粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

嘉田、福島、志位各党首は六ヶ所村を遊説せよ

2012-12-08 08:29:15 | 国内政治

昨日(7日)、テレビ朝日の報道ステーションで各党首が一堂に会して討論を行っていた。普段は持論をまくしたてる古館キャスターだが、昨夜はさすがに本来の司会に徹していた。

討論は主に国防などの国家の根幹に関してであったが、番組最後の方で、原発問題が取り上げられた。古館キャスターの追求の矛先は、卒原発を唱える嘉田由紀子日本未来の党代表に向けられた。10年後に原発ゼロを目指すというが、放射性廃棄物、特に既に存在するプルトニウムをどう処理するかという問いに、嘉田代表は結局建前を述べるだけであった。なんら具体的方策が発せられることもなく、討論会は時間切れになってしまった。

嘉田代表の未来の党を始め、福島社民党、志位共産党といった速やかな原発廃炉を主張する3党の選挙公約を見ても、こうした放射性廃棄物の具体的な処理工程が明らかにされていない。各地の原子炉から出た「核のゴミ」といわれる放射性廃棄物は青森の六ヶ所村の再処理工場に集められる。ここからプルトニウムが抽出され新型の原子炉で燃料にされるが、こうした行程を先の3党首たちは認めていない。

これでは核のゴミは残ったままで六ヶ所村としては決して受け入れられない。結局各原発に再度引き取ってもらいたいと反発する。先の政府の30年代原発ゼロ政策に猛反発したのも当然だろう。

さらに六ヶ所村を始めとして再処理したプルトニウムが既に存在する。またイギリス、フランスには再処理を依頼してできたプルトニウムが保管されているが、今後原子炉で燃料に使われないとなると、即日本へ送られてしまう。

残ったプルトニウムをどうするのか。このまま燃やすことなく残せば、IAEAの協定違反である。核開発をもくろんでいるのではないかと余計な疑惑をかけられてしまう。今の北朝鮮やイランと同様であり、もはや両国を非難することはできない。

今後の建設続行が決まった同じ青森県の大間原発はこのプルトニウムを燃料として使える最新式の原発のようだ。もちろん先の3党首はこの建設には反対している。こうした核のゴミの具体的な処理をどうすれがよいのか。これは原発維持派脱原発派を問わず、どの政党も避けて通れない問題である。

嘉田代表は福島の飯館村で総選挙の第一声を、福島党首は同じ福島の会津若松で雄叫び?を上げた。しかし彼らが青森の六ヶ所村や大間原発へ遊説したという話を聞いたこともないし、今後の予定もなさそうである。しかし本当に脱原発を訴えるのなら、六ヶ所村の工場前で堂々と持論をぶち上げるべきだろう。それが出来なければ、張本勲さんではないが、「喝」である。