会 協調路線で責任果たせ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説①}:中国と国際社会 協調路線で責任果たせ

 中国・杭州で開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議は、議長役の習近平(しゅうきんぺい)国家主席にとって内外に 指導力を示す政治的な舞台だった。南シナ海問題など政治課題を封じ込める一方、経済底上げに向けた国際協調をうたう首脳宣言をまとめ、中国メディアは成功 を強調している。

 中国が指導力を発揮しようとすることは自然なことだが、政治課題を避けるようでは大国としての器量が問われる。会議後には再び強硬姿勢に戻るのではと懸念する声も根強い。外交、安全保障政策でも協調路線を進めることが信頼を得る道だ。

 古都・杭州には2014年に北京で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と同じように青空が広がった。工場閉鎖や交通規制などで汚染を防ぎ、住民たちを市外に移動させたのだ。

 最高指導者がホストを務める国際会議は中国では最重要イベントであり、失敗が許されない。テロ警戒に厳しい規制が敷かれ、世界遺産の西湖では各国指導者に向けた派手なパフォーマンスが繰り広げられた。

 会議直前には外交面でも柔軟な姿勢が垣間見られた。8月下旬に国連安全保障理事会で北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射を非難する声明の発表に合意したのがその例だ。沖縄県の尖閣諸島周辺に接近する海警局の公船も減った。

 問題は青空と同様にG20会議限りの対応という疑いが消えないことだ。フィリピンと中国が領有権を争う南シナ海のスカボロー礁には中国船が集結し、フィリピンは埋め立てが狙いではと警戒を強めている。

 中国は国際秩序に挑戦する意図はないと表明する一方で、米国が主導する現行秩序は調整や改変が必要だと主張している。しかし、南シナ海、東シナ海でみられるように力を誇示して現状を変えるつもりなら周辺諸国には受け入れられない。

 南シナ海での行動は中国の世界観を見定める試金石ともいえる。人工島建設にみられる強硬路線に日米や周辺諸国が懸念を高めたのは当然だろう。中国の権益主張を否定する仲裁裁判決を受け、これまでのやり方を見直すかがカギになる。

 会議に合わせ、北朝鮮が弾道ミサイルの連続発射実験を行った。中国が北朝鮮の核開発阻止のための国際協調と、米韓のミサイル防衛反対のどちらに軸足を置くのか。揺さぶる狙いもあるのではないか。

 6日からはラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)と日米中などの会議が始まった。習主席は杭州のG20会議を「再出発の新たな起点」と総括したが、中国にとっても国際社会との関係を見直す新たな起点にしてもらいたい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年09月07日  03:04:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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{社説②}:温暖化パリ協定 年内発効の手続き急げ

2016-09-12 03:18:50 | 【地球温暖化・温室効果ガス・気候変動に関

{社説②}:温暖化パリ協定 年内発効の手続き急げ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説②}:温暖化パリ協定 年内発効の手続き急げ

 地球温暖化防止に向けた新しい国際枠組み「パリ協定」の批准を、米国のオバマ大統領と中国の習近平国家主席が共同発表した。

 世界各地で温暖化の影響と見られる異常気象が起きている。対策は待ったなしだ。世界の温室効果ガス排出量の4割を占める2大排出国の批准を契機に、各国も手続きを急ぎ、協定の年内発効を実現してほしい。

 パリ協定は、昨年末の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択された。産業革命前からの平均気温上昇を2度未満に抑えるため、各国は対策を策定して国連に提出し、5年ごとに見直す義務を負うことになった。

 米中の首脳が中国での主要20カ国・地域(G20)首脳会議開催直前に批准を発表したのは、各国に批准を促すためだ。習国家主席には、G20議長国として「責任ある大国」を演出する狙いもあったろう。

 一方、任期が残り4カ月余りとなったオバマ大統領は野党・共和党が多数派を占める議会の承認を回避し、大統領権限で批准を決めた。こだわったのは、年内 の協定発効を自らの政治的遺産とすることだ。11月の米大統領選で、共和党候補のトランプ氏が、パリ協定への不参加を訴えていることが関係している。

 協定は批准国が55カ国以上、批准国の温室効果ガスの排出量が世界の55%以上に達してから30日後に発効する。ただし、協定の規定で批准国は発効から4年間は脱退できない。年内発効なら、トランプ氏が当選しても、この規定に縛られる。

 パリ協定の採択と前後して、温暖化対策に積極的な姿勢を示す世界的な企業が相次いでいる。中国が温室効果ガスの排出量取引を来年から全土で実施することを表明するなど、各国の政府レベルでも新たな取り組みが次々に始まっている。

 パリ協定に先立つ温暖化対策の国際枠組みだった京都議定書では、採択から発効まで7年余りかかった。パリ協定が早期に発効すれば、世界各地で胎動する温暖化対策の熱気を保持し、対策を加速できる。

 今後の焦点は、欧州連合(EU)やロシア、インド、日本など他の大口排出国・地域の動向に移る。

 日本は世界の温室効果ガス排出量の3・8%を占める。日本の批准が協定発効の鍵を握るかもしれない。協定の詳細なルールづくりは今後、本格化する。国際交渉で発言権を得るためにも、政府は今秋の臨時国会で批准手続きをとるべきだ。

 経済界には批准に慎重な意見もあるが、パリ協定発効を契機に技術革新を促し、低炭素社会の実現に向けて進んでいくことが、日本の国際競争力の向上にもつながるはずだ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年09月07日  03:04:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【余録】:道灌山と呼ばれる東京・西日暮里あたりの台地は江戸時代…

2016-09-12 03:18:45 | 災害・地震・津波・台風・竜巻・地滑り

【余録】:道灌山と呼ばれる東京・西日暮里あたりの台地は江戸時代…

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【余録】:道灌山と呼ばれる東京・西日暮里あたりの台地は江戸時代…

 道灌山(どうかんやま)と呼ばれる東京・西日暮里(にしにっぽり)あたりの台地は江戸時代、虫の音を楽しむ秋の行楽地だった。丘の上では3人の男性が酒を 酌み交わし、かごを手にした子供が女性に連れられて楽しそうに坂道を上る。江戸名所図会(ずえ)が虫聴きという風流な光景を描いている▲万葉集(まんよう しゅう)をはじめ鳴く虫を題材にした和歌や文学は古くからある。平安貴族の間ではスズムシやマツムシを捕らえて宮中に献上する野遊びが流行した。江戸期に なると虫売りという商売が生まれ、鳴き声に親しむ風習は庶民の生活の一部になった▲昔から酒造りの盛んな兵庫県伊丹市の中心部で、虫聴きを再現する町ぐる みのイベントが9日から9日間の予定で始まる。かごに入ったコオロギやキリギリスなど約15種3000匹以上が街路樹や店先などで音色を響かせ合う▲以前 は市昆虫館で毎年秋に企画展をしていた。野外で鑑賞すればより味わい深いと職員の坂本昇(さかもとのぼる)さんらが考えて、江戸時代から残る国の重要文化 財の酒蔵周辺を会場にして2006年に始めた。それから10年がたち、かごを置くところは商店街や金融機関に広がった▲店主や子供らが虫の採集や飼育に協 力し、世代間交流も活発になった。鳴き声を聞きながらの星見会や落語会、狂言鑑賞など市民が発案した関連行事も増えて多彩だ。地域の活性化を担う初秋の風 物詩となり、わが町に愛着を持つようになった住民は少なくない▲「鳴く虫が町中にたくさんいることに気づく人も増えた」と坂本さんは言う。大都市にいても 駅前、大通り、高層ビルの植え込みから聞こえてくる。耳を澄ませて季節の移ろいを感じたい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2016年09月07日  03:55:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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{社説①}:G20と経済 世界貿易拡大へ行動を

2016-09-12 03:18:40 | 国際・欧州・中東・アフリカ・北米・南米

{社説①}:G20と経済 世界貿易拡大へ行動を

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説①}:G20と経済 世界貿易拡大へ行動を

 世界経済の成長鈍化が心配される中、主要20カ国・地域(G20)首脳会議が中国の古都、杭州で開かれた。

 首脳宣言は、世界経済を力強い成長軌道に戻すため、各国が財政・金融政策、さらに構造改革の全てを動員する、との意思を表明した。各国とも財政・金融面では、すでに相当な刺激策を重ねてきており、今後は構造改革に軸足を移す必要がある。

 だが最も警戒すべきは、世界的に拡大の兆しがある保護貿易主義や反グローバリズムの動きだろう。G20は、世界経済の成長を促すためにも、貿易自由化へ の努力を再加速しなければならない。同時に、反グローバル化の根底にある経済格差への不満、不公平感に正面から向き合うことが重要だ。各国の経済が内向き になるようでは、せっかくの構造改革の果実も十分得られない。

 世界貿易機関(WTO)によれば、世界のモノの貿易量の年間伸び率は今年、5年連続で3%を下回る見通しという。1990年以降の平均、5%より低い状態が続いている。

 障壁となっている関税や規制、手続きを一段と取り除くべき時だが、現実は、自由化よりむしろ保護主義に傾いているように映る。

 米国では共和党大統領候補のトランプ氏がグローバリズムへの攻撃を続けているが、民主党のクリントン候補も、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に反対の意向だ。米国と欧州連合(EU)による大西洋版TPPもゴールが展望できない。

 一方、英国のEU離脱は一段と世界貿易を鈍化させる恐れがある。百数十カ国が参加するWTOの自由化交渉は、何年も頓挫したままだ。

 首脳宣言で保護主義反対を唱えるだけでなく、貿易や投資の自由化に政治主導で弾みをつけてほしい。

 しかし、それだけでは足りない。人々のグローバル化への不信感を取り除く努力が不可欠だ。大国、大企業、富裕層など強者のみが得をするといった観念が根強ければ、新たな自由化など望めないだろう。

 モノ、カネ、人の自由な往来は、本来、成長を促し、格差の是正に役立つものだ。世界第2位の経済大国へと急成長した今回の議長国、中国が何より自由貿易の恩恵の証しだ。

 その中国は、世界貿易体制の発展のため、大国の地位にふさわしい責務を負う。G20では、中国が作りすぎた鉄鋼製品を輸出し国際価格を低下させている問題が取り上げられた。他国から不公正と非難される行為は慎むべきだ。

 だが、中国批判ばかりで終わってはならない。外国製品や外国人の排除を扇動する勢力に対抗するには貿易や投資の自由化で主要国の指導者が結束するしかないのである。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年09月06日  03:04:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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