時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

石原銀行への追加出資:都民の批判はわかっているが賛成するしかない?

2008年03月24日 | 政治問題
「都民に強い批判があるのはわかっているが、賛成するしかない」。経営難に陥った新銀行東京への支援策として、与党の自民、公明の両党が、400億円の追加出資を認める方向に走り出したと報じられている。新たな公的資金の投入に根強い批判があるだけではなく、これまでの審議で再建計画の実現性なども明らかにされないままだ。
不思議なのは、自民、公明両党が都民の批判を十分に認識しながらも賛成するしかないと考えていることだ。
議員は都民の付託を受けて議会に出ているわけだから、その批判を無視してまで、なぜ追加出資に賛成しなければならないのか、まったくわけがわかならい。都民の声に耳を傾けるという、議員としての基本的な姿勢すら失っていると言わざるを得ない。
公明党は、西新宿のホテルの一室に所属する都議22人全員を集め、非公式の会合を開いた。都議会は全議員が125人。48人を擁する与党自民党の多くがすでに追加出資に賛成の意向を示し、公明の判断がカギを握っていた。
「猛烈な批判がある」。都議たちは地元支援者から厳しい意見が相次いでいると訴え、「否決」を提案したが、中嶋義雄幹事長は首を縦に振らなかった。「追加出資がなければ、新銀行は破たんし、融資先の経営が厳しくなる」と主張したという。
融資先の経営が苦しくなるのは困るが、都民の財産である400億円の追加出資が雲散霧消してしまうことには、胸の痛みを感じないのだろうか。銀行を通さずに都の独自の施策として、無担保、無保証人の低利融資などを行えば済むではないか。400億円を追加出資しても、人件費や支店の撤去費用などに充てられてしまうだけだ。これだけのお金があれば、都独自に相当の融資ができる。
行員を4分の1の120人に削減し、1店舗だけでどうやって運営できるのか。本業のもうけを示す業務純益の想定額も試算していない。何年後に、黒字化できるのか。まったく闇の中である。
こんな状態では再建は、夢のまた夢だ。
早々と追加出資に賛成の意向を明らかにした自民党のある幹部は「与党として知事を支援するのは当然。来年夏の都議選で知事の応援も期待している」と話しているという。
ここには、都民の代表者である議員としての自覚や誇りすらない。自らの議席の維持、選挙のことしか頭にない連中に都民の税金を託すわけにはいかない。

最新の画像もっと見る