乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【社説】:①司法取引導入 虚偽供述の見極めが大切だ

2018-03-17 06:05:30 | 政治・政策・行政・政局ニュース

【社説】:①司法取引導入 虚偽供述の見極めが大切だ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:①司法取引導入 虚偽供述の見極めが大切だ

 犯罪捜査の新たな切り札となり得るのか。

 欧米で広く採り入れられている司法取引が、日本でも6月1日から導入される。政府が施行日を定める政令を閣議決定した。

 容疑者や被告が共犯者の犯罪を明らかにする見返りに、検察官が起訴を見送る。場合によっては求刑を軽くする。それが日本版の司法取引の概要だ。刑事司法改革の一環として、2016年成立の改正刑事訴訟法に盛り込まれた。

 政令では、対象犯罪も定められた。刑訴法が明示する組織犯罪や汚職などに加え、独占禁止法や金融商品取引法で規定される談合やインサイダー取引といった経済犯罪が広く盛り込まれた。

 振り込め詐欺などでは、末端の容疑者を逮捕しても、首謀者にたどり着けないケースが多い。企業犯罪でも、トップの関与を立証するのは難しい。

 司法取引は、組織的な犯罪の核心に斬り込む武器として期待できよう。企業ぐるみの違法行為を抑止する効果も見込める。

 重要なのは、捜査当局が節度を持って運用することだ。

 司法取引を先取りした類似の制度が、日本でも既に導入されている。独禁法の課徴金減免(リーニエンシー)制度に基づく談合やカルテルの自主申告だ。

 企業が、自ら関与した違反を公正取引委員会に自主的に申告すれば、課徴金が減免される。06年の制度導入以降、自主申告が端緒となった事件が相次ぐ。

 一定の成果を上げている一方で、疑問を拭えない対応もある。リニア中央新幹線を巡る談合事件で、東京地検特捜部は大手ゼネコン4社のうち、容疑を否認した2社の幹部らを逮捕した。

 違反を自主申告した2社の関係者の逮捕は見送った。罪を認めれば、身柄の扱いに配慮する、という意思の表れだろうが、自主申告の強要と受け取られかねない。

 司法取引では、容疑者らが刑を軽くしてもらうため、他人に罪を着せようとする危険がある。

 供述の真実性を担保するため、罰則付きの虚偽供述罪が新設された。司法取引には、容疑者側の弁護士の同意が必要で、取引の内容は書面に残すことになった。

 冤罪(えんざい)を生まない運用が何より大切だ。米国では、重大な冤罪事件のうち、2割以上で虚偽の情報提供があったという調査もある。

 警察・検察は、供述の裏付け捜査を徹底する必要がある。裁判所は、供述の信用性をより厳しく、慎重に見極めねばならない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年03月17日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:②ホーキング博士 真理追う情熱を受け継ぎたい

2018-03-17 06:05:20 | 【訃報・訃音・お悔やみ、死亡記事、死亡広

【社説】:②ホーキング博士 真理追う情熱を受け継ぎたい

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:②ホーキング博士 真理追う情熱を受け継ぎたい

 難病と闘いながら、独創的な宇宙理論を編み出した。科学の伝道師としても活動した。旺盛な探求心を受け継ぎたい。

 「車いすの天才物理学者」として知られた英国のスティーブン・ホーキング博士が、76歳で死去した。

 宇宙の見方を変える仮説を次々と発表した。代表例の一つが、1960年代に発表した「宇宙には始まりがある」という理論だ。百家争鳴だった宇宙誕生の議論を収束させる契機となった。

 謎の天体ブラックホールに関しても、「熱を発する」との新説を提唱した。あり得ない、との批判が多かったが、緻密(ちみつ)な理論が今では評価されている。

 後世に残る業績である。

 これらの成果を基に、著書「ホーキング、宇宙を語る」(邦題)を1988年に出版した。

 内容は決して平易ではなかったが、世界で1000万部以上のベストセラーとなった。自身の論文には数式が連なるが、著書では、ほとんど使わずに、理論を丁寧に説いた。これが幅広い読者の知的好奇心をかき立てたのだろう。

 その後も、本を出せば、多くの読者が手に取った。娘のルーシーさんと、子供向けの宇宙冒険物語も出版している。

 21歳で難病の筋萎(い)縮(しゅく)性側索硬化症(ALS)と診断された。筋力が徐々に衰え、運動や発声の能力を失った。車いすに細い体をうずめ、人工音声装置を操作して、言葉を紡ぎ出す。一つひとつの言葉が、実に重かった。

 博士は生前、「宇宙の法則を追い求める熱意や興奮を人と分かち合いたい」と、繰り返し述べていた。その純粋な思いも、世界にファンを広げた理由だろう。

 論文だけでなく、一般の人々にも研究の意義を伝える。科学の重要性を広く知ってもらうために、多くの科学者が、博士のような発信力を磨くべきではないか。

 近年、科学研究は応用や産業利用の比重が増している。博士が打ち込んだような基礎研究を持続させるためには、尚更(なおさら)、広く理解を得る努力が求められよう。

 博士は、専門分野に限らず、地球温暖化や人工知能など科学技術の重要課題についても関心を寄せ続け、率直な意見を発信した。

 障害を持つ人々へのメッセージも送り続けた。2012年のロンドン・パラリンピックでは、「人生がどんなに困難であろうと、成し遂げられることがある」と話し、挑戦することの大切さを訴えた。誰もが胸に刻みたい言葉だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年03月17日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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