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●Dappi事件…〝ドロボウ〟した側が〝ナワを綯いながら〟「何ら調査の必要があるとは考えていない」と国会答弁するのは如何なものか?

2023年11月05日 00時00分53秒 | Weblog

[※ 「Dappi事件で浮上した自民党のネット工作」(週刊金曜日 1353号、2021年11月12日) ↑]


(2023年11月01日[水])
キシダメ首相は《判決では自民党とDappiの関係に一切触れていない》と……、え~っと、判決では触れられていないのでしょうが、以前から《自民党とDappiの関係》は報道されていますが? 疑われている側が「何ら調査の必要があるとは考えていない」と強調する不思議。〝ドロボウ〟した側が〝ナワを綯いながら〟「何ら調査の必要があるとは考えていない」と国会答弁するのは如何なものか。諸悪の根源は ➙ #自民党に投票するからこうなる

   『●コレは「美しい国・日本」? 《内閣情報調査室の一室…映画『新聞
     記者』》っていうのも怖いけど、天下の自民党本部事務総長が関連…?
    《これは、資金力のある勢力が企業にデマや歪曲動画を制作させ、
     個人を装って、世論形成・世論誘導を行っていたという政治の根幹に
     関わる大事件である。この企業がDappiアカウントだけを運用していた
     とは限らない。また、同様の工作活動を行っている企業が他に
     存在しないと考えるほうが不自然だ。…現在、疑われているのは
     自民党だ。国民を騙すために税金が使われていたとしたら、党の
     存続に関わってくる。岸田政権は総選挙前に真相を明らかにすべきだ》

   『●ニッポンは民主主義国家なの? ――― 天下の自民党が血税使って
      デマ・ヘイトまがいの野党攻撃、世論誘導…衆院選前に実態解明を!
   『●Dappi事件…《裁判で、原告側はDappiの投稿を「被告企業が業務と
      して行っていた」と主張。被告側は「従業員1人の私的投稿」と反論》
   『●Dappi事件《自民党との癒着ぶり》《新たな自民党との蜜月ぶり》…
     《赤旗…自民党都連は…ワンズ社に対して計5件、計404万円余の支出》
   『●《国内世論を誘導する工作の研究》ってすっげぇなァ、アケスケ…
     《防衛省に有利な世論 特定国への敵対心 反戦・厭戦機運の払拭》
   『●琉球新報《防衛省…都合のいい情報が拡散され、国民が知らぬ間に世論
       操作される恐れがある。戦争中、大本営による世論操作を想起させる》
   『●アケスケなステマ的手法…《戦前の日本は大本営発表と言論統制によって
      戦争に突き進んでいった…またも戦争に駆り立てるプロパガンダで…》
   『●防衛省が大本営発表モドキの世論工作…《プロパガンダによりバカを
      洗脳し動員する悪質な連中が権力を握った結果が今の日本の惨状》
   『●Dappi事件…《投稿していた社員に月額110万円もの給与が支払われて
         いた…給与額から類推して社長など幹部社員の関与の疑い》
   『●Dappi事件…《元宿氏はいまも自民党の自民党事務総長の立場…安倍政権、
      岸田政権通じてのキーマンがネット工作に関与していたのではないか》?
   『●ワンズクエスト社による Dappi事件の真相解明が必要…小西洋之氏「政権
     与党の自民党の関与が疑われるのであれば、事態はこの上ないほどに深刻」

 東京新聞の記事【首相「調査不要」と強調 Dappiと自民の関係】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/287169)。《31日の参院予算委員会では、野党批判を繰り返したツイッター(現在のX)の匿名アカウント「Dappi」が議論となった。Dappiと自民党本部の関係を調べるべきではないかと問われ、岸田文雄首相は「何ら調査の必要があるとは考えていない」と強調した。Dappiを巡り立憲民主党の杉尾秀哉参院議員ら2人が起こした民事訴訟で、東京地裁は16日、ウェブ関連会社に損害賠償を命じる判決を言い渡した。杉尾氏は31日の予算委で、関連会社と自民党との人的、金銭的な関係の有無が取り沙汰されているとして、首相の認識をただした。首相は「報道を見る限り、判決では自民党とDappiの関係に一切触れていない」と主張。》

 裁判で明らかになったように、《投稿していた社員に月額110万円もの給与が支払われていた…給与額から類推して社長など幹部社員の関与の疑い》(東京新聞)、《今回の判決で東京地裁は「投稿は会社の業務として、社長の指示の下、ワンズクエスト社の従業員あるいは社長によって行われたと認定。さらに、投稿者についても社長の可能性は相応にある」とした》(リテラ)…自民党のお金(多くが政党助成金でしょ? カネに色はついていない)で卑劣な世論操作情報操作ネット工作デマ拡散。下手したら、まさか官房機密費、《領収書不要の「政策推進費」》から支出していないでしょうね?
 《元宿氏はいまも自民党の自民党事務総長の立場…安倍政権、岸田政権通じてのキーマンがネット工作に関与していたのではないか》? (今西憲之吉崎洋夫両記者)《ワンズ社の社長を始め、従業員もどこに行ってしまったのか。「Dappi」のアカウントは今も16万人を超すフォロワーがいる。何かしらの説明はする責任があるはずだ》。ワンズクエスト社は、これで終いにするつもり? 政権与党の自民党はダンマリ?? 

 Dappi事件について自民党はダンマリ。それにしても、高級な《テープ起こし》やねぇ?? ヅボヅボな《蜜月》関係。Dappi事件を忘却していいの? 《自民党のネット工作》について、自民党はハッキリと決着をつけてもらわねば。天下の自民党本部事務総長・《自民党の“金庫番”元宿仁氏が関連していたとの話もあり。《これは、資金力のある勢力が企業にデマや歪曲動画を制作させ、個人を装って、世論形成・世論誘導を行っていたという政治の根幹に関わる大事件である》(リテラ)、《自民党は、元宿事務総長とワンズクエスト社社長との関係や、「システム収納センター」との取引実態など、明らかにすべきことが山ほどある》(リテラ)というのにねぇ。
 畠山嵩記者による、毎日新聞の記事【Dappiと自民党本部の関係、首相「調査必要ない」 参院予算委】(https://mainichi.jp/articles/20231031/k00/00m/010/253000c)。《岸田文雄首相は31日の参院予算委員会で、野党批判を繰り返したツイッター(X)の匿名アカウント「Dappi」を巡り、Dappiと自民党本部の関係を調査する必要性について「何ら調査の必要があるとは考えていない」と強調した。立憲民主党の杉尾秀哉氏への答弁。Dappiを巡り杉尾氏ら2人が起こした民事訴訟で、東京地裁は10月16日、ウェブ関連会社に損害賠償を命じる判決を言い渡した。杉尾氏は予算委で、関連会社と自民党の人的、金銭的な関係の有無に関し、首相の認識をただした。首相は「報道を見る限り、判決では自民党とDappiの関係に一切触れていない」と主張し、調査の必要性を否定した。【畠山嵩】》

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●Dappi事件…《元宿氏はいまも自民党の自民党事務総長の立場…安倍政権、岸田政権通じてのキーマンがネット工作に関与していたのではないか》?

2023年10月22日 00時00分24秒 | Weblog

[※ 「Dappi事件で浮上した自民党のネット工作」(週刊金曜日 1353号、2021年11月12日) ↑]


 (2023年10月19日[木])
《投稿していた社員に月額110万円もの給与が支払われていた…給与額から類推して社長など幹部社員の関与の疑い》(東京新聞)、《今回の判決で東京地裁は「投稿は会社の業務として、社長の指示の下、ワンズクエスト社の従業員あるいは社長によって行われたと認定。さらに、投稿者についても社長の可能性は相応にある」とした》(リテラ)…自民党のお金(多くが政党助成金でしょ? カネに色はついていない)で卑劣な世論操作情報操作ネット工作デマ拡散。下手したら、まさか官房機密費、《領収書不要の「政策推進費」》から支出していないでしょうね?

   『●閉会中審査に出席することもなく、国会を開くこともないアベ様は
     自ら「GoTo」に積極的にご参加…#GoToJail、#GoTo刑務所の臭い飯
    《さらに、安倍首相がこの間の不正にまったく反省がないことを
     見せつけたのが、元宿仁・自民党事務総長の存在だ。元宿事務総長は
     自民党の“金庫番”といわれて、河井克行前法相・案里参院議員夫妻の
     違法選挙でも、資金提供のキーマンとされ、安倍首相とも関係が
     深く直接指示を受けた可能性なども取りざたされている。
     元宿事務総長の周辺にも聴取が及んでいたという話もあり、今回の
     会食は慰労かご褒美か、あるいは今後の捜査に向けた何か含み
     あったのだろうか。いずれにしも国民をバカにしているとしか
     言いようがない。このように、無責任かつ無神経であるだけでなく、
     浮上した疑惑さえも意に介そうとしない安倍首相……。その上、
     姑息だったのは、この会食の最中、安倍首相の公式Twitter
     アカウントがツイートを連投していたことだ。
     そのツイート投稿数は連続で15にもおよび…。だが、この投稿が
     なされた時間帯は、まさしく会食の最中。どうして会食中なのに
     安倍首相が投稿できるのか……と思っていたら、…》

   『●Dappi事件…《投稿していた社員に月額110万円もの給与が支払われて
         いた…給与額から類推して社長など幹部社員の関与の疑い》

 Dappi事件について自民党はダンマリ。それにしても、高級な《テープ起こし》やねぇ?? ヅボヅボな《蜜月》関係。Dappi事件を忘却していいの? 《自民党のネット工作》について、自民党はハッキリと決着をつけてもらわねば。天下の自民党本部事務総長・《自民党の“金庫番”元宿仁氏が関連していたとの話もあり。《これは、資金力のある勢力が企業にデマや歪曲動画を制作させ、個人を装って、世論形成・世論誘導を行っていたという政治の根幹に関わる大事件である》(リテラ)、《自民党は、元宿事務総長とワンズクエスト社社長との関係や、「システム収納センター」との取引実態など、明らかにすべきことが山ほどある》(リテラ)。
 リテラの記事【ネトウヨアカ「Dappi」敗訴判決で自民党の関与が濃厚に! 野党へのデマ投稿を指示した「会社社長」と自民党事務総長の深い関係】(https://lite-ra.com/2023/10/post-6302.html)によると、《デマや切り取りによるフェイクで野党やマスコミ叩きを繰り返してきたネトウヨ匿名アカウント「Dappi」の正体は、やはりあの男だったのか──。「Dappi」の投稿で名誉を傷つけられたとして立憲民主党の小西洋之参院議員と杉尾秀哉参院議員が発信元のワンズクエスト社に損害賠償を求めていた訴訟で、16日、東京地裁は会社側に計220万円の支払いと問題の投稿の削除を命じた。当然の判決だ》。

   『●コレは「美しい国・日本」? 《内閣情報調査室の一室…映画『新聞
     記者』》っていうのも怖いけど、天下の自民党本部事務総長が関連…?
    《これは、資金力のある勢力が企業にデマや歪曲動画を制作させ、
     個人を装って、世論形成・世論誘導を行っていたという政治の根幹に
     関わる大事件である。この企業がDappiアカウントだけを運用していた
     とは限らない。また、同様の工作活動を行っている企業が他に
     存在しないと考えるほうが不自然だ。…現在、疑われているのは
     自民党だ。国民を騙すために税金が使われていたとしたら、党の
     存続に関わってくる。岸田政権は総選挙前に真相を明らかにすべきだ》

   『●ニッポンは民主主義国家なの? ――― 天下の自民党が血税使って
      デマ・ヘイトまがいの野党攻撃、世論誘導…衆院選前に実態解明を!
   『●Dappi事件…《裁判で、原告側はDappiの投稿を「被告企業が業務と
      して行っていた」と主張。被告側は「従業員1人の私的投稿」と反論》
   『●Dappi事件《自民党との癒着ぶり》《新たな自民党との蜜月ぶり》…
     《赤旗…自民党都連は…ワンズ社に対して計5件、計404万円余の支出》
   『●《国内世論を誘導する工作の研究》ってすっげぇなァ、アケスケ…
     《防衛省に有利な世論 特定国への敵対心 反戦・厭戦機運の払拭》
   『●琉球新報《防衛省…都合のいい情報が拡散され、国民が知らぬ間に世論
       操作される恐れがある。戦争中、大本営による世論操作を想起させる》
   『●アケスケなステマ的手法…《戦前の日本は大本営発表と言論統制によって
      戦争に突き進んでいった…またも戦争に駆り立てるプロパガンダで…》
   『●防衛省が大本営発表モドキの世論工作…《プロパガンダによりバカを
      洗脳し動員する悪質な連中が権力を握った結果が今の日本の惨状》
   『●Dappi事件…《投稿していた社員に月額110万円もの給与が支払われて
         いた…給与額から類推して社長など幹部社員の関与の疑い》

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https://lite-ra.com/2023/10/post-6302.html

ネトウヨアカ「Dappi」敗訴判決で自民党の関与が濃厚に! 野党へのデマ投稿を指示した「会社社長」と自民党事務総長の深い関係
2023.10.18 09:00

     (公式Twitter(x)より)

 デマや切り取りによるフェイクで野党やマスコミ叩きを繰り返してきたネトウヨ匿名アカウント「Dappi」の正体は、やはりあの男だったのか──。「Dappi」の投稿で名誉を傷つけられたとして立憲民主党の小西洋之参院議員と杉尾秀哉参院議員が発信元のワンズクエスト社に損害賠償を求めていた訴訟で、16日、東京地裁は会社側に計220万円の支払いと問題の投稿の削除を命じた。

 当然の判決だ。問題となった「Dappi」のツイートは2020年10月のもので、森友公文書改ざん問題で自殺した近畿財務局の職員について、小西議員と杉尾議員が〈1時間吊るしあげた翌日に自殺〉と投稿。だが、小西・杉尾両議員が近畿財務局の職員と面談した事実はなく、あきらかなデマだった。今回の判決でも、「投稿は原告らの名誉を毀損するものであり、フォロワー数が約15万9300人に及んでおり、その社会的影響力は無視できない」としている。

 無論、「Dappi」による問題投稿はこれだけではない。「Dappi」は連日のように個人とは思えないペースで、野党やリベラル系メディア叩きとあからさまな自民党擁護をおこない、フェイク情報を大量に投稿。それを自民党議員やネトウヨが拡散し、フェイクがSNS上にばらまかれた例は枚挙にいとまがない。「Dappi」が与えた影響は計り知れないものだ。

 しかも、今回の判決ではっきりとしたのは、「Dappi」の投稿は、発信元であったと認定されたワンズクエスト社が「会社の業務としておこなっていた、ということだ。

 昨年8月におこなわれた口頭弁論でワンズクエスト社側は、“従業員の1人が私的に10~20分の短時間で、他の従業員の目を盗んで投稿した”と主張。しかし、今年になって、同社が「Dappi」の投稿をおこなっていた社員に基本給で月110万円を受け取っていたことが判明。給与額の高さから社長や専務など幹部が投稿をおこなっていたのではないかという疑惑が浮上したが、ワンズクエスト社側は給与明細の氏名を明らかにすることを求めた裁判所の文書提出命令に従うことはなかった

 そして、今回の判決で東京地裁は「投稿は会社の業務として、社長の指示の下、ワンズクエスト社の従業員あるいは社長によって行われたと認定。さらに、投稿者についても社長の可能性は相応にある」としたのだ。


■フェイク撒き散らしのネトウヨアカウント「Dappi」と自民党幹部の関係

 社長自身が「会社の業務」として野党叩きと自民党擁護の投稿をおこなっていた可能性が高い──。この判決によってより濃厚になったのは、「Dappiの投稿に自民党が関与している」という疑惑である。

 というのも、ワンズクエスト社の社長というのは、自民党本部の事務方トップである元宿仁事務総長の親族であると指摘されているからだ。

 実際、「しんぶん赤旗 日曜版」2021年10月24日号は、ワンズクエスト社の社長が「元宿事務総長の親戚」を名乗って「自民党本部や国会などに出入りしていた」と報道。さらに、自民党関係者が「その社長とは会ったことがある。『元宿さんの親戚と紹介され、本人もそう名乗り、名刺交換もした自民党本部や都連を闊歩していた」と証言し、紙面ではその名刺も掲載したのだ。

 さらに、「しんぶん赤旗 日曜版」ではこの証言だけではなく、元宿事務総長とワンズクエスト社社長の「関係」に踏み込む証拠も掴んでいた。

〈ここに、元宿氏の家族(群馬県在住)の不動産登記簿があります。問題の会社社長は17年5月、同地に建物を新築していました。〉
〈社長はその際、住宅ローンを組み、その取引先が、りそな銀行衆議院支店でした。〉

 つまり、元宿事務総長の家族が所有する土地にワンズクエスト社社長が建物を新築し、その住宅ローンの取引先銀行は衆議院第1議員会館内にあって原則、国会通行証を持っていないと入店できない支店に設けられていると報じたのだ。

 また、群馬で現地取材をおこなった「BuzzFeed Japan」は2021年11月15日付の記事で、〈社長は、この村出身で自民党の事務方トップにまで上り詰めた元宿氏の親族にあたる〉と断定し、近隣の男性が「仁くん、自民党であんなに偉くなってね。この辺じゃ知らない人はいない。その親戚のAくん(※社長)もよく知っているよ。すごい家を建てたよね」と語っている。

 こうした情報から、自民党事務総長である元宿氏が「Dappiの仕掛け人」説が取り沙汰されてきたわけだが、この説にはうなずける部分が多い。

 自民党を擁護し野党をフェイクで攻撃してきたDappiだが、とりわけ安倍晋三元首相やその周辺を強く応援する色合いが強かった。そして、元宿氏はというと、党の事務総長という立場ではあるものの、安倍元首相と極めて近く、とくに第二次安倍政権以降は党内でも“安倍さんと一体”と言われるくらい、安倍元首相のために働き、その裏の部分を担ってきた人物だからだ。


■疑惑まみれの元宿事務総長を、政権に返り咲いた安倍首相が呼び戻し

 簡単に元宿氏の経歴を振り返ると、元宿氏は1968年に自民党職員となり、その後は経理畑を歩いてきた。1989年には毎日新聞が財界と自民党の金の流れについて特集した際、当時、経理局副部長だった元宿氏について〈政局が緊迫したり選挙となると、現金の詰まった紙袋を持って四階の幹事長室に入るのが、しばしば目撃された〉と言及しているが、このころから元宿氏は「自民党の金庫番」として暗躍。さらに、元宿氏は自民党の企業・団体献金の受け入れ窓口である「国民政治協会」を取り仕切っていたことから、「政治献金の裏を知り尽くしている男」「陰の幹事長」とまで呼ばれてきた。

 そして、元宿氏は2000年に党職員トップである事務局長に就任したが、2005年には日本歯科医師連盟による献金事件で元宿氏が橋渡し役を担っていたことが裁判で発覚。それでも自民党は2006年に元宿氏を定年延長というかたちで新設された事務総長に就任させたのだが、2009年に民主党が政権を奪取し自民党が下野すると、2010年7月末に元宿氏は自民党を退職。元宿氏の退職は、まさに政権交代を象徴する出来事でもあった。

 元宿氏は、2008年1月9日付の毎日新聞群馬版の「上州政治風土記・聞き書き」というインタビュー連載に登場した際、「私個人がインタビューを受けるのは、たぶん初めてですよ。ずっと裏方でしたから」と前置きし、こう語っている。

「だから世間の“裏”が私にとっては“表”。これまで多くの国政の難局があり、その度に裏で総裁を支えてきました。公にされていないことも多々あります。それを今、私が話すと政界への影響が大きすぎる。知りすぎていますから。だから裏話は一切話さない。これは私が事務総長の立場を離れた後も同じです。墓場まで持っていきますよ。上州人の使命感にかけてもね」

 このインタビューからも、いかにこの人物が自民党の裏の仕事に手を染めてきたかがわかるが、しかし、2012年に安倍氏が自民党総裁に返り咲き、政権を奪還すると、この黒い疑惑の只中にいた人物が再び自民党の事務総長になる。ほかでもない、自民党総裁・総理大臣になった安倍晋三がゴリ押しして就任させたのである。

 実際、元宿氏と同じ群馬が地元で、安倍元首相に近かった山本一太・群馬県知事は、自身のブログに〈安倍総裁が自民党の歴史を熟知した元宿氏を党の事務総長として呼び戻したのだ〉と記述している。

 疑惑に関与して退職した職員をわざわざ呼び戻したことからも、いかに安倍首相が元宿氏に信頼を寄せていたかがよくわかるが、元宿氏と安倍元首相の関係、元宿氏が自民党の「裏仕事」を担ってきたことを踏まえると、Dappiという存在も、安倍元首相の意向を汲み、元宿氏が自分の親戚の人物に、安倍応援団・ネトウヨ色の強いTwitterアカウントを運営させたのではないかと思えてくる。


■Dappi運営会社の主要取引先に自民ダミー会社 自民党本部から毎年のように大金が

 さらに、もうひとつ気になるのは、ワンズクエスト社と取引のある自民党のダミー会社「システム収納センター」と元宿氏の関係だ。民間調査機関の企業情報には、ワンズクエスト社の販売先に「システム収納センター」があり、同社には過去に岸田首相や甘利明・元幹事長ら自民党の幹部が代表取締役を務めてきたこともあり、大きな注目を集めた。

 だが、岸田首相らが要職を務めてきたのは、いわば“充て職”であり、実際に「システム収納センター」の代表取締役はコロコロと顔ぶれが変わっている。しかし、元宿氏は10年以上にわたって「システム収納センター」の取締役を務め、しかも、いったん自民党を退職した2010年に役職は退いているものの、いまも「元宿氏はシステム収納センターに大きな影響力を持っている」(自民党関係者)と言われているのだ。

 そして、この「システム収納センター」には、自民党本部から毎年のように、大金が支出されている。2019年の政治資金収支報告書では、自民党本部から「システム収納センター」に対して「政治活動費」の「寄附・交付金(負担金)」として毎月月末に350万円前後を支出。2019年の1年間だけで合計4086万8682円が支払われていた。また、2021年も合計4377万2432万円が支出されている。

 ワンズクエスト社の社長が元宿氏の親戚と称し、元宿氏の家族の土地に家を建てるほど深い関係にあること。そして、ワンズクエスト社が、元宿氏が影響力を持つという自民党のダミー法人と取引関係にあったこと。──これらの情報と、裁判で認定された「ワンズクエスト社の社長の指示のもとで会社の業務としてDappiの投稿がおこなわれてきた」という事実を踏まえると、自民党が情報操作を目的としてDappiに関与した疑いは、さらに深まったというほかないだろう。

 しかも、問題なのは、元宿氏はいまも自民党の自民党事務総長の立場にあり、岸田政権に深くかかわっている、という点だ。

 実際、岸田首相は今年だけでも5回、元宿事務総長と面談しているほか、3月15日と7月4日には会食をおこなっている。この会食は「選挙資金に関する打ち合わせだった」「首相が極秘の情勢調査を命じた」などと囁かれたが、ようするに元宿氏は、岸田政権でも参謀として暗躍しつづけているのだ。

 安倍政権、岸田政権通じてのキーマンがネット工作に関与していたのではないかという、この疑惑。当然、自民党は、元宿事務総長とワンズクエスト社社長との関係や、「システム収納センター」との取引実態など、明らかにすべきことが山ほどある。判決が下されたからといって、「Dappi」問題は幕引きにできるものではないのだ。

(編集部)
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●ニッポンは民主主義国家なの? ――― 天下の自民党が血税使ってデマ・ヘイトまがいの野党攻撃、世論誘導…衆院選前に実態解明を!

2021年10月24日 00時00分29秒 | Weblog

[●『新聞記者』(望月衣塑子著)…《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》↑]


(2021年10月21日[木])
日刊ゲンダイの記事【「Dappi」の背後には“自民党の金庫番”がいた! 赤旗日曜版スクープの衝撃】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296347)。
リテラの記事【Dappi運営会社と“安倍の懐刀”自民党事務総長・元宿氏との関係! 社長は“自民党事務総長の親戚”を名乗り、元宿氏の親族の土地に家を】(https://lite-ra.com/2021/10/post-6053.html)。

 《大疑獄事件に発展するかもしれない。日本共産党の機関紙「赤旗」が大スクープを放った。「しんぶん赤旗日曜版」(10月24日号)が<ウソ情報で野党攻撃のツイート 「Dappi」運営企業の社長 自民党本部事務総長の親戚名乗る>と題した記事を掲載するからだ。…巨額な税金が投じられた公党・政権与党が、関係の深い民間企業を使って野党を攻撃するネットを「裏」で操り世論誘導していたということ。これが許されるとしたら、民主主義国家でも何でもない。…この記事に出てくる「自民党本部事務総長」とは元宿仁氏(76)のことだ。以前から<自民党の金庫番>と呼ばれた人物で…》。
 《Twitterで野党やマスコミ叩きをしている有名ネトウヨ匿名アカウント「Dappi」の発信元が自民党と取引がある広告・ウェブ制作会社だったことが判明した問題で、ついに核心に迫る大スクープが飛び出した。「しんぶん赤旗 日曜版」10月24日号が、〈この企業の社長が、自民党本部の事務方トップ・事務総長の親戚を名乗り、自民党本部や国会などに出入りしていた〉と報じているからだ。この「自民党本部の事務方トップ・事務総長」というのは、自民党の金庫番として裏仕事をすべて仕切り、“陰の幹事長”の異名もある元宿仁なる人物。じつは、本サイトでも15日に問題の広告・ウェブ制作会社・O社と取引がある「システム収納センター」について報じた際、同社が自民党のダミー法人であり、岸田文雄首相や甘利明幹事長が過去に同社の代表取締役を務めていただけではなく、〈元宿仁事務総長が深く関わっているとの情報もある〉と報じた》。

 《Dappiだが、とりわけ安倍元首相やその周辺を強く応援する色合いが強かった。そして、元宿氏はというと、党の事務総長という立場ではあるものの、安倍元首相と極めて近く、とくに第二次安倍政権以降は党内でも“安倍さんと一体”と言われるくらい、安倍元首相のために働き、その裏の部分を担ってきた人物だからだ》…またしても数多のアベ様案件に1頁が加えられたのでは?
 コレは「美しい国・日本」なのだろうか? 《内閣情報調査室の一室、男たちがパソコンに向かい、政権を告発した人物への攻撃を一斉に投稿している───。…映画『新聞記者』》っていうのも怖いけど、天下の自民党本部事務総長が関連…?

   『●《内閣情報調査室の一室、男たちがパソコンに向かい、政権を告発した
        人物への攻撃を一斉に投稿している一──。…映画『新聞記者』》
   『●コレは「美しい国・日本」? 《内閣情報調査室の一室…映画『新聞
     記者』》っていうのも怖いけど、天下の自民党本部事務総長が関連…?

 町山智浩さん「政党が企業に金銭を払い政敵を攻撃させる違法性は問われるべきだ政策よりも資金力で選挙に勝つことになるだけでなく、資金源は政党助成金、つまり国民の血税に依存しているからだ」。あの《ヤミ金》の注入も疑われるよね、質が悪いよなぁ、アノ党。
 ニッポンは民主主義国家なの? ――― 天下の自民党が血税使ってデマ・ヘイトまがいの野党攻撃、世論誘導…衆院選前に実態解明を!

   『●《官房機密費…3つからなり、このうち「調査情報対策費」「活動
     関係費」は領収書が必要となる。問題は「政策推進費」》…〝ヤミ金〟
   『●しんぶん赤旗スクープ…《官房機密費(内閣官房報償費)は
     95億4200万円超…菅氏が自身に支出したのは86億8000万円超にものぼる》
   『●カースーオジサン内閣の12ヶ月…《官房機密費…およそ13億3000万円
          …領収書のいらない「政策推進費」はおよそ11億6000万円》

 適菜収さん《これは、資金力のある勢力が企業にデマや歪曲動画を制作させ、個人を装って、世論形成・世論誘導を行っていたという政治の根幹に関わる大事件である。この企業がDappiアカウントだけを運用していたとは限らない。また、同様の工作活動を行っている企業が他に存在しないと考えるほうが不自然だ。…現在、疑われているのは自民党だ。国民を騙すために税金が使われていたとしたら、党の存続に関わってくる。岸田政権は総選挙前に真相を明らかにすべきだ》。当然です。
 内田樹さんのつぶやき《DappiGate 事件の全容が明らかにならなくても、「自民党はダミーの企業を使ってフェイクニュースを流して世論操作をするような政党である」という印象のせいで選挙で大敗を喫したら「二度とこんな間尺に合わないことはすまい」と反省くらいはするはずです。大敗を喫しなければ反省もしないでしょう》(https://twitter.com/levinassien/status/1450645481093144591

 《ネットを使った世論操作はまるで自民党の“常套手段”》(日刊ゲンダイ)。
 青木理さんによる、毎日新聞の記事【理の眼/「Dappi」の解明を=青木理】(https://mainichi.jp/articles/20211020/ddf/012/070/003000c)。《政敵攻撃のためには手段を選ばず、選挙ともなれば誹謗(ひぼう)中傷の怪文書が飛び交うのは以前からあった政治の情景。とはいえ、これは影響力も被害の大きさも桁違いですから、まずは実態を解明し、場合によっては何らかの規制が必要でしょう。「Dappi」というツイッターアカウントをめぐる疑惑です。現時点で本紙は報じていないので、各メディアの報道から経緯を振り返っておけば、疑惑浮上の発端は野党議員による訴訟。16万人以上のフォロワーを持つ同アカウントが与党を賛美野党を罵倒する投稿を繰り返したばかりか、なかには完全なデマや歪曲(わいきょく)情報が含まれていたため野党議員が名誉毀損(きそん)だと訴え、裁判所も発信者情報の開示を命じたのです。すると、投稿に使われたネット回線の契約者は個人でなく、東京都内のIT関連企業と判明。信用調査会社などによると、その企業の取引先には自民党が含まれ、過去に同党議員の資金管理団体や党支部からサイト制作なども受注していたとか。ここから浮かぶ疑念は詳述の要もないでしょう》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296347

「Dappi」の背後には“自民党の金庫番”がいた! 赤旗日曜版スクープの衝撃
公開日:2021/10/20 16:00 更新日:2021/10/20 16:00

     (自民党本部(左)と「Dappi」のツイッターアカウント
      (C)日刊ゲンダイ)

 大疑獄事件に発展するかもしれない。日本共産党の機関紙「赤旗が大スクープを放った

 「しんぶん赤旗日曜版」(10月24日号)が<ウソ情報で野党攻撃のツイートDappi」運営企業の社長 自民党本部事務総長の親戚名乗る>と題した記事を掲載するからだ。

 「Dappi」とは、野党に対する数多くの誹謗中傷ツイートを投稿し、拡散させてきた匿名のツイッターアカウントだ。衆院選の直前、「Dappi」を運営するウェブ関連会社が自民党と取引関係にあることが判明し、「背後には自民党がいるのか」とSNSは大騒ぎになっていた。

 日刊ゲンダイの調べでは、このウェブ関連会社は、自民党の岸田首相や甘利幹事長が代表取締役を務めていた企業と取引関係にあったことも分かっている。

 ネット上では<だからどうした>などとトンチンカンな投稿があるが、巨額な税金が投じられた公党・政権与党が、関係の深い民間企業を使って野党を攻撃するネットを「裏」で操り世論誘導していたということ。これが許されるとしたら、民主主義国家でも何でもない

 日刊ゲンダイの取材に対し、ウェブ関連会社や自民党は「ご質問のツイッターアカウントは全く存じ上げません」「ご指摘のツイッターアカウントに関する報道を把握していないため、答えようがない」などとそろって回答を拒否していたが、「しんぶん赤旗日曜版」の報道の通りであれば、これは大嘘自民党本部そのものが関与していた疑いが強まってくるからだ。

 この記事に出てくる「自民党本部事務総長」とは元宿仁氏(76)のことだ。以前から<自民党の金庫番>と呼ばれた人物で、2004年に起きた日本歯科医師連盟日歯連)の不正献金事件でも東京地検特捜部の事情聴取を受けているほか、19年の参院広島選挙区をめぐって元法相の河井克行案里夫妻が逮捕、起訴された大規模買収事件でも名前が取り沙汰され、当時の菅前首相の首相動静でも複数回の会談が確認されている

 日本記者クラブがネット上に掲載しているエッセー「記者ノート」(2020年2月)には、元日本テレビ政治部長による元宿氏についての、こんな記述が出てくる。

<党員歴50年を越えた彼には、退職に関するルールはなく、これまで幾度となく辞表を提出したが、その都度慰留され続けて来た。総裁、幹事長がそろって反対したためだ。党の政治資金とその流れの裏の裏を知り尽くしているが故に、「余人をもって代えがたい」ということだろう。田中角栄から現職の安倍晋三まで、20人の総裁と37人の幹事長に仕えた。ベテランの仕事師を徹底的に重用するのは、自民党の得意技であり、長期政権の強みあるいは、秘訣の一つだろう。
 ロッキード事件リクルート事件など「政治とカネ」のスキャンダルで、自民党はしばしば糾弾され、逆風に立たされることも多い。2004年(平成16年)に発覚した「日歯連迂回献金事件」では、彼の関与が疑われ、検察から何度も事情聴取を受けた。「政治資金を扱う裏方をやる以上は、汚いと言われるかも知れないが、自分のような役回りも必要だ。政治はきれいごとでは動かない。話せないことばかりで、それは墓場まで持って行く」と彼は言う。>

 「墓場まで持って行く」なんてとんでもない。すべてを洗いざらい明かすべきだ
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https://lite-ra.com/2021/10/post-6053.html

Dappi運営会社と“安倍の懐刀”自民党事務総長・元宿氏との関係! 社長は“自民党事務総長の親戚”を名乗り、元宿氏の親族の土地に家を
2021.10.21 12:04

     (公式Twitterより)

 Twitterで野党やマスコミ叩きをしている有名ネトウヨ匿名アカウント「Dappi」の発信元が自民党と取引がある広告・ウェブ制作会社だったことが判明した問題で、ついに核心に迫る大スクープが飛び出した。「しんぶん赤旗 日曜版」10月24日号が、〈この企業の社長が、自民党本部の事務方トップ・事務総長の親戚を名乗り、自民党本部や国会などに出入りしていた〉と報じているからだ。

 この「自民党本部の事務方トップ・事務総長」というのは、自民党の金庫番として裏仕事をすべて仕切り、“陰の幹事長”の異名もある元宿仁なる人物。じつは、本サイトでも15日に問題の広告・ウェブ制作会社・O社と取引があるシステム収納センター」について報じた際、同社が自民党のダミー法人であり、岸田文雄首相や甘利明幹事長が過去に同社の代表取締役を務めていただけではなく、〈元宿仁事務総長が深く関わっているとの情報もある〉と報じた。

 実際、「システム収納センター」の登記簿によると、元宿氏は少なくとも1998年から、2010年7月末まで、同社の取締役に就いていた。

 だが、今回の赤旗報道では、取引先でなく、本丸のDappi運営会社O社の社長自身が、元宿事務総長の親族だというのだ。

 「しんぶん赤旗 日曜版」では、自民党関係者が「その社長とは会ったことがある。『元宿さんの親戚』と紹介され、本人もそう名乗り、名刺交換もした。自民党本部や都連を闊歩していた」と証言し、紙面ではその名刺も掲載。

 さらに、「しんぶん赤旗 日曜版」ではこの証言だけではなく、元宿事務総長とDappiの運営をおこなっていたと見られるO社社長の「関係」に踏み込む証拠も掴んでいる。記事には、こうある。

〈ここに、元宿氏の家族(群馬県在住)の不動産登記簿があります。問題の会社社長は17年5月、同地に建物を新築していました。〉
〈社長はその際、住宅ローンを組み、その取引先が、りそな銀行衆議院支店でした。〉

 なんと、元宿事務総長の家族が所有する土地にDappi運営会社と目されるO社社長が建物を新築し、その住宅ローンの取引先銀行は衆議院第1議員会館内にあって原則、国会通行証を持っていないと入店できない支店に設けられている、というのだ。

 Dappiの運営をおこなっていたと見られるO社の取引先銀行にも「りそな銀行衆議院支店」が挙げられていたことから、ネット上では一般客は利用できない支店なんだが」「国会関係者にとっては入金が便利なはずなどと憶測を呼んでいたが、会社として取引していただけでなく、社長が金を借りていたというのだ。

 いや、それ以前に、このDappi運営会社と目されるO社の社長が元宿事務総長の家族所有の土地に建物を新築していたというのだから、両者の関係は尋常ではないもしかすると、自民党事務総長である元宿氏がDappiの仕掛け人なのか


■政権に返り咲いた途端、疑惑まみれの元宿事務総長を呼び戻した安倍首相

 元宿氏がもしDappiの仕掛け人だったとしたら、たしかにうなずける部分は多い。自民党を擁護し野党をフェイクで攻撃してきたDappiだが、とりわけ安倍元首相やその周辺を強く応援する色合いが強かった

 そして、元宿氏はというと、党の事務総長という立場ではあるものの、安倍元首相と極めて近く、とくに第二次安倍政権以降は党内でも“安倍さんと一体”と言われるくらい、安倍元首相のために働き、その裏の部分を担ってきた人物だからだ。

 まず、簡単に元宿氏の経歴を振り返ろう。元宿氏は1968年に自民党職員となり、その後は経理畑を歩いてきた人物。1989年には毎日新聞が財界と自民党の金の流れについて特集した際、当時、経理局副部長だった元宿氏について〈政局が緊迫したり選挙となると、現金の詰まった紙袋を持って四階の幹事長室に入るのが、しばしば目撃された〉と言及しているが、このころから元宿氏は「自民党の金庫番」として暗躍。さらに、元宿氏は自民党の企業・団体献金の受け入れ窓口である国民政治協会を取り仕切っていたことから、「政治献金の裏を知り尽くしている男」「陰の幹事長」とまで呼ばれてきた。

 そして、元宿氏は2000年に党職員トップである事務局長に就任したが、2005年には日本歯科医師連盟による献金事件で元宿氏が橋渡し役を担っていたことが裁判で発覚。それでも自民党は2006年に元宿氏を定年延長というかたちで新設された事務総長に就任させたのだが、2009年に民主党が政権を奪取し自民党が下野すると、2010年7月末に元宿氏は自民党を退職。元宿氏の退職は、まさに政権交代を象徴する出来事でもあった。

 元宿氏は、2008年1月9日付の毎日新聞群馬版の「上州政治風土記・聞き書き」というインタビュー連載に登場した際、「私個人がインタビューを受けるのは、たぶん初めてですよ。ずっと裏方でしたから」と前置きし、こう語っている。

「だから世間の“裏”が私にとっては“表”。これまで多くの国政の難局があり、その度に裏で総裁を支えてきました。公にされていないことも多々あります。それを今、私が話すと政界への影響が大きすぎる。知りすぎていますから。だから裏話は一切話さない。これは私が事務総長の立場を離れた後も同じです。墓場まで持っていきますよ。上州人の使命感にかけてもね」

 このインタビューからも、いかにこの人物が自民党の裏の仕事に手を染めてきたかがわかるが、しかし、2012年に安倍氏が自民党総裁に返り咲き、政権を奪還すると、この黒い疑惑の只中にいた人物が再び自民党の事務総長になる。ほかでもない、自民党総裁・総理大臣になった安倍晋三がゴリ押しして就任させたのである。

 実際、元宿氏と同じ群馬が地元で、安倍首相にも近い山本一太・群馬県知事は、自身のブログに〈安倍総裁が自民党の歴史を熟知した元宿氏を党の事務総長として呼び戻したのだ〉と記述している。


■河井夫妻による選挙買収事件1億5000万円支出にも関与か!法廷でも検察から元宿事務総長の名が

 疑惑に関与して退職した職員をわざわざ呼び戻したことからも、いかに安倍首相が元宿氏に信頼を寄せていたかがよくわかるが、実際、元宿氏は安倍首相の主導した不正問題でも名前が取りざたされている。それが、2019年参院選で起こった河井夫妻による選挙買収事件だ。

 本サイトでは、河井夫妻による選挙買収事件の捜査が開始した当初から、検察が元宿氏の周辺を捜査していると伝えたが、1億5000万円もの巨額の選挙資金を自民党本部が案里陣営に投入したのは、安倍首相の指示を受けて元宿氏が動いた結果ではないかと見られているのだ。

 実際、河井克行の公判では検察側が「2018年11月上旬に自民党の事務総長、官房長官、首相と会い、案里氏の公認を相談したのではないか」と追及していた。

 克行氏は「よく覚えていない」とシラを切ったが、安倍首相が私怨を募らせていた同じ自民党の溝手顕正氏を選挙で落とすための刺客候補を相談する場に、選対委員長でも幹事長でもない元宿氏を参加させていたということになる。

 しかも、元宿氏が影響力を発揮してきたのは、カネの問題だけではない。新聞・テレビの政治部記者には、元宿氏をネタ元にしている記者も少なくないが、彼らを使って政局を動かす情報操作もしばしば仕掛けてきた

 じつは、元宿氏は今回の総裁選をめぐっても、安倍元首相の意向を受け、菅義偉首相辞任、岸田文雄首相誕生の流れをつくり出すべく仕掛けをおこなったと言われている。

 そのひとつが、今年8月末に自民党がおこなった調査で「このまま衆院選に突っ込めば40~70議席減になる」という衝撃的な結果が出たと、一部マスコミが大々的に取り上げた。この調査結果に自民党内では「菅政権では選挙が危ない」という危機感が広がり、一気に菅降ろしの機運が高まった。じつは、情勢調査を取り仕切っているのが元宿氏で、「70議席減」の調査結果をメディアが報じたのは、安倍元首相の意向を受けて元宿氏の周辺が菅下ろしの流れをつくろうとしたのではないかといわれているのだ。

 さらに、総裁選の終盤でも、「党員票でも岸田優勢」という情報が流れ、その結果、勝ち馬に乗ろうと岸田に国会議員票が移ったと言われているが、これも元宿氏の仕掛けではないかといわれている。


■Dappi運営会社の主要取引先であるダミー会社に自民党本部から毎月末350万円

 元宿氏と安倍元首相の関係、そしてこれまでの情報操作のやり口を見ていると、Dappiも安倍元首相の意向を汲んで、元宿氏が自分の親戚の人物に、安倍応援団・ネトウヨ色の強いTwitterアカウントを運営させたのではないかと思えてくる。

 さらに、もうひとつ気になるのが、このDappi運営会社と目されるO社と取引のある自民党のダミー会社「システム収納センター」と元宿氏の関係だ。

 同社は過去に岸田首相や甘利幹事長ら自民党の幹部が代表取締役を務めてきたが、これは“充て職”で、コロコロと顔ぶれが変わっている。

 しかし、元宿氏は前述したように、10年以上にわたって取締役を務めている。しかも、いったん自民党を退職した2010年に、役職は退いているものの、いまも「元宿氏はシステム収納センターに大きな影響力を持っている」(自民党関係者)という。

 そして、この「システム収納センター」には、自民党本部から毎年、大金が支出されているのだ。2019年の政治資金収支報告書では、自民党本部から「システム収納センター」に対して政治活動費」の「寄附・交付金(負担金)」として毎月月末に350万円前後を支出2019年の1年間だけで合計4086万8682円が支払われていた

 繰り返すが、元宿氏がいまも影響力を持ち、自民党本部から毎月末に350万円が支払われているこの「システム収納センター」は、民間調査会社の情報ではDappiの運営会社と目されるO社の取引先としてあげられている会社なのである。そして、O社もまた、社長が元宿氏の親戚と称し、元宿氏の親族の土地に家を建てるほど深い関係にある。

 自民党本部から、事務総長・元宿氏が影響力を持つ自民党のダミー会社に、そのダミー会社から元宿氏の親戚が経営する会社に、という流れで依頼がいき、Dappiが運営されるようになったのではないか。そんな疑念さえ浮かんでくる。

 そういう意味では、このDappi問題の背後には、自民党のネットを使った情報操作の問題だけでなく、党内にある不透明な金の問題も垣間見える

 実際、自民党のダミー会社は、1977年に設立されたこの「システム収納センター」の他に、1973年に設立された自民党直轄の広告代理店である自由企画社、2003年に発足した世論調査会社である日本情報調査という2つの会社の名前があがっているが、この2社についても不透明な金の流れが取り沙汰されてきた。そして、元宿氏はこの2社についても、取締役に就いていたことがある。

 自民党の安倍支配の裏側をあぶり出すためにも、Dappi問題を徹底的に追及していく必要がある。

(編集部)
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コメント (1)
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●《内閣情報調査室の一室、男たちがパソコンに向かい、政権を告発した人物への攻撃を一斉に投稿している一──。…映画『新聞記者』》

2021年10月21日 00時00分20秒 | Weblog

[●『新聞記者』(望月衣塑子著)…《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》↑]


(20211016[])
中沢佳子古川雅和両記者による、東京新聞の記事【野党攻撃ツイッター「Dappi」が自民党と取引⁉ 正体はIT企業 ネット工作まん延か】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/136538)。
東京新聞の記事【「Dappi」情報工作巡り立民・森裕子氏「卑劣な行為、やらせるな」 参院代表質問 首相は原則論答弁】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/136555)。

 《ツイッター上で、野党議員や、政権に批判的なマスコミに対し、誹謗中傷めいた批判を展開してきたアカウント「Dappi」。匿名のため正体はまったく不明だったが、その攻撃を受けた立憲民主党の小西洋之参院議員が起こした発信者情報開示訴訟により、このアカウントが都内のIT関連企業の法人のもので、同社の主要取引先が自民党だったことが分かった。この不気味な構図から見えてくるものはいったい何か。(中沢佳子古川雅和)》
 《13日午後の参院本会議で行われた各党代表質問で、政治や選挙を巡るネット上での情報工作がテーマに取り上げられた。立憲民主党の森裕子副代表は、フェイクニュースで野党攻撃を繰り返したツイッターアカウント「Dappi」問題を踏まえ、次期衆院選で自民党が不当な工作を行わないよう岸田文雄首相に求めた。首相は、自民党関係者が工作に関与していたかどうかなどの事実関係には触れず、政治活動は公職選挙法などのルールに従って行われるべきだとの原則論を答えるにとどめた》。

 《ネットを使った世論操作はまるで自民党の“常套手段”》《ビジネスの一環で安倍氏礼賛、野党攻撃を繰り返したのか。》(日刊ゲンダイ)、《フェイクニュースで野党攻撃を繰り返した》(東京新聞)。
 津田大介さん「現職の国会議員が選挙で情報工作をしていたということは、ネットでのネガティブキャンペーンが当たり前になっていたということ。(情報工作は)自民党内でも常態化しているのだろう」「ネットでプロパガンダのように発信したり、Dappiが情報をゆがめていたことは間違いない。これは健全な民主主義を阻害する大問題だ」。

 《ヘイトまがいの政権批判者叩きを展開する自民党ネットサポーターズクラブ》なんてのもあるしね、しかも、《元締め的役割》はアノ平井卓也氏だったものねぇ。アノ菅原一秀元経産相も絡んでたし。

   『●主犯A…『A Few Good Men』のように
     ネイサン・R・ジェセップ大佐を証人台に座らせろ!
   『●《人材の宝庫》…《安倍政権史上、過去最高の“お友だち=
     極右”内閣…背筋が凍るような極右議員が勢揃い》(リテラ)
   『●「フィクション」「伊藤さんと関係ない」は通用せず。一方、アベ様を
     《サポート》するための《Truth》無き《Team》《Club》は一体何を?

 町山智浩さん「政党が企業に金銭を払い政敵を攻撃させる違法性は問われるべきだ政策よりも資金力で選挙に勝つことになるだけでなく、資金源は政党助成金、つまり国民の血税に依存しているからだ」。あの《ヤミ金》の注入も疑われるよね、質が悪いよなぁ。

   『●《官房機密費…3つからなり、このうち「調査情報対策費」「活動
     関係費」は領収書が必要となる。問題は「政策推進費」》…〝ヤミ金〟
   『●しんぶん赤旗スクープ…《官房機密費(内閣官房報償費)は
     95億4200万円超…菅氏が自身に支出したのは86億8000万円超にものぼる》
   『●カースーオジサン内閣の12ヶ月…《官房機密費…およそ13億3000万円
          …領収書のいらない「政策推進費」はおよそ11億6000万円》

 リテラの記事【野党をフェイク攻撃してきた有名ネトウヨ「Dappi」の正体は自民党が主要取引先のウェブ制作会社だった!】(https://lite-ra.com/2021/10/post-6045.html)によると、《内閣情報調査室の一室、男たちがパソコンに向かい、政権を告発した人物への攻撃を一斉に投稿している一──。望月衣塑子原作の映画『新聞記者』にこんなシーンが出てきて話題になったが、これはけっして妄想などではない官邸や自民党によるネット、SNSを使った政治謀略は、日常的に行われている。最近もそのことを物語るような問題が浮上した。ツイッターで野党やマスコミ叩きをしている有名ネトウヨ匿名アカウント「Dappi」が、自民党に金で雇われた業者の運営だった疑惑が出てきているのだ。Dappiに攻撃を仕掛けられた立憲民主党・小西洋之参院議員らが発信者開示請求訴訟を起こしたところ、発信元がウェブや広告の制作会社であることが判明。しかも、その会社の取引先には「自民党」の名前があったのだという》。

 日刊ゲンダイの記事【野党攻撃のツイッター匿名アカ「Dappi」は法人運営 独自取材で見えてきた自民党の“影とカネ”】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/295862)によると、《調べていくと、同法人には自民党の影が垣間見える。都内に本店を構える同法人の登記簿には、会社設立の目的として〈ウェブサイトに関する企画及び制作業務〉などと記されている。会社情報検索サイト「ユニゾナス」によると、主要販売先として「自由民主党」の記載がある。…政治資金の流れをチェックすると、より深い自民党との関係性が浮かび上がる。…ネットを使った世論操作はまるで自民党の“常套手段”。今回のDappiもビジネスの一環で安倍氏礼賛、野党攻撃を繰り返したのか。》

 リテラの記事【ネトウヨDappiと自民党の関係が国会で追及されるも岸田首相はゴマカシ…一方、河井案里裁判でも業者がネット工作を証言】(https://lite-ra.com/2021/10/post-6047.html)によると、《立憲民主党の森ゆうこ参院議員…「国会質疑の動画を編集して、本来の意図とはまったく違う内容のフェイクニュースをつくり上げ拡散し、野党を攻撃してきたTwitterアカウントの運営者が法人であることがわかりました。しかも、BuzzFeedニュースの調査によれば、その法人は、自民党の議員や自民党の支部との取引があることもわかりました。まもなく解散総選挙がおこなわれます。総理! 今回の選挙ではお金を使ってネット工作をおこない、選挙の結果を不当に歪めるような卑劣な行為を自民党の議員におこなわせないと、この場でお約束いただけませんか」…ネット工作が根も葉もないデマならば即座に否定したはずだが、岸田首相は否定も肯定もせず、一般論でごまかしたのだ》。

 リテラの記事【ネトウヨDappi運営との取引を報じられた自民党ダミー法人の実名! 岸田首相、甘利幹事長が代表、いまも自民党から年間4000万円】(https://lite-ra.com/2021/10/post-6049.html)によると、《というのも、Dappiを運営していたと見られる広告・ウェブ制作会社が、岸田文雄首相や甘利明幹事長が代表取締役を務めたある会社とも取引があったと、本日、日刊ゲンダイが報じたからだ。まさか、総理大臣と幹事長に就任したばかりの岸田首相と甘利幹事長が要職に就いていた会社と、野党などを攻撃対象にしてフェイクニュースをTwitter上で喧伝してきた有力ネトウヨアカウントの発信元である会社に取引があったとは──。ネット上が騒然となるのも当然だろう。しかも、この会社は一応、民間企業の体裁をとってはいるが、その実態は「自民党のダミー会社」なのだ。日刊ゲンダイではこの問題の会社は「A社」と匿名になっているが、社名は「株式会社システム収納センター」という。所在地は自民党本部から徒歩で10分もかからない平河町のビルにあり、このビルには石原伸晃が会長を務める派閥「近未来政治研究所」(石原派)の事務所や、自民党の党友組織である「自由社会を守る国民会議」(自由国民会議)の事務局なども入居している。そして、この「システム収納センター」には自民党の錚々たる有力議員が代表取締役に就任。岸田首相は2001年2月〜5月と2003年12月〜2005年11月に、甘利幹事長は岸田首相と同じ2001年2月〜5月に代表取締役に。このほかにも福田康夫・元首相や細田博之・元幹事長らが代表取締役に就いてきた。さらに、同社には、「自民党の金庫番」と呼ばれてきた自民党の幹部職員である元宿仁事務総長が深く関わっているとの情報もある。元宿氏は安倍晋三・元首相との結びつきが非常に深く、河井夫妻による選挙買収事件でも資金提供のキーマンとされている人物だ》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/136538

野党攻撃ツイッター「Dappi」が自民党と取引⁉ 正体はIT企業 ネット工作まん延か
2021年10月13日 12時54分

 ツイッター上で、野党議員や、政権に批判的なマスコミに対し、誹謗中傷めいた批判を展開してきたアカウント「Dappi」。匿名のため正体はまったく不明だったが、その攻撃を受けた立憲民主党の小西洋之参院議員が起こした発信者情報開示訴訟により、このアカウントが都内のIT関連企業の法人のもので、同社の主要取引先が自民党だったことが分かった。この不気味な構図から見えてくるものはいったい何か。(中沢佳子古川雅和


◆国会質疑の趣旨改変し攻撃材料に

 「私の国会質疑の趣旨をまったく別のものに仕立て上げて改変し、やりとりの断片を切り取ってツイッターに投稿していた。そんなことが何度か繰り返され、信用や人格を傷つけられた」。立憲民主党の参院議員、小西洋之氏が「Dappi」について苦々しげに振り返る。

     (ツイッター上の「Dappi」アカウント。
      「日本が大好きです」などと自己紹介している)

 小西氏は同じ党の議員と2人で、攻撃的な内容の投稿で名誉毀損されたとして、「Dappi」を運営しているとみられる企業などを相手取り、2人分の損害賠償計880万円と投稿の削除、謝罪広告の掲載を求めて6日に、東京地裁に提訴した。

 「私だけじゃない。多くの野党議員が国会質疑の内容が違う趣旨にされるなど、同じことをされてきた。民主主義のもとで政治家が有権者の批判や監視を受けることは必要だ。言論の自由もある。しかし、投稿はその範囲を逸脱している」と小西氏は提訴に踏み切った理由を語る。


◆主要な販売先に「自民党」

 「Dappi」は2019年6月に開設されたアカウントで、現在のフォロワーは16万超。自己紹介には「日本が大好きです。偏向報道をするマスコミは嫌いです。国会中継を見てます」とつづってあり、投稿内容は野党議員やマスコミへの厳しい批判、そして、自民党議員への賛辞や支持表明が多い。ネットニュース番組や会見などの動画、新聞記事、出演者や議員たちの発言をふんだんに引用しているのも特徴だ。

 小西氏は提訴に向け、まずDappiの発信者情報を調べた。込み入った手続きの末、情報を開示してもらったところ、都内に本店を構える、ある企業が浮上した。

 この企業のホームページや登記簿、民間信用調査会社によると、設立は01年11月。主にウェブサイトや広告宣伝の企画や制作、コンサルティング、イベントの企画運営などを手掛けており、従業員は十数人。そして、主要な販売先のひとつに「自由民主党」とあった

 本紙「こちら特報部」は訴訟の件や自民党との関係を取材しようと、この企業に電話をした。だが、何度かけても留守番電話。そこで、直接訪ねてみた。都心部から電車で約20分の私鉄の駅から、歩いて5分ほどのオフィスビル。オートロックの玄関で、2階の事務所の部屋番号を入力して呼び出したが、応答はなかった。


◆「サーバー代」など毎年数十万円

 この企業は自民党とどんなつながりがあるのか。まず、東京都選挙管理委員会が公表している「自民党東京都支部連合会」の政治資金収支報告書で調べた。ホームページで公表している17~19年のいずれも、「ホームページ関係費」で「サーバー代」として約10万円を支出。それだけではない。将来の議員候補や議員秘書の発掘、政治分野のリーダー育成に向けて自民党東京都連が運営する政治講座「TOKYO自民党政経塾」の項目で、「テープ起こし」などとして毎年数十万円払っている。


◆国会議員の収支報告書にも記載

 他にもある。閣僚経験もある自民党の女性国会議員。資金管理団体の収支報告書には、19年にホームページメンテナンスやウェブサイト制作費として約110万円、18年もメンテナンスに約25万円を支出していた。

 小西氏は「自民党とどう関わりがあるのか知らないが」と前置きし、こう語る。「動画を組み入れるなどの手間を考えると、個人ではなく組織的な体制でなければ、難しいだろうと考えていた。組織を動かすにはお金が必要。その資金がどこから出ているのか。中傷被害者として、『加害者』の実態に関心がある」


◆河井氏夫妻そろってネガティブキャンペーン

 ただ、今回のケースに限らず、自民党によるネットでの情報工作の可能性は、以前から指摘されていた。

 その一つが明かされたのが、19年7月の参院選広島選挙区で公選法違反罪に問われた河井案里氏の裁判だ。20年10月19日の公判で検察が読み上げたインターネット業者の供述調書では、案里氏と夫の克行元法相もネット工作をしていたことが暴かれた。

 地元の中国新聞によると、この業者は克行氏に批判的な書き込みを検索で表示しにくくし、17年の衆院選では同氏の依頼で対立候補のネガティブな記事を出す工作もしていた。案里氏の選挙でも業者が架空の人物を名乗り、対立候補のイメージを損なう記事を投稿していた。

 ジャーナリストの津田大介さんは「現職の国会議員が選挙で情報工作をしていたということは、ネットでのネガティブキャンペーンが当たり前になっていたということ。(情報工作は)自民党内でも常態化しているのだろう」と話す。

     (19年の参院選前に自民党が議員に配布した冊子)


◆「荒唐無稽」ニュースで冊子まで

 19年の参院選をめぐっては、選挙戦前に発信者不明なニュースサイトの内容をまとめた「フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」と題する冊子が党本部から同党国会議員に「参考資料」として配られた。野党党首らを貶めるイラストのほか、政権批判のマスコミ報道をフェイクニュースと断定するなど、当の同党議員さえ「荒唐無稽」と評するものだった。

     (冊子に掲載された野党党首のイラスト)

 一方、ニュースサイト「政治知新」は、共産党国会議員の不倫疑惑や、沖縄県知事の大麻吸引など、ありもしない記事を何度も掲載。運営者の兄は神奈川県議で、今年7月に自民党を離党した。「こちら特報部」の取材に、この県議は「弟とは疎遠になっている。このサイトと自分は関係ない」と話し、自民党とサイトの関係も否定した。


◆海外では関与疑いの首相が辞任

 海外でも与党による情報工作は起きている。オーストリアでは16~18年、クルツ首相に有利になるように操作された世論調査が掲載され、財務省がメディアに資金を提供した疑惑が浮上。関与が疑われたクルツ氏は辞任した

 米国でもトランプ氏が勝った16年の大統領選挙で、ロシアが一般人を装いネット世論を操っていたことが判明し、大問題になった。カリフォルニア州在住の映画評論家の町山智浩さんは「政党が企業に金銭を払い政敵を攻撃させる違法性は問われるべきだ政策よりも資金力で選挙に勝つことになるだけでなく、資金源は政党助成金、つまり国民の血税に依存しているからだ」と訴えている。


◆自民党関与は「クロ」?

 果たして自民党はDappiに関与していたのか。ネット上の言説に詳しい評論家の古谷経衡さんは「個人的な感触としては、クロだと思う」と話した。Dappiが投稿した時間がほとんど限定されているためだ。「ネトウヨ業界は、お金以上に自民党への愛がある。本当に好きだったら四六時中、つぶやくはずだ」

 前出の津田さんはこう語る。「ネットでプロパガンダのように発信したり、Dappiが情報をゆがめていたことは間違いない。これは健全な民主主義を阻害する大問題だ

     ◇     ◇

◆デスクメモ 現代の「紙爆弾」だ

 ひと昔前は選挙となると怪文書が飛び交った。出所不明の紙爆弾を何度も見たことがある。もちろん印刷代、配布料がタダなわけがない。現代の怪文書は印刷代も配布料もいらない「ネット爆弾」。だがそれゆえに平時からまめな発信が必要だったか。確かにそれはカネがかかりそう。(歩)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/136555

「Dappi」情報工作巡り立民・森裕子氏「卑劣な行為、やらせるな」 参院代表質問 首相は原則論答弁
2021年10月13日 17時10分

     (答弁する岸田首相=12日、国会で)

 13日午後の参院本会議で行われた各党代表質問で、政治や選挙を巡るネット上での情報工作がテーマに取り上げられた。立憲民主党の森裕子副代表は、フェイクニュースで野党攻撃を繰り返したツイッターアカウント「Dappi」問題を踏まえ、次期衆院選で自民党が不当な工作を行わないよう岸田文雄首相に求めた。首相は、自民党関係者が工作に関与していたかどうかなどの事実関係には触れず、政治活動は公職選挙法などのルールに従って行われるべきだとの原則論を答えるにとどめた。

 森氏は、2019年参院選広島選挙区を巡る買収事件の裁判を通じ、河井克行元法相が業者を使って対立候補のイメージ悪化を狙った架空のブログ記事を投稿をさせたことが明らかになったと指摘。「選挙に勝つためにお金を使い業者を雇ってネット工作を行っているという事実は、陰謀論の類いと思っていたが本当だったのかと人々を驚かせた。しかも自民党の法相だこれは民主主義の危機ではないか」と問題を提起し、党本部から河井陣営に渡った1億5000万円の資金が工作に使われたかどうかを尋ねた。

 さらに、「Dappi」問題を念頭に、自民党の支部や議員と取引関係にある法人が野党を攻撃する内容のフェイクニュースを発信したツイッターアカウントを運営していたとした上で「(次期衆院選では)お金を使ってネット工作を行い、選挙の結果を不当に歪めるような卑劣な行為を自民党の議員に行わせないとお約束いただけないか」と迫った。

 これに対し首相は「選挙運動や政治活動は公職選挙法などに定めがある。わが党の議員に限らず、ルールに従って発信をし、選挙運動を行い、政治活動を行うべきであることは当然のことだと考える」と述べた。

 「Dappi」を巡っては、運営者が都内のIT企業で、その主要取引先のひとつが自民党だったことが明らかになっている。(デジタル編集部)


【関連記事】野党攻撃ツイッター「Dappi」が自民党と取引⁉ 正体はIT企業 ネット工作まん延か
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