弁当日記

ADACHIの行動記録です。 
青年海外協力隊で2006年4月からバングラデシュに2年間住んでました。

バングラデシュのニュース(2010/11/3) その1

2010年11月03日 | バングラデシュのニュース
■見出し(2010年11月3日)No2010-90
〇アジアの新興勢力バングラデシュは世界への扉
〇絶滅危機に瀕する世界の淡水魚
〇衣料品輸出、来年は下落の見通し
〇新興国中銀、金の保有を拡大 資産をドルから分散
〇ビジネスサロン:ファーストリテイリング・柳井正会長兼社長
〇ユニクロほか中国から工場を引き揚げる日本企業が続出の指摘
〇バングラデシュ写真展―ストリート・チルドレンが写した「わたしたちの生活」―
〇バングラデシュ活動報告会―ストリート・チルドレンが写した「わたしたちの生活」―
〇セミナー:BOPビジネスのフロンティア ‐日本企業の取り組み事例と官民連携‐
★お知らせ:マハムニプロジェクト クリスマスパーティー2010メンバー募集★

■アジアの新興勢力バングラデシュは世界への扉
 http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1011/01/news012.html
 ITmediaエグゼクティブ 2010年11月01日 

女流コンサルタント、アジアを歩く:
アジアの新興勢力バングラデシュは世界への扉
わたしは「アジア新興国」と呼ばれる各国を単独でまわり、現地のリアルな
状況を把握すべく、さまざまな産業の企業を訪問している。日本にいると、
「アジア新興国」と一括りで考えてしまいがちだが、各国の各産業を生で見
てみると、それぞれ状況は異なる。

辻 佳子(デロイト トーマツ コンサルティング),ITmedia

日本経済が行き詰まりを見せる中、成長著しいアジア新興国への関心が高まっ
ている。だが、アジア新興国と一言でまとめることはできず、日々、その勢
力図は変化している。本稿では、アジア新興国の中の新興勢力とも言うべき
バングラデシュ、特にその衣料品産業を通して、日本がアジア新興国をどの
ように捉えるべきかを伝える。

現在、わたしは「アジア新興国」と呼ばれる各国を単独でまわり、現地のリ
アルな状況を把握すべく、さまざまな産業の企業を訪問している。日本にい
ると、「アジア新興国」と一括りで考えてしまいがちだが、各国の各産業を
生で見てみると、それぞれ状況は異なる。そして、その状況は変化し続けて
いる。これまでの先入観や偏見を捨て去り、実状を理解しなければ、アジア
新興国とのビジネスを考えることはできない。

バングラデシュという国名を聞いて、何を思い浮かべるだろうか。世界最貧
国、難民問題、雇用問題、サイクロン被害といった、多くのネガティブな言
葉が頭に浮かぶことだろう。だが、それはもはや過去の言葉になっている。
バングラデシュは、アジア新興国の中の新興勢力として力強く成長し、独自
の地位を築いている。


◇中国メーカーを凌ぐバングラデシュメーカーの出現
2009年7月、中国ビジネスを調査することを目的に、わたしは、プライベー
トの時間を使って、香港に本社拠点を置く貿易流通の某大手専門商社を訪問
した。この企業は、長年に渡って、中国で調達した商品を世界に輸出するビ
ジネスを営んできたが、現在では、中国のみならず、近隣アジア諸国のサプ
ライヤー企業と、それを求める欧米のバイヤー企業を仲介するビジネスを営
んでいる。

わたしがこの某大手専門商社を訪問した時にも大きな商談が進められていた。
アルゼンチンの大手小売企業が男性向けと子供向けのニット製品の買い付け
に訪れており、中国とバングラデシュのサプライヤー企業が競い合っていた。
サプライヤー企業は、この大手専門商社から別々の部屋を用意され、そこで
個別に商品のプレゼンテーションや価格交渉が行われた。アルゼンチンのバ
イヤー企業と大手専門商社の担当者が、各部屋を頻繁に行き来し、かなり熱っ
ぽい交渉が行われている様子であった。その結果、アルゼンチンの大手小売
企業は、バングラデシュのサプライヤー企業と契約することとなった。

商談成立後、アルゼンチンの大手小売企業に尋ねたところ、バングラデシュ
のサプライヤー企業の商品は、品質・デザインともに優れており、なおかつ、
価格においても中国のサプライヤー企業を下回っていたため、決したとのこ
とであった。具体的には、大手専門商社の仲介料や物流コストも含めて、
Wool Touch素材のセーターが1PeaceUS$6.9であった。これに対し、中国のサ
プライヤー企業は、US$9.3-US$9.7であった。

中国では急激な経済発展から人件費が高騰しており、バングラデシュのサプ
ライヤー企業のほうが価格競争力を有することは、謂わば、当然である。し
かし、特筆すべきは、品質・デザインともに中国企業に劣らない優れた商品
を製造・提供しており、グローバル取引におけるタフな交渉の末に、このビ
ジネス機会を勝ち取っていることである。

日本人にはあまり馴染みのないバングラデシュという国の企業が、中国企業
を凌ぎ、グローバルビジネスの世界で飛躍しようとしている。バングラデシュ
とは、いったいどんな国なのか。そして、そこではどのように産業が育まれ
ているのか。その点を整理してみよう。


◇バングラデシュの衣料品産業
バングラデシュ人民共和国は、インドの東側に位置し、インド洋に面する国
家である。日本の面積の約1/3の国土に、世界第7位の1億4000万人強の人口
を抱えており、都市国家を除くと世界で最も人口密度が高いことでも知られ
ている。バングラデシュはイスラム教徒が多数派(83%)であるものの、ヒ
ンドゥー教徒の人口割合もかなり高く(16%)、両者が平和裏に共存している
点もこの国の特徴である。

バングラデシュの経済は、衣料品産業によって支えられていると言っても過
言ではない。衣料品産業は、1970年代後半から成長し続け、現在、バングラ
デシュの輸出総額の79.3%を占めている(2008/09年度)。ここ数年の傾向と
しては、ニット製品が既製服を抜いて最大の輸出アイテムに成長している。
2007/08年度のバングラデシュの輸出額は、前年度比15.9%増の141億1080万
ドルであったが、中でもニット製品は前年度から21.5%増加し、既製服を抜
き、55億3200万ドルとなっている。バングラデシュのニット製品が世界の市
場で認められていることは、私の目にした事象だけでなく、数字からも明ら
かなのである。そして、このニット製品の成長が牽引する形で、GDPも毎年
5%後半から6%台の成長を遂げている。

バングラデシュの衣料品産業は、既に世界の名立たるアパレル企業が注目し
ている。日本でも有名な「ZARA」や「H&M」が生産拠点をバングラデシュに
置いている他、多くの欧米企業がバングラデシュのサプライヤー企業と直接
取引を行っている。また、中国での生産比率を下げ、バングラデシュでの生
産比率を高めている欧州企業も多くなっており、バングラデシュの衣料品産
業は、世界の主役を狙う地位を既に築いているのである。


◇出遅れた日本企業
欧米のアパレル企業がバングラデシュの衣料品産業に注目し、ビジネスを展
開する中で、日本企業は、完全に立ち遅れていると言わざるを得ない。対日
輸出額は、2億200万ドルに過ぎず(2008/09年度)、バングラデシュの輸出総
額の1.3%に過ぎない。2009年になって、布帛製品25.4%、ニット製品20.2%
と衣料品品目の比率が高まってはいるものの、欧米諸国や欧米企業に見られ
るような戦略的展開は少なく、バングラデシュ進出日系企業も70社に留まっ
ているのが実状である。

もちろん、日本企業の事例がないわけではない。2007年に伊藤忠商事がニッ
ト工場を設立しているほか、アパレルブランド「ユニクロ」を展開するファー
ストリテイリングも2008年に現地事務所を開設して以来、バングラデシュで
の生産を強化している。また、今年7月、ファーストリテイリングが、ソー
シャルビジネス立ち上げのために、100%子会社「ユニクロ・ソーシャル・
ビジネス・バングラデシュ」を9月に設立し、グラミン銀行グループの
Grameen Healthcare Trustと合弁会社「グラミン・ユニクロ」を10月に設立
することを発表したことは記憶に新しい。

しかし、欧米の名立たる企業が既にバングラデシュに先鞭をつけている中、
日本企業の出遅れが明らかなことは否定できない事実である。


◇日本企業が取るべきスタンス
最近ようやく日本企業が対バングラデシュとして動き出している記事を目に
するようになった。しかし、多くの場合、通常のビジネス取引ではなく、
ソーシャルビジネスやBOPビジネスといった「社会貢献」の側面が強く謳わ
れている。これは、当然、中・長期的な戦略展開の中で、まず、ソーシャル
ビジネスやBOPビジネスを入口にするという考えであろう。重要なのは、そ
の中・長期的な戦略がどのように考えられているかである。以下に、わたし
の考えを示す。

かつて日本企業が中国に進出したときには、労働単価の安さに目を付け、中
国に生産拠点を構え、それを主に日本市場で売るというビジネス形態であっ
た。また、セールス/マーケティングという観点においては、中国の巨大な
市場において、いかに企業や製品のブランドポジションを確立するかという
ことに注力してきた。しかし、バングラデシュに対して、同じような戦略を
持つのは誤りである。

バングラデシュの人口は世界7位とは言え、中国の人口に比べればはるかに
少ない。世界の企業が生産拠点としてバングラデシュを捉えると、国土が狭
いこともあり、労働単価は急速に上昇してしまう。また、土地単価が高く、
交通インフラにも問題があるため、労働単価の安さが魅力を持つ期間は極め
て限られている。つまり、ソーシャルビジネスやBOPビジネスを入口にした
後、中国の次を担う生産拠点と考えるのであれば、それは誤りである。生産
拠点としての魅力は、現在のバングラデシュが持つ魅力であって、中・長期
で見た場合の魅力とはならないと考えるべきだ。

では、消費市場としてはどうか。バングラデシュは、日本の人口を越える
1億4,000万人強の人口であるから、魅力がないわけではないが、中国の巨大
な市場に比しては圧倒的に小さい。少なくとも、規模という観点のみでバン
グラデシュを重要な消費市場と捉えることはできず、当然ながら、中国に次
ぐターゲット市場とはならない。

◇バングラデシュは世界市場への扉である

先にも述べたとおり、バングラデシュはイスラム教徒が多数派であるものの、
ヒンドゥー教徒の人口割合もかなり高く、両者が平和裏に共存している。こ
のことは、イスラム系国家やイスラム系市場との繋がりを持ちつつも、厳格
なイスラム系国家に比べ、宗教的・文化的に寛容さを持ち合わせていること
を示している。また、バングラデシュが日本と友好的であることも踏まえる
と、日本企業にとっては、バングラデシュをイスラム市場への扉として捉え
ることができるだろう。

加えて、バングラデシュは、欧米市場との繋がりが強い。現在は、衣料品産
業を中心としたビジネス取引となっているが、既に強固な関係が築かれてお
り、衣料品以外の商材がバングラデシュから欧米市場に供給されるようにな
る日は近い。つまり、日本企業は、衣料品産業のみならず新たな産業をバン
グラデシュで育むことによって、その先に広がるアメリカ市場やヨーロッパ
市場を視野に捉えることが可能となるのである。

このように、バングラデシュは世界市場への扉と捉えることができる。日本
企業は、社会貢献の対象として、或いは単なる生産拠点として、バングラデ
シュを捉えるのではなく、その先に広がる大きな市場への扉として捉え、
中・長期的な戦略を描く必要がある。



■手作り三輪車で500分の「持久走」
 http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000001011010008
 (朝日新聞 2010年11月01日)

手作りの三輪車を交代で500分間(8時間20分)こぎ続ける耐久レース
「GIFU TRY 500」が31日、岐阜市の長良川河畔で開かれた。
県内外から11チームが参加し、レースを楽しんだ。
2009年に岐阜市制120年を記念して、自転車レースの愛好家らが始め
た。子供用の自転車を利用して三輪車を手作りし、レースに挑む。タイヤは
16インチ以内のため、こいでもそれほどスピードが出ず、大人も子どもも
一緒に楽しめる。ペダルが前輪に取り付けられていて自転車とは感覚が異な
るため、コツをつかむことが必要だ。
コースは1周約400メートル。何周したかは、1周ごとに競技者がコース
上の募金箱に10円を「募金」し、その数を数える。レース終了後、岐阜市
に寄付するという。
岐阜大からは留学生チームが参加。バングラデシュからの留学生で、同大大
学院で進化生態学を学ぶ博士課程3年のライハン・ジャヒールさん(28)
は「やればやるほどコツが分かってきて、面白くなる。長良川そばでのレー
スは気持ちがいい」と話す。昨年265周し、優勝したチーム「ギフティ」
の公務員伊岐見哲也さん(26)は「三輪車をつくるのも面白いし、この大
会ならではの和気あいあいとした感じがたまらない」と言う。
レースは、「ギフティ」が、2位に1周差の250周して2連覇した。



■絶滅危機に瀕する世界の淡水魚
 http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20101101/105129/
 (nikkei BPnet ?2010年11月1日?)

過去40年におよぶ乱獲と開発、それに水環境の急激な悪化によって、淡水魚
が各地で危機的な状態に陥っている。国連環境計画(UNEP)はこのほど、淡
水魚の現状や地域の人々の栄養源として重要性を強調した報告書を発表した。
そのなかで、世界の淡水魚の約3分の1が絶滅の危機に瀕しており、国際的な
保護態勢づくりが急務と警告している。


◇淡水魚に頼る発展途上地域
河川湖沼の淡水魚の漁獲量は世界で年間約1300万tにのぼり、全漁業生産の
14%に相当する。だが、ほとんど調査されていない国も多く、統計に入って
いない釣り人による漁まで含めれば、3000万tには達すると報告書は推定し
ている。

世界の内水面漁獲量の地域的な割合は、アジアが70%、アフリカが25%、中
南米が4%で、その多くは自国での消費に回されている。中国、バングラデシュ、
インド、ミャンマーは内水面漁業への依存度が高く、これらの国だけで年間
500万tの水揚げがある。

バングラデシュでは、全漁獲の40%が内水面で生産されている。農村ではこ
の数字が80%に跳ね上がる。とくに、農地をもたない貧困地域では魚が唯一
の収入というところも珍しくない。アジア最大の淡水魚生産を誇るメコン川
下流域の一帯だけで、年間200万t以上、38億ドルもの生産がある。末端価格
では760億ドルにもなるという。

このほか、コンゴ(旧ザイール)、エジプト、ケニア、マリ、ウガンダ、カ
ンボジア、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどの16ヵ国の水揚げは、
それぞれ年間10万tを超える。

貧しい国々では淡水魚が住民の栄養を支えている。重要なたんぱく源である
ばかりか、ビタミン類、カルシウム、亜鉛などの微量栄養素の多くを淡水魚
に依存しているからだ。たとえば、バングラデシュ政府の調査では、毎日の
必要栄養素のうちビタミンAの40%は小魚から摂っている。カンボジアやラ
オスでは220万人が小魚を主要な食料とし、骨からカルシウムや鉄分などの
微量栄養素を得ている。アフリカでは1億人が、必須ビタミンやミネラルを
淡水魚に頼っている。

報告書は、持続的に漁業をつづけ、住民の健康維持を図るためにも、河川湖
沼の生態系の保護を強調している。汚染の削減、資源を破壊するような非持
続的な漁法の禁止、さらに湿地や産卵場所の保護が緊急だとしている。


◇経済と健康を支える漁業
淡水漁業は6000万人の雇用を支え、加工労働者の半数は女性が占める。これ
は海洋漁業の従事者に比べて1300万人も多い。インドでは550万人が、バン
グラデシュでは220万人、ナイジェリアでは170万人、カンボジアでは160万
人、中国では120万人が淡水漁業に従事している。

東アフリカのビクトリア湖では、大型魚のナイルパーチを食肉加工して年間
3億ドルも稼ぎ出している。アフリカで最大の水揚げがあるのはザンベジ川
流域で、ザンビアのある漁村では1世帯あたり年間180ドルを漁業であげて、
畜産の120ドル、農業の90ドルを上回る。マラウイでも最大の家計収入を漁
業からあげている世帯が多い。

発展途上地域では河川湖沼は食料獲得の場になっているのに対して、先進国
では主としてリクリエーションための釣りの場となり、各国での経済的な価
値は無視できない。米国では16歳以上の人口の18%にあたる3500万人が釣り
を楽しみ、経済規模では年間380億ドル、GDP(国内総生産)の0.5%に相当
する。欧州連合(EU)にも2500万人の釣り人口がいて、年間80億ドルを使う。

日本人でも、釣りを楽しむ人の数は年々増加している。海釣りも含めて、年
間延べ3000万人が釣りに出かけると推定される。また、釣り人の道具や釣り
船の機器類も、従来と比べて格段に性能が上がり、魚種や水域によっては釣
り人の採捕量が漁業者の漁獲量を超える場合もある。遊漁は水産関連業のな
かで無視できない存在になっている。

淡水魚の生息環境をもっとも大きく変えるのはダムの建設だ。堰(せき)高
が15m以上の大型ダムは依然として増えつづけている。1949年には世界で
約5000基だったのが、現在では5万基を超えた。加えて小型ダムが80万基も
ある。欧州では、ダムの影響を受けていない河川流域は12%しか残されてい
ない。

ダムの影響を受けている流域は、アジアでは37%、アフリカでは38%、中南
米では50%になる。ダムによって河川の流量や地形が大きく変化し、さらに
農業・都市用水の過剰取水が加わって、淡水魚の生息地や産卵地が奪われて
いる。


◇ダムが魚を追い詰める

90年代に完成したタイのメコン川支流にかかるパクムン・ダムの完成によっ
て、漁獲が60~80%減少し、損害額は年間140万ドルにおよぶ。ダム湖によっ
て1haあたり年間220kgの漁獲が期待されたが、現実には10?しか獲れていな
い。西アフリカの乾燥地帯をうるおしているニジェール川でも、ダム建設に
よって流量が急減して漁獲が激減している。

乱獲も各地で進んで、水揚げされる魚体のサイズが年々小型化している。カ
ンボジアのトンレサップ湖をはじめ、アフリカのベニン、ニジェール、マリ
などでも漁業資源の枯渇が目立ってきた。

国際自然保護連合(IUCN)は、淡水魚の種の20%が水の汚染の影響を受けて
いるという。重慶、南京、上海など中国の主要都市からは、年間250億tもの
排水が長江に流れ込む。その大部分は未処理のままである。長江では、チョ
ウザメ類が絶滅寸前になった。

淡水の魚類は生態系のかなめになっている。コンゴ川はアフリカでもっとも
生物多様性が高いことで知られ、690種の魚類が知られている。プランクト
ン、水性植物、昆虫類の“消費者”であり、食物連鎖を維持する重要な役割
を果たしている。魚類、卵、死骸、はいせつ物、藻、昆虫などは、ほかの魚
のエサでもある。

そのため、魚類が減るとほかの生物に大きな影響がおよぶ。たとえば、米国
5大湖にすむコクチマスが激減したとき、プランクトンの組成がすっかり変
わり、水中の栄養塩が下がって、藻も少なくなった。

メコン流域では、1997~2007年の10年におよぶ世界自然保護基金(WWF)の
調査で約1000種の新種動植物を発見され、そのなかには279種の魚類が含ま
れていた。まだ、河川の生態系や生物多様性は解明されていない部分が大き
い。調査の進展をはるかに上回る速度で種が姿を消している。


◇必要な政治的意志
世界の淡水魚の約3分の1が絶滅の危機に瀕している。IUCNの「レッドリスト」
によると、調査対象になった3120種の淡水魚のうち、1147種が「絶滅危惧種」
に指定されている。日本でも、ニッポンバラタナゴとミナミトミヨの2種が
絶滅、メダカやアユモドキなど27種が絶滅寸前のリストに入っている。

中国の揚子江にすむハシナガチョウザメは、世界最大の淡水魚の1種だが、
乱獲とダムの建設により個体数が激減し、絶滅危惧種に指定されている。
2003年以降は野生の個体が確認されていないため、すでに絶滅した可能性も
高い。

カンボジアのトンレサップ川では、体長3m、体重300kgにもなる巨大なパー
カーホがかつては釣れたものだが、現在では激減して半分のサイズのもので
も獲れることはきわめて珍しい。タイのバンコクに近いバンパコン川では、
体長が4m、体重は90~140kgもある巨大淡水エイが絶滅に瀕している。

体長2m、体重100kgにもなる世界最大のサケ科の魚タイメンは、かつてロシ
ア、モンゴル、中国の広い領域にわたって生息していた。今では生息域のほ
とんどで乱獲や生息環境の破壊から絶滅寸前に追い込まれている。原因は、
ダムによる河川環境の急変、水質汚染、そして外来魚の増加にある。

報告書では、ダム建設は河川の生態系への影響を最小化できる場所を選定し、
魚類の遡上を妨害しない設計により、季節的な流量を維持すべきと結論づけ
ている。UNEPのシュタイナー事務局長は、「淡水魚はこれまで漁業や環境の
問題のなかでほとんど無視されてきた。海洋漁業は多国間にまたがる国際問
題だが、内水面はほとんどが国内や地域の問題だったからだ」と語っている。

報告書の執筆者のひとり、マレーシア・ペナンに本部がある世界漁業セン
ター(The WorldFish Center)のパトリック・デューガンは、米国やベトナ
ムで近年建設されたダムで、ダムを迂回する魚類の遡上ルートを併せてつ
くったことを挙げて、政治的な意志さえあれば環境と水力発電は共存できる
と訴える。世界の内水面漁業を維持したいのなら、こうした成功例をみなら
うべきだという。



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