改訂!! 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【原発のない国へ 基本政策を問う】:(5)核燃サイクル成算なし

2018-07-18 06:16:50 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【原発のない国へ 基本政策を問う】:(5)核燃サイクル成算なし

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【原発のない国へ 基本政策を問う】:(5)核燃サイクル成算なし

 都心から北東へ約百五十キロ。ヘリコプターから見下ろすと、倉庫のような建物が並んでいる。茨城県東海村にある日本原子力研究開発機構の燃料施設は、民家や畑に囲まれていた。

 施設のどこかに、三・八トンのプルトニウムがある。核爆弾約五百発がつくれる量。国際機関の査察官が毎月訪れ、放射線防護やテロ対策で巨額の費用がかかっている。

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 日本は国内外に、核爆弾六千発に相当する計四十七トンのプルトニウムを保管する。その量は、二十五年前の五倍に増えた。

 政府は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、再利用する「核燃料サイクル」構想を進めている。だが、国民から電気代や税金で集めた十三兆円を、プルトニウムを燃料にする高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)や再処理工場(青森県六ケ所村)などに投じながらも、構想実現のめどは立たない。

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 唯一の被爆国として核廃絶の理想を掲げながら、核兵器の材料をため込む日本に、海外の視線は厳しい。

 「日本はわれわれに懸念を与え続けている。(東アジアでの)核拡散に加担しかねない」。今年二月、米上院が安全保障担当の国務次官としてアンドレア・トンプソン氏を承認するかどうかの公聴会。民主党のエド・マーキー議員が切り出した。トンプソン氏は「この問題を必ず掘り下げる」と約束し、承認された。

 米国の念頭には、北朝鮮がある。プルトニウムをためる日本を引き合いに、「われわれも身を守る核が必要」と抵抗されれば、核兵器を放棄させる妨げになると警戒している。

 米国の懸念を解消しようと日本政府はエネルギー基本計画に「プルトニウム保有量の削減に取り組む」との文言を加えた。もんじゅに代わり、フランスが開発する高速炉「ASTRID(アストリッド)」に望みをかけ、共同開発費を負担する計画だ。

 ところが、このもくろみは風前のともしびだ。六月一日に東京・霞が関の経済産業省で開かれた、高速炉開発会議の作業部会。仏原子力・代替エネルギー庁の幹部、ニコラ・ドゥビクトール氏が「開発は緊急性を要しない。出力も縮小を検討している」と説明すると、官僚や三菱重工業幹部らの表情がこわばった。

 「仏の原発業界は財政的に厳しく、アストリッドを従来のスピードで開発することに乗り気ではなくなった」。仏モンペリエ大のジャック・ペルスボワ名誉教授(エネルギー政策)が解説する。仏政府と業界はテロにも耐えられる新型炉を推進してきたが、福島事故後の安全規制強化で建設費は当初の三倍に。高速炉開発に資金を回せなくなった。

 核不拡散問題が専門の米テキサス大のアラン・クーパマン准教授は「高速炉開発は、米英独など既にほとんどの国が断念。技術的に困難で、採算が取れないことがはっきりしてきた」と明かした。日本の原発政策は成算のないまま、逆風の中を進もうとしている。(伊藤弘喜、パリ・竹田佳彦)

 <エネ計画では>実現へ推進維持

 エネルギー基本計画は、核燃料サイクルについて「推進を基本的方針」とし、実現を目指す政策の維持を明記した。日本は十七日に延長された日米原子力協定に基づいて、原発の使用済み核燃料から再処理で取り出したプルトニウムの再利用が認められている。

 日本は大量のプルトニウムを保有している。しかし、本格利用できる高速炉の開発は進んでいない。ウランと混ぜた「MOX(モックス)燃料」を一部の通常の原発で使う「プルサーマル」は、プルトニウムを少量しか使えない。基本計画では「保有量の削減に取り組む」と明記しつつも、具体的には「プルサーマルの一層の推進」とするにとどまった。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社会 【話題・連載・「原発のない国へ 基本政策を問う」】  2018年07月18日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【原発のない国へ 基本政策を問う】:(4)むつ市と関電 交錯

2018-07-18 06:16:40 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【原発のない国へ 基本政策を問う】:(4)むつ市と関電 交錯

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【原発のない国へ 基本政策を問う】:(4)むつ市と関電 交錯

 青森県むつ市の市街地から車で北に二十分ほど。津軽海峡を臨む雑木林の一角に、真新しい倉庫のような建物がある。原発から出た使用済み核燃料を、プルトニウムなどを取り出す再処理工場(同県六ケ所村)に運ぶまでの間、一時保管する中間貯蔵施設だ。

 東京電力と日本原子力発電(原電)が出資する「リサイクル燃料貯蔵」(RFS)が建設した。東電柏崎刈羽原発(新潟県)から最初の搬入を予定するが、原子力規制委員会の審査が長引き、めどが立たない。

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 施設を巡る六月三日の報道で、地元がざわついた。関西電力が美浜、大飯、高浜の三原発(いずれも福井県)の核燃料を搬入するため、RFSへの出資を計画していると、共同通信が配信。地元紙にも載った。

 騒ぎが大きくなったのは、福井県の西川一誠知事が昨冬、大飯原発3、4号機再稼働の条件として核燃料の県外搬出を求め、関電が今年中に候補地を示すと約束しているからだ。

 むつ市の宮下宗一郎市長は素早く対応した。東電、原電、RFSの三社を市役所への「出入り禁止」に。報道の二日後に上京し、日下部聡・資源エネルギー庁長官に「地域に断りのない中で進めるべきではない」と抗議。六月八日には三社を市役所に呼び、報道内容を否定する言質を取り付けた。十四日の市議会で「報道のような事実はないと認識せざるを得ない」と報告し、騒動は一段落した。

上から、青森県むつ市に建設中の中間貯蔵施設、むつ市の宮下宗一郎市長、福井県の関西電力大飯原発3、4号機=コラージュ

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 ただ、地元で施設に反対してきた「核の『中間貯蔵施設』はいらない!下北の会」の野坂庸子代表(70)はいぶかる。「市長は頭越しに話が出たことに怒っただけ。核燃料を受け入れないとは言っていない。条件次第で認めてしまうのでは」

 関電は、最多の三原発七基が新規制基準に適合。うち二原発四基を再稼働させたが、使用済み核燃料プールは五~八年分と余裕がない。一時保管場所を確保できずにプールが満杯になれば、原発は動かせない。

 再処理工場の稼働が見通せず、電力各社はどこも同じ事情を抱える。プール内で核燃料の間隔を狭めて容量を増やしたり、専用容器で空冷したりすることを検討しているが、いずれも小手先で、限界がある。

 実は〇五年にRFSを設立する際、東電は他社にも参加を募った。ただ、応じたのは原電のみだった。

 関電に当時の経緯を聞いたが、広報担当者は「記録がなく確認できない」と回答。豊松秀己副社長は六月二十七日の株主総会で、RFSへの出資について「方針を固めた事実はない」と述べるにとどめた。施設の候補地を示す期限は残り半年を切っている。

 関電のつまずきに呼応するかのように、与野党の国会議員有志が六月十三日、使用済み核燃料の問題を考える議員連盟を設立。会合は非公開だったが、事務局長の武田良太衆院議員(自民)は「関電問題」がテーマの一つと認めた。出席した野党議員は「自民党には、再稼働のために中間貯蔵に道筋を付けたい思惑もあるだろう」と話した。(宮尾幹成)

 ■<エネ計画では>電力会社 貯蔵拡大

 原発を動かせば必ず出る使用済み核燃料は現在、国内に一万八千トンある。国は全量再処理する方針だが、再処理工場は稼働のめどが立っていない。エネルギー基本計画では「貯蔵能力の強化が必要」とし、「安全を確保しつつ、管理する選択肢を広げることが喫緊の課題」と指摘した。国は二〇一五年十月、使用済み核燃料対策に関する行動計画を策定。電力各社はこの計画に基づき、中間貯蔵施設や、専用容器に入れて空冷する「乾式貯蔵」など、貯蔵能力を拡大しようとしている。こうした取り組みを加速させるため、基本計画で「国が積極的に関与」すると強調。自治体や電力会社とともに「安全で安定的な貯蔵が行えるよう、官民を挙げて取り組む」と表明している。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社会 【話題・連載・「原発のない国へ 基本政策を問う」】  2018年07月17日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【原発のない国へ 基本政策を問う】:(3)石炭火力 新増設 時代に逆行 依存なお

2018-07-18 06:16:30 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【原発のない国へ 基本政策を問う】:(3)石炭火力 新増設 時代に逆行 依存なお

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【原発のない国へ 基本政策を問う】:(3)石炭火力 新増設 時代に逆行 依存なお

 サッカーJリーグJEF(ジェフ)ユナイテッド市原・千葉の本拠地、千葉市沿岸のスタジアムの目と鼻の先に二〇一六年末、火力発電所の新設計画が持ち上がった。燃料は、石炭。建設に反対する元市議の小西由希子さん(59)が憤る。「粉じんの飛散が心配です。環境への影響も大きいのに、なぜ今さら石炭なのか…」

 石炭火力の新増設計画が急増している。一一年三月の東京電力福島第一原発事故後、原発停止が続いたため、電力会社は需要を賄おうと石炭火力に頼った。

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 環境保護団体「気候ネットワーク」によると、既存の石炭火力は約百基だったが、一二年以降に約五十基の新増設計画が浮上。うち六基の計画が東京湾岸にあり、中部電や中国電、九電が出資する関連会社が名乗りを上げた。一六年から始まった電力小売り自由化に伴い、各社は大消費地の首都圏への進出を図る。

 「価格が乱高下しやすい液化天然ガス(LNG)に比べ、石炭は価格も供給も安定している」。千葉市で石炭火力を計画する中国電出資の千葉パワーの広報担当者が強調した。

 政府は、三〇年の発電量に占める石炭火力の割合を26%とする。一六年時点の32%から下げるものの、LNGと石油がさらに減るため、火力発電の中での石炭の比率はむしろ高まる。

 石炭火力が多くなれば、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の排出量が増える。石炭火力のCO2排出量は、高性能な設備でもLNGの二倍に上る。

 政府の三〇年時点での目標は、一三年比で温室効果ガス26%減。だが、英国石油大手BPの統計で、日本の石炭消費量は一七年に四年ぶりに増えた。気候ネット東京事務所長の桃井貴子さん(45)は嘆く。「時代に逆行している。日本は世界から取り残されている」

 一五年に採択された温暖化対策の世界的な枠組み「パリ協定」以降、脱石炭は最重要課題。フランスは二三年、英国は二五年をめどに石炭火力を全廃する方針で、脱原発を進めるドイツも、廃止時期を含む最終案を年内にまとめる。桃井さんは「日本の石炭火力の事業者は『ドイツは脱原発を進める分、脱石炭はできていない』と言い訳してきたが、理屈が成り立たなくなる」と指摘した。

 国内の石炭火力の新増設計画は順調というわけではない。千葉県市原市内での新設を含めた七つの計画が「採算が採れない」などと中止に。仙台市では地元の反発を受け、事業者が木くずを固めた燃料(木質バイオマス)に換える。

蘇我火力発電所の建設予定地(手前)。後方は千葉市街地=同市中央区で、本社ヘリ「あさづる」から

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 海外では、多くの金融機関が石炭火力への投資から手を引き始めた。国内でも、三井住友銀行が低効率の石炭火力に融資しないことを表明。日本生命保険は全面的に投融資を停止するという。融資のハードルが上がれば、事業者は資金が調達できず、計画撤退につながるリスクが増す。

 政府はパリ協定で求められるCO2削減の具体策を示せぬまま、石炭の活用を続けようとしている。 (内田淳二) 

 ◆エネ計画ではベースロード電源に

 エネルギー基本計画では、石炭火力を発電コストが安く安定的に発電できる「ベースロード電源」と位置付けている。「温室効果ガスの排出量が大きい」と課題を挙げる一方、「地政学的リスクが化石燃料の中で最も低く、単価も最も安い」と、燃料の調達のしやすさやコスト面での利点を強調。技術開発による発電の高効率化を前提に「環境負荷の低減を見据えつつ活用する」と普及を後押しし原発と同様に海外への技術輸出も視野に入れている。太陽光などの再生可能エネルギーは発電量が天候に左右されるため火力などで調整が必要としている。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社会 【話題・連載・「原発のない国へ 基本政策を問う」】  2018年07月16日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【原発のない国へ 基本政策を問う】:(2)金食い虫 企業も見切り

2018-07-18 06:16:20 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【原発のない国へ 基本政策を問う】:(2)金食い虫 企業も見切り

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【原発のない国へ 基本政策を問う】:(2)金食い虫 企業も見切り

 米ニューヨーク・マンハッタンの西を流れるハドソン川。摩天楼の足もとから五十キロほどさかのぼると、景勝地として名高い渓谷に二基の原子炉が並ぶ。電力会社エンタジーが計画を十四年前倒しし、二〇二一年までに閉鎖することでニューヨーク州と合意したインディアンポイント原発だ。

 「ニューヨーカーの安全と健康を守るためだ」。一七年一月に合意を発表したクオモ州知事は、世界有数の人口過密都市に近い同原発の危険性を「時限爆弾」と表現していた。

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 ただ、エンタジーが危険性を認めて折れたわけではない。合意の理由は「卸価格の低迷と操業コストの上昇」と同社広報担当のジェリー・ナッピさん(46)は語る。

 シェールガス革命による安価な天然ガス発電に押されたうえ、原発は維持管理に必要な安全対策や老朽化対策の費用がかさむ。結果として採算が合わなくなった。

 ハドソン川の環境を守るためにエンタジーと法廷闘争を続けた地元NPOリバーキーパーのリチャード・ウェブスター弁護士(55)は振り返る。「ガスが原子力と張り合えるとは、かつて予想だにしなかった」

ニューヨーク・マンハッタンから50キロのハドソン川上流にあるインディアンポイント原発。2021年までの閉鎖で合意されている

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 インディアンポイントだけではない。世界全体の25%に当たる九十九基が稼働する米国で、原発の地位低下に歯止めがかからない。

 一六年に一基が二十年ぶりに新たに稼働した一方、〇七年以降だけで五原発の計六基が閉鎖。さらにインディアンポイントを含む九原発計十二基が運転停止を前倒ししたり、運転延長を見送ったりする計画だ。

 米投資銀行ラザードの推計で、一七年の電源別発電コストは、一メガワット時当たり原子力の一四八ドルに対し天然ガスは六〇ドル。一一年と比べ、原子力は福島の事故を受けた新たな安全対策や老朽化対策で五割増。天然ガスは三割安くなった。

 シェールガス依存には、ガス価格の上昇や地球温暖化対策の後退という懸念が付きまとう。原発擁護論の根拠の一つだ。が、原発を脅かしているのは、シェールガスだけではない。

 米国でも太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及が進み、発電コストは天然ガスを下回っている。米エネルギー情報局(EIA)によると、全米の一七年三月の月間発電量で、再生エネが原子力を初めて超えた。

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 米NPO「憂慮する科学者連盟」でエネルギー研究部門を統括するスティーブ・クレマーさん(51)は「再生エネは天然ガスとの競争にも耐え、市場原理の中で着実に成長を遂げてきた」と指摘した。

 原発の閉鎖が相次ぐ中、排ガス抑制や雇用対策のためとして、原発を暫定的に延命させる公的支援の動きもある。それは、もはや独力では立ち行かない原発の脆(もろ)さを表している。(ニューヨーク・赤川肇、写真も)

 ◆エネ計画では新設・建て替え前提

 日本国内の電源構成比率は、二〇一六年度実績で原子力が1・7%。三〇年までに20~22%に引き上げるとしている。そのためには原子力規制委員会が審査中の原発がすべて再稼働しても足りず、新設や建て替えがないと達成が難しい。だが、エネルギー基本計画では、原発増設には言及していない。

 他国については「長期戦略等の比較」として、原発の政策の方向性を一覧表で示している。米は「運転延長と次世代原子力投資が必要」。カナダは「今後十五年で二百五十億ドル投資予定」。英は「次世代原子力の開発等に向けたイノベーションを支援」。フランスは「原子力比率50%へ」とし、脱原発を示しているドイツは空欄となっている。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社会 【話題・連載・「原発のない国へ 基本政策を問う」】  2018年07月15日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【原発のない国へ 基本政策を問う】:(1)英原発 高コスト浮き彫り

2018-07-18 06:16:10 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【原発のない国へ 基本政策を問う】:(1)英原発 高コスト浮き彫り

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【原発のない国へ 基本政策を問う】:(1)英原発 高コスト浮き彫り

 英国会計検査院が昨年六月、原発推進の妥当性を揺るがす試算を明らかにし、政府批判に踏み切った。「政府は消費者をリスクの高い、高額な計画に縛り付けようとしている」

 イングランド南西部で、フランス電力と中国の電力会社が二〇二五年の運転開始を目指して建設を進めるヒンクリーポイントC(HPC)原発。百六十万キロワットの大型原発二基を建てるこの計画で、政府補助が総額三百億ポンド(四兆四千四百億円)に上るというのだ。

日立の原発予定地。後方は取り壊される旧原発=6月、英アングルシー島で(阿部伸哉撮影)

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 なぜ三百億ポンドもの補助が必要なのか。実は、英国では温暖化対策の一環で、原発の電力を政府が高値で買い取り、事業に利益が出るように保証している。HPCの総事業費は百八十億ポンド(二兆六千六百億円)。最新の安全設計を取り入れたため、二百四十五億ポンド(三兆六千二百億円)に膨らむとの報道もある。

 巨額の事業費に見合うように、政府は運転開始後に電力を一メガワット時当たり九二・五ポンド(一万四千円)の高値で買い取ることを保証した。市場価格は四十ポンドほどで、倍以上の高値だ。買い取りは三十五年間続き、差額を積み重ねると三百億ポンドに上る。これが検査院が指摘した国民負担のからくりだった。

 政府自身も昨年九月、原発のコストの高さを裏付ける発表を余儀なくされた。二二年から十五年間の洋上風力発電で競争入札を実施し、一メガワット時当たり五七・五ポンドで落札された。同時期に運転開始予定のHPCより四割近く安い。

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 「風力は間もなく市場価格まで下がり、補助はいらなくなる。もはや原発が安いとは言えなくなった」。日系エネルギー関連企業の欧州駐在者はその衝撃を振り返る。

 コスト差は、日立製作所の子会社が二〇年代半ばに、英中西部アングルシー島で運転開始を目指すウィルファB原発の計画にも重くのしかかる。事業費は三兆円とされ、市場価格では採算が成り立たない。英メディアによると、英政府が提示した買い取り価格は七七・五ポンド程度の見通し。HPCより安く、日立側は英政府の支援強化を求めて正式交渉に入ったが、価格を上げれば世論の反発を招きそうだ。

 こうした事態に、原発に反対する住民グループは追い風を感じる。

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 「バリュー・フォー・マネー(投資に見合う価値)があるかどうか、徹底的に論争を挑みたい」。ウェールズで原発反対運動を続けるニール・クランプトンさん(62)の意気込みは強い。かつて軍需産業でミサイル開発の技術者だっただけに数字に強く、英メディアでコスト面から原発を批判する論客となっている。

 「政府は雇用効果を強調してくるだろうが、原発への補助を直接、雇用対策に振り向ければいい」。理詰めで政府を追い込み、英国民に訴えを広げようとしている。 (ロンドン・阿部伸哉)

 ◇ 

 今月閣議決定した日本政府のエネルギー基本計画では、二〇三〇年の発電量の二割を原発に依存する。東京電力福島第一原発の事故を経験してもなお再生可能エネルギーの大量導入に消極的で、原発を維持し続ける基本政策を、国内外の現場で検証する。

 ◆日本のエネルギー計画 コスト増反映せず推進

 原発推進の理由として、経済産業省は「発電コストが他の電源に比べて安い」と、エネルギー基本計画で示している。 

 根拠は二〇一五年の試算。掃除機を一時間使った際の消費電力量に相当する「一キロワット時」の発電コストは、太陽光が「二四・二円」、液化天然ガス(LNG)火力が「一三・七円」、水力が「一一・〇円」。原発は「一〇・一円~」とあり、最も安いように見える。

電源別に発電コストを示した、エネルギー基本計画の資料。原子力だけ最安値を示している

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 「~」をつけて最安値を見せているのは原発だけ。経産省はその理由を、発電コストに東京電力福島第一原発事故への対応費が入っており、これが膨らむ可能性があるからと説明する。

 実際、福島の事故処理費は大幅に増えている。一五年の試算時は一二・二兆円だったが、賠償、除染、廃炉費用とも増え、直近では二一・五兆円に上る。

 一五年当時には増大を想定していなかった原発建設費も膨らんだ。一基の建設費は、一五年当時は四千四百億円と想定。その後、三菱重工や東芝が海外で計画した原発は、安全対策のためにコストがかさみ、一基一兆円を超えている。

 龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)によると、建設費の高騰を反映させた場合、原発は「一七・六円」にはね上がり、水力やLNG火力を大きく上回る。一七年度の大型の太陽光発電の固定買い取り価格は「一七・二円」まで下がっており、原発の方が高くなる。

 基本計画で示した試算では、こうした変化を考慮していない。経産省の担当者は「コスト見直しが必要なだけの大きな構造的変化がない」と説明した。

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 一方、経産省は再生可能エネルギーの新たな試算を公表している。再生エネは天候によって発電量が変動するため、安定供給には蓄電池などが必要という前提を置いた。その費用を含めると、「一キロワット時=六九円」に高まるというのだ。

 現実には、再生エネの供給が低下すれば、LNG火力の発電量を上げて電気の供給を安定させている。蓄電池が必ずいるわけではない。大島教授は経産省の試算について、「無理に再生エネが高いと印象づけ、世論をミスリーディングしようとしている」と厳しく批判した。 (伊藤弘喜) 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社会 【話題・連載・「原発のない国へ 基本政策を問う」】  2018年07月14日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:小沢氏、小泉元首相の指南受け脱原発で野党一本化を

2018-07-17 09:06:30 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【政局】:小沢氏、小泉元首相の指南受け脱原発で野党一本化を

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【政局】:小沢氏、小泉元首相の指南受け脱原発で野党一本化を

 自由党の小沢一郎共同代表は16日、自身の政治塾で講演し、共闘する小泉純一郎元首相が05年衆院選で、郵政民営化だけを争点にして圧勝した手法を評価し、次は野党が「脱原発」を争点に、歩調を合わせて選挙を戦う必要性を強調した。

小沢氏、小泉元首相の指南受け脱原発で野党一本化を
自身の政治塾で講演した自由党の小沢共同代表

 小沢氏は郵政選挙時、民主党副代表として小泉自民に惨敗。「郵政1本で、国民の圧倒的支持を得た。彼の優れた政治的感覚、手法だ」と述べた。15日に政治塾で講演を終えた小泉氏とは実に3時間、冷酒を飲みながら会談。「野党が1つになって原発ゼロ1本で勝負すれば、必ず勝てる」と指南を受けたという。

 小沢氏は「私も、野党が一体で戦えば必ず勝てると思う。今、野党間でいろいろ話している」と応じたとして、「日本で主権者が主権を行使できるのは選挙だけ。安倍政権を止めるには自民党を倒すしかない。何としても野党結集をはかりたい」と、93年、09年に続く3度目の政権交代へ意欲をむきだしにした。小泉氏とは「またそのうち一杯やろう」と約束したという。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局】  2018年07月17日  09:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:小沢氏と小泉元首相 3時間の日本酒会談で連携強化

2018-07-17 09:05:50 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【政局】:小沢氏と小泉元首相 3時間の日本酒会談で連携強化

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【政局】:小沢氏と小泉元首相 3時間の日本酒会談で連携強化

 自由党の小沢一郎共同代表は16日、都内で開いた自らの政治塾で講演し、15日に同所で特別講演を行った小泉純一郎元首相と、その後に、3時間にわたる「日本酒会談」を行ったと明かした。

 小沢氏は「彼は冷や(酒)で飲むんだね。僕も冷や酒は好きだが、量が進むし、『おやじの小言と冷や酒は後から効く』と言うし、今は燗(かん)付け。でも(昨夜は)付き合って、冷や酒を飲んだ」と述べた。「彼は酒がすごく強い。僕も強い方だが、彼は(冷酒を)3本と焼酎の水割り。僕は2本と、ちょっと飲んでやめた」と、小泉氏の酒豪ぶりを披露。一方で、「若い時は夜な夜な繰り出したが、歳をとって、そうはいかん。お互い、歳をとったなあということを話した。基本的には昔話に花を咲かせた」と、振り返った。

小沢氏と小泉元首相 3時間の日本酒会談で連携強化
自身の政治塾で講演した自由党の小沢一郎共同代表
小沢氏と小泉元首相 3時間の日本酒会談で連携強化
小沢一郎氏(右)の政治塾で講演し、同氏と握手をかわす小泉純一郎元首相(2018年7月15日撮影)

 かつては敵対した2人だが、小泉氏が東日本大震災後、「原発ゼロ」を訴えている姿に共感。自身も、脱原発を主張しており、恩讐(おんしゅう)を超えた共闘に踏み切った小沢氏。「原発ゼロに関し、具体的にどうするという話まではしていない」と述べたが、「帰りには、またそのうち一杯やろう、ということで別れた」と思わせぶりに明かし、今後も連携を強める意向を示した。

 大物2人の“急接近”は、安倍1強が続く日本政界にくさびを打つきっかけになるのか。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局】  2018年07月16日  13:08:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:かつては敵、小泉元首相&小沢一郎氏が脱原発タッグ

2018-07-17 09:05:40 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【政局】:かつては敵、小泉元首相&小沢一郎氏が脱原発タッグ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【政局】:かつては敵、小泉元首相&小沢一郎氏が脱原発タッグ

 「一寸先は闇」といわれる政界で、大物政治家2人が、過去の恩讐(おんしゅう)を越えて異色のタッグを結成した。自由党の小沢一郎共同代表(76)が主催する政治塾が15日、都内で開かれ、かつて敵対した小泉純一郎元首相(76)が特別講演を行った。

かつては敵、小泉元首相&小沢一郎氏が脱原発タッグ
小沢一郎氏(右)の政治塾で講演し、同氏と握手をかわす小泉純一郎元首相(撮影・中山知子)
かつては敵、小泉元首相&小沢一郎氏が脱原発タッグ
講演する小泉純一郎元首相

 小泉氏が、93年に自民党を離党した小沢氏と良好な形で交わるのは30年ぶり。今はともに安倍晋三首相と距離を置き、安倍政権の原発推進を批判して「原発ゼロ&脱原発」を主張している。6月の新潟県知事選で、小沢氏支援の野党候補を小泉氏が激励した縁で、講演が実現。小泉氏は「小沢さんからこんな話がくるとは、夢にも思わなかった」と話す。

 小泉氏は講演で、海部内閣時代に自民党幹事長だった小沢氏から党全国組織委員長に指名され、ともに全国を回った思い出を披露。「小沢さんとは、味方になったり敵になったりしたが、政界は敵と味方はしょっちゅう入れ替わる。わだかまりはない」と強調した。

 安倍1強が続く中、ときに非情といわれた元首相と「政界の壊し屋」の合体。講演後は2人で取材に応じ、報道陣の求めに、握手まで交わした。小沢氏は「しばらくぶりに小泉節を聞いた。総理総裁をなさった方が原発ゼロを国民に訴えるのは、大変心強い」。小泉氏も「原発ゼロに与党も野党も、保守も革新もない」と訴えた。2人はこの後、サシで会食。原発ゼロを旗印として、来年の参院選を視野に打倒安倍政権に向けた「国民運動」に動き始めた、純一郎&一郎のコンビ。永田町にもたらす反響は、半端ない。【中山知子】

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局】  2018年07月16日  09:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:小泉元首相、進次郎氏の原発ゼロ訴え可能性「慎重」

2018-07-17 09:05:10 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【政局】:小泉元首相、進次郎氏の原発ゼロ訴え可能性「慎重」

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【政局】:小泉元首相、進次郎氏の原発ゼロ訴え可能性「慎重」

 小泉純一郎元首相は15日、都内で報道陣の取材に、次男で自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長が、自身の持論と同じ「原発ゼロ」を訴える可能性を問われ、「立場を考えて、慎重にしているのではないか」との認識を示した。

小泉元首相、進次郎氏の原発ゼロ訴え可能性「慎重」
自由党の小沢一郎競争代表の政治塾で講演する小泉純一郎元首相(撮影・中山知子)

 進次郎が現在、国会改革に向けた動きを加速していることを踏まえて、記者から「進次郎氏が原発ゼロを訴えたら、世論を大きく動かすのではないか」と問われたことに答えた。小泉氏は、「(進次郎氏は)1人前の政治家だから、私があれこれは言わない。ただ、私の考えは知っている」とも述べた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局】  2018年07月15日  21:34:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【政局】:小泉元首相「原発ゼロで勝負を」…小沢氏と会食

2018-07-16 20:16:30 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【政局】:小泉元首相「原発ゼロで勝負を」…小沢氏と会食

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【政局】:小泉元首相「原発ゼロで勝負を」…小沢氏と会食

 自由党の小沢共同代表は16日、東京都内で開かれた自らが主宰する政治塾で講演し、「野党が政権の受け皿を形成しなければ、いつまでも安倍政権、一強多弱の状況が続く」と述べた。来年夏の参院選に向け、野党が結集する必要性を改めて強調したものだ。

 小沢氏は15日に政治塾で講師を務めた小泉純一郎・元首相と、同日夜に会食したことも紹介。小泉氏が「野党が一つになって『原発ゼロ』で勝負すれば必ず(選挙で)勝てる」と発言し、小沢氏は「その通りだ」と応じたという。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【政局・自由党】  2018年07月16日  20:16:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:第5次エネ計画 原発維持の指針に映る

2018-07-12 06:09:40 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【社説②】:第5次エネ計画 原発維持の指針に映る

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:第5次エネ計画 原発維持の指針に映る

 四年ぶりに改定された国のエネルギー基本計画。原発依存の低減、再生可能エネルギーの主力化という看板を掲げておきながら、プルトニウム問題一つとっても、原発びいきが過ぎないか。

 原発へのこだわりが色濃くにじむ“皮算用”だ。

 新計画は二〇三〇年の電源構成のあるべき姿を示しており、原子力は震災前の25%を22~20%に減らすという。約三十基の原発が動かねば実現できない数字である。

 3・11後に再稼働した原発は五カ所で九基。原発寿命は原則四十年。それ以外にも福島の十基など、廃炉は進む。

 建設途中の中国電力島根原発3号機や電源開発(Jパワー)大間原発などのほかにも、相当数の新増設が必要になるはずだ。

 福島の事故処理も十分な賠償も進まぬ中、国民の過半が脱原発を望んでいる。

 新計画への意見公募にも計約五万三千人から、早期原発ゼロなどを求める署名が集まった。

 政府はとりあえず、東電柏崎刈羽6、7号、日本原子力発電東海第二の再稼働を勘定に入れている。

 東電による柏崎刈羽にしても、首都圏を背にした東海第二にしても、世論や地域が、すんなり受け入れてくれるはずもない。

 一方、風力や太陽光などの再生可能エネルギー。こちらはあまりに消極的と言うしかない。

 震災前の10%を三〇年には22~24%。「主力電源化」への布石というが、ドイツの「五〇年再エネ八割」目標を持ち出すまでもなく、“二割打者”を果たして「主力」と言えるのか。

 新計画は、原爆の主材料にもなるプルトニウムの削減を唐突に打ち出した。核不拡散を求める米国の強い意向を受けての記述だろう。日本は、燃料として再利用するために使用済み燃料を再処理して取り出したプルトニウムをすでに、約四十七トン保有する。

 それでも政府は再処理計画をあきらめず、プルトニウムを混ぜ合わせた燃料を大間原発などで燃やす腹づもり。プルサーマル発電だ。

 しかし、原発を動かし続け、再処理をやめないのなら、プルトニウムもまた増える。費用もかかるし、焼け石に水ではないか。

 脱原発、再生可能エネ、核不拡散…。これ以上、世界の流れに取り残されたくなかったら、「可能な限り原発依存度を低減」の看板に偽りなきよう、速やかに計画を改めるしかないだろう。

  元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年07月06日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説】:①エネルギー計画 安定供給の実現へ課題は多い

2018-05-26 06:05:15 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【社説】:①エネルギー計画 安定供給の実現へ課題は多い

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:①エネルギー計画 安定供給の実現へ課題は多い

 環境問題に配慮しつつ電力の安定供給をどう図るか。再生可能エネルギーや原子力、火力など多様な電源をバランス良く活用する必要がある。

 経済産業省の有識者会議が、エネルギー基本計画の見直し原案をまとめた。2030年に向けた長期的な国のエネルギー供給のあり方を示す指針だ。

 30年の電源構成比の目標は、14年の前回計画を踏襲した。具体的には、再生エネ「22~24%」、原発「20~22%」、石炭などの火力は「56%」とした。

 脱化石燃料の流れに沿って火力を減らし、再生エネを伸ばす。原発は引き続き「重要な基幹電源」と位置づける。こうした計画の方向性は理解できる。

 再生エネについて計画は「主力電源化への布石を打つ」と初めて明記した。だが、現在の技術では克服困難な課題が多い。

 再生エネの目標のうち、時間帯や天候次第で出力変動が大きい太陽光と風力が約9%分を占める。需給調整のために火力発電によるバックアップが要る。主力電源たり得るか、疑問は拭えない。

 コスト高という問題も抱えている。再生エネは、民主党政権時代の12年に固定価格買い取り制度が始まった。電力会社が買い取る価格を極端に高く設定したため、新規参入が急増した。これが国民負担の膨張を招いている。

 買い取り額は30年度に4兆円に達し、標準家庭の負担額は年1万円に達する見通しだ。

 建設が容易なことから、太陽光が認定量の8割を占める。風力、地熱、バイオマスなどの普及を促進し、太陽光偏重の是正を図ることも急務となろう。

 一方、火力では、発電コストが安く、資源調達が容易な石炭火力を基幹電源として活用する。

 安定供給の観点からは必要なエネルギーだが、LNG(液化天然ガス)の2倍の二酸化炭素(CO2)を排出するなど環境面に課題がある。排出量の少ない最新鋭設備へ着実に更新したい。

 CO2を排出しない原発は、環境負荷低減に役立つ。発電効率が高く、燃料調達しやすいため、エネルギー安全保障にも資する。

 電源構成の目標達成には、30基程度の原発稼働が不可欠だ。現状は8基である。政府と電力会社は、原発に対する国民の信頼回復に努め、安全性が確認された原発の再稼働を進めるべきだ。

 運転開始から40~60年で廃炉になる。基幹電源とする以上、新増設も視野に入れねばなるまい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年05月22日  06:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【小泉純一郎元首相】:全電源、自然エネにできる インタビュー

2018-05-14 06:15:00 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【小泉純一郎元首相】:全電源、自然エネにできる インタビュー

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【小泉純一郎元首相】:全電源、自然エネにできる インタビュー

 小泉純一郎元首相(76)が本紙のインタビューに応じ、原発事故後も原発稼働を前提とする安倍政権のエネルギー政策を「反省がない」と批判するとともに、「原発支援のカネを自然エネルギーに向ければ、原発が供給していた30%程度の電力は10年で自然エネルギーで供給でき、将来、全電源を自然エネルギーでできる国になる」と、原発稼働を直ちにやめ、自然エネルギーへの転換を促進すべきだとの考えを強調した。

自然エネについて語る小泉純一郎元首相=東京都品川区の城南信用金庫本店で(松崎浩一撮影)

自然エネについて語る小泉純一郎元首相=東京都品川区の城南信用金庫本店で(松崎浩一撮影)

 小泉氏は「首相の権限は強い。もし首相が(原発ゼロを)決断すれば、自民党はそんなに反対しない」と政治決断を求めるが、安倍晋三首相では「やめられない」とも述べ、原発ゼロの実現には首相交代が必要だとの考えを強調した。原発ゼロの実現を期待できる政治家として河野太郎外相の名を挙げた。

 自らが進める原発ゼロに向けた運動と野党との連携については「自民党の首相がそういう(原発ゼロの)決断をすれば、野党は黙っていても喜んで協力する」と否定した。

 小泉氏は福島第一原発事故後、「安全で、コストが一番安く、永遠のクリーンエネルギーだという原発推進論者の三つの大義名分がうそだと分かった」と指摘。「(原発事故後の)七年間(事実上の)原発なしで一日も(大きな)停電がない。原発ゼロでやっていけることを証明している」と、原発ゼロは即時可能だと強調した。

 また、使用済み核燃料の最終処分場建設の見通しが立っていないことに関し、「処分場を見つけられない原発を政府が認めることが不思議で仕方がない」と厳しく批判した。使用済み燃料を再処理して、燃料として再利用する核燃料サイクル事業は「破綻している。永遠の夢の原子炉と言われたもんじゅは故障で幻の原子炉になった。まさに無駄遣いだ」と撤退を提唱した。

 安倍政権が進める原発輸出政策については「危険性があり、自分の国で(原発建設が)できないから外国に売り込もうとする発想が分からない」と批判。

 潜在的な核抑止力になるとして原発を推進する意見には「なんで抑止力というのか分からない。日本が核兵器を持てるわけがない。そういうことを言う人の理論が分からない」とした。

 このインタビューは十一日午後、東京都品川区の城南信用金庫本店で行われた。

 <こいずみ・じゅんいちろう> 

 1972年の衆院選で初当選、連続12期務める。厚相、郵政相を歴任し、2001年に首相就任。戦後4位となる5年5カ月の長期政権を築いた。09年に政界引退。東京電力福島第一原発事故後、原発ゼロを訴えて講演活動を続ける。近著に「決断のとき-トモダチ作戦と涙の基金」。76歳。

 ◆世界2040年に再生エネ66%予測

 2011年の東京電力福島第一原発事故後、国内の全ての原発が運転を停止した。しかし政府は再稼働を急いでおり、現在は関西電力大飯原発(福井県おおい町)など5基が稼働中。発電に占める原発の割合は16年度には1.7%に低下したが、政府はこの数値を30年度には20~22%に高める目標をエネルギー基本計画で示している。政府は来月下旬にも決める新たな基本計画でも、この数値を維持する方針だ。

 一方、海外では福島の原発事故後、ドイツ、韓国が原発ゼロ政策に転換。依存度引き下げを目標に掲げる国も相次ぐ。米情報会社ブルームバーグ・グループによると、40年時点で世界全体の発電に占める原発の割合は3.5%に低下。逆に、再生可能エネルギーは66.3%に上がる見通し。

(東京新聞)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政局・原発事故後も原発稼働を前提とする安倍政権のエネルギー政策】  2018年05月13日  07:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【原発のない国へ】:全電源、自然エネにできる 小泉純一郎元首相インタビュー

2018-05-14 06:14:55 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【原発のない国へ】:全電源、自然エネにできる 小泉純一郎元首相インタビュー

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【原発のない国へ】:全電源、自然エネにできる 小泉純一郎元首相インタビュー

 小泉純一郎元首相(76)が本紙のインタビューに応じ、原発事故後も原発稼働を前提とする安倍政権のエネルギー政策を「反省がない」と批判するとともに、「原発支援のカネを自然エネルギーに向ければ、原発が供給していた30%程度の電力は10年で自然エネルギーで供給でき、将来、全電源を自然エネルギーでできる国になる」と、原発稼働を直ちにやめ、自然エネルギーへの転換を促進すべきだとの考えを強調した。

自然エネについて語る小泉純一郎元首相=東京都品川区の城南信用金庫本店で(松崎浩一撮影)

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 小泉氏は「首相の権限は強い。もし首相が(原発ゼロを)決断すれば、自民党はそんなに反対しない」と政治決断を求めるが、安倍晋三首相では「やめられない」とも述べ、原発ゼロの実現には首相交代が必要だとの考えを強調した。原発ゼロの実現を期待できる政治家として河野太郎外相の名を挙げた。

 自らが進める原発ゼロに向けた運動と野党との連携については「自民党の首相がそういう(原発ゼロの)決断をすれば、野党は黙っていても喜んで協力する」と否定した。

 小泉氏は福島第一原発事故後、「安全で、コストが一番安く、永遠のクリーンエネルギーだという原発推進論者の三つの大義名分がうそだと分かった」と指摘。「(原発事故後の)七年間(事実上の)原発なしで一日も(大きな)停電がない。原発ゼロでやっていけることを証明している」と、原発ゼロは即時可能だと強調した。

 また、使用済み核燃料の最終処分場建設の見通しが立っていないことに関し、「処分場を見つけられない原発を政府が認めることが不思議で仕方がない」と厳しく批判した。使用済み燃料を再処理して、燃料として再利用する核燃料サイクル事業は「破綻している。永遠の夢の原子炉と言われたもんじゅは故障で幻の原子炉になった。まさに無駄遣いだ」と撤退を提唱した。

 安倍政権が進める原発輸出政策については「危険性があり、自分の国で(原発建設が)できないから外国に売り込もうとする発想が分からない」と批判。

 潜在的な核抑止力になるとして原発を推進する意見には「なんで抑止力というのか分からない。日本が核兵器を持てるわけがない。そういうことを言う人の理論が分からない」とした。

 このインタビューは十一日午後、東京都品川区の城南信用金庫本店で行われた。

 <こいずみ・じゅんいちろう> 

 1972年の衆院選で初当選、連続12期務める。厚相、郵政相を歴任し、2001年に首相就任。戦後4位となる5年5カ月の長期政権を築いた。09年に政界引退。東京電力福島第一原発事故後、原発ゼロを訴えて講演活動を続ける。近著に「決断のとき-トモダチ作戦と涙の基金」。76歳。

 ◆世界2040年に再生エネ66%予測

 2011年の東京電力福島第一原発事故後、国内の全ての原発が運転を停止した。しかし政府は再稼働を急いでおり、現在は関西電力大飯原発(福井県おおい町)など5基が稼働中。発電に占める原発の割合は16年度には1.7%に低下したが、政府はこの数値を30年度には20~22%に高める目標をエネルギー基本計画で示している。政府は来月下旬にも決める新たな基本計画でも、この数値を維持する方針だ。

写真

 一方、海外では福島の原発事故後、ドイツ、韓国が原発ゼロ政策に転換。依存度引き下げを目標に掲げる国も相次ぐ。米情報会社ブルームバーグ・グループによると、40年時点で世界全体の発電に占める原発の割合は3.5%に低下。逆に、再生可能エネルギーは66.3%に上がる見通し。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・原発事故後も原発稼働を前提とする安倍政権のエネルギー政策】  2018年05月13日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【原発のない国へ】:事故後も依存、社会への警鐘

2018-05-14 06:14:50 | 脱原発・節電・エネルギー問題

【原発のない国へ】:事故後も依存、社会への警鐘

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【原発のない国へ】:事故後も依存、社会への警鐘 

 <解説> 

 小泉元首相が本紙のインタビューに答えた。未曽有の大事故を起こし、安全性や経済性が破綻しているにもかかわらず、なおも原発稼働に固執する日本の社会構造に対する警鐘と受け止めたい。

 小泉氏自身、五年以上の首相在任当時、原発推進論者の言い分を信じ、原発の抱える問題に疑問を抱くことはなかったという。

 それを一変させたのが原発事故だ。住民から故郷を奪い、事故を起こせばその処理や補償に膨大な費用がかかる。そうした現実を目の当たりにして「うそだった」と気付いたという。

 小泉氏が原発ゼロへとかじを切ったのは現職政治家当時、そのうそに気付けなかった贖罪(しょくざい)なのかもしれない。

 振り返れば、郵政や道路公団の民営化など小泉改革は、毀誉褒貶(きよほうへん)はあるものの、小泉氏自身が既得権益と位置付けるものを打破する「闘い」だった。

 それは安倍晋三首相との対比で再評価されている田中角栄元首相が築き上げたものへの挑戦にほかならない。原発推進のための電源三法をつくったのも、ほかならぬ首相時代の田中氏だ。

 小泉氏が主張する原発ゼロは「自民党をぶっ壊す」延長線上にあるのだろう。

 しかし、首相在任当時は高い支持率を維持した小泉氏でさえ、日本社会が長年浸ってきた原発依存構造を変えるのは容易ではない。

 政策転換には政治の強いリーダーシップが必要だが、小泉氏の声に耳を傾ける現職政治家は、安倍首相を含め、政権を担う自民党にはほとんど見当たらない。小泉氏が原発ゼロに向けた国民運動に取り組むのも世論の覚醒を促し、政治家に決断を迫る狙いがあるのだろう。

 結局、原発の在り方を決めるのは主権者たる国民自身であり、私たち一人一人が、原発に固執することのマイナスを真剣に見つめることが必要だ。小泉氏の一連の発言は、そう語りかけている。 (論説副主幹・豊田洋一)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・原発事故後も原発稼働を前提とする安倍政権のエネルギー政策】  2018年05月13日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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