改訂!! 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【社説①】:週のはじめに考える 米騒動と新聞の役割

2018-08-14 06:10:40 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【社説①】:週のはじめに考える 米騒動と新聞の役割

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:週のはじめに考える 米騒動と新聞の役割

 明治百五十年の今年は「米騒動」から百年の節目でもあります。富山県で始まり、内閣を退陣に追い込んだ大衆運動に、新聞が果たした役割を考えます。

 一九一八(大正七)年七月のことでした。富山県の魚津や滑川など日本海沿岸の漁村に住む女性たちが、米穀商などに押しかけ、コメの船積みをやめ、安く売るよう求めて、声を上げました。

 米価は、日本軍のシベリア出兵を見越した米穀商の投機的買い占めや売り惜しみで急騰、男性たちが出稼ぎで向かった北洋は不漁で残された女性たちは生活難に陥っていました。「女一揆」と呼ばれた米騒動の始まりです。

 ◆地元紙の記事を機に

 この動きをまず報じたのは地元紙の「高岡新報」でした。続いて大阪朝日、大阪毎日両新聞が伝えて、全国に発信されたのです。

 新聞報道とともに騒ぎは西日本中心に全国三百六十八市町村に広がります。工場や農村、炭鉱地帯で争議や暴動が起こり、示威行動は一カ月半以上も続きました。名古屋では延べ数万人が暴動に加わり、東京・日比谷公園では数百人の人々が騒動を起こしています。

 こうした動きに危機感を覚えたのが当時の寺内正毅内閣でした。

 民心をなだめようと外米の緊急輸入や白米の廉売政策で米価の安定を図るとともに、救済のために天皇家や財閥、富豪などから寄付金を募ります。

 一方、騒乱鎮圧には警官隊に加え、軍隊も出動させました。二万五千人以上を検挙、七千七百人以上を起訴し、死刑二人、無期懲役十二人など、厳罰で臨みます。

 寺内内閣は、騒動を報じる新聞にも圧力をかけます。八月七日付の高岡新報を発禁処分としたのに続き、十四日には水野錬太郎内相が全国の新聞に対して、米騒動の報道を一切禁じます。

 ◆「報道禁止」に猛反発

 これに激しく憤ったのが、当時の新聞記者たちでした。

 本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ、名古屋新聞の小林橘川(のちの名古屋市長)は米騒動を「米価内乱」と位置づけ、寺内内閣の一連の措置を批判。「無能、無知、無定見の政府」に一刻も早い退陣を迫りました。

 もう一つの前身、新愛知新聞で編集、論説の総責任者である主筆の桐生悠々も筆を執り、八月十六日付新愛知朝刊は「新聞紙の食糧攻め 起(た)てよ全国の新聞紙!」との見出しの社説を掲載します。

 「現内閣の如(ごと)く無知無能なる内閣はなかった。彼らは米価の暴騰が如何(いか)に国民生活を脅かしつつあるかを知らず、これに対して根本的の救済法を講ぜず」「食糧騒擾(そうじょう)の責(せめ)を一にこれが報道の責に任じつつある新聞紙に嫁し」「今や私どもは現内閣を仆(たお)さずんば、私ども自身がまず仆れねばならぬ」

 悠々は寺内内閣の打倒、言論擁護運動の先頭に立ちます。八月二十日には愛知、岐阜、三重三県の新聞、通信各社の記者に呼びかけて、名古屋市内で「東海新聞記者大会」を開き、内閣打倒と憲政擁護、言論の自由を決議しました。

 悠々の社説に呼応するかのように、内閣弾劾の動きは大阪や東京などにも広がり、報道禁止令は実質的に撤回されました。寺内首相は九月二十一日に辞表を提出し、次に組閣を命じられたのが原敬です。爵位を持たない平民宰相、初の本格的な政党内閣の誕生です。

 米騒動の始まりは女性たちの非暴力的な抗議行動でした。全国に広がるにつれて一部暴徒化しましたが、背景にあったのは第一次世界大戦による好景気を実感できず格差に苦しむ民衆の不満です。

 戦後、首相の座に就いた石橋湛山は当時、米騒動に関し、東洋経済新報の社説で「政府がその第一任務たる国民全体の生活を擁護せずしてかえってこれを脅かしこれを不安に陥れた」と、時の寺内内閣を厳しく批判し、一連の騒動について「時の政治機能が旧式、不適、行き詰まりに陥れば、イツでも必然的に起こらねばならぬ重大なる性質、深甚なる意味を有する」と分析します。(「石橋湛山評論集」岩波文庫)

 ◆国民の声伝える覚悟

 米騒動は、人々の不満がジャーナリズムと結び付いて、時代の歯車を大きく動かした大衆運動でした。後に「大正デモクラシー」と呼ばれる動きの中心的な出来事であり、納税額に関係なく選挙権の獲得を目指す「普通選挙運動」にも勢いをつけました。

 それから戦争の時代を挟んで百年が経過し、私たちは今、政権に批判的な新聞との対決姿勢を強める安倍晋三政権と向き合います。

 成長重視の経済政策で一部の者だけが富み、格差が広がる時代状況は米騒動当時と重なります。そうしたとき、私たち新聞は権力におもねることなく、国民の声を伝え続けなければなりません。その覚悟も問われる米騒動百年です。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年08月12日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント

【講談社】:幼児誌付録のボタン電池に異常、使用自粛呼び掛け

2018-08-13 22:10:30 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【講談社】:幼児誌付録のボタン電池に異常、使用自粛呼び掛け

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【講談社】:幼児誌付録のボタン電池に異常、使用自粛呼び掛け

 講談社は13日、幼児向け月刊誌「おともだち」9月号(8月1日発売)の付録「おしゃべりフライパン」について、読者から電池異常の連絡があったと明らかにし、付録の使用自粛を呼び掛けている。同社は異常の詳細な内容と原因を調査中で、健康被害の情報は入っていないという。

 講談社によると、付録は、ボタンを押すとアニメの声優の声がして、料理の疑似体験ができるフライパン形のおもちゃで、ボタン電池1個が入っている。同社は「読者ならびに保護者のみなさまにおわび申し上げます」とコメントした。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・講談社】  2018年08月13日  22:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント

【英BBC放送】:クリフ・リチャードに1億円超え賠償

2018-07-27 00:48:30 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【英BBC放送】:クリフ・リチャードに1億円超え賠償

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【英BBC放送】:クリフ・リチャードに1億円超え賠償

 英BBC放送は26日、性犯罪に関連した家宅捜索の報道で名声を傷つけられたとしてBBCに損害賠償を求めた英ポップス界の大御所歌手クリフ・リチャード(77)に対して、訴訟費用として85万ポンド(約1億2400万円)を支払うことに同意した。BBCが報じた。

 ロンドンの高等法院は18日、BBCと警察に計21万ポンドの損害賠償を命じており、BBCは上訴を含め対応を慎重に検討している。BBCは警察に対しても訴訟費用31万5000ポンドを支払うという。

 BBCは2014年8月、警察がリチャードさんを未成年への性犯罪に関与した疑いで捜査していると報じ、ロンドン郊外の自宅を警察が捜索する様子を放映した。警察は捜査をその後打ち切り、リチャードさんは起訴されていない。

 高等法院はリチャードさんのプライバシーが侵害されたと判断したが、BBCは「市民の知る権利をむしばむ恐れがある」と主張している。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題】  2018年07月27日  00:48:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント

【集英社】:「ジャンプ」「コロコロ」無料公開…豪雨で措置

2018-07-18 08:04:30 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【集英社】:「ジャンプ」「コロコロ」無料公開…豪雨で措置

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【集英社】:「ジャンプ」「コロコロ」無料公開…豪雨で措置

 集英社は17日、インターネットを通し、漫画誌「週刊少年ジャンプ」32号(9日発売)の無料公開を始めた。西日本豪雨で、配送に大幅な遅れなどの影響があったための緊急措置で、31日まで同誌の公式サイトで閲覧できる。

 小学館も、14日から漫画誌「月刊コロコロコミック」7月号を公式サイトで公開している。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース カルチャー 【ニュース】 2018年07月18日  08:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント

【HUNTER】:米兵事故めぐる沖縄メディア批判報道 産経が「おわびと

2018-07-17 09:00:40 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【HUNTER】:米兵事故めぐる沖縄メディア批判報道 産経が「おわびと削除」 ■曖昧なコメントの米海兵隊にも責任の一端

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【HUNTER】:米兵事故めぐる沖縄メディア批判報道 産経が「おわびと削除」 ■曖昧なコメントの米海兵隊にも責任の一端

DSC05712.JPG 間違いを認め謝罪した産経新聞には、報道機関としての矜持が残っていたということだろう。
 沖縄県で起きた米兵がらみの交通事故の報道で、裏付けが不十分な取材に基づき沖縄メディアを誹謗する記事をネットサイトや新聞本紙に掲載した産経新聞が、事実上“虚報”を認める形で、8日の朝刊1面に「おわびと削除」を公表。3面に大きく紙面を割いて、検証記事まで掲載した。
 HUNTERは、1月31日に記事を書いた産経の那覇支局長への取材結果を「一問一答」の形式で配信。2月7日には、「継続取材」を続けているとする産経本社の広報と、追加取材を否定した那覇支局長の主張の食い違いを追及する記事を配信していた。

 ■追い詰められた産経新聞
 昨年12月1日、沖縄自動車道を走行中だった米軍の車両が6台がからむ多重衝突事故に巻き込まれ、車外に出た米海兵隊の曹長が後続の米軍貨物車にひかれ意識不明の重体となった。沖縄の主要紙「沖縄タイムス」と「琉球新報」が淡々と事故を報じる一方、産経新聞は同月9日「(米軍)曹長は日本人運転手を救出した後に事故にあった」として、救出を報じない沖縄の2紙を名指しし、≪「報道しない自由」を盾にこれからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ≫と批判する那覇支局長の署名記事をネットで配信。同月12日には、新聞本紙に「日本人救った米兵 沖縄2紙は黙殺」と見出しを打ち、ネット版を短くまとめた記事を掲載した。

 これを受けて、琉球新報が“米兵の美談”に疑義が生じた取材結果を明らかにする検証記事を掲載。HUNTERは、産経新聞那覇支局長と同紙本社の広報に、一連の経緯についての確認を求め、それぞれから得た回答を記事にまとめて配信していた。この間、朝日新聞や毎日新聞も、産経の記事に疑義が生じたことを報じている。産経は、追い詰められていた。

 ■海兵隊は米兵の日本人救助を否定
 沖縄メディアを批判する署名記事で、産経の那覇支局長が依拠したのは、米海兵隊への取材結果。支局長が「海兵隊の広報に取材した」「コメントもらった」「海兵隊の情報で書けると思った」と明言したため、海兵隊報道部に取材を申し入れ、以下の3点について確認を求めていた。

 ①在日米軍海兵隊は、該当事故について「曹長が日本人運転手を救出した」という事実を確認しているか?
 ②産経新聞は在日米軍海兵隊に対する取材をもとに、「曹長が日本人運転手を救出した後に事故にあった」という記事を掲載したと回答している。在日米軍海兵隊はこの件について産経新聞の取材を受けたか?
 ③産経新聞は、該当記事について「在日米軍海兵隊に記事を送付しているが、反論や間違いの指摘がなかったために、内容は正しいと認識している」としている。実際に該当記事が送付されてきたか?また、その記事を確認しているか?確認したとすればいつの時点か?――以上3点についての質問取材に対する、米海兵隊からの回答が下の文書である。
 
20180207_h01-02-thumb-autox778-23563.jpg 在日米軍海兵隊は、該当事故について「曹長が日本人運転手を救出した」という事実を確認しているか、という質問に対しては――

・2017年12月1日の件に関する目撃者によると、曹長は車両事故を確認するために沖縄自動車道の路肩に降り立ち、そこで怪我をした。
・彼が事故にあった人を救助する前に、北方向に向かう車両にぶつかった。
事故に合う前に、曹長が地元の運転手を救助していたかどうかは目撃されていない。

 ②と③の質問に対しては――

・我々のポリシーとして、報道機関に私たちの対応について議論することは不適切です。
・私たちはコミュニケーションに透明性を保ち、メディアからの問い合わせには素早く対応し、緊密に連携するコミュニケーション戦略をいつも心がけています。

 産経の取材については回答をぼかしたが、肝心なのは「事故に合う前に、曹長が地元の運転手を救助していたかどうかは目撃されていない」の部分。当初、産経那覇支局長の取材に、曹長が日本人を救助したかのようなコメントを出した海兵隊が、実際には曹長が日本人を救助したという正確な目撃証言を得ていなかったということだ。産経新聞も同様の確認を行ったはずで、沖縄県警への取材も含め、結果的に誤りを認めざるを得なかったとみられる。米軍曹長を美談の主として扱ったネット上の嘘情報に、海兵隊も産経も踊らされていた。お粗末と言うしかない。

 追加取材を行ったのは、記事を書いた那覇支局長ではなく県外から派遣された記者だったとされ、問題の当事者を外して確認作業を進めた形。産経が報道機関としての筋を通したのは確かだ。同紙は琉球新報と沖縄タイムスに謝罪した模様で、出先の記者が沖縄メディアに仕掛けたケンカは、「おわびと削除」で幕となった。
 
 *産経新聞ウェブサイト「産経ニュース」⇒『沖縄米兵の救出報道 おわびと削除

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2018年02月09日  08:45:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント

【HUNTER】:産経新聞 沖縄メディア攻撃で虚報の可能性 

2018-07-17 09:00:30 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【HUNTER】:産経新聞 沖縄メディア攻撃で虚報の可能性 那覇支局長との一問一答

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【HUNTER】:産経新聞 沖縄メディア攻撃で虚報の可能性 那覇支局長との一問一答

000-DSC05532--2.jpg 政権と厳しく対峙する他社の誤報に大騒ぎする産経新聞が、裏付けが不十分な記事で沖縄メディアを攻撃。反撃されて、うろたえるという失態を演じている。
 産経の記事が「虚報」だった可能性が生じたため、記事を書いた同紙那覇支局長に事実確認を求めたところ、報道機関の記者とは思えぬ対応で、逆に疑惑を深める結果となった。
(右が問題の記事を掲載した産経新聞の紙面)

 ■米兵がらみの交通事故巡り沖縄メディアを攻撃
 発端となったのは、昨年12月1日に沖縄県内で起きた普天間基地所属の米軍車両が絡む事故を巡る報道。事実関係を淡々と報じた沖縄メディアに対し、産経は事故に巻き込まれた米兵が日本人を救助した直後に後続車にはねられたと断定。同月9日にネット配信記事で、救出を報じない沖縄メディアを≪「報道しない自由」を盾にこれからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ≫と批判していた。(下が、ネット版の画面)

0000-産経ネット2.png000-産経ネット.png 産経はさらに、12日の新聞本紙に「日本人救った米兵 沖縄2紙は黙殺」と見出しを打ちネット版を短くまとめた記事を掲載。事故に遭った米兵を「ヒーロー」として取り上げた上で「米軍がらみの事件・事故が起きればことさら騒ぎ立て、善行に対しては無視を決め込むのが沖縄メディアの常となっている」と琉球新報、沖縄タイムスの県内メディアを誹謗していた。(下が、産経新聞12日朝刊の紙面)

000-DSC05532.jpg ■琉球新報が検証記事
 これに対し、30日になって琉球新報がネット上で反撃。≪産経報道「米兵が救助」米軍が否定 昨年12月沖縄自動車道多重事故≫との見出しで、一連の経緯を詳しく検証する記事を配信した。(下が、琉球新報ネット版の画面)

000-琉球新報.png 琉球新報は記事の中で、≪事故は昨年12月1日午前4時50分ごろ、沖縄市知花の沖縄自動車道北向け車線で発生した。最初に左側の車線で追突事故が発生し軽自動車が横転した。追突現場の後方で停車した別の車に曹長の運転する車が接触し、さらに後ろから米軍の貨物車が衝突した。その後、後方から追い越し車線を走ってきた米海兵隊員の運転する乗用車に、路上にいた曹長がはねられた≫として事故の概要を紹介。次いで、米海兵隊第3海兵兵站群によるホームページの英文記事を引用して――≪(米軍)曹長は接触事故後に現場にいた別の隊員に近づき無事を確認した後「自分の車を動かすよ」と言って離れた直後にはねられたという≫――と事故の実態を明かした上で、在日米海兵隊のツイッターの記述についても≪曹長へ回復を祈るメッセージを送る県民の運動について発信する際に「多重事故で横転した車から県民を救出した直後に車にひかれ」と、救助したと断定した書き方をしていた。その後、このツイートは「多重事故で車にひかれ意識不明の重体になった」と訂正された≫と説明している。米軍側の主張については、≪海兵隊は取材に対し「事故に関わった人から誤った情報が寄せられた結果(誤りが)起こった」と説明している≫が結論だ。

 ■産経支局長との一問一答
 本当に米兵が日本人を救助したのかどうか――。琉球新報は≪曹長が誰かを助けようとしてひかれた可能性は現時点でも否定できない≫と述べており、不透明な点を残しているのは確か。しかし、同紙が検証記事で報じた≪しかし海兵隊は現場で目撃した隊員の証言などから1月中旬、「(曹長は)他の車両の運転手の安否を確認したが、救助行為はしていない」と回答。県警交通機動隊によると、事故で最初に横転した車の運転手は当初「2人の日本人に救助された」と話していたという≫や≪県警交通機動隊によると、産経新聞は事故後一度も同隊に取材していないという≫が事実なら、産経の沖縄メディア攻撃は、裏付けが不十分な情報に基づく「虚報」だったことになる。記事を書いた産経那覇支局長は、海兵隊や事故の現場検証を行った県警にきちんと取材したのか?事実確認のため、産経新聞那覇支局に電話し、支局長に話を聞いた。以下は、そのやり取りの内容だ。

―支局長さんでいらっしゃいますか。 産経:はいそうです。

―ニュースサイトHUNTERの記者で中願寺と申します。お忙しいところたいへん申し訳ございません。ちょっとお尋ねしますが、琉球新報に米兵の交通事故を巡る記事が掲載されておりまして、これは県警とか海兵隊に事実確認をしなかったというのは事実なんでしょうか。
産経:海兵隊、米軍にはちゃんと聞きましたよ。

―海兵隊には確認をされた。
産経:海兵隊というか、在日米軍に。

―在日米軍。これは沖縄の……。
産経:(遮って)ちょっと待ってください。これは取材を受けてるんですか?

―そうですよ。もちろん。
産経:ああ、では取材はちょっと応じません。

―取材に応じない。なんでですかね。
産経:電話なんて応じませんよ、そりゃ。

―だっておたくは報道機関でしょう。書かれた記事に責任があるんじゃないですか?
産経:(遮って)だって別にあなたのこと知らないですもん。

―ではそちらにお訪ねすればよろしいんですか。
産経:僕あなたのこと存じ上げませんので。

―だからあの、名前は名乗ったはずで。そちらにお訪ねすればよろしいんですね?きちっとそちらにうかがって取材すれば。
産経:一回お会いしたいですね。

―お会いして、取材しろということですね。
産経:一度お会いしたいですね、ええ。

―ああ、なるほどですね。ではこの段階では取材は受けられないと。
産経:電話だとわからないんで。すみません、申し訳ないですけど。はっきりいっていろんな電話きますんで、こっちには。ええ。ご案内の通り、ええ。お話しできませんので。申し訳ないですが。

―たとえば読者からの問い合わせにも答えられないんですか。
産経:(沈黙)え、どどど……

―おかしいでしょう、読者から問い合わせがきたら……
産経:(遮って)主旨は何なんでしょうか。

―だから事実確認はされたんですか、ということですよ。
産経:いや、海兵隊には取材しました。

―県警にはどうなんですか。
産経:してません。ていうか、それは言えません。

―海兵隊は「救助を行った」と言ってるわけですね。
産経:え?

―海兵隊は「救助を行った」と……
産経:取材ではそうでした。

―という風に海兵隊は答えたということですね。では琉球新報は誤報ということですね。
産経:いやそれは言いません、それは知りませんわたくしは。もちろん海兵隊にも取材されたんでしょうから。うちは掲載したものも(米軍に)全部送ってますから。

―あまりケンカ腰になられても。うちは事実確認をしてるだけ。読者からの事実確認にも答えないと言うんですか?
産経:(遮って)ケンカ腰じゃなくて。

―しかもこれ、もし読者からの電話だったら、あんたの顔見たことないから答えないっておっしゃるの?
産経:いやその、そんなこと言ってない。仮にも取材だっていうならお会いしたいっていうだけですよ。

―いや僕も産経新聞の読者でもあるんですよ。
産経:じゃあ、読者として、読者の……どこかに出されるわけですか。じゃあ、お答えしますけど、ちゃんと海兵隊に取材しました。

―したんですね。県警にはされてないけど、海兵隊には取材したと。
産経:はい。海兵隊の情報で書けると思いましたんで。

―正しいと思われたんですね。海兵隊のどの部署に。
産経:ちゃんと広報を通じてやりましたよ。広報。

―広報を通じて取材された結果を書かれたと。
産経:コメントもらいました。

―そうなんですね。
産経:それでなんかわからないですけど、これはオフレコですけど、オフレコですよ。あくまでも。うちの掲載記事は全部送ってますんで、それで何か間違っていますという指摘もありませんし。

―そういうことですか。オフレコ?
産経:おそらくですね、そのへんをいろいろ調べたら若干違うところがあったかもしれません、おそらく。

―海兵隊のほうで調べて。それを産経さんに海兵隊のほうから、指摘はしてないということですね。
産経:聞いてませんよ、全然。これを受けて海兵隊に確認しようとは考えていませんけど。

―わかりました、ありがとうございます。
産経:そちらの連絡先ください、お名前と。

 ■「恥」はどちらか
 「顔を知らないから取材には応じない」には呆れるしかない。それなら「顔を知らない読者からの問い合わせ」にはどう対応するのか?この問いに対し慌てたところで、産経は報道失格だろう。支局長が一方的に宣言した「オフレコ」については意味不明だ。

 結論は「警察には確認していない」。海兵隊への事実確認については、琉球新報に間違いを指摘された形になっているにもかかわらず「これを受けて海兵隊に確認しようとは考えていませんけど」――。事実のみを追い続けるのが報道であるなら、産経はこれを否定したことになる。同紙は、ネトウヨあたりが流した不確かな「救助」情報を前提に、見込みに合わせた取材で沖縄メディアを批判したのではないか。虚報の疑いが生じた以上、産経は自ら検証し直し、間違いと分かった段階で沖縄メディアに謝罪すべきだろう。日本人なら「恥」を知るべきだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2018年01月31日  06:24:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント

【HUNTER】:「政権の犬」の逃げ足

2018-07-17 09:00:20 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【HUNTER】:「政権の犬」の逃げ足

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【HUNTER】:「政権の犬」の逃げ足

33d9c95c3879d35dff8982295c067df1c41410db-thumb-500 xauto-23483.jpg 韓国・平昌で開かれるオリンピック冬季競技大会まであと3日。行く、行かないで揺れた安倍晋三首相の五輪開会式出席問題は、結局「出席」の方向で落ち着いた。
 この間、首相の出欠報道をリードしたのは産経新聞。先月11日に首相の開会式欠席をスクープ。一転して出席する方針になったことも、同24日の朝刊で報じていた。
 政権べったりの産経だからこそ可能な一連の報道だが、政府方針が180度変わったため、同紙の変節ぶりも凄まじかった。この新聞、本当に報道機関なのか――。

 ■五輪開会式「欠席」をスクープ
 首相の平昌オリンピック開会式「欠席」を報じた産経新聞1月11日朝刊の記事は、こう書きだす。 

 安倍晋三首相は韓国で2月9日に行われる平昌五輪の開会式への出席を見送る方針を固めた。複数の政府関係者が10日、明らかにした。表向きは1月22日に召集予定の通常国会の日程があるためとするが、慰安婦問題の解決を確認した2015年12月の日韓合意をめぐり、文在寅政権が日本政府に新たな措置を求める姿勢を示したことを受けて判断した。

00000-!cid_ii_1614533dbbfdefac.jpg

 首相の動きをいち早く報じたところは、さすが政権の広報紙。しかも、「表向き」に加え「裏」の理由まで明らかにしており、政府への食い込み方には脱帽するしかない。その後、「不参加」については読売も報道。韓国を敵視する産経が小躍りしそうな状況となった。

 ■首相を牽制した産経抄
 政府内の流れが一変したのは、産経のスクープ報道から5日後のことだった。1月16日の記者会見で、自民党の二階俊博幹事長が「(国会と五輪開会式出席は)両方とも大変重要な政治課題であり、調整して実現できるよう努力したい」と発言。次いで18日には公明党の山口那津男代表が、「首相が出席されることを私個人としては期待したいが、最終的には政府が判断すべきだ」として五輪開会式出席を促したのである。大物二人の発言に同調する形で、政府与党内から「参加すべき」との声が上がったのは周知の通りだ。面白くないのは産経。当然噛みついた。下は、1月19日の同紙コラム「産経抄」である。

20180206_h01-02.jpg 安倍晋三首相に五輪開会式への出席を求める声が、与党内からも出ている。論外である。慰安婦問題の合意についての、韓国への失望だけではない。茶番劇になりかねない平和の祭典に首相として関われば、北朝鮮の思うつぼだ。

 五輪開会式への出席を求める声を『論外』と切って捨て、『茶番劇になりかねない平和の祭典に首相として関われば、北朝鮮の思うつぼ』と露骨に首相を牽制した。荒い言葉は、焦りの裏返し。当初のスクープが帳消しになりそうな状況となったことで、産経抄は怒りを禁じえなかったのだろう。ネット版の産経抄の見出しは、《安倍晋三首相の平昌五輪出席は論外である》だった。

 ■一転「出席」またまたスクープ
 産経の焦りをよそに、首相は開会式出席へと大きく舵を切る。開会式出席を促す世論が強まったと見た首相は先月23日、産経新聞のインタビューに答える形で開会式に出席する意向を示す。首相の方針転換を伝える記事を、産経新聞は24日朝刊の一面トップで報じている。「不参加」をスクープした右翼仲間の産経に、首相が気を遣ったということだ。

00000-!cid_ii_161453462ff1f1aa.jpg

 ■権力に寄り添う報道姿勢は「論外」
 報道機関が腹を決めて記事を世に送り出した以上、産経は首相の五輪開会式出席を認めるわけにはいくまい。しかし、この新聞社のいい加減なところは、首相が方針変更を決めたとたん、それまでの主張を平然と引っ込めたことだ。同日の紙面、産経は3面の解説記事で、五輪開会式出席を決めた首相を持ち上げ、褒めたたえていた。それが下の紙面。

DSC05540.JPG

 見出しは『リスクいとわず決断』、その下に『慰安婦合意履行 世界に示す』。記事の中で、首相が五輪開会式への出席を決断したことについては《今回の産経新聞のインタビューや、首相の周辺取材を通じてみえてきたのは、リスクを取ることをいとわず、批判を覚悟して為(な)すべきことを為そうとする「政権を担う者の責任」だった。》――権力者に媚びるゲスな提灯記事に、あぜんとなった。

 「五輪出席論外」はどこへ行ってしまったのか?政権の犬は逃げ足が速い。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2018年02月06日  08:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント

【HUNTER】:政権の犬・産経新聞の「偏向報道」(下) 

2018-07-17 09:00:10 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【HUNTER】:政権の犬・産経新聞の「偏向報道」(下) 真相捻じ曲げ記者攻撃 

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【HUNTER】:政権の犬・産経新聞の「偏向報道」(下) 真相捻じ曲げ記者攻撃 

6f6f8ea599c7631c3a97725844aa81f370602c25-thumb-150x148-22642.png 安倍政権に批判的なメディアや言説を「偏向」と決めつけ、ネットを中心に卑劣な攻撃を仕掛ける「産経新聞」。組織相手では飽き足らず、極右の作家や活動家らと組んで、沖縄のタイムスの記者個人に集中砲火を浴びせていた。
 その手口は実に幼稚で、極右側にとって都合の悪い話には一切触れず、相手を追い込んだ場面だけを取り上げて一人の記者を袋叩きにするというもの。一連の記事は、自ら、公平・公正を旨とする報道機関であることを否定するお粗末な内容となっている。

 ■百田講演会めぐる卑劣な個人攻撃
 以下の画面は、先月27日に沖縄県名護市で開かれた「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」主催の講演会会場における、講師と新聞記者とのやり取りを報じた産経新聞デジタル版の画面。講師は作家の百田尚樹氏。百田氏と議論を交わしたのは、講演の取材に入った沖縄タイムスの記者だった。まず、講演会から2日後の配信記事。講演で百田氏が、「(活動家が)中国や韓国からも来ている。嫌やなー、怖いなー、どつかれたらどうするの」と発言したことをとらえ、記者が講演後に「(中国や韓国の人に対する)差別ではないか」と質した折の顛末。そこに産経独自の解釈が加えられている。(以下、画面上の赤いアンダーラインはHUNTER編集部)

00-百田2.png

 記事では、琉球新報、沖縄タイムスの2紙に対する百田氏の批判を《縦横無尽》と褒めたたえ、沖縄タイムスの記者が投げかけた百田氏に対する質問を《言いがかり》と断定。この時点で、産経の記事は「偏向」しており、公正・公平の域を脱していたことが分かる。書き出しがこれなのだから、その後続いて配信された記事も同じ方向性を持つ。今月5日の記事(下の画面参照)では、2人のやり取りがネット上に流されたことを受け、《1人の識者を「差別者」にしていく過程が衆目にさらされた》と大げさに、百田氏を被害者に仕立てていた。

00-百田.png

 7日の記事はさらにエスカレート。《あれが「新聞記者」だというのか。》で書き出し、《「差別発言があった」。取材で訪れていた「沖縄タイムス」の記者が、百田氏にこう詰め寄った。どこが「差別発言」なのか、耳を疑った。それでも丁寧に説明する百田氏に対し、一歩も引かない記者。現場で見えたのは、事実を都合の良いようにねじ曲げて伝える「偏向報道」の“作られ方”だった。》と言いたい放題。ネット上で流された映像に、一方的な解釈を加える《事実を都合の良いようにねじ曲げて伝える「偏向報道」》そのものだった。

00-百田4.png

 ■記者が明かした講演の実態
 感情むき出しの産経の記事に対し、一方の当事者である沖縄タイムスの記者はいたって冷静。同紙のコラム「大弦小弦」で、《作家の百田尚樹氏から「悪魔に魂を売った記者」という異名をいただいた・・・》と題する一文を書いていた。講演会後の百田氏と記者とのやりとりの前に、何があったのかよくわかる内容となっており、全文を紹介させていただく。

 作家の百田尚樹氏から「悪魔に魂を売った記者」という異名をいただいた。出世のために初心を捨て、偏った記事を書いているからだという。数百人の聴衆がどっと沸き、私も笑ってしまった
 先月末に名護市で開かれた講演会。事前に申し込んで取材に行くと、最前列中央の席に案内された。壇上でマイクを握った百田氏は、最初から最後まで私を名指しして嘲笑を向けてきた
 特異な状況だからこそ、普通に取材する。そう決めたが、一度メモを取る手が止まった。「中国が琉球を乗っ取ったら、阿部さんの娘さんは中国人の慰み者になります
 逆らう連中は痛い目に遭えばいい。ただし自分は高みの見物、手を汚すのは他者、という態度。あえて尊厳を傷つける言葉を探す人間性。そして沖縄を簡単に切り捨てる思考
 百田氏は2015年に問題になった自民党本部の講演でも「沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と話している。県民は実際に沖縄戦で本土を守る時間稼ぎの道具として使われ、4人に1人が犠牲になった。歴史に向き合えば本土の側から口にできる言葉ではない
 差別と卑怯(ひきょう)は続く。百田氏はなおも「反対派の中核は中国の工作員」などとデマを並べ、沖縄への米軍基地集中を正当化する。「沖縄大好き」というリップサービスがむなしい。(阿部岳)

 百田講演会について産経がネット上で配信した一連の記事では、講演の最中に百田氏が放った「悪魔に魂を売った記者」「中国が琉球を乗っ取ったら、阿部さん(沖タイの記者)の娘さんは中国人の慰み者になります」といった発言には、一切触れられていない。百田氏は、自分に共鳴する者ばかりが集まった会合の中で、沖縄タイムスの記者をいたぶっていたのである。つまり産経は、都合の悪いところを省いて、勝手な解釈で一人の記者を大々的に叩いたということ。ここまで来れば“卑劣”“卑怯”と言うしかない。類は友を呼ぶ。勇ましいことばかり言う百田氏も、じつは典型的な「卑怯者」であることが分かっている。名護市の講演会騒動の伏線となった、百田氏と沖縄の2紙をめぐる出来事を振り返ってみたい。

 ■百田尚樹氏の沖縄蔑視
 一昨年6月、安倍首相に近い自民党の若手議員らが党本部で開いた勉強会「文化芸術懇話会」で、政府・与党への批判的な報道を封殺するよう求める声が相次ぎ、安全保障関連法案の国会審議にまで影響を与える事態となった。勉強会で講師を務めた作家の百田尚樹氏は、沖縄の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、「沖縄の2つの新聞(「沖縄タイムス」と「琉球新報」)はつぶさなあかん」と発言。さらに、「あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と持論を展開していた。

 世界一危険とされる米軍普天間飛行場の周辺状況については、「もともと田んぼの中にあり、周りは何もなかった。基地の周りに行けば商売になると、みんな何十年もかかって基地の周りに住んで、40年経って街の真ん中に基地がある。そこを選んだのは誰やねん。地主は大金持ちで六本木ヒルズに住んでいる」などと“でっち上げ”発言。沖縄戦当時、米軍が飛行場用地を勝手に接収したことや、強制的に土地を割り振られ、基地周辺で暮らすことを余儀なくされた住民側の事情を知らぬまま、沖縄蔑視の姿勢を露わにしていた。

 問題発言はまだ続き、沖縄で米兵による性的被害が多発してきたことについては「沖縄の全米兵が起こすレイプより、沖縄人のレイプの方がはるかに率が高い」――。米兵の分だけ被害が増えることに気付いていないだけでなく、日本人の犯罪がきちんと裁かれる一方、米兵は基地に守られ、多くの沖縄県民が歯噛みしてきたという歴史もまったく理解できていない差別的発言だった。自民党勉強会での発言は、先月名護市の講演で語った内容と、ほぼ同じ。知識もないのに平気で作り話をし、沖縄の犠牲を前提とするたとえ話を持ってきて、二つの県紙を攻撃する手法である。まともな文化人がやることではあるまい。

 百田氏のもう一つの特徴は、応援団がいる時だけ強気に転じるところ。自民党勉強会での沖縄蔑視を批判され「冗談だった」と逃げた同氏は数日後、右派の論客を集めて開かれた集会で、運営委員が沖縄の地元紙について「日本新聞協会の新聞倫理綱領に違反している」と述べたことを受けて、「改めて沖縄の二つの新聞はクズやなぁと思いました」と発言。再び沖縄メディアを攻撃していた。ベストセラー作家は、卑怯者の見本のような人物なのである。ちなみに、この時の集会の主催者は、名護市の講演会と同じ「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」。産経と百田氏、そして極右の団体が組んで、政権に逆らう沖縄メディアをいたぶる構図である。

 ■問われる「報道」の資格
 沖縄タイムスと琉球新報の販売部数は、合わせて約31万部。それだけ両紙を支持する沖縄県民がいるということだ。産経や百田氏が沖縄の2紙を「偏向」と決めつけることは、大多数の沖縄県民の声を「偏向」と罵ったに等しい。ならば沖縄県民に向けて「あなた達の考えは、偏向している」といえば済むのに、産経や百田氏は、県民の声を代弁する県紙を攻撃する。日本の保守(もちろん彼らの自称に過ぎないが……)は、いつからこうもずる賢くなったのか――。

 米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐっては、2014年1月の名護市長選、同年11月の沖縄知事選で、移設反対を訴えた候補者が勝利。その後に行われた3回の国政選挙でも、移設反対の「オール沖縄」が圧勝している。民意の方向性は明らかだが、安倍政権はこれを無視。移設工事を強行してきた。沖縄戦では県民の4人に1人が犠牲になった。戦後70年以上にわたって米軍基地を押し付けられ、国防に貢献してきたのも沖縄だ。だが、極右陣営は沖縄の歴史を理解せず、基地反対も移設反対も「偏向」「左翼」で片付けてきた。底流にあるのは、戦前の軍部と同じ“沖縄蔑視”なのである。

 同じ卑劣漢でも百田氏は民間人。何を言おうと自由だ。だが産経新聞は曲がりなりにも報道機関。他者を「偏向」と批判するなら、自らの偏向を自覚すべきだろう。それが理解できないのなら、産経に「報道」を名乗る資格はあるまい。ある在京のジャーナリストは、産経の報道姿勢について次のように述べている。
 ――記者会見で、記者が対峙するのは権力者である。疑惑を突きつけ、説明を求める。責任を追求し、場合によっては、謝罪を迫ることもあるだろう。記者会見の場は権力者とジャーナリズムの緊張関係が象徴的に現れる場面でなければならない。昨今の記者会見が上辺だけの乾いたやりとりに終始している現状があり、その点で、確かにメディアへの批判は理がある。ただ、だからこそ、産経新聞がやっていることはおかしい。記者たちは本来、権力者の表情を注視し、発言の片々に耳を傾けなければならない。文字通り、視線の先にあるべきは権力の姿だ。にもかかわらず、産経がやっているのは権力者側から記者たちを眺め、揚げ足取りの機会をうかがっているように思える。どちら側を向いて仕事をしているのか。

 英国の作家ジョージ・オーウェルは、スペイン内戦において反ファシズム戦線に一兵士として参加した経験を持つ。ファシズムが行き着くディストピアのありようは代表作「1984」で描いた通りだ。日本社会が近づきつつあるとして、再評価されている名作である。産経はそのオーウェルの言葉をかみしめる必要がある。「ジャーナリズムとは、報じられたくないことを報じることだ。それ以外のものは広報にすぎない」。広報紙でも構わないと思っているのかもしれないが……。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2017年11月14日  08:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント

【HUNTER】:政権の犬・産経新聞の「偏向報道」(上)

2018-07-17 09:00:00 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【HUNTER】:政権の犬・産経新聞の「偏向報道」(上)

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【HUNTER】:政権の犬・産経新聞の「偏向報道」(上)

00-1-thumb-150x148-15783.png 安倍政権に批判的なメディアや言説を、すべて「偏向」で片付けようとする風潮が、ここ数年強まった。最右翼は“報道機関”を名乗る「産経新聞」。販売部数の少なさを補うため、インターネット上で、極右広報としての記事を垂れ流している。
 偏向とは、考え方がかたよっていること、中立ではないこと。公器である新聞や、公共の電波を使うテレビは、だからこそ「公平・公正」であることを自らに課している。一方、報道の使命は「権力の監視」。政権の間違いや横暴に対し、国民を代表して異議を唱えるのが仕事だ。これは公平・公正であることと矛盾しない。
 しかし、産経は広範な議論を一切認めようとせず、政権に批判的な新聞社やテレビ局を、第三者の言説を利用するという卑怯な手段で攻撃する。地域の声を代表するメディアさえも産経にかかれば「偏向」である。まさに「政権の犬」の所業。こんな新聞が、「報道機関」と呼べるのか――。

 ■極右の言葉を借りてTBS攻撃
 今年9月、東京都内で行われた「TBS偏向報道糾弾大会・デモ」の模様を報じた産経新聞は、主催した「TBS偏向報道糾弾大会実行委員会」の主張を、何の批判もせずに紙面とネットで詳しく報じた。下がその記事の画面だ(以下、画面にある赤いアンダーラインはHUNTER編集部)

0000産経2.png

 記事の一節が≪「国民をだますな」「偏向報道・歪曲報道・印象操作」「TBS=放送法違反」などと書かれたプラカードや日章旗を手に行進。「TBSの偏向報道を許さないぞ!」「TBSの印象操作を許さないぞ!」などとシュプレヒコールを上げた≫――。加計学園の問題で政権を擁護した加戸守行前愛媛県知事や国家戦略特区ワーキンググループ委員らの発言をあまり取り上げず、前川喜平前文科事務次官の発言ばかりを取り上げたことが放送法違反だという“言いがかり”。一般市民にとっての常識が、極右や産経にとっては非常識な「偏向」に映るということだ。大会主催者の村田春樹氏は、ヘイトスピーチで悪名高い「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の元会員とされる右翼活動家だった。

 ■加計報道も「偏向」???
 今月4日の配信記事も酷かった。森友・加計疑惑を報じてきた朝日新聞などを批判する著書を出した文芸評論家のインタビュー記事だ。「マスコミが世論をウソで誘導しようとするのは『デモクラシーの破壊活動』だ。情報謀略に対し、政府の組織防衛は必要なのではないか」などとする評論家のコメントを紹介し、“見出し”を利用する形で朝日による一連の報道を「偏向」と攻撃していた。(下がその画面)

0000産経3.png ちなみに、この文芸評論家は憲法改正運動を展開する「日本会議」の論客。極右にとって、安倍晋三を批判する者は朝日だけでなく全て「偏向」となる。

 ■沖縄の声を「偏向」と決めつける「偏向」
 産経をはじめとする極右陣営は、安倍政権と対峙する対象が地域の声を代弁する地方紙であっても、平気で“言いがかり”をつける。今月10日には、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する活動家が、公務執行妨害などの疑いで逮捕されたことを報じ、記事の中で産経は≪「偏向報道」著しい沖縄県紙≫と書いた。(下がその画面)

0000産経1.png

 産経が≪「偏向報道」著しい沖縄県紙≫として目の敵にしているのが、「琉球新報」と「沖縄タイムス」。辺野古移設に反対の論陣を張り、沖縄の声を代弁してきた2紙は、極右陣営にとって不倶戴天の敵なのである。新聞の販売部数を見ると、沖縄県内約62万世帯のうち新聞購読世帯はおよそ32万世帯(以下、販売部数は昨年秋時点の数字)。このうち琉球新報が158,000部、沖縄タイムスが156,000部と2紙が独占する状況だ。次が日経の5,700部。読売、朝日、毎日の3紙を合わせても販売部数は1,800部程度で、産経は200部ちょっとしかない。つまり、存在感ゼロ。産経や極右陣営が琉球新報と沖縄タイムスに激しい攻撃を加えるのには、こうした背景がある。

 産経がまともな報道機関なら、琉球新報と沖縄タイムスに対し真っ向から論戦を挑むべきだろう。しかし産経は、極右陣営と共謀し、沖縄の新聞記者個人に理不尽な攻撃を仕掛けていた。

(つづく)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2017年11月13日  09:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント

【ニコニコ超会議】:落合陽一氏「今の仕事やり終わったら」政界進出意欲

2018-04-30 00:53:30 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【ニコニコ超会議】:落合陽一氏「今の仕事やり終わったら」政界進出意欲

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【ニコニコ超会議】:落合陽一氏「今の仕事やり終わったら」政界進出意欲

 新進気鋭の論客で、メディアへの露出も多いメディアアーティストの落合陽一氏(30)が29日、将来の政界進出に意欲を示した。千葉市で行われた「ニコニコ超会議」で開かれた、政治とテクノロジー(科学技術)の融合に関する討論会の中で、言及した。

 自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長、夏野剛・慶大特別招聘教授の3人で対談中、今年9月の自民党総裁選に話が及んだ際、夏野氏から将来の政界転身の可能性を問われた落合氏は、「今の職場で(仕事を)やり終わったら政治に出ますよ」と述べた。「今は現場で必要だから、ガリガリ(と仕事を)やっている」と続けた。

落合陽一氏「今の仕事やり終わったら」政界進出意欲
落合陽一氏(右)と、「政治とテクノロジー」について議論する自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長(撮影・中山知子)

 終了後の報道陣の取材に、落合氏は、自身の発言について「現場の研究予算を含めて、あと5~6年は動けない。現場で解決しないといけない課題を解決したら、やらないといけない人がいないならば、(自分が)やらないといけないと思う」と説明した。

 落合氏は筑波大准教授、筑波大学長補佐でもあり、学術界でも活躍している。

 一方、進次郎氏は「その(落合氏が出馬する)時、落合クンが自分の知識、知見を発揮できるようなところは自民党だと言われるような、自民党でありたい」と話した。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政治とテクノロジー(科学技術)の融合に関する討論会】  2018年04月30日  00:53:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント

【総務省】:放送の外資規制「有効」…野田氏、撤廃論けん制

2018-04-17 23:22:30 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【総務省】:放送の外資規制「有効」…野田氏、撤廃論けん制

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【総務省】:放送の外資規制「有効」…野田氏、撤廃論けん制

 安倍首相らが検討している放送事業見直しについて、野田総務相は17日の参院総務委員会で、放送局に対する外資規制の撤廃論が出ていることをけん制した。

 野田氏は「放送事業者は言論報道機関としての性格を有しており、社会的影響力が大きいことにかんがみて設けられたもので、これまで外資規制は有効に機能してきた」と語った。

 放送法などは、世論形成に大きな影響を及ぼすことから、外国企業が、放送局の株式を20%以上持つことを制限している。

 また、放送の政治的公平性などを定める放送法4条について、公明党の山口代表は17日の記者会見で、「放送法4条が果たしてきた役割は重い」と指摘した。その上で、「公平性を保つ枠が仮になくなれば、商業的な視点で情報を送ることも出てくる。報道という役割が果たしきれるかどうか非常に懸念を持つ」と述べた。「民主主義の土台は国民に適切な情報を提供するのが大前提だ」とも強調した。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【政策・総務省・放送事業見直し】  2018年04月17日  23:22:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント

【筆洗】:子どものとき、立ち読みをしていて、ハタキでぱたぱたと掃除をする・・・

2018-04-17 06:10:30 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【筆洗】:子どものとき、立ち読みをしていて、ハタキでぱたぱたと掃除をする店主さんに体よく追い払われたという思い出がある人もいるだろう。

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【筆洗】:子どものとき、立ち読みをしていて、ハタキでぱたぱたと掃除をする店主さんに体よく追い払われたという思い出がある人もいるだろう。

 最近ではあまり見かけぬ光景か。「私も立ち読みの客をよく追い出したっけ」。作家で、古書店を営む出久根達郎さんが書いていらっしゃる▼ハタキにも「ルール」があるようだ。「三十分は立ち読みを黙認した。それ以上の時間になると、やおらハタキをかける」。客の方も心得ていてハタキが始まると「本を書棚に戻し、店を出ていった」そうだ。客の方にもまだ遠慮と分別があった▼三十分の立ち読みならともかく無料で漫画が読み放題とあれば、書店、出版社、漫画家の商売は成り立たぬ。漫画などを無料で読めるようにしている悪質な海賊版サイト対策として、政府はプロバイダー(接続業者)に対し利用者のネット接続を遮断するよう実質的に求めた▼海賊版サイトによる著作権侵害の損失額は約四千億円と推定される。クリエーターと業界を守るため早急な対策が必要なのは理解できるが、問題はそのハタキの強さである▼接続遮断に法的根拠はない。利用者の接続先をチェックするとなれば、通信の秘密や検閲禁止を定める憲法に触れないか。心配が消えぬ▼海賊は許せぬ。だが海賊退治にかえって、ホコリを立てる乱暴なハタキのかけ方も認めにくいだろう。よく議論したい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2018年04月16日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント

【政府改革推進会議】:反対強い中 放送緩和論議

2018-04-16 15:15:55 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【政府改革推進会議】:反対強い中 放送緩和論議

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【政府改革推進会議】:反対強い中 放送緩和論議

 政府は十六日、規制改革推進会議を首相官邸で開き、放送制度の見直しについて話し合った。テレビ放送の「政治的な公平」を定めた放送法四条の撤廃などが焦点だが、識者や業界関係者の間では、偏向報道を助長するとして反対意見が根強い。同会議は答申をまとめる六月に向けて議論を続ける方針だ。 (村上一樹、吉田通夫)

規制改革推進会議であいさつする安倍首相。左隣は大田弘子議長=16日午前、首相官邸で

写真

 会議は、安倍晋三首相のあいさつだけを報道陣に公開。首相は「急速な技術革新により放送と(インターネット)通信の垣根はどんどんなくなっている」と指摘。「大きな環境変化をとらえた放送のあり方について、改革に向けた方策を議論するべきときにきている」と述べた。放送法には言及しなかった。

写真

 終了後に記者会見した大田弘子議長(政策研究大学院大学教授)によると、他の委員からは「放送法が産業保護になっていないか、見直しが必要」「放送分野の競争を促すような規制緩和が必要」などの意見が出たという。しかし、大田氏は「特定の条文に焦点を絞った議論はしていない」と説明。同席したワーキンググループ(WG)の原英史座長(政策工房社長)は「(テレビ)番組の劣化はあってはならない」と語った。

 規制変更の狙いは、放送内容が制限されているテレビ放送の規制を緩和し、ネットとの「垣根」をなくして放送産業を活性化するためとされる。官邸が作ったとみられる規制変更の素案には放送法四条の撤廃が盛り込まれており、WGが進めている識者らからの意見の聞き取りでは「(規制がなくなり)フェイクニュースが瞬時に広がるのは問題だ」(次世代メディア研究所の鈴木祐司代表)などの反対意見が相次いでいる。

 <放送法> テレビやラジオの放送事業の健全な発達を図るための法律。放送の不偏不党、自律、表現の自由の確保などを原則に掲げ、4条では番組の編集に当たり「政治的公平」「報道は事実をまげない」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」などと定めている。番組の適正化のため、審議機関の設置も求めている。

 元稿:東京新聞社 夕刊 主要ニュース 政治 【政策・規制改革推進会議・放送制度の見直し】  2018年04月16日  15:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント

【政府】:放送の「公平」撤廃是非 6月に答申まとめ

2018-04-05 06:15:50 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【政府】:放送の「公平」撤廃是非 6月に答申まとめ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【政府】:放送の「公平」撤廃是非 6月に答申まとめ

 政府の規制改革推進会議は四日、内閣府で非公開のワーキンググループ(WG)を開き、放送制度改革について話し合った。WGは今後も有識者らから聞き取りを続け、政府が検討する放送法四条の撤廃案の是非も含め、今年六月に同会議がまとめる答申に放送分野の規制のあり方を盛り込む。

放送を巡る規制改革が話し合われた規制改革推進会議のワーキンググループ=4日午後、東京・霞が関で

写真

 放送法四条は既存の放送局に政治的公平などを義務付けているが、同会議の大田弘子議長(政策研究大学院大学教授)は会合後に「放送法が参入障壁になるかどうかという議論をしている」と記者団に語った。WG座長の原英史政策工房社長は記者会見で「国民に多様で良質なコンテンツ(番組)が提供されるよう、放送法四条など放送法全般も含めた幅広いテーマについて議論している」と述べた。ただし事務局の説明によると、この日の聞き取りでは放送法に踏み込んだやりとりはなかったという。

写真

 放送制度の改革を巡っては、安倍晋三首相が一月三十一日に出席した新経済連盟の新年会で、ネット番組に出演したことを振り返り「見ている人には地上波と全く同じだ。(規制が異なり)法体系が追い付いていない」とあいさつ。二月一日の政府の未来投資会議で「通信と放送の垣根がなくなる中で、放送事業のあり方の大胆な見直しも必要」と指摘した。直後の二月七日からWGが議題に取り上げ、今回まで計六回の会合で有識者や業界関係者から聞き取りを重ねてきた。

 三月十五日の会合では、大田氏が「通信と放送で全く同じ放送サービスをしている場合に、規制が違ってもいいのか」と質問。同二十二日には原氏も「放送だと規制がかかり、ネットはかからない」と語るなど、安倍首相の主張に沿った指摘が相次いだ。

 ネット放送局を運営するサイバーエージェントの小池政秀常務は「放送法の規制が緩和されれば、(テレビ局のつくる)番組の分野が変わり、(仕入れる)われわれが流せるものが広がってうれしい」と評価する。一方、東大大学院の宍戸常寿(ししどじょうじ)教授は「(放送のように一度に多数に情報を伝える)同時・同報サービスの事業者には、しかるべき責務が伴う。言いたいことを言うサービスとは分かれる」と指摘。次世代メディア研究所の鈴木祐司代表も「放送にはネットより一度に多くの視聴者に情報が届く優位性があり、規制は必要。(規制がなくなり)フェイクニュースが瞬時に広がるのは問題だ」と話すなど、慎重な意見も多い。(村上一樹、妹尾聡太、吉田通夫)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・規制改革推進会議・放送制度改革・政府が検討する放送法四条の撤廃案の是非】  2018年04月05日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント

【社説①】:放送法改正論 テレビへの政治介入だ

2018-04-04 06:10:40 | 新聞社・マスコミ・雑誌・ミニコミ

【社説①】:放送法改正論 テレビへの政治介入だ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:放送法改正論 テレビへの政治介入だ

 政府が考える放送法改正論の本質は、テレビへの政治介入ではないだろうか。政治的公平などを定めた四条を撤廃するという。政権に親和的な番組が増えるという狙いが透けて見える気がする。

 放送法ができた時代を振り返ってみたい。制定されたのは一九五〇年。戦争中にラジオが政府の宣伝に利用された反省に立って、放送の自律を保障しつつ、公共の福祉に適合するよう求める法律だ。

 重要なポイントは「放送の自由」と「放送の公共性」であろう。確かに問題の四条は(1)公序良俗を害しない(2)政治的に公平である(3)報道は事実をまげない(4)意見が対立する問題は多角的に論点を明らかにする-ことを放送局に求めている。

 これらの条文は、放送を規制するためと理解するよりも、放送の自由を守るためのものであると考えるべきである。なぜなら、どの規定を破っても、放送は信頼を失い、放送の自由は自壊してしまうからである。放送法は自らの自由を守るための法律なのだ。

 だから、四条の規律を撤廃することは、自由の拡大ではなく、自由縮小につながる恐れがある。わかりやすく言えば、四条がなくなれば、間違ったニュースが放送されても構わない、公序良俗に反しても構わない、政治的に中立でなくても構わない-そんな報道が増加することが十分考えられるのだ。国民の信頼が薄れることは放送の自由の縮小である。

 うそのニュース、いわゆるフェイクニュースがテレビであふれても構わないと政府は考えているのだろうか。裏付け取材をせずに沖縄の反基地運動を侮蔑的に放送した東京MXテレビの「ニュース女子」が、第三者機関の放送倫理・番組向上機構(BPO)から、放送倫理違反や人権侵害を問われた。つまりはこのような番組が野放しになりうるのだ。

 事実と異なる言説を流す番組-まさか政府がそれを欲しまい。だが政府に都合のよい番組を流してほしいという下心はあろう。もともと安倍晋三内閣は「政治的中立性」を振りかざし放送局に圧力をかけてきた。今度はその言葉を取り払うという。政権に都合がいい見通しがあるからに違いない。

 でも、忘れていないか。放送法の第一条の目的は「健全な民主主義の発達」である。真実のニュースを国民が知らないと、正しい意見を持てず、真の民主主義も発達しないのだ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年04月03日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント