弁当日記

ADACHIの行動記録です。 
青年海外協力隊で2006年4月からバングラデシュに2年間住んでました。

バングラデシュのニュース(2018/3/25) 

2018年03月26日 | バングラデシュのニュース
◆イベント情報◆
〇一般社団法人 フェアトレード・ロシュン  2月25日~3月29日
 現地リーダー・クッシーさんが、日本研修の為来日します。
 http://www.roshun.jp/
〇4月10日(火)バングラデシュ企業との商談会(東京) 4/10
 https://www.unido.or.jp/coming/5437/
〇4月11日(水)バングラデシュ企業との交流会(名古屋) 4/11
 https://www.unido.or.jp/coming/5398/
〇「バングラデシュ経済・人材育成セミナー」が開催されます 4/12
 http://www.pref.gunma.jp/06/g22g_00058.html
〇バングラデシュカルチャーナイト~キラキラ雑貨と音楽の夜~ 4/13
 https://mainichimediacafe.jp/eventcal/list/?d=20180413
〇第19回カレーフェスティバル&バングラデシュ ボイシャキメラ(正月祭) 4/15
 https://www.facebook.com/boishakhimelatokyo/
 http://japanbangladesh.com/jp/
〇Japan IT Week 春 2018 第27回 ソフトウェア & アプリ開発展 5/9~5/11
 http://www.sodec.jp/About_Haru/About/

■見出し(2018年3月25日) No2018-18
〇バングラデシュカルチャーナイト~キラキラ雑貨と音楽の夜~
〇「バングラデシュ経済・人材育成セミナー」が開催されます【4月6日締切】
〇4月10日(火)バングラデシュ企業との商談会(東京)
〇4月11日(水)バングラデシュ企業との交流会(名古屋)
〇Japan IT Week 春 2018 第27回 ソフトウェア & アプリ開発展
〇映画を配達!バングラデシュで「未来の青写真」計画
 初めて任意団体を創ります!
〇バングラデシュの医療事情と日本からの寄付の実態を考える
〇バングラデシュ、印・露と原発建設で覚書 人材育成などで合意
〇バングラデシュ首相が来星、複数の協定を締結
〇バングラデシュ、物価上昇で生活難 労連、最低賃金の3倍増を要求
〇ベトナムとバングラデシュ、20年に貿易額倍増目指す
〇バングラデシュ 年内にドミノ・ピザ1号店 印外食大手と合弁会社
〇バングラデシュ=LNG輸入国に名乗り
〇≪ビジョン≫外部組織と連携、共生研究橋渡し 大橋正明所長
〇LNG世界需要、7割吸収 輸入国、10年で倍増 中国躍進、南アジア浮上
〇サイサン、バングラでLPガススタンド開業
〇緬、中国、バングラが電力供給で合同委設置へ
〇バングラデシュ ラジシャヒ大学の学長を本学教授が表敬訪問しました
〇中印、アジア覇権争い激化 ハードインフラから金融まで囲い込み
〇バングラデシュ首相が来星、複数の協定を締結
〇十車十色、スタートアップEVはニーズで割り切り
 NextCARに挑む 攻防・電動化(3)
〇[インド・ロシア・バングラデシュ] インド、バングラデシュの原子力新設支援
〇岡山)外国籍の園児 言葉・文化の壁 越える工夫

■バングラデシュカルチャーナイト~キラキラ雑貨と音楽の夜~
 https://mainichimediacafe.jp/eventcal/list/?d=20180413
 (毎日メディアカフェ 2018/04/13(金)18:30-20:00)

バングラデシュ・ダッカで暮らす女優の渡辺麻恵さんが、現地の女性と始めたアクセ
サリー作りや、いまや国民的グループとなった「バズナビート」の音楽活動のことな
どを話します。バズナビートのボーカルとピアノ担当で、現地でアニメスタジオを運
営する水谷俊亮さんもゲストで登壇します。あなたが知らないバングラデシュに出合
えるかも。最後は、みんなでダンス!

□開催概要
 開場 18:00 開演 18:30
 終演 20:00 人数:40名

場所:毎日新聞東京本社

※申し込みはリンク先の「予約応募」から



■「バングラデシュ経済・人材育成セミナー」が開催されます【4月6日締切】
 http://www.pref.gunma.jp/06/g22g_00058.html
 (群馬県 2018年4月12日)

駐日バングラデシュ人民共和国大使館により、「バングラデシュ経済・人材育成セミ
ナー」が開催されますので、ご関心のある方はぜひお越し下さい。

日時:平成30年4月12日(木) 14時30分~16時30分
場所:群馬県昭和庁舎35会議室(前橋市大手町1-1-1)
対象者:バングラデシュ経済・人材に関心のある方

内容
挨拶 駐日バングラデシュ人民共和国特命全権大使 ラバブ・ファティマ氏

講演
「バングラデシュの経済・人材育成」:駐日バングラデシュ人民共和国大使館 労働
部参事官
「新たな技能実習制度とバングラデシュ人材について」:(公財)国際研修協力機構、
(公財)国際人材育成機構

参加費:無料
申込方法(申込期限:4月6日(金))
チラシ(ダウンロード)裏面の申込用紙に必要事項をご記入の上、駐日バングラデシ
ュ人民共和国大使館へFAXにて直接お申し込みください。

注)群馬県では受付を行いません

申込先:駐日バングラデシュ人民共和国大使館労働部 FAX 03-3234-5802

問合せ先:駐日バングラデシュ人民共和国大使館労働部
 電話03-3234-5801(内線:205)
 FAX 03-3234-5802
 e-mail fslabor@mofa.gov.bd

主催:駐日バングラデシュ人民共和国大使館
後援:群馬県、前橋商工会議所、日本貿易振興機構(JETRO)



■4月10日(火)バングラデシュ企業との商談会(東京)
 https://www.unido.or.jp/coming/5437/
 (国際連合工業開発機関 2018年4月10日)

UNIDO東京事務所は、バングラデシュより優良企業10社の代表が来日する機会を 捉え、
来たる4月10日(火)、東京にて「バングラデシュ企業との商談会」を 開催します。

1億6000万の人口を擁するバングラデシュは、過去10年にわたり平均6%台、2017年度
は7.2%と高い経済 成長を遂げており、豊富な労働力とともに旺盛な内需にも注目が
集まっています。

今回来日する参加企業には、自動車、物流、太陽光発電システム、繊維、不動産、コ
ンサルティングを始め、 食品・インフラ・IT・金融など多岐に わたる事業を展開す
る企業グループも含まれています。 企業の詳細については、下記リストをご参照く
ださい。

日本企業とのビジネス提携を希望するバングラデシュ企業と直接交流できる貴重な機
会です。
お気軽にご参加ください。

概要

日 時: 2018年4月10日(火)14:00~17:00(受付開始: 13:30)
*事前予約制ではありません。
      14:00~17:00のご都合のよい時間帯に直接会場までお越しください。
     開始直後は込み合う可能性がありますので、時間をずらしてお越しくだ
さい。
会 場: 国連大学本部ビル 2階レセプション・ホール
主 催: UNIDO東京事務所
参加費: 無料
申し込み:ページの下の参加申込みフォームより申込みください。
※通訳が必要な場合は、スタッフがサポートします。


□バングラデシュ企業リスト
 1.A.K.Khan Group
 2.SIMCO Spinning & Textiles, Ltd.
 3.Conveyor Group
 4.HaqsBay Automobiles, Ltd.
 5.Howladar Yunus & Co.
 6.Pacific Quality Control (PQC)
 7.Japan Solar Tech (Bangladesh), Ltd.
 8.Newaz Nahid Consulting, Ltd.
 9.HNS Automobiles, Ltd.
 10.Haison International



■4月11日(水)バングラデシュ企業との交流会(名古屋)
 https://www.unido.or.jp/coming/5398/
 (国際連合工業開発機関 2018年4月11日)

UNIDO東京事務所は、バングラデシュより優良企業10社の代表が来日する機会を 捉え、
来たる4月11日(水)、名古屋にて「バングラデシュ企業との交流会」を 開催します。

1億6000万の人口を擁するバングラデシュは、過去10年にわたり平均6%台、2017年度
は7.2%と高い経済 成長を遂げており、豊富な労働力とともに旺盛な内需にも注目が
集まっています。

今回来日する参加企業には、自動車、物流、太陽光発電システム、繊維、不動産、コ
ンサルティングを始め、 食品・インフラ・IT・金融など多岐に わたる事業を展開す
る企業グループも含まれています。 企業の詳細については、下記リストをご参照く
ださい。

日本企業とのビジネス提携を希望するバングラデシュ企業と直接交流できる貴重な機
会です。
お気軽にご参加ください。

概要

日 時: 2018年4月11日(水)14:00~17:00(受付開始:13:30)
*事前予約制ではありません。
      14:00~17:00のご都合のよい時間帯に直接会場までお越しください。
会 場: 名古屋国際センター3階第2研修室
主 催: UNIDO東京事務所
後 援: 公益財団法人あいち産業振興機構
     一般社団法人中部経済連合会、中部経済産業局(依頼中)
名古屋商工会議所、ジェトロ名古屋(予定)
参加費: 無料
申し込み:ページの下の参加申込みフォームより申込みください。
※通訳が必要な場合は、スタッフがサポートします。



■Japan IT Week 春 2018 第27回 ソフトウェア & アプリ開発展
 http://www.sodec.jp/About_Haru/About/
 (2018年5月9日(水)~11日(金))

バングラデシュパビリオン/
ICT DIVISION/BANGLADESH COMPUTER COUNCIL/
BANGLADESH HI-TECH PARK AUTHORITY/
BANGLADESH ASSOCIATION OF SOFTWARE & INFORMATION SERVICES

□出展社による製品・技術PRセミナー
 Bangladesh-Japan IT Collaboration ICT Division Bangladesh
 5/9(水) 11:30~12:30



■映画を配達!バングラデシュで「未来の青写真」計画
 初めて任意団体を創ります!
 https://www.huffingtonpost.jp/abroaders/bangladesh-2018-0308_a_23377182/
 (ハフィントンポスト 2018年03月08日)

 私が大学生だった頃にニ度ドキュメンタリーを撮りに来て、「もう一作、ここで!」
と思い舞い戻ったバングラデシュ。そして三度目にここへ来た時に巡り遭い、以来大
好きになってしまったもの......それは、たった一作にはまとめきれない根深い問題
を抱えた、チッタゴン丘陵地帯と少数民族ジュマの人々でした。
 紛争の歴史、民族と宗教、政治や軍事問題などが複雑に絡み合い、土地・人権問題
や襲撃・レイプ事件も起き続けている土地。そのせいで、どこよりも物事が進めづら
い地域ですが、喜び、悲しみ、ここで起こることすべてを共有していきたいという私
の夢はふくらむばかりです。
 「この場所で、長い時間をかけて......」そう思った時、心の中で思い起こした、
かつての夢がありました。それは「映画」に触れる機会の少ない地域や子どもたちに、
それを届ける活動をすることです。
 バングラデシュには、貧しくて不便な生活を強いられながらも自国に強い誇りをも
つ人もいれば、自己中心的な考えの大富豪ファミリー、海外カブれ、汚職にまみれた
人々もいます。それに、自国に対して冷めた目線のジュマ(少数民族)の人々、マジ
ョリティーのベンガル人でも路上や田舎で貧しく暮らす子どもたち、理不尽な境遇に
置かれた女性など......「ここでは自由な未来を描けない」と、悟るような生き方を
してる人たちもいます。その環境は容易に変えられるものではありませんが、光を見
つめ、未来に少しでも希望を思い浮かべてほしいなと思うのです。
 そんな想いで始めるのが、彼・彼女らのために贈る「映画を配達すること」「未来
の青写真」計画。

 初めて任意団体を創ります!「Neel Chobi/にぃるちょび」

 この3年半のあいだ、映像作家としての活動、カメラ教室のカメラ募集、クラウド
ファンディング、写真集制作、現地での衝突事件や自然災害時に緊急支援の呼びかけ
など、どれも個人名義でやってきました。個人でやるほうが身軽でいいと思うことも
あれば、力不足に思う悔しさもどこかにありました。何か力になりたいと言ってくだ
さる方々にも、分かりづらい在り方で......そこで、今回のアクションを起こしまし
た。
 団体名のちょび(Chobi)はベンガル語・チャクマ語共に「写真」「映画」「絵」
などのことです。カメラと一緒にこの国にやって来た私にとって、最も親しみ深い言
葉です。にーる(Neel)は、これまた両民族語共に「青」。にぃるちょび(Neel
Chobi)として、青い写真、つまり「未来の青写真」という意味を込めました。
 素敵な映画を観たり制作したりすることで、子どもたちや周りの多くの人たちに、
未来を描く元気な気持ちやヒントを与えられる場にしたいと願っています。

 ▼私がバングラデシュの映画事情について書いた過去記事
 映画館が危険な場所なんて嫌だ!バングラデシュの映画事情(リンク)
 https://www.abroaders.jp/client/article-detail/1590


 さて、ここまでが最新の話で、ここから少し遡って、ある出会いの話をしたいと思
います。
 昨年、私自身が青写真を描いた瞬間から、周りに素敵な人たちが現れました。

 昨夏、ダッカでのすきやき会
 昨年の夏、素敵なお呼ばれがありました。会に私を誘ってくれた日本人女性は青年
海外協力隊での任期満了後にバングラへ戻り、現地で働きベンガル人の男性と結婚さ
れた方。その時点では、彼女とも以前お仕事で一度メールを交わしただけの間柄でし
た。
 生卵を食すことは珍しく、またお肉を薄切りにする習慣がないバングラにあって、
すきやきは、日本かタイから輸入できた時にだけ食べられるありがたいお料理です。
そんな「上を向いて歩こう」という名の会の主催者は、ミドリムシビスケットと
GENKIプログラムで有名な「ユーグレナ」の事業開発部長さんでした。
 ユーグレナさんは、日本でドキュメンタリー制作の会社にいた頃からとても興味が
ある会社でした。このすきやき会でついにご縁があり、チッタゴン丘陵地帯や少数民
族にまつわる私の話を熱心に聞いてくださり、また私が日藝出身であることを伝える
と、なんと聞き覚えのある名を口にされました。
 「教来石 さおり」さん。映画学科の先輩で、カンボジアで移動映画館の活動をさ
れている方です。以前からお名前は何度も聞いたことがあり、私の志す活動にリンク
しました。

 念願のミーティング!先輩にお会いして
 初対面を予定していた日の朝に私が急性胃腸炎で入院するなどのトラブルもありま
したが、今年1月中旬に日本で、その3人でお会いすることができました。左が先輩
の教来石さん、真ん中がユーグレナの佐竹さん、そして右が私です。

 『ゆめの はいたつにん』という本
 実際にお会いする前、私は先輩の著書『ゆめの はいたつにん』を読んでいました。
この一冊の前半は、どこか自分のことを読むような気持ちで、後半は先輩の背中が希
望を見せてくれるような......。そんなシンクロ感と先輩の偉大さを感じて嬉しさが
こみ上げました。

 先輩は私のABROADERS記事も読んでくださっていました。そんな私たちは、出会っ
てすぐ「バングラの子どもたちに映画を届けよう」という話でまとまりました。

 World Theater Project
 これから私が共に活動するのは、先輩とその仲間たちの「World Theater Project」
(WTP)という団体です。彼らの活動拠点はカンボジアでしたが、カンボジア以外の
子どもたちにも夢を届けたい、と先輩たちが願いの範囲を広げようと考えていた頃に、
私たちは巡り遭いました。

 ここでは書き尽くせないWTPの活動はHPをご覧ください。
 □World Theater Project(外部リンク)
  https://worldtheater-pj.net/


 先輩たちの存在の頼もしさや参考にできる前例はあれど、バングラではまたバング
ラならではの問題が発生することは想像がつきます。宗教、民族、言葉の異なりや相
容れない対立、そして外国人入域制限などが、今後の障壁となって私たちのプロジェ
クトに立ちはだかることでしょう。
 一例として、日本でのミーティング中(先輩とはウマが合いまくって、すっかり仲
良しに)、こんな一幕がありました。ある素敵な一作品をバングラへさっそくもって
行けるという話になったのですが、その物語にはブタが神様 として登場するのだと
か。それは、イスラム教徒90%のイスラム教国バングラデシュではあり得ない......。
作品の権利がいただけるという、何よりありがたいことなのに、そうした理由で上映
は断念という、とても惜しい話です。

 『映画の妖精 フィルとムー(The Cinema FILL and MOO)』
 バングラで上映できることとなった最初の一作「フィルとムー」(上映時間8分)
は、クレイアニメで作られた、とても可愛く、かつ凝ったお話です。
 最初ひとりぼっちだった主人公フィルが、突然現れた陽気なムーと、スクリーンの
中に飛び込み、映画の歴史を辿るような旅に出るお話です。ふたりの冒険が楽しそう
で、観ていてとても嬉しい気持ちになるのですが、最後にちょっと寂しさもこみあげ
てきます。「寂しい...でも、大丈夫。きっと!」そんな希望を感じます。
 その後も観る度、何度も胸があつくなる作品です。そこには、ストーリーの背景に
ある制作者の意図や、愛情、記憶、温もりあるメッセージが宿っていました。私が歓
声をあげて笑ったシーンでは、「なっちゃん、カンボジアの子どもたちと同じところ
で笑った」と微笑まれました。バングラデシュで上映する日が(心配もあるけれど)、
楽しみです。

 見たいのは、こんな風に上を向く「45」の笑顔
 懐かしい、初心を思い返す写真。これは日芸映画学科の友人が、チッタゴン丘陵地
帯に来て写してくれた少数民族の子どもたちです。
 今年1月もマルマ民族の女の子ふたりが多数派民族の軍人によりレイプされ、まさ
にこれを書いている今週、療養中の病院から無断で連れ去られてしまうという事件が
起き、その言い争いの最中にあります。
 あまりの理不尽な状況に、以前ロヒンギャ問題で縮小された仏教徒の祭の記事(過
去記事リンク)を書く時もさんざん悩んだように、今、本当に映画プロジェクトのこ
とを書いてもいいのかと悩む自分もいます。でも、自分をごまかすような記事は書き
たくないし、かといってダイレクトに事件を記事にすることもできないのが現在の私
の立場です。心の中で、事件に対して「またか......」と落胆、憤りを感じつつも、
直接介入は「この先、この場所のすべてに関われなくなる可能性もある」と、とても
歯がゆい想いです。
 上に「45」と挙げたのは、バングラデシュに暮らす少数民族のおおよその数で、こ
こに多数派のベンガル人と、今は、ロヒンギャ難民の子どもたちもバングラ側にいる
ので、47かな!(写真下)

 絶対「吹き替え版」で!
 先輩と最も熱く確認し合ったのは、映画のセリフを現地語に訳し、吹き替え、映画
を届けることの意義。移動映画館自体は珍しいものではありませんが、少数民族の胸
の内を知る私がやるのだから、絶対現地語(ベンガル語)に加えて少数民族の母語で
なければならない、と思っています。さすがに47はちょっと難しいけれど......、多
数派じゃない存在にも誠意と尊敬を示したいから。
 ということで、吹き替え作業も、大きな挑戦となります。
 子どもの頃からほぼすべてを母語の日本語で観たり聞いたりできた私たち日本人に
とって、翻訳なし(字幕すらない)で映画を観るチャンスしかないという環境や、ま
た母国語と母語が異なることでの苦悩や寂しさは、想像しがたいもの。だからこそ、
最大限に「映画」を届けたい。
 すぐにはできないことばかり、だけれど、これからも時間をかけて、ずっと、やっ
ていこう。



■≪ビジョン≫外部組織と連携、共生研究橋渡し 大橋正明所長
 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28366810Q8A320C1TCN000/
 (日本経済新聞 2018年3月21日)

 非政府組織(NGO)や国際赤十字などでバングラデシュの国際協力の現場で主に
活動してきました。グローバル共生研究所ではこの経験を生かして、貧困や紛争の原
因や構造について考え、ワークショップなどを通じて社会課題に対する良質な問いを
提供します。社会的弱者に寄り添いながら、グローバルな視点で一緒に生きていける
人材を育てたいと考えています。
  聖心女子大は昔から社会貢献に熱心です。当研究所は研究活動や他大学との合同
プロジェクトなども進め、共生研究の橋渡し役を担っていきます。
 今後は学部や大学院、外部組織と連携して、政府開発援助(ODA)や国連が進め
る「持続可能な開発(SDGs)」のほか、ジェンダーや地域社会、障害者といった
課題でも成果を出していきたいと考えています。



■バングラデシュの医療事情と日本からの寄付の実態を考える
 https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagitaemmy/20180301-00082192/

□バングラデシュという国
インドの東側に位置し、親日国として有名な東アジアの地、バングラデシュで201
6年7月に残酷な事件(ダッカ・レストラン襲撃人質テロ事件)が起き、日本人7人
を含む尊い命が奪われたことは、いまだ記憶に新しい。あの日を境に、日本人が現地
に入国することが規制され、簡単に立ち入れない国の一つとなった。親日国と名高い
バングラデシュでの事件は我々日本人も大きな衝撃を受けた。

ダッカ襲撃テロ事件
 出典:外務省
 バングラデシュの国土面積は14万7000Km2(日本の約4割)、人口は約1億6千万人で
あり、人口密度世界第7位。都市国家を除くと世界で最も人口密度が高い国である。

バングラデシュ人民共和国
 出典:外務省
 世界の人口密度ランキング
 出典:世界経済のネタ帳

あの日が来るまで私は年に数回、バングラデシュの第二の都市チッタゴンに赴き、”
日本式の検査技術”を現地の医療スタッフに伝授する仕事をしていた。

□凄まじい医療格差
訪れた大学病院で最初に目にしたのは、病院の廊下のあちらこちらで泣き叫ぶ人々の
姿だった。患者の親戚全員が集まり、病院内で泣き叫ぶことが日常の一場面。 「病
院で死ねること」はとても有難く、「恵まれたこと」であり、身内皆が集まり「病院
で」死者を送り出すことが重要だそうだ。
バングラデシュの医療状況は、まさに「格差」。個人が開業しているクリニックでは
最先端の装置が導入されており、質の高い試薬と装置で検査や治療を受けることがで
きる。富裕層の患者がターゲットだ。その一方で、公の施設である大学病院では、資
金不足、人材不足、物資不足であり、最低限の医療を行う場所となっており、貧困層
の受け入れ場所となっている。

□貧困層を受け入れる公立病院の日常
公立の医療機関では、貧困層の人々があふれていた。広い部屋に、ベッドが数台並び、
そこに人々があふれている。ベッドの数と病室内にいる人の数が合わない。床に横た
わる人で歩くスペースも無い。
当時、私が勤務していた日本の大学病院とチッタゴンの大学病院のベッド数はほぼ同
等で約900床。日本の大学病院のベッド稼働率は80~90%つまり入院患者数は720~
810人であるのに比べ、チッタゴンの大学病院の入院患者数は約2000人だ。枕もない
ベッドの上で横たわる患者と、床に横たわる人々。彼らは患者の付添人ではない。床
に横たわる”患者”だ。ベッドの料金が払える人と払えない人の差だ。

□劣悪な医療環境を見た
「ここは、がん患者専用の病室だ」と案内された部屋のドアは無く、他の病室とは布
1枚で仕切られている。この布1枚こそが、彼らが「特別な病室」と扱われている証
である。免疫力が低下している患者にとって、感染症対策は全くとられていない。特
有の薬剤臭が鼻をつく。だが、その公の医療機関で治療を受けることすらできない貧
困な人々もいる。「医療機関で死ねる」ことは、「有難い」こと。床であっても、十
分な治療を受けられなくとも、「病院に入院した」ことは彼らのステイタスになる。
使用済みの薬品瓶が無造作に放置されている。患者は汚れた衣類をまとい、ベッドに
横たわり、ぼんやりと天井を眺めている。医療スタッフは言う。「病院でがん治療を
受けられている患者は幸せです」と。彼らの言う、がん治療とは何なのだろう。
手術室と紹介された部屋には木製のドアがあり、ドアを開けると中は、他の部屋と同
じ。普通の部屋にベッド1台と、メスが置かれた小さな机があるのみ。滅菌、消毒と
いう概念は無さそうだった。

□寄付品の末路
検査専用室では、十年前の日本で日常的に使われていた装置が広い場所を占領してい
た。スタッフは自慢げに「日本の機関が寄贈してくれた装置だ。すごいだろう。」と
言う。しかし、稼働していない。装置に使用する試薬、器具などの消耗品が購入でき
ず、そのまま放置され、さび付いていた。装置が故障すると、自分たちでは直せない。
専門家に直してもらう費用もない。そのため、壊れたままの状態で放置され続ける。
そんな装置たちがどの部屋にも置いてある。ただ「日本から贈られたものだ!」とい
うためだけに、そこに置かれているように思えた。
これが真実だ。

□本当に必要なものを

・・・違う。
彼らに必要なものは、高価な装置ではない。流行りの検査方法ではない。「買えない
ものを買ってあげる」ことが必要なのではない。彼らの力で継続できるシステムと、
現場の患者に合った検査方法と治療システムを構築することだ。
彼らは「made in Japan」に強い憧れを持っていた。彼らにとってはお宝であるが、
これらの寄贈、寄付は果たして彼らに何をもたらしているのだろうか?
現地の状況、現地の事情を調査し、把握したうえで、現地の人々が継続していけるこ
と、それに必要なものを寄贈して欲しい。それらが我々の税金が使われたものだとす
れば、なおのことである。無意味な無駄遣いだけは、避けてもらいたい。
我々は、何十年も前に日本で活躍していた半自動の検査装置を日本国内で探し出し、
バングラデシュに贈った。
説明書を見ながら、現地の工具屋で工具を調達し、
現地のスタッフたちとともに修理をし、使用方法を教えた。

その装置は現在も、バングラデシュで動いているそうだ。
新しい装置を設置する代わりに、病室にドアを設置してほしい。
高価な試薬の代わりに、手術室に十分な量の消毒液がほしい。
彼らの現状を知ってほしい。彼らに必要なものを知ってほしい。



■バングラデシュ、印・露と原発建設で覚書 人材育成などで合意
 https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180316/mcb1803160500016-n1.htm
 (SankeiBiz 2018年3月16日)

 バングラデシュは、同国初となる原子力発電所の建設計画に関し、インド、ロシア
との間で新たな3国間の覚書を締結した。人材育成や民間企業の参加について合意し
たもので、バングラデシュとロシアが2011年に合意を結んで以降、同計画に第3
国が関わりを持つのは初めてとなる。現地紙デーリー・スターなどが報じた。
 首都ダッカの北方約200キロにあるルプールに原発を建設する同計画は、総額1
26億5000万ドル(約1兆3400億円)とされる。発電容量120万キロワッ
トのロシア製原子炉2機を設置する予定で、1号機は23年、2号機は24年の稼働
開始を目指している。昨年11月には発電所本体の本格的な工事も始まった。
 今回の覚書は、ロシアの国営原子力会社ロスアトムとバングラデシュの科学技術省、
インドの原子力省の代表者がモスクワで署名した。ロスアトム幹部によると、3カ国
による原子力人材育成面での協力のほか、計画の実行に関するロシアの契約業者とバ
ングラデシュ、インドの専門家の協力関係などについて定めているという。
 また、インドの民間企業による建設作業への参加や部品・設備の供給などを認める
内容も盛り込まれた。インドのモディ首相は、15年にバングラデシュを訪れて同国
政府との間で民間の原子力サービス分野での協力に合意している。今回、この合意が
一歩進んだ格好だ。バングラデシュの専門家は同国の原子力の技術水準がまだ低いと
し「インドはこの分野でバングラデシュにずっと先行しており、ロシアとの間で原発
建設の実績もある。両国の関係に加わることで学べることも多い」と述べた。
 バングラデシュは経済成長とともに電力需要の拡大が続き、現在の900万キロワ
ットから30年までに3500万キロワットまで増えると見込まれている。現在の主
要な電源は自国産天然ガスを利用する火力発電で総発電量の約65%を占めるが、安
定的な電力供給を目指す政府は電源の多様化を図っている。(



■バングラデシュ首相が来星、複数の協定を締結
 https://www.asiax.biz/news/46098/
 (AsiaX 2018年3月13日)

 バングラデシュのシェイク・ハシナ首相のシンガポール公式訪問に合わせ、両国は
3月12日、複数の協定・覚書を交わした。経済関係を強化する。
 シンガポール国際企業庁(IE)は、バングラデシュの官民パートナーシップ庁
(PPPA)と了解覚書を締結した。都市開発やエネルギーなど、バングラデシュにおけ
る官民連携インフラ整備事業にシンガポール企業が直接参加するための便宜をPPPAが
図る。
 イスタナ(大統領府、首相府所在地)で行われた署名式には、ハシナ首相とリー・
シェンロン首相が立ち会った。同日の歓迎晩さん会でハシナ氏は「シンガポールには
資本、先端技術があり、バングラデシュには若い、教育を受けた労働者が豊富にいる。
互いの強みを生かし相互の利益を図ることができる」と挨拶した。両国は航空協定も
交わした。互いに旅客・貨物便の運航本数と以遠権を拡大する。
 IEは13日には、ビジネスフォーラムでバングラデシュ投資開発庁(Bida)と覚書を
交わす。Bidaはシンガポール企業のバングラデシュ進出を助け、免許・優遇措置申請
を手伝う。行事も共催する。
 バングラデシュは急速に経済が発展しており、電力、エネルギー、運輸・物流、港
湾などの領域でインフラ需要が急増している。



■バングラデシュ、物価上昇で生活難 労連、最低賃金の3倍増を要求
 https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180305/mcb1803050500009-n1.htm
 (SankeiBiz 2018年3月05日)

 バングラデシュは、主要産業の衣料品製造業の労働者が最低賃金の大幅な引き上げ
を要求している。衣料労働者連盟(SGSF)の幹部は、同国政府が管轄する最低賃
金委員会に対して月額1万6000タカ(約2万400円)を要求する書面を送付し
たと明かした。現在の最低賃金である5300タカから3倍増となる要求だ。現地紙
デーリー・スターなどが報じた。
 同国の衣料品製造業は400万人が従事し、産業規模が280億ドル(約2兆96
00億円)とされる。現在の最低賃金5300タカは、2013年のラナ・プラザ崩
落事故などを受けて労働条件の改善が叫ばれた結果、それまでの3000タカから7
6%引き上げられ、14年1月から実施された。
 SGSFなどは、物価上昇が続いており、現在の最低賃金の水準では労働者が最低
限の生活を営めないと主張する。首都ダッカに本拠を置くシンクタンクの南アジア経
済モデリング・ネットワークによると、16年の賃金労働者が1人いる3人家族の平
均支出は1カ月当たり7701タカで、最低賃金を大きく上回ったという。
 また、繊維・縫製業の国際労働団体のアジア最低賃金同盟(AFWA)は、バング
ラデシュで最低限の生活を営むために必要な賃金水準を月3万7661タカと指摘し
ており、現在の最低賃金との開きは大きい。こうした数字を受け、専門家からは物価
の変動を考慮した最低賃金体系の構築が必要との声も上がっている。
 一方、雇用者は、最低賃金の大幅な引き上げは経営危機につながると主張する。あ
る工場経営者は、最低賃金が引き上げられれば、それに応じて生産目標を引き上げざ
るを得ないとし「最低賃金を決定する際には企業の経営状況も考慮されてしかるべき
だ」と訴えた。



■ベトナムとバングラデシュ、20年に貿易額倍増目指す
 https://www.viet-jo.com/news/politics/180307082144.html
 (ベトジョーベトナムニュース 2018年3月07日)

 バングラデシュを訪問したチャン・ダイ・クアン国家主席は5日、同国のシェイク・
ハシナ首相と会談した。両首脳は、人口が多く若い労働力に恵まれているという両国
の強みを生かして経済協力を進め、2017年の貿易額約9億USD(約950億円)を2020年に
は2倍に拡大させる目標に取り組むことで一致した。
 両首脳は、繊維・縫製、革靴製造、革なめし、食品加工、医薬品製造などの分野で、
合弁企業の設立など協力の可能性について意見を交換した。また、両国間の直行便の
航路開設を促進することで合意した。
 ハシナ首相は、ベトナム企業がバングラデシュへの投資を拡大するために便宜を図
ることを約束。農業の生産効率を高める技術を導入するため、ベトナムとの協力を希
望すると表明した。
 両首脳はまた、国防・安全保障、教育、観光、文化交流などの分野での協力強化、
国際会議などでの良好な協力関係の維持、双方が関心を持つ国際状況に関する意見交
換などを進めることで合意。南シナ海における航海・航行の自由、平和、安定、繁栄
の推進を支持することも確認し合った。



■バングラデシュ 年内にドミノ・ピザ1号店 印外食大手と合弁会社
 https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180322/mcb1803220500004-n1.htm
 (SankeiBiz 2018年3月22日)

 バングラデシュは、外国のファストフードチェーンの進出が相次いでいる。現地紙
デーリー・スターなどによると、米宅配ピザ大手のドミノ・ピザが今年、首都ダッカ
に1号店をオープンさせる予定だ。バングラデシュに進出する米国のピザチェーンと
しては、ピザハット、ピザイン、スバーロに続く4番目となる。
 ドミノ・ピザの運営は、地場複合企業ゴールデン・ハーベストとインド外食大手ジ
ュビラント・フードワークスの合弁会社ジュビラント・ゴールデン・ハーベストが行
う。出資比率はゴールデンが49%、ジュビラントが51%で、材料調達などをゴー
ルデン、店舗や物流などをジュビラントが担当するという。
 ジュビラントは3月初旬時点で、インド国内でドミノ・ピザを1128店、ダンキ
ン・ドーナツを43店、運営中だ。ドミノ・ピザについては、インドに加えバングラ
デシュ、スリランカ、ネパールでのフランチャイズ権を保有しており、2年前からゴ
ールデンとバングラデシュ進出に関する交渉を行ってきたという。
 ジュビラントの幹部は、バングラデシュの人口が世界8位(約1億6000万人)
と多く、密集度が高いうえに構成も若年層が中心であることから、同国市場がドミノ・
ピザにとって大きな成功の可能性を秘めていると主張する。「われわれの運営ノウハ
ウとゴールデンの市場分析力が合わされば、バングラデシュの外食市場で上位に食い
込める」と述べた。
 また、ゴールデンの幹部は「バングラデシュ国内の市場調査を行い、ピザが今後拡
大していくとの確信を得た」と強調し、ドミノ・ピザの成功に自信を示した。同社に
よると、合弁会社の資本金は1億タカ(約1億2800万円)で、今後はまず1億5
000万タカを投じて物流整備などを行う方向だ。
 バングラデシュは近年、欧米系外食企業の進出が続いており、2017年には米ハ
ンバーガーのバーガー・キングとジョニー・ロケッツも旗艦店をダッカにオープンさ
せた。一方、バングラデシュ国内では、子供の肥満増加などを理由に、外食市場に何
らかの規制が必要だとする意見も上がっている。(ニューデリー



■バングラデシュ=LNG輸入国に名乗り
 https://www.rim-intelligence.co.jp/news/select/category/AsianViewPoints/article/631238
 (エネルギーニュース 2018年3月23日)

 南アジア地域では2018年4~6月期に、液化天然ガス(LNG)の需要が大きく伸びそう
だ。4月末から、バングラデシュがLNG輸入国としてインドやパキスタンの仲間入りを
するためだ。バングラデシュはまず、カタールからの長期契約分として年間250万ト
ンの受け入れを開始。その後、スポットカーゴの輸入も始める。バングラデシュは、
カタールガスを始め、多くの供給者と輸入契約を結んでいる。
 昨年9月、バングラデシュは年間250万トンの長期契約を締結。最初の5年は年間180
万トン、その後は250万トンをカタールガスから調達する。国営ルパンタリタガス会
社が2017年始めに関心表明書を出したところ、およそ40カ国がLNGの供給に関心を示
した。同年後半、同社は複数の企業とスポットカーゴの供給を受ける契約書を交わし
た。
 バングラデシュ第2の浮体式LNG受入基地(FSRU)建設について、同国は昨年4月にサ
ミットグループと最終合意に至った。同グループは、基地の建設、所有、運営、移動
などについて15年の契約を勝ち取った。モヘシュカリ(Moheshkhali)に建設される
FSRUは、日量50万立方フィートの再気化天然ガス(RLNG)をペトロバングラに供給。同
社はサミットグループに対し、100万立方フィートあたり45セントで販売する。
 最初の1年、同FSRUの稼働率はおよそ50%で、2019~20年には両FSRUともにフル稼働
となり、長期およびスポット契約によってLNGの輸入が本格的となる。



■LNG世界需要、7割吸収 輸入国、10年で倍増 中国躍進、南アジア浮上
 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28377120Q8A320C1FFE000/
 (日本経済新聞 2018年3月21日)

 アジアで液化天然ガス(LNG)の輸入国が急拡大している。タイやパキスタンな
どが続々加わり、過去10年で10カ国・地域以上に倍増。中国やインドも消費を増やし、
世界需要の7割をアジアがのみ込む。各国の経済成長に加え、導入コストが安い船舶
式輸入基地の普及も背景にあり、LNG関連企業に商機をもたらしている。
 「LNGによる発電施設を併設し、給電を安定させる」。インドネシアのジャワ島
東部で工業団地を開発中の複合企業AKRコーポリンドのハリアント・アディクスモ
最高経営責任者(CEO)は意気込む。
 2012年からLNGの国内消費を始めた大型輸出国のインドネシア。しかし、日本な
どと長期の輸出契約を結んでいるため国内消費分を輸入せざるを得なくなった。本格
的な輸入開始に向け、米国の資源大手などとも調達契約を重ねている。
 東南アジアでは11年にタイが地域で初めて輸入を開始。上位輸出国の常連マレーシ
アも輸入を始めた。同国やインドネシア、ブルネイは輸入国トップの日本や韓国など
への輸出に長く応えてきたが、ガス燃料の内需拡大に伴い地域のLNGの流れに変化
をもたらす。
 英BPの統計によると06年に日本、韓国、台湾、インド、中国の5カ国・地域だっ
たアジアの輸入国は、16年に「その他」に含まれる国も入れた10カ国・地域以上に急
増。世界需要に占めるアジアの比率は64%から70%に高まった。アジア域内で計86%
を占めた日韓のシェアは63%に縮み、新参組が存在感を高める。
 目立つのは中国の躍進だ。同国の統計では17年の輸入量が韓国を抜き、世界2位に
浮上。30年に首位に立つとの試算もある。06年の輸入開始からわずか10年。特に最近、
中国政府が発電燃料を石炭から環境負荷の少ない天然ガスに切り替える方針を掲げ、
LNG輸入に拍車がかかっている。
 米LNG事業会社シェニエール・エナジーは2月、中国石油天然気集団(CNPC)
向けに、両国間で初の長期輸入契約を締結したと発表した。
 04年に輸入を始めたインドも世界4位に浮上。マレーシアの国営石油会社ペトロナ
スは同月、インド向けで初のLNG供給契約を結んでいる。
 今後の輸入国の伸びしろは東南アジアや南アジアだ。パキスタンの商都カラチのカ
シム港。1月、三井物産などが運営する浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備(FSRU)
が商用運転を始めた。見た目は全長300メートルの輸送船だが、LNGの受け入れか
ら貯蔵、再気化を一手に担う。
 FSRUは主に国外の造船所で建造するため、陸上基地に比べ、物流や治安情勢が
不安定な新興国でも採算リスクが低い。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGM
EC)によると、750億円程度の陸上基地に比べ、FSRUなら新設で250億円前後、
既存LNG輸送船の改造だと80億円程度で済む。
 船舶型の輸入基地は「アジアで20基以上が建設・計画中の段階にある」(JOGM
EC)。バングラデシュは18年内の輸入開始を目指し、FSRUを設置。ミャンマー
やフィリピンもFSRUを利用してLNGを輸入する方針だ。



■サイサン、バングラでLPガススタンド開業
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27938090Z00C18A3L72000/
 (日本経済新聞 2018年3月9日)

 液化石油(LP)ガス販売のサイサン(さいたま市)のバングラデシュのグループ
会社「オメラ・ガスワン」は、同国で自動車向けのLPガススタンドの営業を始めた。
第1号の事業所を首都ダッカに開設。2日に同国の電力エネルギー資源大臣を招き、
記念式典を開いた。

 サイサンは2016年12月、現地のLPガス販売会社オメラ・ペトロリアムと折半出資
でオメラ・ガスワンを設立。産業用や業務用のガス販売、高層集合住宅へのガス導管
供給などを展開している。今回、現地の別の企業が運営するガソリンスタンド内にL
Pガスの供給装置を設置し、自動車への供給を始めた。

 サイサンによると、同国では圧縮天然ガス(CNG)自動車が多く走るが、自国の
天然ガス田が今後15年で枯渇するとみられており、政府がLPガスへの燃料転換プロ
ジェクトを推進している。

 LPガススタンドは同国全土でまだ10カ所ほどしかないが、オメラ・ガスワンはL
Pガス自動車の需要増加を見込み、18年中に30~35カ所のスタンド開設を計画してい
る。



■緬、中国、バングラが電力供給で合同委設置へ
 https://www.nna.jp/news/show/1736125
 (NNA ASIA 2018年3月12日)

ミャンマー、中国、バングラデシュの3カ国は9日、ミャンマーの首都ネピドーで閣
僚・高官級の会合を開き、中国からミャンマー、バングラデシュ両国への送電実現に
向けた合同委員会を設置することで一致した。

ミャンマーのウィン・カイン電力・エネルギー相は中国国家能源局の副局長、バング
ラデシュのエネルギー担当首相付顧問との会合終了後、中国からの電力供給について
「原則的に合意した」と説明。3カ国の合同委員会を近く設置し、送電上の技術的な
問題やコスト負担などを含む話し合いを進めると述べた。

電力・エネルギー省が出した声明によると、今回の会合は、3カ国間で送電網の相互
接続、関連するインフラの開発を行い、電力売買を進めていくことが目的。3カ国が
電力取引で公式会合を実施したのは初めてとなる。

同省は、「(中国からの送電の)開始に向けた十分な協議を行った」としており、今
後設置する合同委員会で実現に向けた具体的な方法を探る。

ウィン・カイン電力・エネルギー相は、「3カ国の計画が実現すれば、国内への電力
供給がより効率的に行える」と前向きな姿勢を示した。

中国はかねて、習近平政権が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の一
環として、雲南省からミャンマー、バングラデシュへの送電を進めたい考えを示して
いた。雲南省では電力の85%を水力で発電しており、中国東部やベトナム、ラオスへ
も余剰電力を送っている。

雲南省からバングラデシュへの送電はミャンマーを経由することになるため、3カ国
での協議を進めたとみられる。



■バングラデシュ ラジシャヒ大学の学長を本学教授が表敬訪問しました
 http://www.kyutech.ac.jp/whats-new/topics/entry-5308.html
 (九州大学 2018年3月13日)

 バングラデシュでダッカ大学に次いで2番目に大きいラジシャヒ大学のムハンマド・
アブダス・ソブハン学長を、本学の小田部 荘司教授(情報工学研究院電子情報工学研
究系)が2018年3月に表敬訪問しました。

?本学はラジシャヒ大学と昨年度に大学間交流協定を結んでおり、小田部教授はミジ
ャン・ウッディン前学長を訪問しています。前学長と変らず様々な交流を続けること
ができるように、さくらサイエンスプランの件を含めていくつかの会議を行ないまし
た。今後の、両大学の交流がさらに発展することが期待されます。



■中印、アジア覇権争い激化 ハードインフラから金融まで囲い込み
 https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180313/mcb1803130500009-n1.htm
 (SankeiBiz 2018年3月13日)

 アジア地域で地政学的な影響力を確保しようとする中国とインドは、物理的な基盤
(ハードインフラ)から金融資産まで、その覇権争いの場を拡大している。ネパール
やミャンマーなどアジアの小国を舞台に競う中国、インドはともにバングラデシュの
ダッカ証券取引所(DSE)の株式25%をめぐる入札に応じ、中国勢がインドに競
り勝った。ブルームバーグ・ニュースが関連資料を確認したところ、ダッカ証取の株
式入札では深セン証券取引所がおよそ1億2000万ドル(約128億円)で応札し、
インド国立証券取引所(NSE)の8200万ドルを上回り最高入札者となった。入
札結果はバングラデシュの規制当局による最終承認待ちとなっている。

 ダッカ証取落札

 深セン証取はさらに約4000万ドル相当の技術支援や訓練などの支援策も打ち出
したほか、債券、資産担保証券(ABS)、デリバティブ(金融派生商品)と、取扱
商品の多様化や規制上の問題に関するセミナー開催の支援も申し出ていた。対するイ
ンド側は追加サービスは切り離して交渉する意向だった。

 中国政府は前々からアジア地域のハードインフラに多額の投資を行っている。だが、
周辺国・地域に大規模な投資をして港湾や鉄道、道路など広大なインフラ網を整備す
るという現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の一環として、周辺国とより緊
密な経済関係を目指す中で、中国の国有証券取引所が海外の証券取引所にも投資して
いる。

 完全包囲の長期戦略

 米ハドソン研究所の南・中央アジア担当ディレクターで、パキスタンの元駐米大使
だったフセイン・ハッカニ氏は「中国はアジアでライバルになる可能性のある全ての
国を完全包囲する長期戦略を実行している。この戦略には、南アジアの国々で経済的
な優位性を追求することも含まれ、証取への入札はそうした計画の一環だ」と説明し
た。

 中国勢によるアジア証取の株式取得は今回が初めてではない。2016年のパキス
タン証取の株式40%をめぐる入札でも上海証取、深セン証取などからなる中国企業
のコンソーシアムが選ばれ、今回のダッカ証取の入札はこれに続くものだ。さらにフ
ィリピン証取のラモン・モンゾン最高経営責任者(CEO)は昨年10月、深セン証
取と出資をめぐって協議したことを明かしている。

 北京理工大学の胡星斗教授(経済学)は「中国の証取は皆、国有企業だ。彼らは増
大する中国の資金力を象徴しており、今回の株式取得に向けた動きは一帯一路沿いの
国々で中国の資金影響力が拡大していることを示している」と語った。

 中国政府はかねてより「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)」に500億ドル
余り相当の投資を計画しており、スリランカ南部ハンバントタ港の建設を援助した。
習近平国家主席は16年にバングラデシュを訪問した際、主にインフラ整備を目的と
した200億ドル規模の低利での融資供与を発表した。巻き返しを図るインドは、バ
ングラデシュに対し数十億ドルの与信枠とインフラ整備の支援を提供する一方、ミャ
ンマーでのプロジェクトに資金を提供している。

「常に綱渡り状態」

 政策研究所(ダッカ)のエグゼクティブディレクター、アウサン・マンスール氏は
「バングラデシュは地政学的な地雷原を進んでいる。中国、インドと折り合いを付け
つつ、常に綱渡り状態にある」と話した。

 政治リスクのコンサルティング会社、ユーラシアグループのアジア担当ディレクタ
ー、シャイレッシュ・クマール氏は、証取への出資で中国は物理的なものから金融イ
ンフラへと影響力を伸ばすことになり、ゆくゆくは中国が世界基準に影響をもたらし
得ると指摘。徐々に出資先の証取の「透明性に影響を及ぼし得る」と語り、特に「上
場基準が弱まった場合」の影響について警鐘を鳴らした。

 クマール氏は「中国とインド両国はハード資産を獲得して影響力を追求していると
予想する向きがこれまでは多かったが、ダッカ証取の状況をみると、中国が実際、広
範な影響力とアクセスに関心を持っていることがはっきりしている。道路や港湾の域
を越えて、中国は自国の哲学や事業のやり方を輸出し、南アジアのあらゆる側面に影
響力を駆使することに関心があると示している」と語った。(ブルームバーグ Ar
un Devnath、Iain Marlow)



■バングラデシュ首相が来星、複数の協定を締結
 http://www.asiax.biz/news/46098/
 (アジアエックス 2018年3月13日)

 バングラデシュのシェイク・ハシナ首相のシンガポール公式訪問に合わせ、両国は
3月12日、複数の協定・覚書を交わした。経済関係を強化する。

 シンガポール国際企業庁(IE)は、バングラデシュの官民パートナーシップ庁
(PPPA)と了解覚書を締結した。都市開発やエネルギーなど、バングラデシュにおけ
る官民連携インフラ整備事業にシンガポール企業が直接参加するための便宜をPPPAが
図る。

 イスタナ(大統領府、首相府所在地)で行われた署名式には、ハシナ首相とリー・
シェンロン首相が立ち会った。同日の歓迎晩さん会でハシナ氏は「シンガポールには
資本、先端技術があり、バングラデシュには若い、教育を受けた労働者が豊富にいる。
互いの強みを生かし相互の利益を図ることができる」と挨拶した。両国は航空協定も
交わした。互いに旅客・貨物便の運航本数と以遠権を拡大する。

 IEは13日には、ビジネスフォーラムでバングラデシュ投資開発庁(Bida)と覚書を
交わす。Bidaはシンガポール企業のバングラデシュ進出を助け、免許・優遇措置申請
を手伝う。行事も共催する。

 バングラデシュは急速に経済が発展しており、電力、エネルギー、運輸・物流、港
湾などの領域でインフラ需要が急増している。



■十車十色、スタートアップEVはニーズで割り切り
 NextCARに挑む 攻防・電動化(3)
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27980720R10C18A3X13000/
 (日本経済新聞 2018年3月15日)

 内燃機関の車に比べて必要な部品点数が6割に減ると言われる電気自動車(EV)
は、小規模なスタートアップ企業にもチャンスをもたらしている。参入のハードルが
下がり、用途や購入者の経済力にちょうど良い性能・価格の車をつくることが可能に
なる。ユーザー自ら生産を手掛ける例も出始め、大量生産の原点である自動車産業は
曲がり角を迎えつつある。

バングラデシュの首都ダッカ。通行人でごった返す道の中央をタクシーが駆け抜ける。
最近、同国で普及しはじめている「R6」と呼ぶ三輪のEVだ。これを現地で生産・
販売するのは日本のEVスタートアップ企業、テラモーターズ(東京・渋谷)だ。R
6は最高時速が40キロメートル。1回の充電の航続距離は120キロメートルだ。

 日本より狭い国土に1億6000万人が暮らすバングラデシュでは、小回りが利き、低
料金の三輪タクシーが普及している。ただし普通は人力。

 R6の価格は日本円にして約20万円と、一般的な人力三輪の6~7倍する。だが、
運転手は人力から電動にすることで以前より早く乗客を目的地に運べる。1日の収入
が増えるうえ、体力的にも楽だ。

 購入者は頭金としてまず約5万円を払い、残りは貧困層向けの融資で知られるグラ
ミン銀行などが提供するローンを組み、働きながら返済する。EV普及では充電イン
フラが課題になるが、駐車場に備え付けた電源で簡単に充電できるので特別な整備は
必要ない。

 競合はある。地元の卸業者が中国から輸入する無名の三輪EVで、テラモーターズ
製は中国製に比べると1割ほど価格が高い。それでも「バッテリーが故障してもすぐ
に修理できるよう教育を徹底」(徳重徹社長)して、支持を得ている。

 川崎市のEVスタートアップ、FOMMは18年末からタイでEVの生産を始める。
水害の多いタイの事情を考え、水に浮く小型EVの実用化を目指す。技術的にはホイ
ールの中にモーターを備える「インホイールモーター」で試作車を作り上げた。「減
速機などが不要になり、部品点数が減る」(鶴巻日出夫社長)ため、効率よく組み立
てることができる。

ユーザー自ら生産・企画も

 FOMMやバングラデシュでのテラモーターズは、年間1万台といった小規模な生
産体制だ。1工場で10万や20万台といった規模が当たり前の大手メーカーとは開きが
あるが、テラモーターズのバングラデシュ事業は16年春の発売から半年で黒字化した
という。

 テラモーターズの徳重社長は「EVビジネスで最も大切なのは『顧客価値』だ」と
強調する。当たり前のような言葉だが、掘り下げるとこうなる。テラモーターズの顧
客層はタクシー運転手。人力からEVにすることで単純に生活収入が増えるというメ
リットが購入の動機となる。それに見合う価格や性能のEVは受け入れられる。

 EVの弱点は電池の性能に起因する航続距離の短さや価格の高さ、充電の煩わしさ
だ。一方で開発の敷居が低い分、それぞれ使い方に合わせて性能を割り切れば経済的
なメリットも出てくる。なかにはユーザー自らが車両の生産や企画に乗り出す例も出
てきた。



■[インド・ロシア・バングラデシュ] インド、バングラデシュの原子力新設支援
 http://www.fepc.or.jp/library/kaigai/kaigai_topics/1257653_4115.html
 (電気事業連合会 2018年3月22日)

ロシア国営原子力会社ロスアトム社、バングラデシュ科学技術省およびインド原子力
省は2018年3月1日、2017年11月に着工したバングラデシュ初となるループル原子力発
電所(VVER-1200型・120万kW×2基)の建設に関する協力の覚書をモスクワで締結し
た。
本覚書は、ロスアトム社の子会社で契約窓口のアトムストロイエクスポルト社、イン
ドおよびバングラデシュの専門家間でプロジェクト遂行に関する協力の骨組みを定め
るもので、特に、運転員の訓練や経験、情報の交換の分野で協力していくとしている。
さらに、本協力覚書により、インドの企業が、建設や据付に協力、また、重要度の低
い機器や材料等の提供も可能になるとしている。
ループル原子力発電所は、2017年2月に営業運転に入ったロシアのノボボロネジII原
子力発電所1号機と同じVVER-1200型原子炉であるが、インドは、その先行機である
VVER-1000型をロシアより導入し、クダンクラム1、2号機(100万kW×2、1号機の営業
運転2014年12月、2号機の営業運転2017年4月)として完成させた経験がある。



■岡山)外国籍の園児 言葉・文化の壁 越える工夫
 https://digital.asahi.com/articles/ASL3H4HZ7L3HPPZB00C.html?rm=227
 (朝日新聞 2018年3月21日)

 県内で生活する外国人が増える中、保育園や幼稚園には様々な国にルーツを持つ子
どもたちが通っている。言葉や文化の壁をどう乗り越えるか。工夫を重ねる保護者や
保育現場を取材し、今後の課題を探った。

 「31、32、33……」

 今年1月、岡山市北区のあゆみ保育園近くの公園。保育士の女性が、竹馬に乗るバ
ングラデシュ国籍のナワル・サミンちゃん(6)の歩数を数えていた。「上手になっ
たね」。他の保育士が声を掛けると、竹馬を握り締めていたサミンちゃんは笑顔を見
せた。

 ログイン前の続き園には現在、両親がバングラデシュ国籍の児童が3人いる。園の
周囲には大学があり、これまでも中国やフィリピン出身の留学生の子どもが通ってい
た。

 書類にひらがなをふったり、イスラム教の戒律に従って調理された鶏肉を給食に使
ったり……。小田睦史園長は「英語ができる保護者に入園に必要な物の一覧を英訳し
てもらったこともある」と話す。「言葉も文化も違うので工夫は必要。お父さんお母
さんたちと手探りで進めている」

 サミンちゃんの母親で、岡山大学院の留学生、ソニアさん(37)は「子どもたち
は保育園が大好きで、安心している」と話す。

 一方で、昨年秋に来日した友人は日本語が苦手で苦労しているという。ひらがなが
読めるソニアさんが書類の内容を教えるなどして助けているが、「園で子どもたちが
楽しく過ごしているか、自分がちゃんと必要な物を準備できているかと心配は多いみ
たい」。

行政の対応必要
 「保育園や幼稚園などにいる外国籍の子どもへの支援は手薄だ」。そう指摘するの
は岡山県立大の佐藤和順教授(幼児教育)だ。小中学校では外国籍の児童を支援する
非常勤の教員を配置する場合があるが、「保育園、幼稚園では実数の調査すらない」
という。

 佐藤教授らは2014年、県内の幼稚園や保育所など736園に「外国籍の子ども
が在籍しているか」を尋ねた。回答した407園のうち、外国籍の児童の在籍歴があ
るとした園は33・9%にのぼった。

 外国籍の児童の対応で困ったこととして「保護者との意思疎通」(33・3%)が
最も多く、次いで「子どもとの意思疎通」(21・1%)。配布物をひらがなやロー
マ字表記にする、保護者に口頭で伝える、といった方法で対応している施設が多かっ
た。「園の要請に対応できる(自治体や公的機関による)支援体制」のほか、「地域
や学生ボランティアとの連携」を求める意見が多かったという。

 佐藤教授は「外国籍園児は増え続ける可能性が高く、園や保護者の努力だけではカ
バーできなくなる」と予想。「国全体で外国人労働者の受け入れを進めている中、保
育施設のための窓口を設置するなど行政の対応も必要だ」と訴える。

園の面談に通訳が同席 総社市
 岡山市保育・幼児教育課によると、園が把握している外国籍の園児や、両親のどち
らかが外国人の園児は昨年4月時点で公立保育園・認定こども園(全52園)に12
0人、公立幼稚園(全60園)に13人いる。

 国籍は中国、フィリピン、インドネシアを中心に約20カ国。生活支援が必要な場
合は約3カ月間、園に保育士を派遣しているという。ただ、認可の私立園については
外国籍の園児の在籍は把握しておらず、保育士の派遣もしていない。

 市内の保育園などで英語の通訳ボランティアをしている女性(51)は「もっと幅
広い行政のサポートがあってもいい」と言う。この女性が立ち会うことの多い入園申
し込みや保護者面談の場では、年収や家庭状況といった踏み込んだ質問も多い。女性
は「突発的に関わるボランティアに詳細を伝えることに不安を感じる保護者もいた。
継続的に関わる通訳を配置すれば、不安も減るのでは」と語る。

 岡山市、倉敷市に次いで外国人が多い総社市では、市の多文化共生推進員のブラジ
ル人、譚俊偉(タンシュンワイ)さん(44)が保育園での面談に同席することが多
い。ポルトガル語が話せる譚さんがいる市の窓口を訪れ、園からの書類の内容を確認
してもらう保護者もいるという。譚さんは「市と園が連携しやすい環境ができている」
と話すが、「サポートがない地域だと園の負担は大きく、外国人の家族は孤立化しが
ちになるのでは」とも心配する。

「実数の把握」で支援考える
 取材した佐藤和順教授は園と行政、地域が連携することで「外国人の家族の孤立を
防ぎ、外国籍の子どもがつまずきがちな義務教育で必要な支援を継続しやすくなる」
と期待します。

 法務省の調査によると、昨年6月末時点で県内に住む0~5歳の在留外国人は61
1人。このうち何人が保育園や幼稚園に通っているか県や市は正確には把握していま
せん。支援について考えるためにも実数を把握する必要を感じました。
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