東京新聞の佐藤直子さんのコラム【【私説・論説室から】上野公園のギンナン】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016120502000146.html)。
《ボランティア団体「赤銀杏(あかぎんなん)会」の石崎克雄さん(70)。…毛布がほしい。ジャンパーがほしい。頭の中を思いが駆けめぐり、紅葉を楽しむ余裕もない。石崎さんの格闘の季節が始まった。 (佐藤直子)》。
『●自公投票者が目指す社会?、「公園の人の命を
支えるためにかけずり回る石崎さんを思うと、情けなくなる」』
「東京新聞のコラム【【私説・論説室から】日照る夏、公園での闘い】…」
《スポーツ飲料は一本百円。各地から寄せられるカンパで買っているが、
暑さの厳しい今年は購入資金も足りなくなっている。かたや同じ東京で、
五年後の東京五輪のために巨額の税金を投じ、最新スタジアムが
建設される。工費や工期でずさんな計画が分かっても、主導した
政治家は失敗の原因追及も責任所在もうやむやにしている。
公園の人の命を支えるためにかけずり回る石崎さんを思うと、
情けなくなる」…(佐藤直子)》
雪降る冬も、猛暑の夏も…《公園の人の命を支えるためにかけずり回る石崎さんを思うと、情けなくなる》。自公投票者が目指す社会って一体どんなモノ?
アベ様の「政」、善政の例が一つも思い浮かばない。一方で、閣僚の悪事ばかりですよね?
消費税増税、ドアホノミクス(©浜矩子さん)、壊憲、TPP・日米FTA,核発電再稼働・輸出、閉じない環と核燃料サイクル死守という自殺行為、ギャンブル中毒法案…。「クーデター」や閣議決定、強行採決。思い出すのは悪政ばかり。例えば、リテラの記事【年金カット法案が本会議でも強行採決、70歳以上の医療費も倍額に! 追い詰められる貧困高齢者】(http://lite-ra.com/2016/11/post-2733.html)によると、《安倍首相は野党からの問題指摘に対し「それで民進党の支持率が上がるわけではないんですよ!」と言い放ち、挙げ句、「私が述べたことを理解いただかないなら何時間やっても一緒だ」と独裁者丸出しの暴言を吐いたが、それを反省するでもなく、きょうもまた強行採決。もはや安倍首相は、反対意見など無視してなんでも強行採決で通してしまうつもりなのだろう。…命にかかわる社会保障費を抑え込み、一方では国家公務員の年収を平均5万1000円増額する改正給与法が参院で成立している。弱い者は「自己責任」の一言で見捨てられ、見殺しにされていく──安倍政権のままでは、そんな恐ろしい社会がどんどんと進んでいくのだろう》。
『●「お零れ」=「甘い利」を大臣本人が直接受け取る!
さすが、秘書任せにせずに「責任感の強い人」!!』
『●「ホンモノの疑惑にメス」は入るか?…
何でも許す倫理観無き「責任政党」と手控える批判精神無きマスコミ』
『●「美学」という名の「醜態」:
ドアホノミクスという難破船・泥船から下船する収賄大臣』
『●「美学」と「醜態」:「企業・団体献金(の禁止)うんぬんに
一直線に問題」を結び付けずにどうするのか?』
『●「甘い利」を得た「収賄=犯罪」の「構図は、単純だ」』
『●「甘利問題の核心は、政治家が口利きの
見返りとして企業から献金を受け取ることが許されていること」』
『●もはや終わった事件? マスコミも与野党議員もお優しいこって
…小沢一郎氏「事件」と大違いだ』
『●なぜマスコミや与党・癒党、民進党はバカ騒ぎしないのか?
口利きの御返し・甘い利はOK?』
『●「沖縄には明らかにおかしな新聞がある。
本当に潰れた方がいい」…自民党には「ロクなヤツがいない」』
『●吸「血税」氏引責と「不適切だが違法でない」…
東京地検が認めなくとも「あっせん利得」は「違法」では?』
『●泥棒に縄(政治資金規正法やあっせん利得処罰法)を
なわせても…「不適切だが違法でない」が続くだけ』
『●甘~い利を得た人が「私の件は決着した」!?:
「冗談」や「馬鹿」も「休み休み」言われたのではね…』
『●高江の皆さん、ご唱和を! 「鶴保庸介沖縄担当相殿、
「無実だと断じることは到底できない!」」』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016120502000146.html】
【私説・論説室から】
上野公園のギンナン
2016年12月5日
ギンナンの詰まった箱が届いた。送ってくれたのは東京都荒川区のボランティア団体「赤銀杏(あかぎんなん)会」の石崎克雄さん(70)。上野公園のホームレスの人々に三十年間、毎朝欠かさず手製の弁当を配っている石崎さんは、秋になると公園のギンナンを各地の支援者に送る。
ギンナンは、ホームレスの人たちが早朝からボランティアで公園を掃除し、道に落ちたのを拾い集める。手が荒れるのをこらえて皮をむき、石崎さんが洗って干すのだ。
今年は秋が短い。東京では早くも十一月に初雪が降った。公園の人々にとっては寒さをしのぐのが大変な毎日だ。手間をかけられたひと粒ひと粒は、厳しい越冬の始まりを知らせる公園からの便りだった。
二〇二〇年の東京五輪を前に、公園は華やかさを増す。フランスの建築家ル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館は世界文化遺産に登録された。一方で、景観にそぐわないとばかり、ホームレスの排除が始まらないか-。今のところ目に見える形での追い出しはないが、石崎さんの心配は尽きない。
夜も明けないうちに起き出して、九十食分の弁当をつくる。自転車で公園に向かい、「元気か」と声をかけながら、一人一人に配り終えるまでは気を抜けない。毛布がほしい。ジャンパーがほしい。頭の中を思いが駆けめぐり、紅葉を楽しむ余裕もない。石崎さんの格闘の季節が始まった。 (佐藤直子)
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東京新聞の記事【開戦75年に考える 悲劇の記憶が蘇る】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016120802000141.html)。
《沖縄は先の大戦で、日本国内で唯一、住民を巻き込んだ凄惨な地上戦の舞台となりました》。
『●中学生を「青田買い」する自衛隊:
「体験入隊や防衛・防災講話」という「総合的な学習の時間」も』
『●自衛隊配備で「住民分断」:
「自衛隊の配備計画…いずれの島でも人々は分断されている」』
「東京新聞の半田滋さんによるコラム【【私説・論説室から】
島を分断する自衛隊配備】…。《「賛成派が新たな職を得て
優遇される一方、反対した人は干され、島を出ている」という。
…自衛隊の配備計画は与那国に続き、奄美大島、宮古島、
石垣島でも急速に進む。いずれの島でも人々は分断されている》」
『●「しかし、沖縄にはいまだ“戦後”は
一度たりとも訪れていない」…安倍昭恵氏には理解できたのだろうか?』
《戦争による悲劇の記憶》が今も色濃く残る沖縄。それを強いた、そして、強い続けている「本土」ニッポン。「ありがとう」「申し訳ない」の一言も無く。そんな沖縄に…沖縄差別できる神経が分からない。沖縄の人々を分断して恥じない「本土」人々の気が知れない。現在進行形の《身代わり》。《反省と不戦の誓いを…沖縄を二度と、身代わりにしてはならない》…アベ様や最低の官房長官=沖縄負担軽減担当相のスガ殿、「差別と断定できない」鶴保庸介沖縄担当相らの鹿さんや馬さんの耳には、東風。脳ミソもトウフ。
『●沖縄差別、その究極の姿:「報道の自由」「知る権利」の
破壊に立ち向かわない「本土」マスコミの差別意識』
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」「事実関係を
無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担』
『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」』
『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見』
『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々』
『●高江破壊と歴史的暴言: 「みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、
無用な衝突を招いている張本人は誰か」?』
『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」
…ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘』
『●前泊博盛さん「在日米軍は、本土から…
ウルトラマンに見えるが、沖縄から見ると怪獣でしかない」』
『●沖縄差別: 「両論併記は比較すべきものでもないものすら
“論”に昇格させてしまう危険なロジックだ」』
『●「どっちもどっち」論と云う暴論の上を行く、
鶴保沖縄北方相「差別だと断じることは到底できない」論』
『●差別の掛算…「権力者が決めたことなのだから
建設計画に従うべき」×「沖縄は黙って受け入れるべきだ」』
『●「沖縄の声に耳を傾けて、理解を得るべき担当相が、
県民を敵視するかのような発言…。もはや失格」』
『●高江の皆さん、ご唱和を! 「鶴保庸介沖縄担当相殿、
「無実だと断じることは到底できない!」」』
『●グッドタイミングな沖縄県警やアベ様、
「負担軽減」相らのヤルことのあまりのアザトさ…「沖縄イジメ」』
『●「民主主義の圧殺現場」としての
辺野古破壊や高江破壊…生活と生態系を根こそぎ破壊』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016120802000141.html】
【社説】
開戦75年に考える 悲劇の記憶が蘇る
2016年12月8日
先島諸島と呼ばれる沖縄県南西部の島々が自衛隊配備で揺れています。蘇(よみがえ)るのは戦争による悲劇の記憶です。太平洋戦争、七十五年前のきょう始まる。
作家、司馬遼太郎さんは四十二年前の一九七四年の四月、先島諸島を訪れています。米軍統治から施政権が日本に返還された「本土復帰」から約二年後のことです。
司馬さんはそれまでに三回、沖縄を訪れていて、四度目となる旅の様子は「街道をゆく」シリーズの「沖縄・先島への道」(朝日文庫)に詳しく記されています。
沖縄は先の大戦で、日本国内で唯一、住民を巻き込んだ凄惨(せいさん)な地上戦の舞台となりました。
今は復元されましたが、司馬さんが那覇を訪れた四十二年前、旧琉球王府の首里城はありませんでした。日本軍が高台の首里を陣地とし<兵も石垣も樹(き)も建造物もこなごなに砕かれた>(「沖縄・先島への道」から引用。以下同じ)からです。
司馬さんにも従軍経験がありました。所属していた戦車連隊は四五年のはじめ、旧満州にいましたが、その後、栃木県の佐野に移駐します。<米軍が関東平野の海岸に上陸し、東京・横浜が戦場になるという想定のなかにわれわれは組み込まれていた>からです。
関東平野で地上戦に突入すれば「本土決戦」に戦局好転の望みをかける日本軍との間で激しい戦闘となることは避けられません。兵士のみならず、民間人にも多大な犠牲が出ていたはずです。
◆「沖縄は身代わりに」
凄惨な事態は<関東平野だけでなく、上陸地として予想されていた中部地方の沿岸や南九州の沿岸においても、かわらない>だろうと想像し、こう続けます。
<沖縄は、身代わりになった>
その沖縄に住む人々は、終戦から七十一年がたつ今も「軍事」の影に苦しめられています。
七二年に苛烈な米軍統治が終わりましたが、沖縄には今も在日米軍専用施設の約74%が集中し、騒音や事故、米兵らの犯罪など過重な基地負担を強いられています。
県民の多くが米軍普天間飛行場の国外・県外移設を求めても、日米両政府は聞き入れようとせず、名護市辺野古への県内「移設」を強行しようとしています。今も続く「身代わり」の構図です。
そして新たに浮上したのが南西地域防衛を目的とした先島諸島への自衛隊配備です。きっかけは冷戦終結と中国の海洋進出でした。
東シナ海の尖閣諸島周辺では中国公船が繰り返し、日本の領海に侵入したり、領海に隣接する接続水域を航行したりしています。
日本側は、海上保安庁の巡視船を増強して警備を強化していますが、先島諸島は陸上自衛隊の空白地域だったため、中国を強く意識して、この地域への陸自配備を進めているのです。
司馬さんが四十二年前の旅で訪れ、<人に行き交うことがまれである>と記した日本最西端の与那国島には今年、百六十人規模の沿岸監視隊が発足しました。
宮古島には七百人規模、石垣島には六百人規模のミサイル部隊と警備部隊を配備する計画です。地元では、過疎化対策や抑止力強化の観点から配備を歓迎する人たちもいますが、住民の意見は割れているのが実情です。
島の主要産業である観光への影響を懸念する意見のほか、有事には自衛隊が標的にされ、周辺住民が巻き込まれると心配する声が聞こえてきます。底流にあるのは先の戦争の悲惨な記憶です。
大戦末期、米軍の攻撃を避けるため、この地域の住民はマラリア発生地帯への疎開を軍部によって強制され、多くの人が罹患(りかん)して亡くなりました。患者数は当時の人口の約半数とも言われています。
同じく大戦末期には、軍命により石垣島から台湾に疎開する際、船が米軍に攻撃され、多くの犠牲者が出ました。自衛隊配備でこうした戦争の記憶が蘇るのです。
◆反省と不戦の誓いを
安倍晋三首相は今月下旬、日米開戦の地、真珠湾をオバマ米大統領とともに訪問します。犠牲者の慰霊が目的ですが、無謀な戦争に突入した痛切な反省と、「不戦の誓い」も語るべきでしょう。
国際紛争を解決する手段としては武力を用いることはない。「平和国家」日本の揺るぎない決意です。自衛隊の存在は認めるとしても、この決意に背くような形で配備を強行することがあってはなりません。沖縄を二度と、身代わりにしてはならないのです。
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琉球新報の【<社説>着陸帯差し止め却下 騒音激化に耳ふさぐ 政府に寄り添う地裁判断】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-407382.html)。
《静穏な生活環境を奪われ、騒音に苦しむ住民の訴えに耳をふさぐ無慈悲な裁判所の判断であり、断じて承服できない》。
高江破壊差し止め仮処分申請が那覇地裁で却下された。
『●「「辺野古しかない」という一方的な結論は、
司法判断というより、もはや政治判断」…最高裁か最低裁か?』
「司法判断」しない司法による「政治判断」。アベ様や最低の官房長官=沖縄負担軽減担当相のスガ殿、「差別と断定できない」鶴保庸介沖縄担当相らに寄り添う司法の情けなさ。司法判断ではなく、《工事者の政府に寄り添う》政治判断。司法には、もはや期待は持てないと思っていたけれど、あまりに《無慈悲》。
『●沖縄差別、その究極の姿:「報道の自由」「知る権利」の
破壊に立ち向かわない「本土」マスコミの差別意識』
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」「事実関係を
無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担』
『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」』
『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見』
『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々』
『●高江破壊と歴史的暴言: 「みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、
無用な衝突を招いている張本人は誰か」?』
「「民意圧殺」=高江破壊での「歴史的暴言」とその周辺の酷い反応。
それを「歴史的暴言」と感じないヘイトな人々。ニッポンの
社会そのものが相当に歪んでいる…《今の日本の病んだ空気》。
《みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、無用な衝突を招いている張本人は
誰か》?、を理解できないようだ」
『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」
…ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘』
『●前泊博盛さん「在日米軍は、本土から…
ウルトラマンに見えるが、沖縄から見ると怪獣でしかない」』
『●沖縄差別: 「両論併記は比較すべきものでもないものすら
“論”に昇格させてしまう危険なロジックだ」』
『●「どっちもどっち」論と云う暴論の上を行く、
鶴保沖縄北方相「差別だと断じることは到底できない」論』
『●差別の掛算…「権力者が決めたことなのだから
建設計画に従うべき」×「沖縄は黙って受け入れるべきだ」』
『●「沖縄の声に耳を傾けて、理解を得るべき担当相が、
県民を敵視するかのような発言…。もはや失格」』
『●高江の皆さん、ご唱和を! 「鶴保庸介沖縄担当相殿、
「無実だと断じることは到底できない!」」』
『●グッドタイミングな沖縄県警やアベ様、
「負担軽減」相らのヤルことのあまりのアザトさ…「沖縄イジメ」』
『●「民主主義の圧殺現場」としての
辺野古破壊や高江破壊…生活と生態系を根こそぎ破壊』
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【http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-407382.html】
<社説>着陸帯差し止め却下 騒音激化に耳ふさぐ 政府に寄り添う地裁判断
2016年12月7日 06:01
静穏な生活環境を奪われ、騒音に苦しむ住民の訴えに耳をふさぐ無慈悲な裁判所の判断であり、断じて承服できない。
東村高江の住民が米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)工事の差し止めを求めた仮処分申請を那覇地裁が却下した。
騒音被害が「十分に疎明されていない」ことが申請却下の理由だ。裁判所が工事を差し止める確かな推測には至らない、というのである。
騒音被害の疎明責任を過度に住民側に求め、工事者の政府に寄り添う判断と断ぜざるを得ない。
司法の責任果たさず
住民は2基のヘリパッド運用で安眠を奪われ、児童が学校を休む騒音被害にさらされている。今年6月の騒音発生回数はオスプレイ運用前の2014年度の月平均の24倍に上る。新たな4基のヘリパッド建設で騒音被害が激化するのは火を見るより明らかだ。
改めて却下理由部分を提示したい。「航空機騒音、低周波音で重大な健康被害が及ぼされる恐れがあるとは十分に疎明されているとは言い難い」というのである。
「疎明」とは「確からしい推測を裁判官に与えること」とされる。重大な騒音被害の「疎明」が不十分と住民側主張を退けるが、翻って政府の「重大な騒音被害がない」ことの十分な検証が果たされたとは到底思えない。
住民はこれ以上の騒音被害を避けるため工事差し止めの仮処分を求めたのである。被害を受ける住民側に寄り添い、被害を及ぼす政府の側に厳格に対応するのが国民を守る司法の責任ではないか。
しかし却下理由は住民に厳しく政府に甘い内容だ。住民側は琉大准教授の現地での騒音測定に基づき「違法な程度の航空機騒音」、「基準値を超えた違法な低周波音の恐れ」を主張したが、地裁判断は政府側の反論に沿って住民側の主張を退けた。
判断の論拠として地裁は沖縄防衛局が実施した自主アセスメント(環境影響評価)に「一定の合理性がある」と重きを置いた。
自主アセスはオスプレイ運用を想定せず、従来、環境専門家が有効性を疑問視している。
しかし地裁は政府の自主アセスと騒音測定結果を重視し「違法な航空機騒音の恐れがあるとは言えない」と断じたのである。
一方で環境基準を上回る琉大准教授の騒音測定については、必要な測定日数を満たさないとして安易に切り捨てた。司法の責任を果たさぬ政府主張に偏った仮処分却下の判断と言わざるを得ない。
緊急性・重大性を軽視
高江住民は9月21日に工事差し止めを提訴し、仮処分を申し立てた。平穏な日常を営む人格権の侵害、着々と進む工事を差し止める「緊急性・重大性」を訴えたのである。工事の完了は間近であり、あまりに遅い仮処分の判断にも疑問を覚える。
被害が明白な住民保護に立脚するなら、権威ある琉大准教授が当初に示した「違法な騒音、低周波音の増加」の測定結果を重視し、工事を差し止める判断があってしかるべきではなかったか。
地裁は准教授の測定結果を軽視する一方、仮処分の審尋が始まって後の政府に都合のいい陸上自衛隊木更津駐屯地での騒音測定を却下の判断資料に採用した。
オスプレイの工事が近く完了し、これに合わせた北部訓練場の過半返還の返還式が間近に迫るタイミングでの仮処分申請却下である。政府の都合に合わせた判断の疑念を拭えない。
却下理由は工事差し止めに国の支配は及ばないとする「第三者行為論」には踏み込まず、「違法な程度の航空機騒音、低周波音による重大な健康被害」の有無を判断根拠とした。
実質的な審理に基づく判断の体裁だが、騒音の増加予測や健康被害など科学的な審理が尽くされたとは到底言えない。本訴訟での公正な審理の徹底を求める。
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『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の編集部による記事【安倍内閣のデタラメ政治資金! 安倍は6千万パーティ、麻生は愛人のクラブに900万、稲田、石原、金田も豪華飲食に】(http://lite-ra.com/2016/11/post-2727.html)。
《もはや「ぼろ儲け内閣」と呼ぶべきではないか──昨日、総務相が昨年2015年の政治資金収支報告書を公表したが、あらためて安倍政権の“金満ぶり”があきらかになった》。
記事に出てくる閣僚や自民党議員の数々の醜態…自公投票者の皆さん、コレで良いの? どういう思考をすれば、こんな議員を支持し、投票できるの? 特に、アベ様と麻生太郎氏は目に余る。両氏の資金管理団体「晋和会」や「素淮会」、一体、「管理」する気はあるのか。警察や検察は見て見ぬふり?
『●ノーベル平和賞「国民対話カルテット」は
「武器は何も解決せず」……ニッポンの経団連は武器輸出推進』
「《「武器では何も解決しない。対話が民主主義への唯一の道だ」
と訴えた》そうです。かたや我がニッポン国の経団連は……
「武器輸出推進」。《政党間の仲介や政治家と市民の対話》どころか、
政党助成金という税金をもらっておきながら、「社会貢献」と嘯きつつ、
「政策をカネで買う」ための企業献金という名の賄賂を、自民党に
二重取りさせる愚行。挙句に、自公政権は壊憲法・戦争法をごり押し。
「対話」どころか、クーデター。」
「国家戦略としての「武器輸出」を推進する「死の商人」と彼我の差を
感じる…平和憲法を持つ虚しいニッポン」
『●「政策をカネで買う」経団連の企業行動憲章には
「従業員のゆとりと豊かさを実現する」と謳っている』
『●「政治献金は社会貢献だ」: アベ様が辺野古や
原発の「地元」でやっていることを支持=「社会貢献」?』
『●「トリクルダウン理論」:
「貧しい者」ではなく「アベ様の自民党」に「お零れ」が!』
『●政治献金という名の「賄賂」:
アベ様達は原発産業と「ズブズブ」の関係』
『●経団連は、「プルトニウムをつくる装置」再稼働を後押し。
そして、国家戦略としての「武器輸出」を推進!』
『●「美学」と「醜態」:「企業・団体献金(の禁止)うんぬんに
一直線に問題」を結び付けずにどうするのか?』
「政党助成金と二重取りして恥じぬ「責任政党」「美学」。
そりゃぁ、「詐欺」です。「責任政党」という「詐称」。」
《民主主義の費用をどう国民が負担するか》!?、だそうです。正気でしょうか? アベ様らのやっていることのどこら辺が《民主主義》で、どこら辺に《民主主義の費用》が掛かっているのでしょうか? ワイロか何かのこと? 政党助成金サギしておいて、寝言を言われても。
『●「S」で「D」なアベ様と麻生副首相は「政治資金」で
夜な夜な一体何をしているのか? それでも支持??』
《安倍首相の資金管理団体「晋和会」の10~12年分の収支報告書を
みると、「行事費」という名目で多額の飲食代を計上。その規模は
3年間で3000万円近い》
《安倍首相をはるかにしのぐのが、麻生大臣のデタラメ支出だ。
資金管理団体「素淮会」の10~12年分の収支報告書によると、
「交際費」名目で消えた飲食代は12年分だけで3000万円を突破。
3年間の総額はナント、1億円近くに上る》
《気になるのは、居並ぶ高級店に交じって「オフィス雀部」という
六本木の有限会社への支出を3年間で計22回、
総額1805万5000円も計上していることだ。
「六本木の会員制サロンを経営する会社で、麻生大臣はその店の
“太い客”。経営者の女性は麻生大臣と過去に愛人関係に
あったことを認めた、と6年前に週刊誌で書かれたこともある。
ちなみに安倍首相も店の常連です」(自民党関係者)》
『●政治献金という名の「賄賂」:
アベ様達は原発産業と「ズブズブ」の関係』
『●「闇社会」との関係まで疑われるとは!? アベ様、ダークすぎます』
「《安倍首相が、多くの犯罪を犯したカルト教団「統一協会」や
ファシスト団体「日本会議」と密接な関係にあることは周知の
通り……もう一つ、安倍首相には表に出してもらいたくない関係が
あります。先日、組織のトップが殺人の関与で逮捕された
九州最大のヤクザ「工藤会」と密接な関係》……。
「とある暴力集団」との関係でさえウンザリなのに、「闇社会」との
関係まで疑われるとは!? アベ様、ダークすぎます。
ますます国際社会の印象が悪くなる一方です」
『●闇勢力問題だけでなく、アベ様はオカネ(マネー)にもダークだっという話』
『●「道徳」を説く文科相がソレってOKなの?
「道徳心とか愛国心とかがコドモたちにとって安全」??』
『●「不正文科相が子どもに「道徳心」を説き得る」
「大臣を辞めながら反省どころか、威張る」・・・「珍芸」』
『●文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』・・・
コドモタチの道徳教育のための好例として記載を可能か?』
『●素晴らしき道徳観:ドリルだろうが、
パンツ&ストーカーだろうが、「言論弾圧」だろうが、何でも許す!?』
『●アベ様や吸「血税」氏の「品性」の無さ:
政治資金や税金で夜な夜な何をやっているのか?』
『●吸「血税」氏引責と「不適切だが違法でない」…
東京地検が認めなくとも「あっせん利得」は「違法」では?』
『●高江の皆さん、ご唱和を! 「鶴保庸介沖縄担当相殿、
「無実だと断じることは到底できない!」」』
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【http://lite-ra.com/2016/11/post-2727.html】
安倍内閣のデタラメ政治資金! 安倍は6千万パーティ、麻生は愛人のクラブに900万、稲田、石原、金田も豪華飲食に
安倍内閣 編集部 2016.11.26
(安倍内閣のボロ儲け、豪遊っぷりをとくとご覧あれ
(YouTube「ANNnewsCH」より))
もはや「ぼろ儲け内閣」と呼ぶべきではないか──昨日、総務相が昨年2015年の政治資金収支報告書を公表したが、あらためて安倍政権の“金満ぶり”があきらかになった。
とくに目を見張るのが、大規模な政治資金パーティでの集金率だ。
その筆頭はやはり安倍晋三首相で、安倍首相の資金管理団体「晋和会」の報告書によると、昨年、「安倍晋三後援会朝食会」と題した政治資金パーティを計3回開催。すべて東京の高級ホテル・ANAインターコンチネンタルホテル東京で開かれ、5月12日に2320万円、9月2日に2074万円、12月8日に2346万円を集め、たった3回で6740万円も集金した。この“売上”からかかった費用やパーティ券の返金分を引いても、その額はなんと約6150万となる。
安倍首相は2014年もこの朝食会で6196万円、13年には8580万9895円を計上。たった3年で約2億1517万円も荒稼ぎしているのである。
このように政治資金パーティで収入を得ることは違法ではないが、問題は安倍首相が総理大臣であるという点だ。
2001年に閣議決定された「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」(大臣規範)では、国務大臣や副大臣、大臣政務官といった職務に就く者は「国民の疑惑を招きかねないような大規模な政治資金パーティーを自粛する」と規定されている。対して、安倍首相のこの朝食会は、1回の開催で多いときは約2300万円も集めており、十分「大規模」なものだ。つまり、国務大臣の筆頭たる総理大臣みずから、この大臣規範を平気で破っているのである。
この大臣規範にはより厳しい改正が必要だという声も上がっているが、安倍首相は今年2月5日の衆院予算委員会で「献金自体が不適切とは考えていない。民主主義の費用をどう国民が負担するかは、各党各会派で議論してもらうものだ」と発言。襟を正す気などまったくないらしい。
総理がこの態度なのだから、閣僚も推して知るべし。今回の政治資金収支報告書でも、とくに度肝を抜かれるような報告を行っている大臣がいた。麻生太郎副総理兼財務大臣である。
麻生副総理の資金管理団体「素淮会」の報告書を見ると、「会合」を名目にした飲み食いが約2028万円にも上るのだが、そのなかでも突出しているのが「(有)オフィス雀部」への支出だ。
じつはこの会社は六本木で「Bovary」というクラブを経営しており、麻生副総理はここの常連なのだが、問題は同店のママが「麻生氏の愛人」として週刊誌でも取り上げられたことのある人物だということだ。
たとえば、近年でも麻生氏は2013年には798万円、14年も755万5000円をこのママの会社に支出。そして昨年、「FRIDAY」(講談社)が同クラブに通い詰める麻生氏の写真付きで大々的に報じたのだが、麻生副総理はまったく堪えていなかったらしい。
事実、2015年の収支報告でも「(有)オフィス雀部」への支出は計12回。多いときで98万円、少ないときでも38万円も支出しており、トータルの金額は915万円にもおよぶ。週刊誌で問題になったというのに、14年を上回るカネを政治資金から落としていたのだ。
この麻生副総理の図太さにはウンザリするほかないが、しかしそのほかの閣僚も負けてはいない。飲み食いでいえば、塩崎恭久厚労省は銀座の高級割烹・米村にて1回で約26万円を払ったりなど、なんと約1118万円も計上。さらに稲田朋美防衛相も相当なもので約694万円を支出。石原伸晃経済再生担当相は「会議飲食費」の名目で約28万円、高級レストランの名がずらりと並ぶ「渉外費」の名目で約620万円。岸田文雄外相も高級料亭の吉兆で1回30万円を支出するなどで計約600万円となっている。
これは政治活動費を使った“豪遊”の実態だが、その上、閉口させられるのは、女性が接客を行うクラブやキャバクラでの支出だろう。たとえば林芳正元農水相は、農水相在任中にあたる昨年9月11日、赤坂のキャバクラで4万8,700円を政治活動費として支払っていたことが本日付の東京新聞で報じられたが、現役閣僚では金田勝年法務相も女性接客の店で支出している。
金田氏の場合は法務相在任中ではないが、昨年、赤坂にある会員制サロンで計8回、全部で19万1,000円を政治活動費として支出。この店は過去に求人サイトで「フロアレディ募集」の情報を出しており、PR文にも〈「赤坂」という場所柄、国会議員や弁護士、記者など 紳士的な方ばかり〉と掲載されている。
入閣3日目にSMバーへの支出が発覚した宮沢洋一自民党議員をはじめ、これまでキャバクラやクラブなどでの支出はたびたび問題になり、女性が接客する店は政治活動にあたらないという理由から返金するなどの事態となっている。それでも相変わらず平気な顔をして計上するのだから、まったく何も反省していないのだ。
大臣規範を破る集金パーティの開催に、政治資金を一晩に何十万円も飲み食いに費やすなど、市民の金銭感覚とはかけ離れた安倍政権の金遣い。しかも、こうした政治家たちの資金管理団体には、政党交付金という国民の血税が含まれた金が流れていたりもする。今回挙げたものは氷山の一角にすぎないが、安倍政権の面々にとっては、「舛添騒動なんてどこ吹く風」なのだ。
(編集部)
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沖縄タイムスのコラム【米国にもう一つの「高江」 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(21)】】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/73640)。
『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々』
《そうではなくて、僕ら日本人はなぜ自分たちの足元を見据えた政治を作り上げてこられなかったのかという痛苦な思いと、「各国首脳に先駆けて」(安倍晋三首相)トランプ詣でに馳(は)せ参じた日本の政治トップのありようの恥ずかしさに関連することがらだ…アメリカ中部のノースダコタ州がその舞台だ…先住民にとっては、このミズーリの流れは先祖代々「命の水をもたらしてくれる聖なる地」で、そこが原油漏れの汚染の危機に常時さらされることに強い反対の意思をあらわした》。
《民主主義の圧殺現場》の辺野古破壊や高江破壊…そこでは、生活と生態系が根こそぎ破壊されようとしている。《この巨大石油パイプライン建設計画には、トランプ企業が膨大な投資を行っている》その現場では、先住民の《彼らのスローガンは『Water is Life(水は命)』という明快なもの》。
21世紀における経済的なものも含む「水戦争」を憂えて、アナン元国連事務総長は「No water,no life.」と言っている。「水戦争」で水にアクセスする基本的人権を脅かし、生活を破壊、そして、生産者と消費者、還元者間の微妙なバランスの上に成り立つ生態系や生物多様性を根こそぎ破壊する政治家や役人。見て見ぬふりな「本土」マスコミ。《民主主義の圧殺現場》、阻止する道はどこに?
『●グッドタイミングな沖縄県警やアベ様、
「負担軽減」相らのヤルことのあまりのアザトさ…「沖縄イジメ」』
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【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/73640】
米国にもう一つの「高江」 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(21)】
2016年12月1日 08:32 金平茂紀 高江ヘリパッド 土人発言問題 沖縄差別 ヘイトスピーチ 先住民
金平茂紀 (かねひら しげのり)
TBS報道記者、キャスター、ディレクター
1953年北海道生まれ。TBS報道記者、キャスター、ディレクター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「ホワイトハウスから徒歩5分」ほか。
大統領選挙の取材で2週間ほどアメリカに滞在して得られた自分なりの成果で、実はあまりこれまで他人に公言してこなかったことがある。それは、あのアウトサイダーのトランプ氏がなぜ勝ったのかとか、典型的なエスタブリッシュメント(実績を積んできた既成政治家)ヒラリー・クリントン氏がなぜ敗れたのかといったことがらではない。
(ダコタ・アクセス・パイプライン計画に抗議する米国の先住民族
スタンディングロック・スー族らの抗議行動=11月、米国
ノースダコタ州(『デモクラシー・ナウ!』より))
そうではなくて、僕ら日本人はなぜ自分たちの足元を見据えた政治を作り上げてこられなかったのかという痛苦な思いと、「各国首脳に先駆けて」(安倍晋三首相)トランプ詣でに馳(は)せ参じた日本の政治トップのありようの恥ずかしさに関連することがらだ。「So what?=だからさ、お前さんはそれでどうなんだい?」とでも言った根源的な問いかけである。トランプが勝ったこととあなたに一体どんな関係があるんですか?
帰国して日本の既成メディアに溢(あふ)れる同質の情報たち。トランプ・ショックで日本経済はどうなるだの、隣の国の大統領の断末魔だの、毎日のように垂れ流される「小池劇場」記者会見報道などをみて、正直うんざりしたのだ。
けれども、そんななかで、アメリカ滞在中に、これは日本の人々にとって、いや、もっと踏み込んで言うと、沖縄の人々にとってとても重要な出来事が同時進行で起きているという事実に突き当たった。この動きはいま急激に切迫した状況に置かれている。アメリカ中部のノースダコタ州がその舞台だ。
この州にあるバッケン油田で膨大な量のシェールオイル(地下深くの泥岩層に含まれる石油の一種)が発見され、それをサウスダコタ州、アイオワ州を経由してイリノイ州まで運搬する巨大パイプライン建設(ダコタ・アクセス・パイプライン計画)が進められようとしている。総額38億ドル(約3900億円)という国家的な規模の巨大プロジェクトだ。
事業主(エナジー・トランスファー社)と州政府は、莫大(ばくだい)な利益が見込まれるとして建設にまい進しているが、このパイプラインの建設ルートがコスト削減のため変更されたことから事態が急変した。パイプラインは、先住民(約8200人のスタンディングロック・スー族)の住む居留地の北側隣接地を流れるミズーリ川を横切る形に変えられたのだ。
先住民にとっては、このミズーリの流れは先祖代々「命の水をもたらしてくれる聖なる地」で、そこが原油漏れの汚染の危機に常時さらされることに強い反対の意思をあらわした。そこで行われた環境アセスメントの内容がずさんきわまりないもので、連邦政府(オバマ政権)も工事の許認可権をもつアメリカ陸軍工兵隊に見直しを要請したが、軍は工事をあっさりと認可、先住民たちはついに裁判所に訴えを起こした。と同時に、工事予定地で非暴力直接行動の座り込みを行った。
スタンディングロック・スー族の呼びかけに応じて、全米やカナダからナバホ族、チェロキー族、ホピ族ら1千人を超える先住民が抗議運動に参加した。近年のアメリカにおいては最大規模の先住民の団結行動となっている。これに対して州政府は銃で武装した警察官が発砲や催涙スプレーなどを使って、連日、強制排除を行っている。さらには、事業主が雇った警備会社が、どう猛なシェパード犬などを多数使って、抗議活動参加者を襲わせ多数の負傷者を出す事態になっている。
同時に、この動きを取材していたジャーナリストたちも多数が逮捕され、この問題を現場最前線で取材していた独立系メディア『デモクラシー・ナウ!』の著名キャスター、エイミー・グッドマンを州検察が何と「反乱罪」で訴追するという動きまであった。さすがに州裁判所はこの訴追を認めなかった。このスタンディングロック・スー族の動きに呼応する形で全米規模で、多くの市民らが立ち上がって声をあげている。
僕もニューヨークでこの動きに呼応するデモをみたが、彼らのスローガンは『Water is Life(水は命)』という明快なものだった。クリントン候補と民主党大統領候補指名を争ったバーニー・サンダース上院議員は、この建設計画に反対すると公言している。レオナルド・ディカプリオやベン・アフレック、ロバート・レッドフォードといったハリウッドスターらも反対の意思表示を行っていて、この動きはさらに拡大する様相だ。
きわめつきの事実を記せば、この巨大石油パイプライン建設計画には、トランプ企業が膨大な投資を行っている。先住民の権利をどのようにまもるか。環境アセスメントに明白な欠陥がみつかった場合にどのような措置をとり得るか。抗議活動はどのような形で拡(ひろ)がりをみせ、継続可能なのか。多くの点で学ぶべきことが多い。
すでにここまでお読みになられた読者諸氏には、何と沖縄の辺野古や高江で起きていることと酷似した出来事が起きているのかと思われた方もいらっしゃるだろう。機動隊員が抗議運動をしている人間に対して「土人」との暴言を発した現場とまさにそっくりの構図がそこに見えるのだ。犬を使って抗議者を襲わせるやり方は相手を同じ人間だとみていないからこそ出来る行為ではないのか。民主主義の圧殺現場は、高江や辺野古と同様に世界の各所にある。だから、翁長雄志知事が高江ヘリパッド建設で膝を屈するような姿をみるのは、いかにも悲しい。
アメリカで大統領選挙を取材していたさなか、日本からこんなニュースが伝わって来た。機動隊員の「土人」暴言をめぐってのことだ。政府が、鶴保庸介沖縄北方担当相が「差別とは断定できない」と述べたことについて、訂正や謝罪は不要だとする答弁書を閣議決定したというのだ。心底呆(あき)れた。アメリカで、もし「ニグロ」や「ニガー」と公人が発言したとしよう(警察官は公人である)。それを政府が謝罪する必要なんかないと閣議決定などしようものならどうなるか。
なお、前回の記事で訂正がある。「土人」という言葉が記載された近年の日本の公文書のうち、旧日本軍の公文書でインドネシアに慰安所を設営したことに関する箇所で、インドネシアの地名は「バリクパパン」である。(テレビ報道記者・キャスター)=随時掲載
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琉球新報のコラム【<金口木舌>まん延する差別】(http://ryukyushimpo.jp/column/entry-404024.html)。
《大音量の拡声器を使い、たけだけしく何度も叫んだ。「殺すぞ」。旧日本軍の特攻服を着た男女の体当たりを、警察官が必死に止めた。そのヘイトスピーチ団体は、従軍慰安婦問題を街頭で訴えるデモに攻撃を繰り返した》。
『●高江破壊と歴史的暴言: 「みんなが嫌がる“仕事”
押し付け、無用な衝突を招いている張本人は誰か」?』
《[大弦小弦]日本人の乗客の皆さまにおわびします…
▼横山さんは怒る。「なぜ差別主義者の乗客を注意せず、
『外人が迷惑』とマイノリティーをさげすむことになるのか」。
ネット上でも外国人客への攻撃が目立った
▼大阪府の松井一郎知事が機動隊員の暴言を擁護した構図と
そっくりだ。圧倒的な力の差を無視して、
「相手もむちゃくちゃ言っている」と「どっちもどっち」論に持ち込む。
ヘリパッド建設を強行しているのは政府なのに、
「混乱を引き起こしているのはどちらか」と事実の誤認を混ぜ込む。
問題の根本を差別と認めず、「不適切」で済ませるところも同じ
▼弱者をたたく。声を上げるなら、たたいて黙らせる。
二つの事件の符合に、今の日本の病んだ空気を
思い知らされる。(阿部岳)》
《日本再生の切り札》《全国民を勝負師に》(©橋下徹元大阪「ト」知事)なカジノ法案について、東京新聞の記事【カジノ法案 自民きょうの採決提案 公明は態度保留】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201612/CK2016120202000143.html)には、《安倍政権は観光客増加による経済成長を期待するが…》とあります。《観光客増加》ですって!? 《経済成長》だそうです。「軽罪」の間違いか? ギャンブル依存者が増加して、社会は「病む」方向に行くのではないですか。
引用しているコラムは《観光にも大きなダメージを与えかねない》と言います。とんだ《おもてなし》(表無)をしておいて、とんだ「うらあり」(裏有)なニッポンだった訳です。
第一、アベ様内閣の閣僚の皆さんからしてヘイト体質ですもの。
『●目取真俊さん「差別用語であることは一目瞭然」
…沖縄負担軽減相ら閣僚の皆さん方全員がヘイト体質』
《大阪府警機動隊の「土人」発言を「許すまじき発言」
と言っていた菅義偉官房長官が「差別と断定できない
というのは政府の一致した見解だ」と変更したことに対し、
面と向かって言われた芥川賞作家の目取真俊さんは22日、
本紙の取材に「『断定できない』とは、『差別ではない』と政府が
公式に認めたようなものだ。断じて許されない」と怒りをあらわにした》
「沖縄差別」については、「在日米軍特権」にはダンマリな《過激団体》。ありもしない「在日特権」には大騒ぎし、ヘイトな言動や行いを垂れ流すのに、実在する「在日米軍特権」では、アベ様や番犬様にシッポを振る情けなさ。どうやら真の「右翼」ではないらしい。単なる「暴力集団」。
『●沖縄市民の民意: 民意を何度明確にすれば、
アベ様や最低の官房長官らは理解しようとするのか?』
「「住民分断」「沖縄差別」に明確なNo!が示されたわけです。
辺野古破壊にNo!、「在日米軍特権」問題(これこそまさに
存在する、番犬様による「在日特権」でしょうに)にNo!、
を突き付けました」
『●室井佑月さん「金をバラまくだけの日本…
米国の手下ですよ、という世界中へのアピール」…恥ずかしい』
「室井佑月さんの云う《金をバラまくだけの日本》、全くその通り。
その点でも、無意味な、裏切りのイセシマサミットです。また、
《県議会当選者の96%が地位協定の改定を求めている》
「在日米軍特権」問題一つとっても、《金をバラまくだけの日本》、
世界を呆れさせるニッポン、《「性暴力に脅かされないで当たり前に
生きる権利」すら保障できないような政府はもはや政府とはいえない》
ニッポン。どこを向いて「思いやって」いるのか?、
「思いやら」されているのか?、《金をバラまくだけの日本》」
「まん延する差別」な、「うらあり」だったニッポン…「今の日本の病んだ空気」(阿部岳さん)そのもの。ニッポンの社会そのものがオゾマシイ。
しつこく繰り返される「沖縄差別」、「歴史的暴言」を容認する閣僚たち…でも、「足を踏まれた側」は決して忘れない。
『●「容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は
現在の日本社会において決して特殊なものではない」』
「しかしながら、《容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は
現在の日本社会において決して特殊なものではない》、
《…などおぞましいが、それを容認してしまう空気がいまの
日本社会にはある》…社会そのものがオゾマシイ。醜悪」
『●高江の皆さん、ご唱和を! 「鶴保庸介沖縄担当相殿、
「無実だと断じることは到底できない!」」』
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【http://ryukyushimpo.jp/column/entry-404024.html】
<金口木舌>まん延する差別
2016年12月1日 06:00
大音量の拡声器を使い、たけだけしく何度も叫んだ。「殺すぞ」。旧日本軍の特攻服を着た男女の体当たりを、警察官が必死に止めた。そのヘイトスピーチ団体は、従軍慰安婦問題を街頭で訴えるデモに攻撃を繰り返した
▼デモには、慰安婦を支援している韓国人女性も多く含まれていた。日本の市民に支援を求めて海を渡ったら、「恐怖」のお返しが待っていた。東京都内で今夏、目の当たりにした
▼韓国人女性らに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。同時に日本の将来を憂いた。あしき風潮は一部の過激団体にとどまらない。日本社会に広がっている
▼沖縄で大阪府警の機動隊員が発した「土人」「シナ人」発言も、それと無関係ではないだろう。大阪では、わさびが大量に入ったすしや「蔑称」を印字した乗車券、外国人を区別する車内放送などが外国人観光客への「差別だ」と問題視された
▼法務省は東京五輪を見据え、在日外国人を対象に、差別や偏見に関する調査を初めて実施する。安倍晋三首相は来年、農業分野の国家戦略特区に外国人労働者を受け入れるための関連法改正案を国会に提出する方針だ
▼差別や偏見は人を傷つける。日本が誇る「おもてなし」を台無しにし、観光にも大きなダメージを与えかねない。チムグクル(思いやりの心)と歓待の文化を磨き、沖縄から見本を示したい。
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沖縄タイムスの赤嶺由紀子氏のコラム《[大弦小弦]まるでゴーサインが…》(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/73458)。
《まるでゴーサインが出たといわんばかりに映る。翁長雄志知事が、東村高江周辺の米軍北部訓練場へのヘリパッド建設を「苦渋の選択」と容認する発言から一夜明けた29日の県警の動きだ ▼早朝から、辺野古の新基地建設に反対する市民らの活動拠点や個人宅などを家宅捜索し、威力業務妨害の疑いで4人を逮捕した。高江でも、ヘリパッド建設に抗議する市民の逮捕者が出た》。
沖縄タイムスの【社説[知事 ヘリパッド容認]県の迷走ぶりが際立つ】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/73457)によると、《翁長知事は工事を強行する政府の姿勢に疑問を呈しつつも、「苦渋の選択の最たるものだ。約4千ヘクタールが返ることに異議を唱えるのは難しい」と述べた》…そうだ。
翁長知事の真意がそうではなかったとしても、沖縄タイムスや琉球新報にさえ《「苦渋の選択」と容認》されてしまうことは大変に拙いことだったと思います。それでなくとも、高江破壊に沖縄県の反応は鈍く、(余所者ながら)ブログ主には、見えました。土地の返還が、高江破壊の理由にはならないですし、アベ様や最低の官房長官=沖縄負担軽減担当相のスガ殿、「差別と断定できない」鶴保庸介沖縄担当相らのヤっていることは「基地負担軽減」とはほど遠いものだと感じます。
『●「沖縄の未来」のためのアベ様の「基地負担軽減」という強弁
=「短絡的過ぎる」「まやかしである」』
「4千ヘクタール返還するから、0.96ヘクタールをよこせ、
だから「基地負担軽減」だ…。両者が結び付く理由が分からない。
0.96ヘクタールのヘリパッド、面積的にわずかで、そんなに安全で、
訓練のためにニッポンに必要だというのなら、東京にでも造ったらどうか。
沖縄の高江に必要だというのなら、負担削減ではなく、
沖縄への「基地負担の固定化」」
《これが沖縄の「基地負担軽減」になるというのだ。短絡的過ぎる。
東村高江では集落を囲むヘリパッド六つのうち、既に二つが
完成した。このため、米軍の訓練で騒音が夜間も激化し、
睡眠不足になった児童が学校を欠席する事態を招いた。
さらに四つのヘリパッドを新設し、騒音にさらすのである。
これが首相の言う「負担軽減」である。高江の状況を見れば
移設条件付き返還の「負担軽減」は、まやかしであることは明らかだ。
返還されるのは、米軍が「使用不可能」としている場所である。
返還は「負担軽減」を目指したものではないということだ。
だが、首相は面積の広さを殊更強調し、ヘリパッド新設を伴う
一部返還を「負担軽減」と強弁した。国民の誤解を招くことを危惧する》
そして、あまりにもタイミングよく、《まるでゴーサインが出たといわんばかりに映る。…▼早朝から、辺野古の新基地建設に反対する市民らの活動拠点や個人宅などを家宅捜索し、威力業務妨害の疑いで4人を逮捕》…である。
ヤルことがあまりにアザトイ。「ずる賢く」「狡猾」「卑しい」「賢しらな」「悪知恵の働く」…アザトイやり口。
「「沖縄の衆参すべての選挙区から自民党が駆逐」=民意: 島尻安伊子氏を大差で破った伊波洋一さんに期待」…2016年8月参院選の翌日その早朝にヤッたことと同じ「汚れたテ」だ。いつもながらのアザトイやり口。それにしても「本土」マスコミ、あまりに情けなさ過ぎないか?
『●映画『標的の村』監督・三上智恵さん、
「わずか9時間の歓喜 ~高江工事再開・民意圧殺の朝~」』
《辺野古基地建設反対を訴える伊波洋一候補の勝利はまず間違いない。
今回伊波候補が獲得する票は、ヒロジさん達の日々のゲート前の
座りこみを応援してくれる県民の声の大きさに比例している》
《知事選、衆院選、参院選、全県民が意思表示をする選挙はすべて、
基地建設を拒否する候補が圧倒的な勝利で民意を形にした。
ところが、夜8時の歓喜の瞬間からわずか9時間後の朝5時過ぎに、
激震が走った。
大型工事車両と機動隊が隊列を組んで高江に向かっている
という情報が入った》
『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ』
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【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/73458】
[大弦小弦]まるでゴーサインが…
2016年11月30日 07:54 赤嶺由紀子 高江ヘリパッド 米軍北部訓練場
まるでゴーサインが出たといわんばかりに映る。翁長雄志知事が、東村高江周辺の米軍北部訓練場へのヘリパッド建設を「苦渋の選択」と容認する発言から一夜明けた29日の県警の動きだ
▼早朝から、辺野古の新基地建設に反対する市民らの活動拠点や個人宅などを家宅捜索し、威力業務妨害の疑いで4人を逮捕した。高江でも、ヘリパッド建設に抗議する市民の逮捕者が出た
▼知事の発言には、建設反対の市民から落胆の声や公約との整合性で批判が出る一方、「諦めない」と抗議行動を続ける思いを新たにする声も上がった。基地の過重負担に抗(あらが)う思いが交錯するさなかのタイミングに違和感を覚えざるを得ない
▼反対派の一斉家宅捜索に、市民らは「運動の弾圧」と反発する。4人の逮捕容疑は、1月にキャンプ・シュワブゲート前で起きたもの。なぜいまなのか。知事発言を担保にするかのような捜査に、批判が出るのも当然だろう
▼辺野古や高江で基地建設に反対する運動や抗議行動の現場に足を運ぶ人たちの願いはひとつ。取材に行くたびに確信する。これ以上、沖縄に基地はいらない-
▼緑深い高江では連日、抗議する市民らとゲート前に並ぶ警備員、機動隊員がにらみあう異様な状態が続く。反対運動を押さえ付けようとすればするほど、反発は高まるだけだろう。(赤嶺由紀子)
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琉球新報の社説【<社説>米軍属事件半年 小手先の策では防げない】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-397471.html)。
沖縄タイムスの玉寄興也記者によるコラム【[大弦小弦]逮捕から半年。元米兵暴行殺人事件で、被害者の父親が・・・】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/71941)。
《「なぜ殺されなければならなかったのか」。娘を失った父の悲痛な訴えは、そのまま基地被害を受け続ける沖縄社会に、繰り返される事件を防げない日米両政府に投げ掛けられた重い問いだ》。
《▼「米兵がらみの事件や事故が起こるたびに二度と繰り返さないと誓うが、いまだに政治は問題を解決できていない」。… ▼父親の手記は最後に「沖縄に米軍基地があるゆえに起こる。一日でも早い基地の撤去を県民として願う」と訴える。吉田さんは「根本的な解決にはそれしかない。政府はごまかしている」》
《遺族の願いとはほど遠い現実》…《沖縄に米軍基地があるゆえに起こる。一日でも早い基地の撤去を…》。
これまでに、アベ様や最低の官房長官=沖縄負担軽減担当相のスガ殿、「差別と断定できない」鶴保庸介沖縄担当相ら、米軍属女性暴行殺人事件後に、一体何をやったの? 「改善」に向けて一体何の進展があったの? 「本土」マスコミも、もうすでに忘却?
アベ様らに残された「選択肢は一つしかない」はず、だというのに、見て見ぬふり。例えば、司法までもが賛同し、「辺野古が唯一の解決策」なんて寝言を言う始末。「沖縄差別」「住民分断」の究極の姿。
『●「どうぞ米軍は撤退してください」:散々「思いやら」されて、
そしてまたしても「肝苦(ちむぐり)さ」…』
『●「落とした魂(マブイ)」を探しに、なんて悲し過ぎる…
「選択肢は一つしかない。沖縄から去ることだ」』
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【http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-397471.html】
<社説>米軍属事件半年 小手先の策では防げない
2016年11月20日 06:02
「なぜ殺されなければならなかったのか」。娘を失った父の悲痛な訴えは、そのまま基地被害を受け続ける沖縄社会に、繰り返される事件を防げない日米両政府に投げ掛けられた重い問いだ。
恩納村の雑木林で若い女性が無残な姿で見つかった米軍属女性暴行殺人事件で、元米海兵隊員の軍属ケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告が逮捕されてから半年が過ぎた。
半年で何かが変わったのだろうか。
事件は沖縄の人々に大きな衝撃と怒りを与え、そして自責の念を生んだ。若い女性の命を守れなかったつらさと、1995年の少女乱暴事件以降も繰り返される米軍関係者による事件を防げなかったことへの悔いだ。
6月19日の県民大会には主催者発表で約6万5千人が集まり、海兵隊の撤退や、米軍関係者に特権的地位を与える日米地位協定の抜本的改定を要求した。
沖縄の怒りに対し、日米両政府は火消しに躍起となり、安倍晋三首相は三重県でのオバマ大統領との会談で再発防止を求めた。
しかし日米両政府が示す再発防止や綱紀粛正の策は小手先だった。
在沖米軍は哀悼期間の約1カ月間、夜間外出や基地外飲酒を禁止した。しかし期間中にも米軍人が飲酒運転で国道58号を逆走するなどの事件が起き、哀悼期間後は米軍関係者による傷害事件などが発生している。
地位協定も軍属の範囲を狭めるだけの議論に終始し、しかもいまだ「補足協定」も締結されていない。
政府が設置した「沖縄・地域安全パトロール隊」も65台態勢と、予定する100台に届かない。しかも米軍関係者による事件事故が多い深夜には実施されず、効果は疑問視されている。警官100人増員も間に合わず、来年以降、県外からの応援で対応する。
狭い沖縄に4万7千人以上の米軍人、軍属、その家族が住む。集中する米軍基地は沖縄本島の約18%を占める。住民と軍隊があまりに近い沖縄で、「綱紀粛正」を何度繰り返しても事件は起きる。
被害女性の父は手記で、事件を「沖縄に米軍基地があるがゆえに起こる」とし、「一日も早い基地の撤去を」と願った。遺族の重い問いに日米両政府は応えるべきだ。
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【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/71941】
[大弦小弦]逮捕から半年。元米兵暴行殺人事件で、被害者の父親が・・・
2016年11月20日 09:55玉寄興也 元米兵事件・事故 米軍軍属
逮捕から半年。元米兵暴行殺人事件で、被害者の父親が手記を寄せた。被告への強い怒り、癒えぬ悲しみ、「大事な一人娘」への深い愛情を振り絞るようにつづっている
▼「なぜ娘が」。突然、娘が殺されたことを受け止められず、気持ちの整理がつかないことに胸が痛む。「私達遺族にはいかなる言い訳も通用しません、被告人は人ではありません」と極刑を望んでいる
▼金武町の吉田勝廣さん(71)は、被害者の遺体が発見された恩納村の現場へ6日に1度行く。花をたむけ、手を合わせ、献花台の周りを掃除する。事件を忘れないため、だ
▼「米兵がらみの事件や事故が起こるたびに二度と繰り返さないと誓うが、いまだに政治は問題を解決できていない」。町長や県議など23年間、政治に関わってきた吉田さんは、自分自身にも問い掛けている
▼父親の手記は最後に「沖縄に米軍基地があるゆえに起こる。一日でも早い基地の撤去を県民として願う」と訴える。吉田さんは「根本的な解決にはそれしかない。政府はごまかしている」
▼1995年の米兵暴行事件後、日米両政府は普天間飛行場の返還に合意したが、何も変わっていない。今回の殺人事件でも、政府はパトロール強化に向け、県警の定員100人増とパトカー20台増を決めただけだ。遺族の願いとは、ほど遠い現実がある。(玉寄興也)
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日刊ゲンダイの記事【上限超えパーティー券返金 鶴保大臣に“怪しい口利き”疑惑】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/194356)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/二階の後ろ盾で鶴保やり放題】(http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1741941.html)。
《鶴保庸介・沖縄北方相(49)は21日の国会答弁で、2013年に開いた政治資金パーティーでNPO法人副代表らが購入したパーティー券の収入計300万円を返金したことを明らかにした》。
《★パーティー券を買うことで便宜を図っていたとなれば収賄も視野に入れざるを得ないだろう。…それは鶴保の影響力だけではない。鶴保は今年7月に時速40キロの速度超過で略式起訴されている。…二階という後ろ盾を利用してやり放題やっている鶴保を政府はなぜ守らなくてはならないのか》。
リテラにかなり詳しい記事があります。
【土人発言擁護の鶴保庸介沖縄担当相に重大「政治とカネ」疑惑が発覚! 国交副大臣時代、補助金の見返りに…】(http://lite-ra.com/2016/11/post-2716.html)には、《土人発言を「差別と断じることはできない」と述べ、差別思想を公然と露わにした鶴保庸介沖縄担当相。この発言だけでも大臣辞職に値するものだが、ここにきて大きな“政治とカネ”問題が明らかになった…鶴保氏が副国土交通相に就任して直後の2013年1月に開いた政治資金パーティにおいて、山梨県のNPO法人副代表が200万円のパーティ券を購入。このNPOは同年3月に国交省の所管である観光庁の補助事業に選ばれ、さらには14年2月にも別の補助事業が決定。これらの補助事業決定後も、NPO副代表は100万円(13年10月)、150万円(14年3月)と2度にわたって鶴保氏のパーティ券を購入していたことが発覚したのだ。しかも、パーティ券購入をめぐる“やりとり”はかなり悪質だ。…だが、最大の問題は、このNPOを補助事業に選んでいることだ》…だそうです。滅茶苦茶。
『●「お零れ」=「甘い利」を大臣本人が直接受け取る!
さすが、秘書任せにせずに「責任感の強い人」!!』
『●「ホンモノの疑惑にメス」は入るか?…
何でも許す倫理観無き「責任政党」と手控える批判精神無きマスコミ』
『●「美学」という名の「醜態」:
ドアホノミクスという難破船・泥船から下船する収賄大臣』
『●「美学」と「醜態」:「企業・団体献金(の禁止)うんぬんに
一直線に問題」を結び付けずにどうするのか?』
『●「甘い利」を得た「収賄=犯罪」の「構図は、単純だ」』
『●「甘利問題の核心は、政治家が口利きの
見返りとして企業から献金を受け取ることが許されていること」』
『●もはや終わった事件? マスコミも与野党議員もお優しいこって
…小沢一郎氏「事件」と大違いだ』
『●なぜマスコミや与党・癒党、民進党はバカ騒ぎしないのか?
口利きの御返し・甘い利はOK?』
『●「沖縄には明らかにおかしな新聞がある。
本当に潰れた方がいい」…自民党には「ロクなヤツがいない」』
『●吸「血税」氏引責と「不適切だが違法でない」…
東京地検が認めなくとも「あっせん利得」は「違法」では?』
『●泥棒に縄(政治資金規正法やあっせん利得処罰法)を
なわせても…「不適切だが違法でない」が続くだけ』
『●甘~い利を得た人が「私の件は決着した」!?:
「冗談」や「馬鹿」も「休み休み」言われたのではね…』
甘~い利を得た方と同様、「差別と断定できない」鶴保庸介沖縄担当相のコウユ~のも贈収賄じゃないんですか? あまりに醜く、汚くないですか? 政治資金規正法やあっせん利得処罰法に抵触しないのですか? 「不適切だが違法でない」とか、返金すれば「私の件は決着した」なんて、断じて言えない。
高江破壊や辺野古破壊の被害者の皆さん、「沖縄差別」に苦しむ皆さん、「差別と断定できない」鶴保庸介沖縄担当相には、「無実だと断じることは到底できない」という言葉を投げつけましょう!
『●沖縄差別、その究極の姿:「報道の自由」「知る権利」の
破壊に立ち向かわない「本土」マスコミの差別意識』
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」「事実関係を
無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担』
『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」』
『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見』
『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々』
『●高江破壊と歴史的暴言: 「みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、
無用な衝突を招いている張本人は誰か」?』
「「民意圧殺」=高江破壊での「歴史的暴言」とその周辺の酷い反応。
それを「歴史的暴言」と感じないヘイトな人々。ニッポンの
社会そのものが相当に歪んでいる…《今の日本の病んだ空気》。
《みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、無用な衝突を招いている張本人は
誰か》?、を理解できないようだ」
『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」
…ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘』
『●前泊博盛さん「在日米軍は、本土から…
ウルトラマンに見えるが、沖縄から見ると怪獣でしかない」』
『●沖縄差別: 「両論併記は比較すべきものでもないものすら
“論”に昇格させてしまう危険なロジックだ」』
『●「どっちもどっち」論と云う暴論の上を行く、
鶴保沖縄北方相「差別だと断じることは到底できない」論』
『●差別の掛算…「権力者が決めたことなのだから
建設計画に従うべき」×「沖縄は黙って受け入れるべきだ」』
『●「沖縄の声に耳を傾けて、理解を得るべき担当相が、
県民を敵視するかのような発言…。もはや失格」』
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/194356】
上限超えパーティー券返金 鶴保大臣に“怪しい口利き”疑惑
2016年11月22日
(補助金の見返りは否定しているが…(C)日刊ゲンダイ)
鶴保庸介・沖縄北方相(49)は21日の国会答弁で、2013年に開いた政治資金パーティーでNPO法人副代表らが購入したパーティー券の収入計300万円を返金したことを明らかにした。
21日の毎日新聞の報道を受け、大慌てで返金したのは、観光振興を目的とするNPO法人副代表が13年1月に購入した200万円分と免税店経営会社の社長を務める台湾系米国人男性が同年10月購入した100万円分。
副代表の購入額は政治資金規正法の上限を超えている。また会社社長は名義を偽装してパーティー券を購入しており、こちらも同法に抵触している可能性がある。
鶴保氏は12年12月から13年9月まで観光分野を所轄する国交省の副大臣を務め、副代表のNPOは13年3月、国交省の補助事業に選ばれた。鶴保氏は口利きなどの便宜を図った疑惑を否定しているが、外形上はかなり怪しい。
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【http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1741941.html】
政界地獄耳
2016年11月23日8時33分
二階の後ろ盾で鶴保やり放題
★18日の閣議で政府は、沖縄県の米軍施設工事反対派に「土人」と発言した機動隊員の行為を一方的に差別とは断じられないとした沖縄北方担当相・鶴保庸介について「発言を人権問題と捉えるかどうかは、言われた側の感情に主軸を置いて判断すべき」とし、謝罪した国会答弁を撤回、訂正したりする必要はないとする答弁書を決定した。
★鶴保が国交副大臣に就任した直後の13年1月のパーティーでは、山梨県のNPO法人副代表が200万円分のパーティー券を購入。するとそのNPOは同年3月に国交省所管である観光庁の補助事業に選ばれ、さらに14年2月にも別の補助事業が決定。NPO副代表は13年10月に100万円、14年3月に150万円とパーティー券を買い続けた。加えてその手口も悪質だ。同副代表は破産手続き中にあったホテル名義と、知人の公認会計士の名義の2つに分けた。1回のパーティー券の販売上限は150万円であるため、政治資金規正法違反に名義偽装も加わる。
★パーティー券を買うことで便宜を図っていたとなれば収賄も視野に入れざるを得ないだろう。鶴保が副大臣をやめた後も「関係」を強要し、役所は鶴保に言われるままにそのNPOを扱っていたのなら、それは鶴保の影響力だけではない。鶴保は今年7月に時速40キロの速度超過で略式起訴されている。この時派閥のボスである党幹事長・二階俊博は鶴保をとがめるよりもなぜ発覚したかにこだわったといわれる。二階という後ろ盾を利用してやり放題やっている鶴保を政府はなぜ守らなくてはならないのか。(K)※敬称略
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沖縄タイムスの記事【<土人発言>政府見解に芥川賞作家・目取真俊さんが反発】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/72396)。
《大阪府警機動隊の「土人」発言を「許すまじき発言」と言っていた菅義偉官房長官が「差別と断定できないというのは政府の一致した見解だ」と変更したことに対し、面と向かって言われた芥川賞作家の目取真俊さんは22日、本紙の取材に「『断定できない』とは、『差別ではない』と政府が公式に認めたようなものだ。断じて許されない」と怒りをあらわにした》。
最低の官房長官=沖縄負担軽減担当相のスガ殿ら、アベ内閣の閣僚の皆さん方全員がヘイト体質であることが露見。お得意の閣議決定で、ヘイト体質を世界に発信してしまいました。恥ずかしい。
琉球新報の社説【<社説>政府差別断定せず 「土人発言」偏見を助長する】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-398515.html)によると、《大阪府警機動隊員の「土人発言」に関し政府は、鶴保庸介沖縄担当相の「差別と断定できない」とする発言を容認する答弁書を閣議決定した。到底、受け入れられない。安倍晋三首相、金田勝年法相ら政府の見解を改めてただしたい》だそうです…本当に酷い差別主義者たちです。
そして当事者の目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/そんなに沖縄人を差別したいのか。】(http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/74f90ba23c5ce67f88fa7ea773cd4735)。《改めて、「土人」発言の動画を見てみればいい。 https://www.youtube.com/watch?v=zm6NbNKIayk ここまであからさまな差別発言は珍しいくらいだ。しかも発言者は警察官=公務員であり、公務中の発言である。本来はヘイトスピーチを取り締まるべき立場にある警察官が、ビデオカメラを向けられているのを承知で「土人」と吐き捨てる例など、滅多にあるものではない。これが差別でなければ何が差別なのか》。
『●沖縄差別、その究極の姿:「報道の自由」「知る権利」の
破壊に立ち向かわない「本土」マスコミの差別意識』
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」「事実関係を
無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担』
『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」』
『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見』
『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々』
「沖縄タイムスのコラム【我々は皆「土人」である 【金平茂紀の
新・ワジワジー通信(20)】】」
『●高江破壊と歴史的暴言: 「みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、
無用な衝突を招いている張本人は誰か」?』
「「民意圧殺」=高江破壊での「歴史的暴言」とその周辺の酷い反応。
それを「歴史的暴言」と感じないヘイトな人々。ニッポンの
社会そのものが相当に歪んでいる…《今の日本の病んだ空気》。
《みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、無用な衝突を招いている張本人は
誰か》?、を理解できないようだ」
『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」
…ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘』
『●前泊博盛さん「在日米軍は、本土から…
ウルトラマンに見えるが、沖縄から見ると怪獣でしかない」』
『●沖縄差別: 「両論併記は比較すべきものでもないものすら
“論”に昇格させてしまう危険なロジックだ」』
『●「どっちもどっち」論と云う暴論の上を行く、
鶴保沖縄北方相「差別だと断じることは到底できない」論』
『●差別の掛算…「権力者が決めたことなのだから
建設計画に従うべき」×「沖縄は黙って受け入れるべきだ」』
『●「沖縄の声に耳を傾けて、理解を得るべき担当相が、
県民を敵視するかのような発言…。もはや失格」』
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【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/72396】
<土人発言>政府見解に芥川賞作家・目取真俊さんが反発
2016年11月23日 05:00 土人発言問題 目取真俊 米軍北部訓練場 高江ヘリパッド 菅義偉菅官房長官
大阪府警機動隊の「土人」発言を「許すまじき発言」と言っていた菅義偉官房長官が「差別と断定できないというのは政府の一致した見解だ」と変更したことに対し、面と向かって言われた芥川賞作家の目取真俊さんは22日、本紙の取材に「『断定できない』とは、『差別ではない』と政府が公式に認めたようなものだ。断じて許されない」と怒りをあらわにした。
目取真さんは「沖縄の近現代史を少しでも勉強していれば、『土人』が差別用語であることは一目瞭然」と指摘。「21世紀の日本のどこに『土人』と吐き捨てるように呼ばれ、侮辱されなければいけない市民がいるというのか」と憤った。
沖縄差別をインターネット上で書き立てる「ネット右翼」ではなく、機動隊員の発言だったことを問題視した上で、「政府が公務員の差別的用語を容認し、お墨付きを与えるかのような姿勢は、沖縄以外の地方にこの差別の構図が広がる恐れがある」と強調。さらに「政治が差別用語を容認すれば機動隊だけではなく、子どもたちにまで『土人』という言葉が浸透するのではないか」と懸念した。
また、石原慎太郎元東京都知事が中国を「シナ」と公式の場で発言した過去の事例を挙げ、「『トランプ現象(米国の右傾化)』などと騒がれるが、日本こそ人権侵害が先行している国であり、国際感覚としても正常な状態ではない」と断じた。
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東京新聞の社説【「土人」発言擁護 沖縄相の資格を疑う】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016111502000133.html)。
《沖縄での警察による「土人」発言について、鶴保庸介沖縄北方担当相が八日の国会で「差別だと断じることは到底できない」と発言した。人権感覚に疑問符が付き、担当相の適格性も疑われる》。
「どっちもどっち」論と云う暴論の上を行く、鶴保庸介沖縄北方担当相の「差別だと断じることは到底できない」論。香山リカさんは《…「権力者が決めたことなのだから建設計画に従うべき」という権力側にいる機動隊員として一般市民を見下す意識、さらに「特に沖縄は黙って受け入れるべきだ」と沖縄に対する差別が加わっている》と仰っている訳で、例の「歴史的暴言」となったわけですが、それを擁護する鶴保庸介沖縄北方担当相の「差別だと断じることは到底できない」論。(リテラ)《まったく見識を疑わざるを得ない発言…頓珍漢にも程がある》。でも、どうもスガ「沖縄負担軽減担当相」最低の官房長官らも「差別だと断じることは到底できない」論を支持しているそうです。アベ様やスガ殿らまでが、ヘイト支持、沖縄差別支持なのでしょうか?
『●沖縄差別、その究極の姿:「報道の自由」「知る権利」の
破壊に立ち向かわない「本土」マスコミの差別意識』
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」「事実関係を
無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担』
『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」』
『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見』
『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々』
「沖縄タイムスのコラム【我々は皆「土人」である 【金平茂紀の
新・ワジワジー通信(20)】】」
『●高江破壊と歴史的暴言: 「みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、
無用な衝突を招いている張本人は誰か」?』
「「民意圧殺」=高江破壊での「歴史的暴言」とその周辺の酷い反応。
それを「歴史的暴言」と感じないヘイトな人々。ニッポンの
社会そのものが相当に歪んでいる…《今の日本の病んだ空気》。
《みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、無用な衝突を招いている張本人は
誰か》?、を理解できないようだ」
『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」
…ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘』
『●前泊博盛さん「在日米軍は、本土から…
ウルトラマンに見えるが、沖縄から見ると怪獣でしかない」』
『●沖縄差別: 「両論併記は比較すべきものでもないものすら
“論”に昇格させてしまう危険なロジックだ」』
『●「どっちもどっち」論と云う暴論の上を行く、
鶴保沖縄北方相「差別だと断じることは到底できない」論』
『●差別の掛算…「権力者が決めたことなのだから
建設計画に従うべき」×「沖縄は黙って受け入れるべきだ」』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016111502000133.html】
【社説】
「土人」発言擁護 沖縄相の資格を疑う
2016年11月15日
沖縄での警察による「土人」発言について、鶴保庸介沖縄北方担当相が八日の国会で「差別だと断じることは到底できない」と発言した。人権感覚に疑問符が付き、担当相の適格性も疑われる。
沖縄県の米軍北部訓練場へのヘリコプター離着陸帯建設に抗議する住民たちに先月中旬、大阪府警の機動隊員が「土人が」と、別の隊員は「黙れコラ、シナ人」と発言した。撮影された動画はインターネット上でたちまち拡散した。
住民をロープで縛ったり、微罪で逮捕する強硬姿勢には反発が広がっていた。その中で権力の側が住民をさげすむ「土人」発言である。県民全体に向けられた暴言だともとらえられた。
「土人」とは「未開・非文明」という意味を含んだ差別用語である。これは常識である。沖縄から抗議の声が上がったのも、当然である。
府警がこの二人を戒告の懲戒処分としたのも当然である。菅義偉官房長官は「不適切な発言で大変残念だ。許すまじきことだ」と述べ、金田勝年法相も国会で「土人」という言葉が差別用語に当たるとの認識を示していた。
こういう経緯をたどりながら、鶴保氏は国会の場で「差別だと断じることは到底できない」と発言したのである。
もともと鶴保氏は記者会見で「沖縄振興策は例えば基地問題と現実にリンクしている」とも発言し、後に「エールを送ったつもり」と釈明に追われた。
この問題では「消化できないものを無理やりお口開けて食べてくださいよでは、全国民の血税で使われているお金を無駄遣いしているという批判に耐えられない」と発言したこともある。
米軍基地の辺野古移設をめぐっては「注文はたった一つ、早く片付けてほしいということに尽きる」。県民が移設に反対の声を強めているのに「片付けて」という言葉は、あまりに無神経すぎる。
「土人」発言について、明治政府の「琉球処分」から受け継がれた差別意識の表れだととらえる人もいよう。そこに戦後の米国占領と復帰後も続く日米両政府の傲慢(ごうまん)さを感じる人もいよう。
それでも差別ではないと言うつもりなのか。
本来、沖縄の声に耳を傾けて、理解を得るべき担当相が、県民を敵視するかのような発言を繰り返す。もはや失格である。閣僚としても失格であるし、首相の任命責任も問われねばならない。
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沖縄タイムスのインタビュー記事【二重の差別意識が隠れている 精神科医・香山リカさん【インタビュー「土人」発言・18】】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/71009)。
《自分で意識していない人もどこかで沖縄を見下している。これは沖縄に対する差別にほかならない。…「権力者が決めたことなのだから建設計画に従うべき」という権力側にいる機動隊員として一般市民を見下す意識、さらに「特に沖縄は黙って受け入れるべきだ」と沖縄に対する差別が加わっている》。
足し算ではなく、沖縄差別の掛算。《権力側にいる機動隊員として一般市民を見下す意識》が3乗、4乗…となり、「歴史的暴言」へと。差別感情の増幅。「本土」の社会も歪んでおり、その差別意識の3乗、4乗…に何の疑問も持たない人々も多い。選挙時の「本土」の投票行動を見れば、一目瞭然。自公や「癒」党に投票できるのですから。
『●沖縄差別、その究極の姿:「報道の自由」「知る権利」の
破壊に立ち向かわない「本土」マスコミの差別意識』
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」「事実関係を
無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担』
『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」』
『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見』
『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々』
「沖縄タイムスのコラム【我々は皆「土人」である 【金平茂紀の
新・ワジワジー通信(20)】】」
『●高江破壊と歴史的暴言: 「みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、
無用な衝突を招いている張本人は誰か」?』
「「民意圧殺」=高江破壊での「歴史的暴言」とその周辺の酷い反応。
それを「歴史的暴言」と感じないヘイトな人々。ニッポンの
社会そのものが相当に歪んでいる…《今の日本の病んだ空気》。
《みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、無用な衝突を招いている張本人は
誰か》?、を理解できないようだ」
『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」
…ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘』
『●前泊博盛さん「在日米軍は、本土から…
ウルトラマンに見えるが、沖縄から見ると怪獣でしかない」』
『●沖縄差別: 「両論併記は比較すべきものでもないものすら
“論”に昇格させてしまう危険なロジックだ」』
『●「どっちもどっち」論と云う暴論の上を行く、
鶴保沖縄北方相「差別だと断じることは到底できない」論』
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【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/71009】
二重の差別意識が隠れている 精神科医・香山リカさん【インタビュー「土人」発言・18】
2016年11月14日 10:00 土人発言問題 香山リカ 著名人 沖縄差別
9月に短い期間だったが高江に行った。地元住民が静かに粘り強く抗議する姿に、「これは政治闘争ではなく暮らしを守る闘いだ」と思った。しかし東京に戻ってこの話をしても、正直言って反応は鈍い。「大変なのはわかるが、ここは沖縄の人たちに我慢してもらって」と思っているのだ。自分で意識していない人もどこかで沖縄を見下している。これは沖縄に対する差別にほかならない。
(香山リカさん)
「土人」発言には、二重の差別意識があると思う。「権力者が決めたことなのだから建設計画に従うべき」という権力側にいる機動隊員として一般市民を見下す意識、さらに「特に沖縄は黙って受け入れるべきだ」と沖縄に対する差別が加わっている。そして残念ながら、後者の「沖縄への差別」は多くの人の意識の中に隠れていることは先に言った通りだ。
人は真実を指摘されると、かえって否定して認めないことがある。「差別ではない」と取り繕う鶴保大臣らの態度にもそれを感じる。沖縄の人たちはひるむことなく、「差別するな」と声を上げてほしい。
応援する人たちは本土にもたくさんいる。私たちは、もう決して沖縄を見捨てたりしない。そう心に決めたのは私だけではないはずだ。
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沖縄タイムスの渡辺豪氏による記事【「土人」VS「土民軍」の背景にあるもの】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69899)。
《沖縄の人々の心奥に刻印されたであろう、東村高江のヘリパッド建設に抗議活動する市民に向けた10月18日の大阪府警機動隊員の「土人発言」は、在京メディアでは既に過去のことにされつつある。本土社会は、この発言を単に「特異な事例」として受け流そうとしているのではない。事態はより深刻かつ醜悪だ》。
沖縄差別・「歴史的暴言」に対してヘイトな対応をする方々。そこで出てきたのが「どっちもどっち」論と云う暴論。そして、さらにその上を行く、鶴保庸介沖縄北方相による「差別だと断じることは到底できない」論。タマゲタネ!
東京新聞の記事【「土人」発言「差別と断定できない」 鶴保沖縄北方相が答弁】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201611/CK2016110802000255.html)によると、《沖縄県の米軍北部訓練場の工事反対派に大阪府警の機動隊員が「土人」と発言した問題に関し「差別だと断じることは到底できない」と述べた。…「第三者が一方的に決めつけるのは非常に危険だ」と指摘。「現在は差別用語とされるものも、過去に流布していた例はたくさんある」と強調》。
そして、リテラの記事【鶴保庸介沖縄担当相が「土人」発言を擁護!「差別とは断定できない」「昔は差別語じゃなかった」】(http://lite-ra.com/2016/11/post-2682.html)…《これは差別の上塗りだ。…「土人」と人を罵る行為が差別に当たるかどうか判断できない。……まったく見識を疑わざるを得ない発言…頓珍漢にも程がある》。
ホントに《頓珍漢にも程がある》! 自身や家族がそう呼ばれても気にしない!?、ってことですかね。《反対する市民を弾圧できない官僚は容赦なく吹き飛ばすのが、今の官邸流人事》…アベ様の閣僚が「あぁ成る」のも納得。そして、《沖縄で起きていることにあまりに鈍感な本土社会》。《日本人が沖縄を見放すことによって、実は日本人が沖縄の人々から見放されつつある》。
『●沖縄差別、その究極の姿:「報道の自由」「知る権利」の
破壊に立ち向かわない「本土」マスコミの差別意識』
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」「事実関係を
無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担』
『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」』
『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見』
『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々』
「沖縄タイムスのコラム【我々は皆「土人」である 【金平茂紀の
新・ワジワジー通信(20)】】」
『●高江破壊と歴史的暴言: 「みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、
無用な衝突を招いている張本人は誰か」?』
「「民意圧殺」=高江破壊での「歴史的暴言」とその周辺の酷い反応。
それを「歴史的暴言」と感じないヘイトな人々。ニッポンの
社会そのものが相当に歪んでいる…《今の日本の病んだ空気》。
《みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、無用な衝突を招いている張本人は
誰か》?、を理解できないようだ」
『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」
…ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘』
『●前泊博盛さん「在日米軍は、本土から…
ウルトラマンに見えるが、沖縄から見ると怪獣でしかない」』
『●沖縄差別: 「両論併記は比較すべきものでもないものすら
“論”に昇格させてしまう危険なロジックだ」』
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【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69899】
「土人」VS「土民軍」の背景にあるもの
2016年11月6日 14:02 土人発言問題 安倍晋三首相 防衛省機動隊員
渡辺豪
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渡辺 豪(わたなべ つよし)
フリージャーナリスト(元沖縄タイムス記者)
1968年兵庫県生まれ。関西大学工学部卒。92年毎日新聞社入社。98年沖縄タイムス社入社、2015年3月に退職。現在、東京都内在住。主な著書に『「アメとムチ」の構図』(沖縄タイムス)、『国策のまちおこし』(凱風社)、『私たちの教室からは米軍基地が見えます』(ボーダーインク)、「日本はなぜ米軍をもてなすのか」(旬報社)、共著に『この国はどこで間違えたのか~沖縄と福島から見えた日本~』(徳間書店)、「波よ鎮まれ~尖閣への視座~」(旬報社)、4月に「普天間・辺野古 歪められた二〇年」(集英社新書)を刊行。
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(目取真俊さん(左端)を4人がかりで押さえ込む警察官
=18日、東村高江・米軍北部訓練場N1地区表側出入り口
(撮影:沖縄タイムス))
沖縄の人々の心奥に刻印されたであろう、東村高江のヘリパッド建設に抗議活動する市民に向けた10月18日の大阪府警機動隊員の「土人発言」は、在京メディアでは既に過去のことにされつつある。本土社会は、この発言を単に「特異な事例」として受け流そうとしているのではない。事態はより深刻かつ醜悪だ。
大阪府の松井一郎知事は発言翌日、自身のツイッターに
「ネットでの映像を見ましたが、表現が不適切だとしても、
大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのが
わかりました。出張ご苦労様」
と労うようなニュアンスを含む感想を投稿。記者会見では「混乱を引き起こしているのはどちらか」と抗議する市民の側にも非があるような見方を示した。一部メディアやネットはこれに沿う形で、「どっちもどっち」の論を展開した。
極め付けは、以下の広告見出しで記事を特集した主要週刊誌だ。
「なぜ土人発言だけが報道されるのか?
沖縄ヘリパッド『反対派』の『無法地帯』現場レポート」
正直に告白すれば、都内の地下鉄でこの中吊り広告を目にしたとき、筆者は腐った食べ物を無理矢理口に放り込まれたような吐き気をもよおした。刺激的でインパクトのある見出しを並べたこうした「報道」は、沖縄に興味や関心のない首都圏の人々の注意も引くだろう。中吊り広告だけを見て、「なるほど、そういうことなのか」と得心したような気になる人も少なくないのではないか。そんなことを考えながら、筆者も無意識のうちに「なぜ土人発言だけが報道されるのか」という見出しの文字を反すうしていた。そして、あるフレーズを思い出した。
「土民軍」という言葉だ。
防衛施設庁をある程度長く取材、リサーチしたことがある記者や研究者なら、一度は彼ら(防衛施設庁職員)が自分たちの組織をそう表現するのを聞いたことがあるはずだ。
昨年上梓した拙著「日本はなぜ米軍をもてなすのか」(旬報社)から一部引用させていただく。
【防衛施設庁は、〇六年一月に表面化した空調設備工事の発注をめぐる競売入札妨害事件に絡む一連の不祥事で「解体」が決まります。事件を通じて、防衛施設庁が20年以上前から民間業者に天下りを受け入れさせる見返りに不正な受注調整がおこなわれていたことや、事件後の内部調査に際して施設庁内で組織的に証拠隠滅が図られていたことも発覚しました。不正の根の深さから、「再生不能」と判断されたのです。
〇七年一月に防衛庁が「省」に昇格した後、防衛施設庁は同年九月に防衛省に吸収統合されました。旧防衛施設庁に在籍した職員の中には、「省昇格のために施設庁が召し上げられた」という見方をする人もいます。
この廃止・統合に当たって防衛施設庁は、歴代の長官、次長経験者らに意見を求めたようです。『防衛施設庁史』が「貴重な意見」として紹介した一つに以下の内容があります。
「防衛施設行政を担当する防衛施設庁を『外局』として設置してきたのは
先人の知恵である。防衛施設庁という『外局』が、これまで
自衛隊施設及び米軍施設に係る各種の業務を一元的に実施してきた
メリットを踏まえた組織改編とすべきである」
「先人の知恵」とは具体的にどういう知恵で、「メリット」とは具体的にどういうメリットなのでしょうか。
安全保障政策にかかわる職務のうち、「汚れ仕事」のパーツを引き受ける「外局」として防衛施設庁を防衛庁とは別部隊に切り離した「先人の知恵」によって、日米同盟をはじめとする防衛政策に対する国民の信頼を維持できたという「メリット」を忘れてくれるなよ、という思いが込められているのではないでしょうか。
『防衛施設庁史』の編さん後記で、編集にかかわった職員のうちの一人の文章に目が留まりました。「施設庁の廃止、『内局』への統合が現実味を帯びてくるにつれ、施設庁に思い入れのある先輩職員などからは、『<土民軍>の仕事を内局にできるのか』などという声も聞かれました」という下りです。】(引用ここまで)
文中にある「防衛施設庁史」は、防衛施設庁が解体される直前の2007年に同庁職員によって編さんされた、施設庁の足跡をたどる記録・証言集だ。
旧防衛施設庁職員が自分たちを「土民軍」と称するのは、自分たちが官僚組織の下層に位置しているという意識と、「現場」の仕事に携わっているという自負があるからだろう。
ある防衛施設庁OBは筆者にこう語った。
「要するに自分たちのやってきたのは外務省の尻ぬぐいですよ。
防衛施設庁の仕事は日米安保の土台を支えるための、
いわば汚れ仕事。でも、安保体制を縁の下で支えてきたという
自負はありますよ」
大臣の国会答弁やコメントを振り付けたり、各国との外交交渉や日米間のさまざまな取り決めを議論する非公開の日米合同委員会に出席したりと、大所高所から外交・防衛政策を検討するのは外務・防衛省のキャリア・エリートだ。一方、日米安保条約の履行のため外務省がレールを敷いた日米地位協定や、基地政策にまつわる日米合意の実施機関として、防衛施設庁の末端の職員はまさに「安保の現場」で住民と米軍の間に立ち、ときには住民の「嫌われ者」になることも承知でその役割に徹してきた。
日本国内でさまざまな特権に守られた米軍人関係者が住民感情を逆なでする事件や事故を繰り返すたび、「抗議」や「要請」の窓口として対応し、平身低頭する姿を見せ、世論や住民をとりなすのも防衛施設庁職員の仕事だ。かつては「内灘闘争」や「砂川闘争」といった日本本土での熾烈な米軍基地反対運動の現場でも、防衛施設庁職員は機動隊員とともに前面に立ってきた。日本本土と沖縄の米軍専用施設の比率が逆転し、74%が沖縄に集中する現在、勢いのある根強い米軍基地反対運動は「沖縄限定」の様相を帯びるようになった。
防衛施設庁の仕事はなくなったわけではなく、防衛省に吸収統合される形で温存されている。しかし沖縄では今や、高江や辺野古といった米軍基地の建設現場で、防衛省の沖縄の出先機関である沖縄防衛局職員の姿はあまり目に付かない。代わりに機動隊員や海上保安庁の海上保安官、民間の警備会社従業員らが組織の命を受け、反対派市民と対峙させられるようになった。この中には、沖縄以外の都府県警から派遣されている機動隊員も混じる。
誤解を恐れずに言えば、彼らはみんな「土民軍」ということになる。その土民軍の1人が今回、対峙する市民を「土人」と言い放ったのだ。
大阪府警から派遣された若い機動隊員はおそらく、沖縄が「本土」によって負わされてきた歴史的痛苦も安保政策の意味も基地問題の実情も十分把握していなかったのではないか。ただ上司に命じられた通り、任務を遂行していたはずだ。派遣を命じたのは、形式はともかく日本政府にほかならない。
辺野古や高江の工事を強行せよ、との官邸の意向は関係省庁に浸透している。地元世論に配意し、反対派市民の排除命令を現場に徹底できず更迭される幹部官僚もいれば、弾圧姿勢を貫き官邸の覚えがめでたい幹部官僚もいる。後者はキャリア官僚として出世の道が約束される。ある政府関係者はこう打ち明けた。
「反対する市民を弾圧できない官僚は容赦なく吹き飛ばすのが、
今の官邸流人事です」
権力機関は絶対的なたて社会、階級社会で構築されている。14年5月の内閣人事局発足後、官僚人事は官邸が完全掌握するようになっている。
われわれは末端の役人だけを見るのではなく、本質を見極めなければならない。
すべての住民に歓迎される国策というのはないのかもしれない。しかし、権力の中枢に近い人たちが決めた国策が不条理なゆがんだものであればあるほど、現場の摩擦は大きくなり、その尻ぬぐいは地元の住民と末端の役人が負わされることになる。
9月26日の所信表明演説で安倍晋三首相は、安全保障環境の変化や高江のヘリパッド移設にも言及した上で、こう訴えた。
「現場では夜を徹し、今この瞬間も海上保安庁、警察、自衛隊の
諸君が任務に当たっている。今この場所から、心からの敬意を
表そうではありませんか」
安倍首相に促された自民党議員は一斉に立ち上がって手をたたき続け、約10秒間、演説が中断した。この異様さは、「起立」と「拍手」だけによるのではない。国家や為政者に忠誠を尽くす立場の特定の職業従事者に絞って首相自らが喝采を送り、周囲にも同調を促す、というのは「自己翼賛」ともいえる異様な構図だ。これは自画自賛ではないのか。にもかかわらず、演説内容に異論をはさむ余地はない、というのが日本本土社会の常識的受け止めになっているが、本当にそれでいいのか。
国会での安倍首相の振る舞いも松井・大阪府知事の見解も、高江や辺野古で抗議活動する市民に対峙させる任務を機動隊員らに付与することへの躊躇や苦渋は微塵も感じられない。それは、彼らにとって国の政策に従わない者は、明確に「敵」と識別されているからではないか。
その感覚は正常と言えるのか。
「国民」を分断する政権の沖縄政策は「国益」や「安全保障政策」の観点から本当に有益といえるのか。日本本土の「国民」は今一度立ち止まって真剣に考えなければならない。
しかし、沖縄で起きていることにあまりに鈍感な本土社会では、「土人発言」をきっかけに、沖縄の歴史に思いを馳(は)せ、現在も続く「過重な基地負担」という差別と不条理に向き合おうとする動きが活発化する期待はもてない。これが日本社会の現実だ。
同じ時代に、同じ価値観を共有する社会に属しながら、大半の日本人は、沖縄を見放している、という自覚もないまま沖縄を追い込んでいる。日本人が沖縄を見放すことによって、実は日本人が沖縄の人々から見放されつつある。そんな気がしてならない。
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沖縄タイムスのコラム【我々は皆「土人」である 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(20)】】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69400)。
《沖縄にまつわる最近の出来事を思い返してみてほしい。「やりたい放題」という言葉はまさに高江の状況を言い当てるためにある。だが「言いたい放題」まで到来するとは思ってもみなかった》。
『●金平茂紀さん、「No Justice No Peace.
(正義のないところに平和は来ない)…高江には、ない」』
「本当に法治国家? 工事関係者を警察車両がお運びすることも
あったそうです。さらには、自衛隊のヘリコプターが工事資材を
お運びするという噂も出ています。《高江のケースは沖縄だけの
問題にとどまりません。国が直接、各地の警察組織や機動隊を
動かしていることが、どれほど恐ろしいことか。これでは地方自治も
何もありません。こういうのを国の暴挙というのであり、許されない行為》
(大野ひろみ佐倉市議)。辺野古破壊訴訟では、
県の敗訴を前提にするアベ様や裁判長という異様な状況。
これら諸々をほとんど報じない「本土」マスコミ。
「報道の自由」「知る権利」の破壊に立ち向かわない
「本土」マスコミの差別意識…沖縄差別、その究極の姿」。
「No Justice No Peace.」。沖縄差別・沖縄破壊は激しさを増している。高江は無惨に破壊され、「負担軽減」にはほど遠い。「歴史的暴言」と、松井一郎大阪「ト」知事や鶴保庸介沖縄担当相といった、その後の「本土」の皆さんの振る舞い…酷いものである。沖縄には「正義」なんてどこにも無いようだ。
『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見』
《もう一つ、僕が記憶しているのは、戦争中に日本軍が南方戦線のインドネシア・ダバオに兵士のための慰安所を開設する際に日本軍が作成した公文書…「主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設 気持ちの緩和に非常に効果ありたり」。ここに記されている主計長とは、戦後日本の首相になった中曽根康弘氏》。
その「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」。ナチソネ氏や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らが戦地で「やったこと」と歴史修正主義。
『●『朝日新聞』が「アベ様の犬HK」化しないことを望む:
相対的に「大変にマシな報道機関」はどこか?』
《…太平洋戦争時、日本陸軍経理課の軍人として慰安所設置の
任務に就いた「産経のドン」故・鹿内信隆。産経新聞からリベラル色を
一掃し、極右タカ派の論調でこの新聞を塗り固め、自民党政権と
深く結びつくことでマスコミ業界の大物として君臨した鹿内が、
さらに驚くべきことを「自慢話」として得意げに語っていたことが
判りました。太平洋戦争の初期、日本は当時アメリカの植民地だった
フィリピンを占領しました。その直後マニラ大学に在学していた
フィリピン人女学生を、日本軍の高級将校たちが「山分け」して
レイプした、と鹿内はさも痛快そうに語っていたのです…
以下の対話は、鹿内信隆氏が桜田武氏との共に書いた
『いま明かす戦後秘史(上)』(サンケイ出版、1983年、29-30頁)
からの引用である…》
《もちろん、こうした事実を産経新聞をはじめとする右派、保守派が
知らなかったわけはない。少し前に中曽根康弘元首相が
「土人女を集め慰安所開設」していたという戦時記録を紹介したが、
今回は自分たちが中興の祖とあおいでいる人物が自社の単行本で
軍の組織的な関与を認めていたのだ。
しかも、中曽根元首相の証言でも明らかになったように、軍は
現地で娼婦でない女性たちも徴収している。これでほんとうに、
従軍慰安婦のことを「自ら志願した高級娼婦」などと信じている
としたら、どこかおかしいとしか思えない》
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【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69400】
我々は皆「土人」である 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(20)】
2016年11月2日 13:30 土人発言問題 金平茂紀 沖縄差別 ヘイトスピーチ 沖縄ヘイト 米軍
金平茂紀
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金平 茂紀(かねひら しげのり)
TBS報道記者、キャスター、ディレクター
1953年北海道生まれ。TBS報道記者、キャスター、ディレクター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「ホワイトハウスから徒歩5分」ほか。
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あまりにも理不尽なことが堂々と持続的に行われていると、いつのまにか感覚が麻痺(まひ)してきて、ああこれは当たり前の出来事なのだと、「思考停止」の状態に陥ってしまうということが、僕らの国の歴史では繰り返されてきた。沖縄にまつわる最近の出来事を思い返してみてほしい。「やりたい放題」という言葉はまさに高江の状況を言い当てるためにある。だが「言いたい放題」まで到来するとは思ってもみなかった。
(土砂を積んだダンプカーの進入に抗議する市民ら
=10月25日午前、東村高江・N1ゲート前)
高江で警備にあたっていた大阪府警の機動隊員が、抗議活動に参加していた作家の目取真俊氏らに対して暴言を吐いた。「触るなくそ。どこつかんどんじゃ、ぼけ。土人が」。別の隊員も「黙れ、こら、シナ人」。発言はカメラで動画撮影されていた。映像はインターネットを通じて瞬く間に拡散した。「土人」「シナ人」という語が侮蔑的な意味合いで使われているのは明らかだ。まるでヘイトスピーチではないか。それが公務中の警察官の口から出たのだから根が深い。
本来ならば、戒めるべき立場の松井一郎・大阪府知事がまるで機動隊員を擁護するような見解を示した。「表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様」。「売り言葉に買い言葉で言ってしまうんでしょ。相手もむちゃくちゃ言っている。相手は全て許されるのか。それをもって一人の警官が日本中からたたかれるのはちょっと違うと思う」。前者はツイッターでのつぶやき、後者は報道陣の質問への回答だ。暗澹(あんたん)たる思いがする。
僕自身も高江の抗議行動の現場で何度か取材をしてきているが、機動隊の警備のありようには大きな問題がある。実施されている交通規制の法的な根拠も曖昧だ。地元紙の記者が取材中に拘束されたこともある。過剰警備の指摘がたびたびなされている。けが人も出ている。どうみても過剰な力が振るわれるのを目撃もしてきた。
機動隊員も、きびしい緊張のなかで、感情的になることもあるだろう。だからといって「売り言葉に買い言葉」などと居直るとは何を考えているのか。大体、機動隊員は逮捕権を持ち、警備のために武器を使用することもあり得るのだ。座り込みなどの直接行動に出ている反対派の市民と「対等」ではない。公権力の行使は違法なものであってはならないのだ。
それにしても、「土人」「シナ人」という「死語になったと思っていた」(翁長雄志知事)言葉が、侮蔑的な文脈で、若い機動隊員の口から飛び出したことは深刻だ。日本の近現代史の中で「土人」という言葉が使われていた例で僕が思い出すのは、1899年に制定された「北海道旧土人保護法」という法律だ。アイヌ民族についての「旧土人」という表現および法律の内容が差別的であるとの批判が高まり、1997年、アイヌ文化振興法施行に伴って廃止された。アイヌ保護を名目とはしていたが、アイヌの土地の没収、アイヌ語使用の禁止、アイヌ固有の風習の禁止などが含まれていた。
もう一つ、僕が記憶しているのは、戦争中に日本軍が南方戦線のインドネシア・ダバオに兵士のための慰安所を開設する際に日本軍が作成した公文書に次のような記載があったことだ。「主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設 気持ちの緩和に非常に効果ありたり」。ここに記されている主計長とは、戦後日本の首相になった中曽根康弘氏である。「土人女」が何のために集められたのかはここでは記さないことにする。
さらに想起されるのは、人類館事件だ。1903年、大阪で開かれた内国勧業博覧会の学術人類館なるパビリオンに、アイヌ、台湾高砂族(生蕃)、清国(当時は「支那」と表記されていた)、朝鮮、インド、トルコ、アフリカなどと並んで琉球人(女性2人)が民族衣装をまとって生きたまま展示されていた。沖縄県と清国から激しい抗議があり、関係部分の展示が中止された。沖縄県からの抗議には非常に屈折した要素が含まれていた。
実際に展示されていたのが辻遊郭の女性であったこと、さらには当時の日本政府の強烈な同化政策の下で、「我を生蕃アイヌ視したるものなり」(当時の沖縄紙)、つまり「沖縄の人間を台湾のネーティブやアイヌと一緒にするな」と怒っていたのである。だが、当時の日本という国が、自分たちとは「異なる」人々だとしてそれらの人々を生きたまま展示する行為に現れている「植民地主義のまなざし」は、今に通じるものがないか。
「シナ人」という表現について言えば、翁長知事が那覇市長時代の2013年1月にオスプレイ配備反対を訴えた41市町村首長ら連名の建白書を携えて上京し、銀座をデモ行進した際に、路上にいた一群の連中から「中国のスパイ」「売国奴」「琉球人は日本から出て行け」などのヘイトの罵声が浴びせられたことがあった。そんな言葉の悪意が2016年の機動隊員にまで伝染したとは思いたくないが。
黒船のペリー提督は浦賀に現れる前の1853年5月、琉球王朝時代の沖縄本島を訪れていた。『ペリー提督日本遠征記』に初上陸で目にした沖縄の町の様子が記されている。ペリー一行の冷静な観察眼には今読んでも驚かされるが、こんな記述がある。「土人」などと見下す発想と比べながら僕はこれを読んだ。
「数群の琉球人が、われわれが上陸するのを見守っていたが、こちらが近づくにしたがってそろそろあとずさりした。髪にさした銀色のかんざしから比較的身分がいいと見分けられる者たちは、こちらに向かって丁寧なおじぎをした。身分の低い者たちは、茶色い木綿か芭蕉布の着物を一枚着ているきりで、子供たちは素裸だった。彼らの住居は、きわめて貧しい家でもよく整頓され、こざっぱりしている」「群集のなかには風格のある老人たちが大勢いて、顎鬚を豊かに垂らし、威厳と落ち着きをそなえていた」「彼らが心から平和を愛する人々であることは間違いない」。
「植民地主義のまなざし」に対して、礼節と平和をもって接する沖縄の人々の姿が浮かんでこないだろうか。
もちろん、ペリー一行のまなざしの中にも、異世界の人々=「土人」観が全くなかったとはいえまい。
もともとアメリカは、ネイティブ・アメリカン(先住民)を大量に殺りくした暗い過去がある。だが、アメリカは根深い人種差別の歴史を乗り越えて、オバマ大統領が選ばれるまでの国になった。あえて言おう。私たちは差別する側も、差別される側も、皆「土人」なのだと。「土人」という言葉を無化するためにそのようにあえて言うのだ。(テレビ報道記者・キャスター)=随時掲載
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『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の安福泉氏の記事【「琉球新報」「沖縄タイムス」は「偏向」しているのか? ヘイトと闘ってきたジャーナリストが見た沖縄基地問題とメディア】(http://lite-ra.com/2016/09/post-2575.html)。
《ジャーナリスト安田浩一の近刊『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日新聞出版)である。安田が本書の取材を始めたきっかけは、昨年6月に自民党の「文化芸術懇話会」で作家の百田尚樹が発した「沖縄の2紙はつぶさなあかん」発言だった》。
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
《沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」》は相当に歪んでいる。
安田浩一さんの取材に、沖縄タイムスの編集局長は…《新聞社だけの問題じゃないと思ったんです。なんていうか、愚弄されたように感じたんですよ。沖縄が。沖縄の人々が》《完全な誤解、というよりも悪質なデマでしょう。単純な罵詈雑言ではなく、事実関係を無視した沖縄攻撃ですよ。黙っていられるわけがありません》と答えたそうです。
同様に、琉球新報の編集局次長は《問題の本質は沖縄に対する蔑視、差別だと思うんです。一作家の失言や暴言というレベルで捉えるべきものじゃない》《馬鹿にされているんだと思いますよ。政権にとって都合の悪い言論が、政権によって封殺されようとしている。そうした意図を感じるんです》と答えたそう。
「本土」マスコミの堕落。《沖縄の新聞が特殊なのではない、沖縄の置かれた環境が特殊なのだと安田は言う》、それを理解できない「本土」マスコミ。《政府を厳しく監視するのが「新聞の骨格であり、軸足」》ことを忘れ、アベ様らに擦り寄る情けなさ。
アベ様や「沖縄負担軽減担当相」最低の官房長官、稲田朋美防衛相、鶴保庸介沖縄担当相らは、「沖縄差別」し、「住民分断」し、沖縄を「捨て石」にして恥じない人達。「本土」マスコミは、辺野古破壊や高江破壊など、沖縄で起こっていることをほとんど伝えようとはせず、ましてや、「ト」な人々が琉球新報や沖縄タイムスを攻撃しても見て見ぬふり。「本土」の皆さんは、自公議員や「癒(着)」党議員に投票して、彼らを支えている訳で、「第二の加害者」として沖縄イジメに加担。
『●アホらしき税収不足! 日本の「報道の自由度」72位で、
「パナマ文書を調査しない国は…と日本くらい」』
『●2016年報道の自由度ランキング72位:
「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪』
『●むき出しの「言論弾圧政党」: 東京新聞社説
「沖縄の二紙のみならず、報道機関全体で抗議すべきこと」』
『●「百田氏や自民党議員からの圧力はすべてのメディアの
言論の自由に対する挑戦・・・危機感を共有して」!』
『●「沖縄には明らかにおかしな新聞がある。
本当に潰れた方がいい」…自民党には「ロクなヤツがいない」』
『●沖縄差別、その究極の姿:「報道の自由」「知る権利」の
破壊に立ち向かわない「本土」マスコミの差別意識』
『●芸術家との意見交換を通じて「心を打つ『政策芸術』を立案し、
実行する知恵と力を習得・・・だそうです』
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【http://lite-ra.com/2016/09/post-2575.html】
「琉球新報」「沖縄タイムス」は「偏向」しているのか? ヘイトと闘ってきたジャーナリストが見た沖縄基地問題とメディア
安福泉 沖縄 2016.09.21
(『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日新聞出版))
名護市辺野古の新基地建設をめぐり、沖縄県の埋め立て承認取り消しを「違法」と断じた福岡高裁那覇支部の判決。敗訴した同県の翁長雄志知事は「(裁判所が)政府の追認機関であることが明らかになった」「民意が一顧だにされないことが他の都道府県であり得るのか」と厳しく批判し、上告を決めたが、沖縄の民意を伝える地元紙の報道もまた怒りに満ちていた。
「異常な恫喝と決めつけ」と社説に見出しを掲げたのは沖縄タイムス。「これほど、得るところのない判決は、めずらしい。裁判官の知的誠実さも伝わってこない」と痛烈に批判した。琉球新報は「県民世論を踏みにじり、県益を守る地方自治の知事権限を否定する判決であり、承服できない」と反発。「国益」をタテに沖縄を無視する政府と司法の姿勢に、両紙揃って地方自治の危機を訴えている。
基地負担や安保政策をめぐって政府与党とことごとくぶつかり、その意を受けた政治家や文化人から「偏向報道」「事実を捻じ曲げている」「基地賛成派の意見を封殺している」などと攻撃を受けてきた2紙。安倍政権になって以来、「嫌沖」言説を背景とした圧力は強まる一方だが、沖縄の民意に立脚した論調はいささかも揺らいでいない。
その報道姿勢がどういうものであり、新聞の作り手は何を考えているのか。どこに原点があり、なぜそれが守られてきたのか。記者や編集幹部、OBへのインタビューと沖縄のメディア史を掘り起こして明らかにしたのが、ジャーナリスト安田浩一の近刊『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日新聞出版)である。。
安田が本書の取材を始めたきっかけは、昨年6月に自民党の「文化芸術懇話会」で作家の百田尚樹が発した「沖縄の2紙はつぶさなあかん」発言だった。本書は、百田と出席議員の発言内容を詳細に書き起こし、反証するところから始まる。たとえば、百田のこの発言だ。
「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りに何もない。
基地の周りが商売になるということで、みんな住みだし、
いまや街の真ん中に基地がある。騒音がうるさいのはわかるが、
そこを選んで住んだのは誰やと言いたくなる」
安田は、地元の古老の証言や郷土史誌の記述から、この百田発言が全くの事実無根であることを示す。普天間基地の敷地内にはかつて10の集落があり、約9000人が住んでいた。住民が捕虜収容されている間に米軍が鉄条網で土地を囲い、「銃剣とブルドーザー」によって強制接収した。山口県の岩国基地から海兵隊が移転してきたのは1976年。その時には宜野湾市の人口は5万人を超えていた。市街地であった場所に、わざわざ海兵隊がやってきたのだ、と。
沖縄の2紙は百田発言に対し、初めての共同抗議声明を出す。普段は熾烈なライバル関係にある両社を動かしたのは、日常茶飯事と化した新聞批判ではなく、基地の歴史をめぐるデマへの怒りだったという。沖縄タイムスの編集局長はこう語る。
「新聞社だけの問題じゃないと思ったんです。なんていうか、
愚弄されたように感じたんですよ。沖縄が。沖縄の人々が」
「完全な誤解、というよりも悪質なデマでしょう。単純な罵詈雑言ではなく、
事実関係を無視した沖縄攻撃ですよ。黙っていられるわけがありません」
一方、琉球新報の編集局次長は憮然とした表情で安田の取材に答えている。
「問題の本質は沖縄に対する蔑視、差別だと思うんです。一作家の失言や
暴言というレベルで捉えるべきものじゃない」
「馬鹿にされているんだと思いますよ。政権にとって都合の悪い言論が、
政権によって封殺されようとしている。そうした意図を感じるんです」
彼らには「偏向」と言われる理由がわからない。沖縄戦の犠牲者遺族や基地に追いやられた人びとの嘆きや脅えを直接聞き、その上にまた差別と偏見まみれのデマで攻撃される。それに対して抗議の声を上げることのどこが偏向なのか。差別の前提には必ず不平等な力関係がある。それを知りながら、「公正・中立」をお題目に両論併記でお茶を濁すことなどできない。
百田発言の直後、電話で本人に真意を質した沖縄タイムスの記者はこう書いた。
〈ネットなどには沖縄タイムスに対して「偏向報道」という書き込みもある。
権力側の思いを代弁し、権力側にすり寄る記事こそ偏向報道だと言いたい。
そんなメディアに絶対に落ちぶれないと、あらためて思いを強くした〉
安田はこうして記者たちを訪ね、資料を掘り起こしながら、さまざまな「嫌沖」の俗説・風説を覆す証言や記録を拾っていく。「沖縄経済は基地依存」という神話。「米兵よりも沖縄人のレイプ犯罪率の方が高い」という中傷。「沖縄の新聞は基地のことばかり書いている」という全国メディアからの揶揄。「沖縄の新聞が反基地・政府批判を扇動している」という誤解……。
それだけではない。新基地建設に賛成する市議、2紙を激しく批判する「愛国者」や保守運動の関係者、かつて存在した保守系紙──地元財界の支援で創刊し、第三の日刊紙を目指したが、数年で廃刊に追い込まれた──の元記者、現在では沖縄で唯一の保守系紙といわれる「八重山日報」の編集長ら正反対の立場の者も訪ね、丹念に話を聞いている。そのうえで安田は書く。
〈異論は大事だ。異論から学ぶことだってある。(略)だが──国家という
枠組みのなかで翻弄されてきた沖縄の歴史を考えるとき、その異論が
国家に寄り添うことで、沖縄全体の歴史を捻じ曲げることがあれば、
それは国家にとって都合の良いだけの存在にはなるまいか〉
本書ではまた全国紙や保守系紙とはっきり異なるスタンスを示した記憶に新しい報道として、琉球新報の“オフレコ破り”の内幕が描かれている。
2011年11月、当時の沖縄防衛局長が担当記者たちとの懇談会で、こんな暴言を吐いた。
「犯す前に、これから犯しますよと言いますか」
辺野古新基地工事のゴーサインとなる環境アセスの評価書をめぐって「年内提出の明言を避けるのはなぜか」との記者の質問に答えたのだったが、この発言はオフレコとされていた。だが、沖縄を見下し、県民の尊厳を踏みにじるばかりか、性暴力を肯定するかのような下劣な発言に琉球新報の基地担当記者は怒りを抑えきれず、編集局次長に相談する。
「僕自身はその時点で、記事にするつもりでいました。その覚悟はできていた。
いや、絶対に書かなければならないと思ったんです」
記者の報告を受けた同紙の編集幹部らは短い協議の後、「どんな嫌がらせがあってもいい。読者の知る権利に応えよう」と結論を出したのだという。記事は大きな反響を呼び、その日のうちに防衛局長の更迭が決まった。全国紙は後追いせざるを得なかったが、なかには「腑に落ちない」「疑問が残る」といった表現で、オフレコ破りを批判するところもあった。
安田は、この章を次のように結んでいる。
〈問題はオフレコ破りの是非でもなければ、スクープの軽重でもない。
政府の立場を代表する官僚が、国と沖縄の関係を強姦のように例えたこと
である。(略)主権も人権も、犯され、侵されているのが、沖縄という存在なのだ〉
沖縄の新聞が特殊なのではない、沖縄の置かれた環境が特殊なのだと安田は言う。その証拠に、本書に登場する記者たちは、ネトウヨが決めつけるような左翼思想に染まった者でも、運動家でもない。なんとなく記者になった者。進路に迷って転職してきた者。「寒くないところで仕事がしたかった」「本社が家の近所だった」と打ち明ける者もいる。普通の新聞記者が、地方紙がやるべき当たり前の仕事をしているだけなのだ。
「早く基地問題以外のことを取材したい」という記者も多い。
だが、今の沖縄で記者をする以上、この不条理を避けては通れない。
県民にとって基地問題は安全保障ではなく人権の問題であり、
政府を厳しく監視するのが「新聞の骨格であり、軸足」だからである。
安田は本書の刊行後も沖縄・高江のヘリパッド建設現場に通って、自らのウェブマガジン(http://www.targma.jp/yasuda/)などにレポートを書き、その合間に沖縄の現状を伝える講演を各地で精力的に行っている。22日には大阪で、石丸次郎、松本創、西岡研介という3人のジャーナリストを迎え、『「ペンの力」とメディア~レイシズム、ポピュリズム、ナショナリズムと闘うには』と題したトークイベントを開くという(http://www.targma.jp/yasuda/2016/09/09/post643/)。おそらく、ここでもこの沖縄の問題が語られるはずだ。
(安福泉)
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