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●問題解決はとっても簡単だと思いますよ、軍事費倍増を止めればよいのです。その分の税金を子供たちのため、教育のため、市民のために使えばよいだけ

2024年07月17日 00時00分52秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2024年06月22日[土])
大学改革」の名の下で、最高学府の教育・研究問題、運営費交付金を削りまくり、文系教育をつぶし、国の支配を強める。その行き着く先が《2020年の菅義偉政権による日本学術会議会員任命拒否問題》。(長周新聞)《独立法人化以降、20年にわたり大学改革なるものが進められてきた結果、大学は「崩壊」「後退」「劣化」といった問題が表面化してきた。国立大学をして「もう限界といわしめる状況のなかで、潤沢な資金をちらつかせて研究者を軍事研究に囲い込む体制づくりも着々と進んでいる》、《基礎研究を軽視して、手っ取り早く稼げる商用技術がもてはやされるなど、学問研究の価値基準をビジネス的な数字に置き換える軽薄な改革がもたらした低レベル化というほかない》。
 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/東大が値上げしたら次は広島大か 「最大の利害関係者は学生のはずなのに秘密裏に…」国会内で学生ら怒りの声】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/333647?rct=tokuhou)によると、《東京大が検討中の授業料値上げを巡り、反対する学生団体などが14日、国会内で集会を開いた。「家計と大学という、物価高に苦しむ当事者同士で負担を押しつけ合うことは悲劇」として、国に相応の予算措置を求めた。同様に値上げの可能性が浮上している広島大の学生も登壇し「教育格差が深刻化する」と懸念した。(西田直晃)》。

 《「国立大学の研究資金が1人当り年間平均40数万円」…》…理系であれば、光熱費で一発で吹き飛ぶほどの雀の涙。
 問題解決はとっても簡単だと思いますよ、軍事費倍増を止めればよいのです。その分の税金を子供たちのため、教育のため、市民のために使えばよいだけです。大学での軍事研究など論外だ。戦争や兵器でカネ儲けするような落ちぶれた、醜悪な国になってはいけない。消費税制も止める。適正に課税する。ドアホノミクスの失敗を認め、すがっちやキシダメ首相の政を全て見直す。「利権」「裏金」「脱税」党やお維の泥棒・犯罪者・反社たちを追放する。真っ当な政治や経済を取り戻す。その第一歩が東京都知事選…。
 【国の未来のため大学予算増額を 国大協「もう限界」と訴え 研究者育たず学術は崩壊 【声明全文】】(https://www.chosyu-journal.jp/kyoikubunka/30851)。《国立大学協会(永田恭介会長)が7日、「我が国の輝ける未来のために」と題する緊急の声明を公表した。国立大学の活動を支える運営費交付金の削減が続くなかで、物価高騰や円安などが経営基盤を悪化させており、いまや限界を迎えていると訴える内容だ【下別掲】。今月中に閣議決定が予定される政府の「骨太の方針」や、文科省の来年度政府予算案の概算要求(8月)に運営費交付金の増額を盛り込むよう訴えると同時に、国立大学の窮状を国民に知らせ、世論を喚起することを意図している独立法人化以降、20年にわたり大学改革なるものが進められてきた結果、大学は「崩壊」「後退」「劣化」といった問題が表面化してきた。国立大学をして「もう限界といわしめる状況のなかで、潤沢な資金をちらつかせて研究者を軍事研究に囲い込む体制づくりも着々と進んでいる》。

 《「経済的利益」を重視する国の政策によって…資金》大幅減 (NNNドキュメント)、《研究者使い捨てを容認する社会…研究を担う人を軽く扱い、コストと見ている》(こちら特報部)。この国は病んでいると思う…かたや、軍事費倍増し、軍事研究せよと…。少子化の折、徴兵制でも布いて…食料と農業を守らないニッポン『乳牛をしぼればしぼるほど赤字になる。まったく希望が持てない』…《兵糧攻め》に対して、兵器でも喰うのかね

   『●「道徳」を説く文科相がソレってOKなの? 
        「道徳心とか愛国心とかがコドモたちにとって安全」??
   『●「不正文科相が子どもに「道徳心」を説き得る」
        「大臣を辞めながら反省どころか、威張る」・・・「珍芸」

   『●文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』・・・ 
      コドモタチの道徳教育のための好例として記載を可能か?
   『●「詐欺や脱税」に総務相や法相がお墨付き… 
      自民党では白紙領収書に「(法的に)問題はない…」!?
   『●脳内回路は大丈夫?? 自民党若手の脳内では、 
          「憲法学者達<<百田尚樹氏」という訳だ!?
   『●甘~い利を得た人が「私の件は決着した」!?: 
       「冗談」や「馬鹿」も「休み休み」言われたのではね…
   『●何度目かの「指摘は重く受け止めますが、
      法的には問題がありません」ごっこ by 下村博文元文部科学相
   『●《安倍の出身派閥・清話会の指定席》な文科相の系譜の酷さ…
        《受験利権のコントロールが目的だったのではないか》?
    《★だが文科相は第2次安倍内閣以降、下村博文馳浩松野博一
     林芳正柴山昌彦萩生田と林を除きすべて安倍の出身派閥・清話会の
     指定席となっている。表向きは道徳教育の積極導入などだったが、
     実態は受験利権のコントロールが目的だったのではないか
     と疑われても仕方があるまい》

   『●【NNNドキュメント カネのない宇宙人 信州 閉鎖危機に揺れる
     天文台】…《「経済的利益」を重視する国の政策によって…資金》大幅減
    「2005年から運営費交付金を年1%削減し続ける文科省。人件費が
     どんどんと削られ、研究者が減らされていく。文系どころか、理系に
     対しても未来に投資しない国。一方、巨額の軍事研究費で研究者の
     良心を釣る。おカネ儲けのことしか考えていない独裁者・アベ様ら。
     この国ニッポンの科学の未来はトンデモなく暗い…。」

   『●毎日新聞【「軍事研究せぬなら、行政機関から外れるべき」 自民・
     下村博文氏、学術会議巡り】…人殺しの研究なんてまっぴら御免だね
     「日本学術会議事件の原点は、なぜ6人「だけ」を任命拒否したの
     ですか?、です。質問は非常にシンプル。さっさと答えてください
     よ、元文科相殿。「全く問題と考えていない選択できるのは当然
     ならば、なぜ6人「だけ」を任命拒否したのかを教えてください。
     いま議論すべきは、そこだけ。違法・違憲オジサンを、いつまで
     放置しておくのですか。任命権や諸外国云々を持ち出す前に、
     政調会長には、いま、違法が放置されている認識は無いの?」

   『●現在の日本学術会議法を遵守せず、その違法状態を放置しておいて改悪
      って、バカなのか? 憲法を遵守せず、違憲に壊憲する愚劣さと同じ
   『●《研究者使い捨てを容認する社会は許されない》…《あの理化学研究所で
       97人雇い止め》という理不尽、かたや軍事費倍増し、軍事研究せよ…

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https://www.chosyu-journal.jp/kyoikubunka/30851

国の未来のため大学予算増額を 国大協「もう限界」と訴え 研究者育たず学術は崩壊 【声明全文】
2024年6月18日

     (京都大学)

 国立大学協会(永田恭介会長)が7日、「我が国の輝ける未来のために」と題する緊急の声明を公表した。国立大学の活動を支える運営費交付金の削減が続くなかで、物価高騰や円安などが経営基盤を悪化させており、いまや限界を迎えていると訴える内容だ【下別掲】。今月中に閣議決定が予定される政府の「骨太の方針」や、文科省の来年度政府予算案の概算要求(8月)に運営費交付金の増額を盛り込むよう訴えると同時に、国立大学の窮状を国民に知らせ、世論を喚起することを意図している独立法人化以降、20年にわたり大学改革なるものが進められてきた結果、大学は「崩壊」「後退」「劣化」といった問題が表面化してきた。国立大学をして「もう限界といわしめる状況のなかで、潤沢な資金をちらつかせて研究者を軍事研究に囲い込む体制づくりも着々と進んでいる。

 2023年度、春に唯一の国立総合芸術大学である東京芸術大学が、ウクライナ危機などに端を発した光熱費の高騰でどうにもならないということでピアノ5台を売却して年間12万円ほどの調律費を節約したほか、「電気代を稼ぐコンサート」という身も蓋もない名称のコンサートを開催。同年10月には金沢大学がキャンパス内の老朽化したトイレを改修するためにクラウドファンディングで異例の寄付集め(目標額300万円)をおこなうなど、国立大学がいかに金銭的に窮しているかを世間に知らしめるできごとが立て続けに起こった。

 国立大学協会が発した声明では、教職員の人件費や研究費に充てる運営費交付金が減額されたままのなかで、近年の光熱費・物価の高騰などで実質的に予算が目減りし続け、各大学が危機的な財務状況に陥っていることを明らかにし、そのなかで質の高い教育研究活動を維持・向上していくために外部資金やみずから収入を増やす努力も進めているものの、もう限界であると訴えている。

 国立大学は2004年度に小泉政府のもとで独立法人化され、2015年度まで国から支給される運営費交付金は1%ずつの削減が続いた。2020年度からは横ばいだが、独法化時点の2004年度に全体で1兆2415億円だったものが、24年度には1兆784億円と13%減っており、その額は中堅・地方大学20大学分に相当する【グラフ①】。

 一方、法人化時には想定されていなかった、高年齢者の再雇用人件費や消費税率の引き上げ、固定資産税や情報システム費用といった義務的経費は増加し、社会保険料も法人化時点より4%以上増加するなど、経費は上昇の一途を辿っている【グラフ②】。それに加えて、近年の物価高騰や円安などが基盤経費を圧迫し、実質的に予算が目減りし続けているという。

 政府は運営費交付金を削減する一方で「選択と集中」「競争と評価」を掲げて、目先の成果が期待される分野など財界や国の求める研究で業績を上げた大学に重点的に研究費を配分するようになり、そうではない基礎研究などは切り捨てられてきた。しかも「選択され集中される案件の多くは期限付きプロジェクトであり、その増加によって若手研究者の不安定な雇用が拡大し、ポスドク問題を生み出した

 この状況は今も続いている改正労働契約法の施行から10年を迎えた昨春、10年働くと無期雇用を申請する権利が得られるはずだった研究者や研究支援員が大量に雇い止めされたことは記憶に新しいが、国立大学協会が示した資料によれば、40歳未満の若手では、2023年で任期付き雇用が59・3%と6割に迫っているグラフ③】。

 修士課程、博士課程に進学する学生は減少を続けており、人口100万人当りで見ると修士号の取得者はもっとも多いアメリカの8分の1博士号はドイツの半分に満たないグラフ⑥】。それは、日本の研究力の低下となって如実にあらわれている。武蔵野学院大学の島村英紀特任教授は「研究面ではホームランが打てなくなった研究者は、安直な内野越えのヒットばかり狙うようになり、短期的な研究成果にこだわらざるをえなくなった」(本紙2023年1月8日付)と指摘している。

 国立大学協会は、修士課程の約60%、博士課程の約70%を国立大学の学生が占め、また国立大学の全学生の約65%が3大都市圏以外の学生であり【グラフ④ 】、高等教育や地域における人材育成の拠点となっていることを強調しており、国民に対し、人材の育成・輩出という役割をこれまで以上に果たしていく決意とともに、危機的な財務状況の改善に対する理解と共感、協働を呼びかけている


米国式大学運営の導入 軍学共同へいざなう

 小泉政府から始まった大学改革は、新自由主義を基調とするアメリカ式の大学運営を日本に持ち込もうとするものだった。それは企業や個人の投資や寄付によって大学が自己資金を集め、その運用益で大学の運営費を調達するというもので、資金運用のプロが雇われ、経営陣にも企業からの出向者が増えた

 また、大学の授業料が基本的に無料であるヨーロッパの大学とは対照的に、アメリカの大学は授業料を引き上げ、支払い能力のある学生学生ローンの借り入れを含むを呼び込んできた。同じく日本の国立大学の学費も、運営費削減にともなって1975年には3万6000円だったものが2000年には34万円に、現在では54万円にまで上昇しており、物価高騰を受けて東京大学など一部国立大学ではさらなる値上げも検討されている。

 こうして大学を兵糧攻めしながら、ここ10年で本格化してきたのが、研究者の軍事研究への囲い込みだ。2014年に安倍政府は学校教育法を変えて「大学の重要事項を審議する機関であった教授会を「学長からの諮問事項を審議し意見を述べる機関に格下げし、人事や予算決定の権限を持っていた教授会から権限を剥奪して、大学の自治を弱体化させた。

 さらに2015年には国立大学に対して「役に立たない人文社会学系や教員養成系の学部や大学院について、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとすると通知基礎研究や人文系など、目先の利益につながらない分野を切り捨てる一方で、防衛装備庁による「安全保障技術推進制度をスタートさせた当初3億円だった予算は104億円まで増額している。経済安保法制の立法化が企まれるもとで、学術研究機関にも多額の研究費と引き換えにして政府による統制の手が伸びている。

 岸田政府になって以降、研究者の頬を札束で叩くような形で、その動きは一層進んでいる。2022年5月、「軍事技術開発への研究者の動員という言葉を露骨に使い、「経済安全保障推進法」が成立した。その重要な柱として「特定重要技術開発支援」があり、このために5000億円の基金を用意することになっている。20年間に削減された国立大学の運営費交付金1600億円がいかにわずかな金額であるかを示している。ここでは海洋領域、宇宙・航空領域、領域横断・サイバー空間領域、バイオ領域の4つの領域を設定し、20の先端技術にかかわるプロジェクトを官民協議会を組織して進めようとしており、そこに研究者を誘い込む算段だ。

 同じ時期に成立させた「国際卓越研究大学法」(通称・稼げる大学法)では、財政投融資をおもな原資にした10兆円規模の大学ファンドを設立し、その運用益から3000億円を上限に配分するという「鼻先にんじん的なメニューを打ち出した。初めての公募となった2023年春には10校が応募したものの各大学内で反発が高まり、認定されたのは東北大学1校。東大など複数の大学が、今年度に予定される次の公募に再チャレンジする意向を示している。

 「国際卓越研究大学」に認定されれば、大学ファンドからの助成を受けるかわりに、学外者でつくる経営意思決定機関学長を解任できる権限など、人事権を持つの新設や、3%の事業成長が求められるなど、非常に強い統制を政府から受けるようになる。そして、ファンドからの助成額の決定のうえで、「外部資金の獲得実績」などの条件があり、認定大学が「外部資金獲得」の名の下に、安全保障技術研究推進制度など軍事研究に参加せざるを得なくなることも指摘されている。

 いずれ政府は、アメリカのように既存の大学や研究所から切り離された、もっぱら軍事研究をおこなう研究所を設置することも検討していると指摘されており、原発事故を契機にして住民の離散が進んだ福島では「福島イノベーション・コースト構想きな臭い案件として注視されている。これに関連するイベントでは「研究開発費が7億円出る」「ロボット1台当たり100万円、最大15台1500万円まで出る」などと宣伝されていた。

 「国立大学の研究資金が1人当り年間平均40数万円」ともいわれるなかで、桁違いの資金をちらつかせて研究者を軍事研究に誘い込む動きを見れば、運営費交付金1600億円を復活させることなどたやすいことは明らかといえる。

 2023年11月には、国立大学法人法が改正され、一定規模の国立大学に政令で「運営方針会議という新たな合議体文科大臣の承認を得た委員で構成の設置を義務付け、運営方針通りに大学運営がされているかどうかを学長に3カ月ごとに報告させ、運営方針に従っていないと見なされる場合は、学長に改善措置を指示する権限や、実質的な解任権限まで持たせることになった。役員会など学内構成員は大学運営や大学内部の資源配分について発言する権限は奪われることになり、大学自治の主体であるはずの学内組織を形骸化させる措置となっている。

 文部科学省の報告書によると、日本の研究者数の合計は中国、アメリカに次いで世界第3位だが、世界で最も多く引用された論文の上位10%に入る日本の研究論文のシェアは6%から2%にまで低下。発表論文数も世界で5番目に多いが、引用数で上位10%に入る研究論文の数は13位に転落するなど、国際的な地位低下に対する懸念が高まっている。基礎研究を軽視して、手っ取り早く稼げる商用技術がもてはやされるなど、学問研究の価値基準をビジネス的な数字に置き換える軽薄な改革がもたらした低レベル化というほかない。

 日本社会の発展と繁栄のために、各分野の人材を育成することは大学の使命である。政府が目先三寸の政治目標のためそれを歪め、土壌を破壊することは国の将来を切り拓く可能性の芽を摘むことであり、必要なことは公共の福祉に資する学術研究の土台と独立性を国として保証することである。


○     ○


【国立大学協会声明】我が国の輝ける未来のために

1、国立大学の覚悟

 天然資源に乏しい我が国にとって、最も重要なのは人材であり、社会と産業を動かす科学技術の進歩です。大学は、高い能力と見識を備え、未来を創造する人材の育成と、高度で先端的な研究の推進に重要な役割を果たしてきました。その中でも国立大学は、創設以来、世界最高水準の教育研究の実施や重要な学問分野の継承・発展、すべての都道府県に設置され全国的な高等教育の機会均等の確保、グローバル人材の育成といった役割を担ってきました。これからも国立大学は、我が国の研究力の源であって、我が国全体の、そして各地域の文化、社会、経済を支える拠点であり、産業、教育、医療、福祉などに十全の責務を負っていく覚悟です。


2、国立大学を取り巻く財務状況の悪化

 国家予算が厳しさを増すにつれ、国立大学の活動を支える基盤経費運営費交付金は減額されたままです。加えて、社会保険などの経費の上昇、近年の物価高騰、円安などにより基盤経費を圧迫し、実質的に予算が目減りし続けています。また、働き方改革の実現のため、大学教職員、学校教員や医師を確保する必要も出てきました。その中にあっても質の高い教育研究活動を維持・向上していくために、寄付金などの外部資金や自ら収入を増やす努力も進めています。そうして、我が国の課題、また地球規模の課題の解決に、教育と研究を通じて全力で取り組んできました。
 しかし、もう限界です


3、輝ける未来への協働

 我が国の教育研究の根幹をなす86の国立大学は、輝ける未来に向けて、以下のことに取り組みます。
 ①博士人材などの高度人材の養成をさらに進め、輝ける未来創造を牽引します。
 ②社会人や女性、外国人など多様な人材を受入れ、多様性の時代を牽引します。
 ③全国の大学進学率の向上に努め、国全体の知のレベルを上げて、地域社会とグローバル社会を牽引します。


4、国民の皆様へのお願い

 このように、国立大学はこれまで以上に大きな役割を果たして、我が国全体のさらなる発展を支え、豊かな社会を実現していこうとしています。国立大学の担うこのミッションは、国や地域、産業界や自治体を含む社会全体、そして国民の皆様一人ひとりに、積極的に参加いただき、ともに協力していくことにより、実現していくことができます。
 国立大学の危機的な財務状況を改善し、我が国の輝ける未来を創り出すために、皆様の理解と共感、そして力強い協働をお願いする次第です。

令和6年6月7日

                   一般社団法人 国立大学協会理事会

(参考)
一般社団法人 国立大学協会理事会メンバー永田恭介(筑波大学長)、寳金清博(北海道大学長)、藤澤正人(神戸大学長)、益一哉(東京工業大学長)、佐々木泰子(お茶の水女子大学長)、西川祐司(旭川医科大学長)、冨永悌二(東北大学長)、松岡尚敏(宮城教育大学長)、田中雄二郎(東京医科歯科大学長)、林佳世子(東京外国語大学長)、梅原出(横浜国立大学長)、牛木辰男(新潟大学長)、和田隆志(金沢大学長)、上田孝典(福井大学長)、松尾清一(東海国立大学機構長)、湊長博(京都大学長)、西尾章治郎(大阪大学長)、中島廣光(鳥取大学長)、河村保彦(徳島大学長)、仁科弘重(愛媛大学長)、石橋達朗(九州大学長)、兒玉浩明(佐賀大学長)、小川久雄(熊本大学長)、田野俊一(電気通信大学長)、藤井輝夫(東京大学長)、中野聡(一橋大学長)、岡本幾子(大阪教育大学長)、塩﨑一裕(奈良先端科学技術大学院大学長)、越智光夫(広島大学長)、浅井祥仁(高エネルギー加速器研究機構長)、位田隆一(専務理事・前滋賀大学長)、村田善則(常務理事・事務局長)
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●核発電所は本当に《郷土の未来も照らしていた》のだろうか? 「原子力 破滅を招く エネルギー」を東日本大震災・原子力災害伝承館に

2021年03月23日 00時00分21秒 | Weblog

(2021年03年11月[木])
西日本新聞のコラム【春秋/原発推進の看板「震災遺構」として展示へ】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/682302/)。
東京新聞の【<社説>3・11から10年 影をこそ伝えたい】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/90767?rct=editorial)。

 《▼数年後、看板が老朽化し危険だから…と撤去を町が決めたとき、標語の作者の気持ちは変わっていた。地域の記憶として残すべきだと考えた。町民の避難先も訪ねるなどして約7千人分の署名を集め、要望したこともある。撤去後も看板は保管されてきた》。
 《例えば「原子力 明るい未来の エネルギー」という標語を掲げた長さ十六メートルの大看板。かつては町の中心に、まるで凱旋門(がいせんもん)のように飾られていたものの、震災後「老朽化」を理由に撤去され、役場の片隅に死蔵されていた実物が、今あるパネル写真に替えて展示されることになりました。震災後「負の遺産」と呼ばれるようになった看板です》。



 核発電所は本当に《郷土の未来も照らしていた》のだろうか? 「原子力 破滅を招く エネルギー」「原子力  破 滅  未来のエネルギー」も東日本大震災・原子力災害伝承館に掲出すべきだ。

   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
       切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》

 大沼勇治さんは、(撤去の)当時、「壊すのは簡単だが、事故を思い出して原発を議論するきっかけになるものだと思うので、残してほしい。町の歴史が消されてしまうように感じる」と語っておられました。

   『●希望の牧場・吉沢正巳さん「この牛たちを見て、命の扱い方とか、
      原発があるというのはどういうことかを考えるきっかけになってほしい」

 《事故を思い出して原発を議論するきっかけになるもの》、10年が経過した今こそ、「原子力 破滅を招く エネルギー」「原子力  破 滅  未来のエネルギー」も嚙み締め、伝承すべきではないか。
 《メディアの「震災10年」報道は震災遺構にも向く。「小学生に原発推進の協力を求めた歴史を『なかったこと』にしてはいけない」と児童にも分かる言い方で書いた新聞もある》。《せりなさんは…勇治さんに深く共感し、ともに活動しています。「原発のこと、原発事故のこと、やっぱり子どもたちに伝えてあげたいと思うんですこの町でこういう悲惨なことがあったんだよって看板を展示できれば、あれを見て、みんな、いろいろ考えてくれるんじゃないかしら事実を知って、考えて、本当に『明るい未来』を、それぞれに築いてほしい」》。
 政府や東電は、あるいは、核発電「麻薬」中毒者らは、《教訓》を《伝承》しようとしているだろうか?

   『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」
                ……いま、その〝少年〟は?

   『●消えゆく「事故を思い出して原発を議論するきっかけになるもの」
              ~「原子力 破滅 未来のエネルギー」~

   『●東京電力原発人災4年目のアベ様の酷い記者会見:
         情報公開、信頼関係、オンカロ、将来的、自立、除染

   『●原発PR看板撤去=「間違った過去と向き合わない行為」
                …「人間の愚かさ」にさらなる恥の上塗り
   『●双葉町長「(原発PR看板)復興した時に 
      あらためて復元、展示したい」…それは『X年後』の何年後?
   『●「故郷の川に身を投げたい衝動に駆られた」
       「早く浪江に帰りたい」…「原状回復」することも無く…
    《全町避難が続く福島県双葉町で昨年末始まった「原子力広報塔」の
     撤去工事が4日、完了…原発PR標語の看板の一部を業者が細断。
     標語考案者の1人の大沼勇治さん(39)が「復元できない」と抗議し、
     工事は工法変更の検討などで中断していた》
    「双葉町で、《「原子力明るい未来のエネルギー
     「原子力正しい理解で豊かなくらし」と表裏に記された看板1枚の撤去を
     開始》していたわけですが、ついに撤去。「愚」の一言…双葉町長の言う
     《復興した時にあらためて復元、展示》は東電原発人災の何年後? 
     「麻薬」中毒患者にとって目の上のタンコブ、目障りな看板を取り去り
     はずせて、せいせいしているのでしょう。標語の作者である大沼勇治
     「少年」の言う《事故を思い出して原発を議論するきっかけになるもの》を
     この世から〝消し去った〟わけです。愚かです」

   『●大沼「少年」の《事故を思い出して原発を議論する
      きっかけになるもの》を撤去し…いま、政治的と言われ…

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https://www.nishinippon.co.jp/item/n/682302/

春秋
原発推進の看板「震災遺構」として展示へ
2021/1/17 10:40

 福島県双葉町に昨秋開館した県の「東日本大震災・原子力災害伝承館」に、かつて町が中心部に掲げた看板(長さ16メートル)が展示されることが先日決まった。負の遺産として

▼標語の看板だ。「原子力明るい未来のエネルギー」。1987年に地元の小学6年生が学校の宿題で考えた。「原子力」で始まる標語を、と言われた。大熊町から双葉町にまたがる東京電力福島第1原子力発電所は郷土の未来も照らしていた

▼標語を考えた大沼勇治さん(茨城県に避難中)が描いた未来は原発事故で暗転する。看板は「原子力安全神話」の皮肉として取り上げられた。恥ずかしくなり、取り外してほしいと思った

▼数年後、看板が老朽化し危険だから…と撤去を町が決めたとき、標語の作者の気持ちは変わっていた。地域の記憶として残すべきだと考えた。町民の避難先も訪ねるなどして約7千人分の署名を集め、要望したこともある。撤去後も看板は保管されてきた

町の大半は今も帰還困難区域のままだが、JR双葉駅周辺は立ち入り規制が緩和された。開館した伝承館に、あの看板は写真で展示中。昨秋、大沼さんは妻と子を連れて故郷に行った。仕事は太陽光発電事業をしているそうだ

▼メディアの「震災10年」報道は震災遺構にも向く。「小学生に原発推進の協力を求めた歴史を『なかったこと』にしてはいけない」と児童にも分かる言い方で書いた新聞もある。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/90767?rct=editorial

<社説>3・11から10年 影をこそ伝えたい
2021年3月11日 06時46分

 窓越しに遠く、水平線が見渡せます。十年前、東京電力福島第一原発に襲いかかったあの海です。

 福島県双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」。原発から北へ四キロの海辺に広がる「福島県復興祈念公園」の一角に、昨秋開館したばかり。ガラス張りの外観が印象的な、それ自体がアートのような建物です。

 総事業費は約五十三億円。国の復興予算を使って福島県が建設し「公益財団法人・福島イノベーション・コースト構想推進機構」という団体が運営しています。


◆教訓を伝えているか

 来館者はまず円形のシアターに通されて、壁いっぱいに映し出される原発事故や津波の模様を記録した映像作品を鑑賞します。

 <光もあれば影もあります。事故のこと、復興のこと。この場所で皆さんと一緒に考えることができたなら>

 福島県出身の俳優西田敏行さんの語りに導かれ、螺旋状(らせんじょう)の回廊を展示室へと進むのですが−。

 県が収集、保管する約二十四万点の震災資料のうち、実物展示されたのは、突然の避難を強いられて置き去りにされたランドセルやカメラなど、百七十点足らず。映像や展示パネルにも、安全神話を形成し、原発誘致を主導した国や県、東電の責任などへの言及は、ほとんどありませんでした

 「教訓が伝わらない」「光ばかりで影がない」…。被災者からも多くの批判が寄せられて、開館して半年もたたないうちに、大規模な展示替えが進んでいます。

 例えば「原子力 明るい未来の エネルギー」という標語を掲げた長さ十六メートルの大看板。かつては町の中心に、まるで凱旋門(がいせんもん)のように飾られていたものの、震災後「老朽化」を理由に撤去され、役場の片隅に死蔵されていた実物が、今あるパネル写真に替えて展示されることになりました。震災後「負の遺産」と呼ばれるようになった看板です。


◆暗転した「明るい未来」

 双葉町に生まれ、今は茨城県古河市で太陽光発電事業を営む大沼勇治さん(45)が看板の標語を作ったのは、小学六年生の時。町からの募集に伴う学校の宿題でした。

 「原発のおかげで、町は仙台のように大きくなって、新幹線もやって来る。そんな二十一世紀を本気で思い描いていたんです」と、勇治さんは振り返る。全国の原発立地に共通の“夢”でした

 十年前の今日、明るい未来突然、文字通り暗転します。

 双葉町にいた発災時、妻のせりなさん(45)は妊娠七カ月。できるだけ安心安全な場所で出産をと、親類を頼って夫婦は愛知県安城市に避難しました。

 その年七月、勇治さんは防護服に身を包み、町が仕立てたバスで、避難後初めて双葉町に立ち入った。ひとけの全くない町をダチョウや牛がわが物顔でのし歩く。懐かしいはずのふるさとに、恐怖を感じる自分に気が付きます−。

 「原子力 破滅を招く エネルギー」。その時、大沼さんは心の中で看板を書き換えました。そして「この町の過去と未来を記録し続けよう看板の言葉とともに次の世代に伝えていこう」と決めました。看板の撤去にあらがい、撤去後は伝承館への実物展示を訴え続けてきたのも、そのためです。

 せりなさんは、同じ県内でも原発からは距離のある会津若松市の出身ですが、勇治さんに深く共感し、ともに活動しています。

 「原発のこと、原発事故のこと、やっぱり子どもたちに伝えてあげたいと思うんですこの町でこういう悲惨なことがあったんだよって看板を展示できれば、あれを見て、みんな、いろいろ考えてくれるんじゃないかしら事実を知って、考えて、本当に『明るい未来』を、それぞれに築いてほしい

 安城で生まれた長男の勇誠君は六月、十歳の誕生日を迎えます。勇治さんは背負い続けた看板に、せりなさんは子どもたちの成長に、十年の重みを感じています。


◆遠い道のりだからこそ

 「もう十年? まだ十年? やっと十年?」などと言われます。しかしやっぱり「まだまだ十年」なんでしょう。「まだ」と言えば廃炉におよそ四十年。核のごみを無害化するには十万年。まだ、まだ、まだ、まだ…。

 <原爆は威力として知られたか。人間的悲惨として知られたか>

 せりなさんと話をしながら、ふと思い浮かべた言葉。大江健三郎さんの「ヒロシマ・ノート」に引用された、中国新聞論説委員の問いかけです。

 原発は威力として知られたか人間的悲惨として知られたか。私たちは何を伝えていくべきなのか−。3・11から十年の一里塚。私たちも自らに、あらためて問いかけなければなりません。 
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●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》

2020年10月13日 00時00分48秒 | Weblog


リテラの記事【菅首相がきょう訪問する福島の「原子力災害伝承館」で、被災者の“語り部”が国や東京電力の批判をしないよう口封じ】(https://lite-ra.com/2020/09/post-5650.html)。

 《菅義偉首相が初の地方視察として福島県を訪問する。16日におこなわれた初閣議で決定された内閣の基本方針では東日本大震災や原発事故について一切触れなかったことから「もう終わったことにするのか」と批判を浴びていたが、こうした声をかき消すために慌てて視察先に福島を選んだのはミエミエだ。実際、安倍政権では「被災地切り捨て政策がつづけられてきたが、それを菅政権も継承する》。

   『●【金子勝の「天下の逆襲」/野党は「消費減税で戦う」ではなく
      ニューディール議論を】…最悪な税制なんかを導入したが故に…
   『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件
       について真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう
    「2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました
     アベ様が首相辞任を表明しました

   『●《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商は〝ベーシック
       インカム7万円〟を「トリクルダウン」だとでも思っているのでは?
   『●《「その後、体調は」と問われた安倍前首相は、こう答えているのだ。
      「新しい薬が効いている。もう大丈夫だ。」》(リテラ)…仮病?
   『●アベ様御夫妻、元・最低の官房長官スガ様、晋官房長官殿…
     ジャパンライフ、48HDも含め「桜を見る会」問題の幕引きは許されない

 《「被災地切り捨て」政策…も「継承」》とはねぇ…。
 リテラのエンジョウトオルさんによる記事【3.11に改めて問う安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を拒否した張本人だった】(http://lite-ra.com/2018/03/post-3862.html)によると、《そんなマスコミが一切触れようとしない、重大な事実がある。それは、あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三であるということだ》。この一点をとっても、アベ様政権や大惨事アベ様政権の冷酷さが分かろうというもの。東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達の多くも無《責任政党》議員だ。
 《いや、政府の姿勢は「被災地軽視」にとどまらない。というのも…「東日本大震災・原子力災害伝承館」…をめぐっては、被災者である「語り部」の話す内容に対し、国や東京電力の批判をおこなわないよう求めている》《「語り部」の話す内容を職員が“検閲”“修正”している》。開いた口が塞がらないよ、全く。

   『●東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな
               詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪
     《オリンピック聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》

 未だに3.11東京電力核発電人災を引き起こした国が何をやっているのか…。
 東京新聞の【社説/原発輸出戦略 「看板」を書き換えねば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/58232?rct=editorial)によると、《日立製作所が、英国での原発新設計画から完全撤退することを決めた。原発輸出は政府の成長戦略の柱の一つ。だがもはや、原発に資金は集まらない。世はまさに再生可能エネルギーの時代である》。
 第一、《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている。

   『●核発電所を再稼働したい? 《女川いのちの石碑…十三番目の石碑
     …<故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い》を聞けよ!
    《女川原発は、震源に最も近い原発です。福島同様、激しい揺れと津波に
     襲われました。到達点よりわずかに高い所にあったため、辛うじて難を
     逃れたにすぎません。…東北の被災原発を再稼働に導いて、「復興原発
     にしたいのか
。原発は安全です、ちゃんと制御
     アンダー・コントロールできていますと、五輪を前に世界へ
     アピールしたいのか》。

   『●森一岳裁判長《原発の危険性検証には『福島原発事故のような
     事故を絶対に起こさないという理念にのっとった解釈が必要…』》
   『●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…
     《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…
   『●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても
     電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている

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https://lite-ra.com/2020/09/post-5650.html

菅首相がきょう訪問する福島の「原子力災害伝承館」で、被災者の“語り部”が国や東京電力の批判をしないよう口封じ
2020.09.26 10:11

     (首相官邸HPより)

 本日26日、菅義偉首相が初の地方視察として福島県を訪問する。16日におこなわれた初閣議で決定された内閣の基本方針では東日本大震災や原発事故について一切触れなかったことから「もう終わったことにするのか」と批判を浴びていたが、こうした声をかき消すために慌てて視察先に福島を選んだのはミエミエだ。

 実際、安倍政権では「被災地切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」する。たとえば、昨日25日に判明した復興庁の2021年度予算の概算要求は、昨年度当初予算である1兆4024億円から55%減となる6331億円。なかでも「住宅再建・復興まちづくり」の予算は5472億円から546億円と10分の1にまで減らされるという。

 東京五輪の招致の際は「復興五輪」と連呼しながら、いつのまにかその掛け声は人類が新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪へとすり替わったように、菅首相も「現場主義に徹して復興をさらに前に進める必要がある」と口にしながら、予算大幅削減の方針からも被災地軽視の態度は明らかだ

 いや、政府の姿勢は「被災地軽視」にとどまらない。というのも、本日、菅首相が訪問する予定の「東日本大震災・原子力災害伝承館」(以下、「伝承館」)をめぐっては、被災者である「語り部」の話す内容に対し、国や東京電力の批判をおこなわないよう求めていることが発覚したからだ。

 「伝承館」は震災と原発事故の記録と教訓を風化させず伝えていくためのアーカイブ拠点施設として今月20日に双葉町に開館したばかりで、「災害の記録と記憶を後世に伝える」「国内外に向け教訓を発信する」ことを目的として設置。24万点を超える資料の展示のほか、「語り部」による被災体験の講話を聞くことができる、という触れ込みだった。

 しかし、開館から3日後の今月23日、「語り部」の話す内容を職員が“検閲”“修正”しているという事実を朝日新聞朝刊が報じたのだ。


■水俣病伝承館ではチッソ批判を禁止してないのに原発災害の伝承館では国や東電批判を禁止

 記事によると、「語り部」の研修会で配られたマニュアルでは〈口演内容は「大震災及びそれに伴い発生した原発事故に関する」ものとする一方、「特定の団体、個人または他施設への批判・誹謗中傷等」を「口演内容に含めないようお願いします」と記載〉していたといい、〈口演内容は事前に原稿にまとめ、伝承館が確認、添削特定の団体を批判した場合などは口演を中止して、語り部の登録から外すこともあるという趣旨の説明もあった〉という。実際、〈東電や国の責任を指摘する語り部のひとりは、〈添削で原稿の一部の変更を求められた〉というのである。

 また、朝日新聞の「『特定の団体』に国や東電が含まれるかどうか」という取材に対し、伝承館を所管する福島県の生涯学習課長は「そうですね」と回答県から出向する伝承館の企画事業部長も「国や東電、県など第三者の批判を公的な施設で行うことはふさわしくないと考えている」と答えている

 言うまでもなく、原発事故は「安全神話」を振りまいてきた東電と国の責任抜きには語れないものだ。しかも、この施設は「東日本大震災・原子力災害伝承館」というその名のとおり、原発事故の教訓を伝え継ぐ役割を担っている。にもかかわらず、被災した「語り部」の思い、考えを封じようとは何事か。

 無論、「伝承」を謳う施設でこのような言論封殺は許されるものではない。たとえば、熊本県にある水俣市立水俣病資料館では、語り部に原因企業であるチッソの批判を禁止するようなことはなく、〈一部の語り部はチッソを名指し、「水俣病の原因と知りながら有機水銀を流した。水俣病問題でなく事件だ」と批判することもある〉(朝日新聞23日付)という。

 しかも、福島第一原発事故は、国会の事故調査委員会も「事故は自然災害ではなく明らかに人災」と結論づけているものだ。国も東電も地震や津波に対する十分な安全対策を怠り、さらには事故後の対応でも東電はメルトダウンの事実を隠蔽するなど杜撰極まりないものだったこうした実態を語ることさえ許さず、何を「教訓」にしようというのだろう


■誰が国と東電の批判を封じたのか 背景に安倍政権から続く原発推進路線

 そして、問題なのは誰が批判封じをしようとしているか、ということだろう。「語り部」のひとりは「(事業費を全額負担する)国への忖度があるんだろう」と朝日新聞の取材に語っているが、実際、「伝承館」の建設費や収集費など計53億円はすべて国が負担。管理・運営をおこなう「公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構」には国の職員も出向している。

 昨年、福島原発事故で対応拠点となるはずだったが役に立たなかった福島県大熊町の「原子力災害センター」(オフサイトセンター)が解体され、事故当時の備品の展示が2020年に開館予定だった「伝承館」に引き継がれることになった際も、「展示を決める主体によって中身が左右されやすい」「原発事故が起きた原因や責任の所在を伝えなければならないが、その点をきちんと伝えられるか」といった懸念が指摘されていた。(東京新聞2019年9月22日)

 安倍政権では「影の総理」とも呼ばれた今井尚哉首相補佐官(現・内閣官房参与)の下、原発推進路線がとられ、原発再稼働が押し進められ、菅首相も総裁選では原発を重要なベースロード電源と位置づけてきた安倍政権を継承する姿勢を見せていた。そうした背景を考えれば、政府が睨みをきかせるなかで国や東電の批判は封じ込められたのだろう。

 「語り部」が教訓を伝える場なのに、政権にとって不都合な事実を語ることが封じ込められた、その施設に出向く菅首相は、いったい何を語るのか。できれば囲み取材で記者からこの件にかんする質問がおこなわれることを期待したいが、今後、菅政権がどのような原発政策を打ち出すのか、その点にも注視しなければならないだろう。

(編集部)
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