改訂!! 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【司法取引】:元取締役ら在宅起訴へ…法人は不起訴

2018-07-18 07:22:30 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【司法取引】:元取締役ら在宅起訴へ…法人は不起訴

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【司法取引】:元取締役ら在宅起訴へ…法人は不起訴

 タイの発電所事業を巡る外国公務員への贈賄疑惑で、東京地検特捜部は、大手発電機器メーカー「三菱日立パワーシステムズ」(MHPS、横浜市)の元取締役ら3人を不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)で近く東京地裁に在宅起訴する方針を固めた。特捜部と同社は6月にスタートした日本版「司法取引」(協議・合意制度)に合意しており、法人としての同社は不起訴(起訴猶予)とする。

 新制度が適用される初のケースで、特捜部は、同社側が捜査に全面協力する見返りに起訴を見送り、贈賄の実行行為に関わるなどしたとされる担当社員らの刑事責任も問わない見通し。

 関係者によると、起訴されるのは、元取締役のほか、資材調達に関わった同社元幹部2人。3人は特捜部の任意の事情聴取に対し、いずれも不正への関与を大筋で認めているという。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・疑惑】 2018年07月18日  07:22:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:18歳成人 少年法は現行の制度で

2018-06-25 06:10:10 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【社説②】:18歳成人 少年法は現行の制度で

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:18歳成人 少年法は現行の制度で

 成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる改正民法が成立した。選挙権年齢に合わせ、国法上の統一を狙ってのことだ。次は少年法が標的となろう。適用年齢を十八歳未満とすることには反対する。

 国会では改正法成立にあたり「若年者の消費者被害を防止するための必要な法整備」などを求める付帯決議が入った。

 つまり十八歳になると親の同意なしに契約ができ、ローンを組むことも可能となる。これまで十八、十九歳は高価な買い物をしても解約できる未成年者取り消し権があったが、これは喪失する。

 当然、消費者被害の拡大が予想される。悪徳商法対策を強化した消費者契約法も改正されたが、効果は十分ではないようだ。付帯決議はその懸念の表れだ。高校などで消費者教育も必要になろう。

 親が離婚した場合、養育費の支払いも「成人まで」と決めれば、十八歳で打ち切られる。もともと経済的に自立していない若者が多い中、困窮者の増大も予想されるのである。日弁連会長がこの法律の成立に「遺憾の意」を表明したのもそうした理由からだ。

 もともと世論も「十八歳成人」を望んでいなかった。内閣府の二〇一三年の世論調査では約七割もの人が「反対」意見だった。それでも政府が「若者の社会参加」などを口実に改正したのは、国法上の統一が眼目であるためだろう。

 すると次の焦点は少年法だ。適用年齢を二十歳未満から十八歳未満へと引き下げる改正に移ることになろう。これを最も恐れる。

 現行制度では二十歳未満の事件はすべて家庭裁判所に送致し、調査官や少年鑑別所による科学的な調査と鑑別の結果を踏まえる。そして少年にふさわしい処遇を決める手法である。

 非行少年は多くが成育の環境などに問題を抱えている。そんな少年をどうやって更生させ、社会に適応して自立させるか。

 それには福祉的でかつ教育的な方法を採用するのが最も有効なのだ。その結果として更生し、社会復帰し、再犯防止にもつながっていくのである。

 この方法によって大きな効果を上げている。犯罪白書では刑法犯の少年の検挙人数は十三年連続で減少している。二十歳未満とする現行少年法は有効に機能している。その認識は重要である。

 飲酒や喫煙、公営ギャンブルは現行法を維持する。すべて「十八歳で統一」という理由など、どこにもないはずである。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年06月21日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政府】:「18歳成人」若者保護策は 親同意なく契約可能 消費者被害拡大懸念

2018-05-14 06:14:20 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【政府】:「18歳成人」若者保護策は 親同意なく契約可能 消費者被害拡大懸念

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【政府】:「18歳成人」若者保護策は 親同意なく契約可能 消費者被害拡大懸念

 成人年齢を十八歳に引き下げる民法改正案が十一日、衆院法務委員会で実質審議入りした。政府は二〇二二年四月の施行を目指す。成立すれば、一八七六年に二十歳と定められてから初の引き下げとなる。この日の審議では、悪質契約からの若者層保護に議論が集中した。今後は飲酒、喫煙などで維持される「二十歳」との二重基準による混乱回避策なども議論となる。 (大杉はるか)

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 上川陽子法相は、引き下げの意義を「十八、十九歳を経済取引で大人と扱う。自覚を高めて積極的に活躍いただき、社会に活力をもたらす」と説明した。

 引き下げられれば、十八、十九歳も親の同意なくローンや売買契約が可能になる。与野党議員のほとんどが、社会経験の乏しい若者層を狙った悪質契約による消費者被害拡大の懸念を指摘。政府は対応策として、不安や恋愛感情を利用した契約の取り消しを可能とする消費者契約法改正案を提出し、同日の衆院本会議で審議入りした。

 成人式のタイミングも議論になった。これまで多くの自治体が開催してきたのは一月第二月曜日の「成人の日」前後だが、十八歳に引き下げられれば、受験期と重なる。

 離婚後の養育費支払期限も取り上げられた。最高裁家庭局長は「養育費支払いは、子が未成熟で自立が期待できない場合に判断される」と、成人になったことは支払い打ち切りの理由にならないことを説明した。

 一方、「二十歳」が維持された規定もある。飲酒、喫煙、ギャンブルや猟銃所持は、現行通り二十歳未満禁止。国民年金保険料の支払いも現行通り二十歳からになる。小児慢性特定疾病の医療費助成、児童養護施設など保護施設入所や自立支援も、必要なら二十歳になるまで受けられる。混乱防止のための周知方法が必要になる。

 ◆宮本みち子・放送大名誉教授 生活築くまでの支援必要

 成人年齢の18歳への引き下げが適当と判断した法制審議会で委員を務めた宮本みち子・放送大名誉教授(社会学)=写真=に、意義や今後の課題などを聞いた。

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 先進国では早くから、若者の社会への参画政策を進めてきた。若者が発言できる機会が極めて少ない日本にとって、成人年齢を引き下げることを若者の参画推進の転機とするべきだ。高校教育が義務教育に近い現状では、十八歳で進路が分かれることが多い。十八歳は、選挙権など社会の一員としての資格を与える良い時期だ。

 ただ、成人としての責任を与えるのと暮らしの保障がセットでなければならない。安定した生活基盤を築くまでの支援は必要だ。児童福祉法の対象は十八歳までに限られる。児童養護施設なども実態に合わせて対応しつつあるが、法的保障はなく、不安定だ。若者の実態に合わせた保護の手を緩めてはならない。 (聞き手・柚木まり)

  元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・成人年齢を十八歳に引き下げる民法改正案】  2018年05月12日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:司法取引導入 冤罪生まない運用を

2018-05-10 06:10:40 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【社説①】:司法取引導入 冤罪生まない運用を

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:司法取引導入 冤罪生まない運用を

 日本版の司法取引が六月一日から導入される。組織犯罪や経済事件での黒幕をあぶり出すのに有効と期待される一方、無関係の人を事件に巻き込む危険性もある。冤罪(えんざい)を生まぬ運用は必然である。

 逮捕された容疑者や被告が、共犯者らの犯罪解明のため、警察官や検察官に対し、供述や証拠提出などの協力をすれば、見返りが得られる。(1)起訴の見送り(2)起訴の取り消し(3)より軽い罪での起訴(4)より軽い求刑-などである。

 二〇一六年五月に成立した刑事司法改革関連法に盛り込まれた。対象となるのは、贈収賄や詐欺、薬物銃器犯罪などの犯罪だが、政令によって税法や独占禁止法、著作権法など約五十の経済関係の法律違反も対象に加えられた。

 もっとも殺人や性犯罪は含まれない。殺人者と取引して減軽することはありえないためと解される。また、米国のように自分の犯罪を認めて見返りを得る仕組みもない。だから、法曹界では「日本版司法取引」と呼ばれる。

 ポイントは取引成立に弁護人の同意が必要なことだ。検察官と容疑者が合意するには弁護人の同意が必要で、この三者が署名した書面で合意内容を明らかにする。また、虚偽の供述などには懲役五年以下の罰則が科せられる。

 確かに組織的な犯罪、経済犯罪などでは誰が黒幕でどのような指示に基づいて犯罪が行われたか解明するのは困難である。司法取引によって共犯者らの犯行が明らかにされれば、捜査当局には大きな武器になりうる。

 これまで黒幕にたどり着けなかった事件でも、その正体を暴くことができるかもしれない。企業の末端社員の犯罪に終わらせず、経営トップの関与まであぶり出せれば、事件の全容解明に役立つ。

 そんな期待感や利点があることは十分理解する。しかし、一人の供述によって、無実の人を共犯者に仕立て上げる恐れがあることも、ぬぐえぬ事実だ。あるいは容疑者が不起訴になりたいあまり、事件の構図をゆがめて話すこともある。虚偽供述が罰せられるとしても、心配は消えない。

 冤罪への危惧。それが司法取引にはつきまとう。新制度がスタートするとはいえ、当局には従来以上の丁寧な裏付け捜査、十分な証拠収集などが求められる。

 もし司法取引で運用を誤り、新たな冤罪を生めば、再び検察の信頼は失墜してしまう。そんな覚悟がいる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年05月09日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:米映画「ショーシャンクの空に」の主人公が脱獄を計画したのは、

2018-05-03 06:10:35 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【筆洗】:米映画「ショーシャンクの空に」の主人公が脱獄を計画したのは、その終身刑が冤罪(えんざい)によるものだったからである。

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【筆洗】:米映画「ショーシャンクの空に」の主人公が脱獄を計画したのは、その終身刑が冤罪(えんざい)によるものだったからである。

 「アルカトラズからの脱出」のクリント・イーストウッド演じる主人公の場合は悪らつ非道な刑務所長から逃れるためだった▼脱獄は失敗のリスクが高い上、罪を重ねることになる。よほどの理由と決意がなければ、映画としてのリアリティーが弱まるのだろう。ぬれぎぬを晴らすため。裏切り者への復讐(ふくしゅう)のため。妻と子に一目会うため…。主人公たちは重く、切実な理由を抱えて高い壁に挑むものである▼現実はそうでもないらしい。愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から脱走していた受刑者が広島市内で逮捕された。脱走から二十三日目。逃げた理由は、「刑務所での人間関係が嫌になった」だった▼気持ちは分からないでもないが、出所まで二年なかったと聞く。その理由で屋根裏に息をひそめ、海を泳いでまで逃げていたとは、首をかしげたくなる▼存外、当節風の脱走なのかもしれぬ。逃げ出したのはいわゆる塀のない刑務所。脱走の理由には断じてならないが、一般社会に近い環境の中にかえって面倒な人間関係があったのか。再発防止のためにも理由をよく聞かねばなるまい▼隠れていたのは人口減で増えた空き家。解決にほっとする一方、このあたりにも、平成ニッポンの問題が隠れている。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2018年05月02日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:②脱走受刑者逮捕 再発防止の徹底が最優先だ

2018-05-03 06:05:20 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【社説】:②脱走受刑者逮捕 再発防止の徹底が最優先だ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:②脱走受刑者逮捕 再発防止の徹底が最優先だ

 地域住民を長期にわたって不安に陥れた。脱走を許した刑務所の責任は重大である。

 愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から脱走した男が、ようやく逮捕された。姿を消して23日目に広島市の中心街で発見された。

 脱走時とは異なる服装で、約2万円入りの財布を所持していた。「刑務所内の人間関係が嫌になった」と供述している。広島県尾道市の向島に潜伏後、4月24日に泳いで本州へ渡ったという。

 島内では、男が逃走に使った盗難車両が見つかり、現金や衣類などの盗難被害も相次いでいた。島民は相当のストレスを感じていたはずだ。上川法相が記者会見で、「住民に多大な心配と迷惑をかけた」と陳謝したのは当然だ。

 愛媛、広島両県警は、男が向島に潜み続けているとみて、大規模な捜索や交通検問を実施した。

 山林が多い向島には約1000軒の空き家が点在する。男は身を隠しやすく、捜索が容易でなかったのは確かだろう。両県警は無人の別荘に人がいた痕跡を確認したが、追い詰められなかった。

 海岸線の巡回は日中だけだった。赤外線カメラを使った上空からの探査を実施したのは26日で、男が島外に逃走した後だった。男は島内にいる、との見立てに固執し過ぎて、島外逃亡への対処が手薄になったのではないか。

 両県警は、一連の捜索の問題点を検証しなければならない。

 大井造船作業場は、全国に4か所ある開放的施設の一つだ。外塀や窓の鉄格子がない「塀のない刑務所」だ。実社会に近い環境で作業に従事させることで、円滑な社会復帰を促す狙いがある。

 刑務所への再入率は、全国平均を大きく下回る。選ばれた模範囚のみが収容されるという事情はあるにせよ、再犯抑止に一定の効果を上げているのは確かだろう。

 しかし、脱走者が後を絶たない実態は看過できない。1961年の開設以来、今回で20人目だ。

 開放的施設の趣旨は理解できるが、ここまで脱走例が多いとなれば、その理念が台無しになりかねない。監視体制に不備があるとも言わざるを得ない。収容者の選考方法も再検討すべきだ。

 法務省は、顔認証システムを用いた警報装置導入や収容者へのGPS端末装着を進める方針だ。同様の騒動を防ぐためには、やむを得ない措置だと言えよう。

 開放的施設の長所を生かすためにも、何より大切なのは、再発防止に万全を期すことである。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年05月02日  06:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【平尾脱走容疑者】:「盗んだ服をポリ袋に入れ体に巻き付け泳いだ」

2018-05-02 23:21:30 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【平尾脱走容疑者】:「盗んだ服をポリ袋に入れ体に巻き付け泳いだ」

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【平尾脱走容疑者】:「盗んだ服をポリ袋に入れ体に巻き付け泳いだ」

 愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から脱走した平尾龍磨(たつま)容疑者(27)が広島市内で逮捕された事件で、平尾容疑者が、潜伏先の向島(むかいしま)(広島県尾道市)から脱出した状況について、「盗んだ衣類をポリ袋に入れ、袋を体に巻き付けて対岸へ泳いだ」と供述していることがわかった。

 広島、愛媛両県警は本州へ渡った後、袋の中の服に着替えて逃走を続けたとみている。

 両県警によると、平尾容疑者は4月8日の脱走後、向島にある別荘の屋根裏などに潜伏し、同24日、泳いで本州に渡ったと説明。その際、島で盗んだ衣類を持っていたといい、「流れが強かったので、必死で泳いだ。寒かった」などとも話しているという。

 向島では8~13日、別荘周辺の民家や車から現金や水色のポロシャツ、サンダルなどが盗まれる被害が7件起き、現金被害が確認された2件で平尾容疑者の指紋が検出された。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・疑惑】  2018年05月02日  23:21:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:②保護司制度 篤志家頼みでは限界がある

2018-04-12 06:05:20 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【社説】:②保護司制度 篤志家頼みでは限界がある

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:②保護司制度 篤志家頼みでは限界がある

 非行少年や刑務所を仮出所した人の更生を、地域の篤志家が支える。世界でもあまり例がない保護司制度を安定的に維持するには、国や地方自治体の支援が欠かせない。

 保護司の身分は非常勤の国家公務員だが、給与は支給されない。今年1月現在4万7641人で、10年間で1300人近く減った。特に都市部での不足が目立つ。

 平均年齢は65歳を超え、高齢化が進む。約3割が70歳以上だ。再任が認められるのは76歳未満で、近い将来、定年による退任が大量に見込まれる。若い担い手が育たなければ、更生保護の現場は立ちゆかなくなるだろう。

 保護司は月に数回、保護観察を受けている人と面接し、生活面での助言をする。就労先を探し、悩みの相談に乗ることもある。罪を犯した人を孤立させず、再犯防止に果たす役割は大きい。

 留意すべきは、ボランティアの善意に頼るだけでは、新たな人材の確保に限界があることだ。

 法務省が全国の保護司会にアンケートしたところ、9割が候補者への就任依頼を断られた経験があると回答した。「忙しい」「家族の理解が得られない」などのほか、「自宅に訪ねて来られるのが負担」との理由が多かった。

 保護司の面接は、家庭の温かみを伝えるため、自宅で行うのが一般的だ。だが、近年は女性の保護司が増えた。マンション住まいの人も少なくない。抵抗を感じる人がいるのは当然だろう。

 国は2008年度から、保護司の活動拠点となる「更生保護サポートセンター」の整備を進めている。公民館などを借り受け、面接や研修を行う。保護司同士の交流が活発になり、新任者の不安解消にもつながっているという。

 今年度には、全国800か所に増やす予定だ。賃料や人件費などの補助もさらに充実させたい。

 自治体の後押しも重要だ。

 東京都荒川区では12年から、区長の呼びかけで、地元出身の区職員が兼職の許可を得て、保護司として活躍している。現在は7人に増え、多くが退職後も活動を続ける意向だという。こうした取り組みを全国に広げられないか。

 裁判員裁判では、被告の更生を重視し、保護観察付きの執行猶予判決が目立つようになった。刑の一部執行猶予制度も始まり、保護司の需要は高まっている。

 保護司制度の原点は明治時代に遡る。時代に合った手直しが必要だ。保護司と協力し合う保護観察官の増員も検討すべきだろう。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年04月11日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:18歳成人国会議論へ 責任を背負う重さも

2018-03-14 06:10:55 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【社説①】:18歳成人国会議論へ 責任を背負う重さも

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:18歳成人国会議論へ 責任を背負う重さも

 成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる-。民法改正案を閣議決定した。国法上の統一が狙いだが、責任も丸ごと背負う。慎重な議論が必要だ。

 「大人」とは辞書にはこうある。「十分に成長した人。一人前になった人。成人」(広辞苑)

 大人になれば、自分の責任で何でもできる。選挙権も得るし、いろいろな契約も一存でできる。競馬も競輪もできるし、たばこも酒も…。そんなイメージだった。成人、すなわち大人には、分別があるという意味も加わっていたはずである、昔は。

 ◆成人を狙う悪徳業者

 だが、十八歳とは高校三年生のうちに達する年齢である。既に選挙権年齢は十八歳になった。成人年齢も十八歳に引き下げたら、もう大人になったのだからという口実で、高校生が酒を飲み、たばこを吸って、馬券を買うのか?

 まさか、そんなことにはならない。たばこや飲酒、競馬などの公営ギャンブルは二十歳以上を維持する。結婚年齢は男女とも十八歳に統一する法案が出ている。

 顕著に違いが出るのが、十八歳で成人になると自分の意思で契約できるようになることだ。

 身近なケースだと、未成年者は自分でアパートを借りる契約ができない。十八歳成年になれば自分で契約ができる。親の同意がなくても、一人で高額な商品などを購入する契約が可能になる。ローンやクレジットカードなどの契約もある。

 だが、実は契約ができる年齢を狙った消費者被害が多い。国民生活センターの二〇一五年の調査によれば、マルチ取引の相談件数は「二十歳~二十二歳」が「十八歳~十九歳」の一二・三倍。二十歳になったとたん若者がマルチ取引の勧誘にあっているわけだ。ローンなどでも、ほぼ同じ比率でトラブル相談が増加している。

 ◆「契約」に80%が反対

 十八歳成人になると、現在の「未成年者取り消し権」がなくなる。現行では未成年者が高価な買い物をするときは、原則、親の同意が必要で、同意がなければ、契約を取り消すことができる。だが、十八歳成人の場合は、成人なので取り消すことができない。

 内閣府が一三年に行った世論調査がある。「十八歳、十九歳の者が親の同意がなくても一人で高額な商品を購入するなどの契約をできるようにすること」について問うた。賛成はわずか18・6%。反対は79・4%だった。

 悪徳商法に狙われる-。それを敏感に感じ取った数字だろう。このため政府は改正消費者契約法案を出している。「困惑する状況で結んだ契約」を取り消せる規定を盛り込んだ内容だ。悪徳業者による消費者被害を防止するための法案である。

 果たして有効な対策になるか。他の対策もあろうが、深刻な事態を引き起こさぬよう政府はよほど慎重に考えないと、新たな被害を生みかねない。国民の懸念は極力払拭(ふっしょく)してほしい。

 また少年法への波及を恐れる。刑罰よりも保護が適切という精神で、少年の立ち直りを第一に考える法だ。だから少年事件は科学的見地から鑑別調査が行われ、家庭裁判所がその少年にとって最善の処遇方法を決める。法の趣旨から、今回の法案に同調するように、少年法の対象年齢も引き下げることには反対する。

 確かに諸外国では十八歳成人のケースが多い。日本の場合はまず国民投票法で十八歳ありきでスタートし、選挙権、そして国法上の統一性というテーマから成人年齢も引き下げる流れだ。少子高齢化の中で若い年齢の社会参加という意味もあろう。

 むろん十八歳を成人とすることで、大人の自覚を促す含意もある。それは期待したい。選挙権を持っているのだから、政治的な意見を持ち、意見を表明する権利ももちろんある。

 社会的に独立した人格であり、尊重されねばならない。そのような意味で、諸外国と同様に十八歳を成人とすることに賛同する気持ちも十分理解する。

 今や大半が大学や専門学校などへ進学する時代だ。経済的に十分自立していない若者をどう見るか。そんな論点もあろう。

 ◆二十歳とは徴兵の年

 二十歳成人のルールは、一八七六(明治九)年の太政官布告までさかのぼる。近代の国民国家で成人が持つ意味の一つに徴兵がある。成人になれば、兵役の義務が多くの国にあった。日本でも同じだった。

 「赤紙」と呼ばれた召集令状が来たのは二十歳の成人から。十八歳成人に若者の社会参加という明るいイメージを持つか、それとも-。成人のルール変更は、国民の意識や文化まで影響するテーマだ。拙速だけは慎みたい。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年03月14日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:十七世紀のスペイン最大の画家ベラスケスが描いた、

2018-03-14 06:10:50 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【筆洗】:十七世紀のスペイン最大の画家ベラスケスが描いた、「フェリペ・プロスペロ王子」の肖像画。

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【筆洗】:十七世紀のスペイン最大の画家ベラスケスが描いた、「フェリペ・プロスペロ王子」の肖像画。

 当時、二歳のハプスブルク家の王子が女の子の服を着ている▼魔よけの意味らしい。女児に比べ男児の死亡率が高く、女の子の服で悪魔の目を欺こうとしたようだ。中野京子さんの「『怖い絵』で人間を読む」にあった▼問題はその服。その時代の子供服は大人の服をそのまま小さく仕立てたものにすぎない。病弱な王子にとって不幸なのはコルセットで胸をきつく締めつけた服が当時の大人の流行だったこと。二歳の男の子にはその大人の服がいかに窮屈だったことか▼十八歳といえばまだ自由で気楽な服を着ていたいかもしれぬが、窮屈な大人の服を二年早く着ることになるのか。政府は成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる民法改正案を閣議決定した。成人を二十歳とした、一八七六年以来の見直しである▼投票年齢はすでに十八歳以上になっている。十八歳成人は世界の大勢であり、少子高齢化が進む中、若者の社会参加を早める意味もあろう。が、なんだか、この話、子ども時代という「夏休み」を二年短縮するようで、大人としては申し訳ない気もする▼「成人とは人に成ること」と谷川俊太郎さんが書いていたが、それがいかに難しいことか。その旅に二年早く追い立てられる。しかもお酒は今まで通り二十歳から。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2018年03月14日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【旧優生保護法】:強制不妊被害者 救済議連が発足 議員立法視野

2018-03-07 06:15:45 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【旧優生保護法】:強制不妊被害者 救済議連が発足 議員立法視野

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【旧優生保護法】:強制不妊被害者 救済議連が発足 議員立法視野

 旧優生保護法(一九四八~九六年)下で、障害などを理由に強制的に不妊手術が繰り返された問題で、被害者の救済策などを検討する超党派の議員連盟が六日、発足し、設立総会と勉強会を国会内で開いた。会長に就任した自民党の尾辻秀久元厚生労働相は会合後、議員立法での救済措置について「選択肢の中にある」と記者団に語った。 

 自民、公明、立憲民主、民進など与野党の国会議員約三十人が参加。総会では「われわれに何ができるのか考えていきたい」(塩崎恭久前厚労相)と、与党からも救済の必要性を訴える声が上がった。

 厚労省によると、旧優生保護法下で精神疾患や障害を理由に、本人の同意によらない強制的な不妊手術を受けた人は約一万六千五百人に上る。実態は不明な点が多いが、尾辻氏は「おおまかな数字は出ており、それを前提に議論はできる」と語った。

 今年一月、不妊手術を強制された宮城県の六十代女性が、国に損害賠償を求める訴訟を全国で初めて仙台地裁に起こした。原告側弁護団長の新里(にいさと)宏二弁護士は会合で経緯を説明した。終了後、記者団に「事実を解明し、被害者の声に政治がどう向き合うかが問われる」と政治的解決の必要性を訴えた。

 過去には政治判断による議員立法で被害者救済が図られた例がある。ハンセン病国家賠償訴訟では、二〇〇一年に当時の小泉純一郎首相が控訴断念を表明。その後、議員立法による補償が実現した。

 薬害C型肝炎訴訟では、〇七年に大阪高裁で和解の勧告が示された後、当時の福田康夫首相の主導で、全ての患者を一律に救済する議員立法が成立した。 (柚木まり)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・旧優生保護法(一九四八~九六年)下で、障害などを理由に強制的に不妊手術が繰り返された問題】  2018年03月07日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:AV出演強要 被害救済の方策を急げ

2018-03-05 06:10:54 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【社説②】:AV出演強要 被害救済の方策を急げ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:AV出演強要 被害救済の方策を急げ

 モデルの仕事などと勧誘された女性がアダルトビデオ(AV)への出演を強要される被害が絶えない。被害者を苦しめる映像が拡散する問題もある。加害者を野放しにせず、被害救済を急ぐべきだ。

 AV出演を強要されている多くは十代から二十代の女性たちだ。民間支援団体の「ライトハウス」(東京)などに寄せられた相談は昨年は百件に上った。背景に制作会社などの巧妙な手口がある。

 AVとは無関係を装ったネットサイトを使ったり、タレントやモデルにならないかと街頭で女性を誘う。個人情報を握り、契約書もまともに確認させずに署名させる。契約を盾にAV出演を迫り、拒めば違約金を払えと脅す。

 女性たちは苦しんでいる。性行為を強要されるだけでなく、意に反して撮られた映像が残る。拡散を恐れて販売や配信の中止を求めても業者は簡単には応じない。契約があると言うが、若い女性の立場の弱さや法的知識の乏しさに付け込む犯罪的行為ではないか。

 強要によって撮られた、犯罪の記録である映像が放置されたりしないよう、性暴力問題に取り組む人権団体などは新たな法整備を訴えている。

 政府は専門官を各都道府県警に置いて対策に乗り出した。加害者を処罰する動きが出ている。

 警視庁は一月、AV出演を強要された女性の訴えを受け、制作会社の男らを淫行勧誘の疑いで逮捕した。性犯罪を正面から問う姿勢がみえる。有罪ならAV出演を望まない女性を不当に勧誘して出演させ、性行為をさせた行為そのものを罰することになるからだ。

 だが、淫行勧誘罪も保護の対象が限定され、最高で懲役三年。女性の尊厳を傷つける被害の本質からみれば軽い。昨年の刑法改正で新設され、性犯罪では最も重い「強制性交(旧強姦(ごうかん))罪」も適用は難しい。加害者たちに囲まれてしまった被害者が立件に足りうる証拠を残すのは難しい。

 加害者が処罰されない社会は被害者を沈黙させる。現行法が被害の実態に合わないなら、見直しを進めるべきだ。

 被害者の救済は十分ではない。相談できる窓口も充実させたい。医療や警察相談にもつなぎ総合的に支援を受けられる「ワンストップセンター」は全国約四十カ所で運営されているが、民間のボランティアや寄付に頼るだけでは活動に限りがある。国は公費助成を増やし支援すべきだ。被害者を孤立させない社会でありたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年03月05日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説②】:選択的夫婦別姓 意識変化を受けとめよ

2018-02-24 06:10:30 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【社説②】:選択的夫婦別姓 意識変化を受けとめよ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:選択的夫婦別姓 意識変化を受けとめよ

 選択的夫婦別姓の導入に賛成する人の割合が内閣府の調査で過去最高となった。結婚観や家族観が多様となる中で、選択的別姓も認める。そんな国民の意識変化を映した結果だろう。

 結婚の時に同姓とするか、別姓とするかを夫婦の希望で選べる「選択的夫婦別姓」。五年ぶりに実施された内閣府の調査からは、夫婦で別の姓を名乗ることに抵抗感が薄らいでいることが読み取れるだろう。

 選択的別姓を導入してもよいと答えた「賛成派」が過去最高の42・5%。二〇一二年の前回調査よりも7ポイント増加。一方、導入の必要はないと答えた「反対派」は29・3%。賛否が拮抗(きっこう)した前回よりも賛成多数が明確になった。

 全体でみると賛成は約42%だが、年代別では男女ともに結婚が身近な年代ほど賛成する割合が高い。六十歳未満は賛成が約48~52%で、反対の約13~19%を上回る。七十歳以上のみ反対が約52%で、賛成の約28%を上回った。

 初婚者だけでなく再婚者も増えた。夫婦どちらの姓とするのかは合意によって決めるとはいえ、カップルの96%は女性の方が姓を変えている。ということは結婚や離婚のたびに姓を変えているのも多くは女性ということだ。

 世界に目を移せば同性婚を認める国が増えた。そもそも結婚とは何かという根源的な問いもある。家族のありようも多様に変化していくなかで、選択制なら夫婦が別姓を名乗れる制度があっていいと肯定する人が増えていくのは自然なことではないか。

 法相諮問機関の法制審議会が一九九六年に選択的別姓の導入を求める答申をし、法務省が民法改正要綱をまとめて以降も法改正の動きはみえない。家族の崩壊を招くと主張する自民党保守派らの強硬な反対が背景にあるからだ。

 それでも改姓による名義変更の不便や職歴の断絶などを避けたいという声はある。「女性の活躍」を掲げる政府は、職場などで旧姓使用を認めることで対応しようとする。昨年からは裁判官が書く判決文や検察官が書く起訴状も旧姓使用が認められるようになった。

 だがそれらも根本的な解決にはならない。新たに選択的別姓を導入することは女性差別につながる法の見直しを出発にした、人権の課題である。姓をどう名乗るのか。その人らしさや尊厳にかかわる問題を、働く女性だけの問題に小さくすり替えてはならない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年02月23日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:戸籍と番号制 費用と効果が見合うか

2018-02-22 06:10:40 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【社説①】:戸籍と番号制 費用と効果が見合うか

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:戸籍と番号制 費用と効果が見合うか

 戸籍事務にマイナンバー制度を導入する検討が法制審議会の部会で始まっている。個人のプライバシー侵害の危険性はないか。高額な構築費用とその効果が見合うのか。もっと検証されるべきだ。

 政府組織が抱える多くの情報がマイナンバー制度に組み込まれつつある。この共通番号制は規模が大きくなればなるほど、システムの運用費用がかさむし、いったん事故が起きれば、どんな深刻な被害が出るか予想がつかない。

 とくに戸籍は個人の出自を記録した情報である。出生、親子関係や「続柄」などが書かれており、極めてセンシティブな記録でもある。だから、戸籍の扱いは特別に慎重であらねばならないのは当然である。

 だから、税や社会保障など多様な個人情報と戸籍の情報を「ひも付け」して、データマッチングするという発想自体に疑問を覚える。個人のプライバシー侵害の可能性がある限り、立ち止まった方がよいと考える。取り返しのつかない事態を回避するためだ。

 そもそも戸籍は現在、市町村によってシステムはばらばらである。電算化前の死亡者の除籍記録などは画像データで保存されていて、これにマイナンバーを付けるのは膨大なコストがかかる。何かの手続きで必要性が出ても不可能である。だから番号制による効率化はできないだろう。

 また漢字の問題もある。例えば本家と分家との間で、字体を微妙に変える習慣もある。外字は百万字を超すともされる。これを一文字ずつ作成するのは困難な作業だ。かなり時間を要しよう。

 おそらく戸籍制度にマイナンバーを導入するとしても、親子関係や夫婦関係の証明、婚姻や離婚の年月日、日本国籍の有無-、この程度しか使い道はないだろう。具体的には児童扶養手当や老齢年金、年金分割の請求、旅券発給の申請だけだ。

 これら請求や申請を現行方式のままでしても、国民にそれほど負担がかかるとは思えない。逆に言えば、マイナンバー制度を導入するメリットが大きいと国民に説得できるか。

 莫大(ばくだい)な国費を投じるなら、それに見合う効果の証明をある程度は示すべきである。

 日弁連は「戸籍情報と個人番号はひも付けしないよう求める」と意見書を出している。法制審にはそれほどプライバシーに敏感なテーマだという意識を、まず持ってもらいたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年02月21日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:①相続法改正要綱 残された配偶者守る手立てに

2018-02-19 06:05:30 | 【法務省、現行刑法・法定刑、法曹界】:

【社説】:①相続法改正要綱 残された配偶者守る手立てに

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:①相続法改正要綱 残された配偶者守る手立てに

 高齢社会に対応した妥当な見直しだろう。

 法制審議会が遺産相続に関する民法改正の要綱を上川法相に答申した。残された高齢の配偶者の暮らしを守ることに、最大の狙いがある。政府は今国会に民法改正案を提出する方針だ。

 柱の一つは、自宅に住み続けられる「配偶者居住権」の創設だ。配偶者のみに認められ、遺産分割時の取り分として選択できる。

 この権利を取得すれば、自宅が子供や他人の所有になっても居を移さずに済む。居住権の財産価値は原則的に本来の所有権より低く評価されるため、その分だけ現金など他の遺産の配分が増えるという利点も見込まれる。

 高齢者が新たに住居を確保するのは容易でない。不自由な体に合わせて、自宅をバリアフリー構造にした場合などは尚更(なおさら)だろう。

 配偶者と死別した後の一人暮らしが長期に及ぶ高齢者も目立つ。住まいや生活資金を確保しやすくする意義は大きい。

 夫婦間の生前贈与や遺言で譲り受けた住居を遺産分割の対象から除外する制度も、配偶者保護の観点から導入される。

 相続税法上、居住用不動産の贈与に配偶者控除が適用される条件に合わせ、結婚後20年以上になる夫婦を対象にした。住居の所有権を有したまま、相続時の取り分が増える効果が期待される。

 答申は、相続人以外の親族にも配慮した。介護などに尽力していれば、応分の金銭を相続人に請求できるようにする。ヘルパーに介護を依頼した場合の費用などを基に、額を算定することになる。

 老親の介護を息子の妻が担ったケースなどを想定している。苦労に報いる仕組みは、多くの人に歓迎されるのではないか。

 新制度が有効に機能するかどうかは未知数だ。居住権の評価額や介護の貢献度の算定方法は、一般には分かりにくい。かえって争いが増えるとの懸念もある。

 様々な事例ごとに、目安が示されれば参考になるだろう。国民生活に深く関わる制度改正となるだけに、政府は分かりやすい説明に努めてもらいたい。

 今回の見直しで対象となる配偶者は、法的に結婚している人に限られる。法律婚に立脚した相続制度が社会に根付いている実情に照らせば、その土台を維持することは、うなずける。

 一方で、家族の形態が多様化しているのも事実である。時代の変化に対応できる相続制度の検討が、今後も欠かせない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年02月19日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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