Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●斎藤貴男さん《こうまでわかりやすく、アホらし過ぎる現実を突き付けられて、それでも騒然とならない日本社会…》

2020年01月22日 00時00分17秒 | Weblog

[※ 斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房(http://www.chikumashobo.co.jp/photo/book/large/9784480436023.jpg)↑]



日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/消費税が導入されてから国の借金は急増しているアホらしさ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/266706)。

 《こうまでわかりやすく、アホらし過ぎる現実を突き付けられて、それでも騒然とならない日本社会が、つくづく不気味だ。このところ連日のように報じられている、財政関連の数字のことである…では消費税は大した税収になっていないのかといえば、とんでもない。増収に次ぐ増収を重ねてきた結果、来年度には約21兆円にも達し、所得税を上回って国税最大の税目となる見通しなのだ》。

   『●「この27年間の変化は法人税が9兆円…
      所得税が4兆円減り、消費税が14兆円増えたことだけなのだ」
   『●年金自助努力問題…《単なる金ヅルとして、
      社会保障の“充実”だの“安定化”だのをエサ》に消費税を増税
   『●同様に、「この28年間の変化は法人税が6兆円…
      所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」

 最悪の税制・消費税の税収が《来年度には約21兆円》だそうだ。ようは、《単なる金ヅルとして、社会保障の“充実”だの“安定化”だのをエサ》に消費税を増税し、《社会保障の“充実”だの“安定化”》は何一つ実行されず、一方、大企業や大金持ちの法人税や所得税を著しく減税してあげたわけ。イジメ。強きを助け弱きを挫く、そんなニッポン社会。
 消費税増税だけが問題ではないが、ニッポン社会を破壊する諸悪の根源の一つであることは確か。歳入と歳出のバランスがデタラメで、税金をドブガネし続けておきながら消費税増税する愚かさ、それを許す「1/4」の自公お維支持者と選挙に行きもしない「2/4」の間接的自公お維支持者。
 (破壊損な辺野古破壊などその典型)ジャブジャブとドブガネを止めずに、《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な消費税制を続ける…《これほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない》というのに。
 最悪な税制・消費税制が社会を歪ませている。《なるほど社会保障費は過去最大を8年連続で更新する35兆8608億円に上った》、一方、GDP1%枠の軍事費はそれに比べれば低いのかもしれない…(米軍再編費除く?)《2019年度の防衛予算案は18年度当初比1.3%増の5兆2574億円となり、5年連続で過去最高を更新》(https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_yosanzaisei20181221j-03-w430)。しかしだ、軍事費に5兆円もドブガネするのならば、災害からの復興、防災や減災の分野にこそお金を投資し、未来の子供らへの投資にこそ税金が支出されるべきだ。消費税制など廃止すべき。《ただ政治権力者と巨大資本、および彼らと利害を一致されている連中のために働かされている奴隷であり、“息をするサイフ”》でいいのですか? 
 《一条の光くらいは見いだせる年にしたい魂を湛えた人として生きるために》…2020年はそうなるだろうか…。

   『●軽減税率というお零れと「ジャーナリズムの義務」:
        「権力の犯罪を暴くためなら、権力に対しては…」

   『●《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な
     消費税制…《これほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない》
   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)
   『●最悪な税制・消費税制30年…《弱い者いじめが
     できなければ生き残れない社会は、消費税によっても形成された》

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/266706

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
消費税が導入されてから国の借金は急増しているアホらしさ
2019/12/25 06:00

     (安倍首相(右)と麻生財務相(C)日刊ゲンダイ)

 こうまでわかりやすく、アホらし過ぎる現実を突き付けられて、それでも騒然とならない日本社会が、つくづく不気味だ。このところ連日のように報じられている、財政関連の数字のことである。

 まず来年度予算案の閣議決定。一般会計の総額が史上最大の約102兆6580億円というから恐ろしい。財政危機&少子高齢化、それでも社会保障を充実させるのだとして消費税率10%が断行されたのは、つい先々月ではなかったか。

 なるほど社会保障費は過去最大を8年連続で更新する35兆8608億円に上った。とはいえ絶対額が増えても中身は充実どころか縮小・削減の一途。年金支給開始年齢の引き上げも既定路線で、働けなくなった高齢者や病人は死ぬしかない社会システムが、すでに準備され始めてしまっている

 では消費税は大した税収になっていないのかといえば、とんでもない。増収に次ぐ増収を重ねてきた結果、来年度には約21兆円にも達し、所得税を上回って国税最大の税目となる見通しなのだ。

 にもかかわらず、国の赤字は一向に減らない。いや、もともとそんな形容自体が無意味で、逆に昨2018年度における借金(国債、短期証券、借入金の合計)の対GDP比はなんと200%戦争末期と同じ水準に至っているのだという。

 戦後の長い間にそうなった、のではない。1970年代の土建屋政治全盛時代でもせいぜいが20~30%。爆発的な急上昇は1989年に消費税が導入されて以降の奔流だった(東京海上アセットマネジメント・平山賢一氏の試算=東京新聞12月17日付朝刊から)。庶民や中小零細事業者から搾り取った血税を、利権屋どもが漁り、貪りまくった証左ではないか。

 消費税率の引き上げに呼応して法人税率の引き下げが繰り返され、それに伴って税収も反比例してきた経緯は今さら指摘するまでもない。幾度も書いてきたが、消費税なる悪魔の税制がまかり通る社会にあって私たちはただ政治権力者と巨大資本、および彼らと利害を一致されている連中のために働かされている奴隷であり、“息をするサイフ”でしかないのである。

 美しい桜を、まるで汚物にされた2019年が、ようやく終わる。東京五輪の来年は、汚物がこの国の隅々までを埋め尽くす年になるのだろう。

 だがせめて、肥だめの底で窒息させられかけているがごとき時代に、一条の光くらいは見いだせる年にしたい魂を湛えた人として生きるために
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●最悪な税制・消費税制30年…《弱い者いじめができなければ生き残れない社会は、消費税によっても形成された》

2020年01月21日 00時00分56秒 | Weblog

[※ 斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房(http://www.chikumashobo.co.jp/photo/book/large/9784480436023.jpg)↑]



webronzaの記事【斎藤貴男/消費税の悪魔性 仕入れ税額控除の許されない実態/あまりにも複雑で一般に理解されていない消費税。リテラシーを高めない単なる金ヅルに】(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019102100001.html)。

 《今のうちに消費税に対するリテラシーをよほど高めておかないと、言い方を換えると、意図的に刷り込まれてきた誤った認識をそのままにしておいたら、私たちは未来永劫、幾度も幾度も、税率の引き上げを強いられていく。彼らの単なる金ヅル、息をする財布としての生き方しかできなくされる運命を余儀なくされる》。

   『●《消費税が抱える根源的な問題》はなにか? 《常に弱い
       立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な消費税制…
    「斎藤貴男さん…【政府やメディアが刷り込んだ“消費税の目的”
     の嘘/“社会保障の充実と安定化”のための増税という
     謳い文句とは正反対の現実】」

   『●消費税…《自分よりも弱い立場の取引先に負担を回し、
     そうされた者はさらに弱い取引先に……最も弱い者が破滅する》…
    《泣かされたままでは潰れるしかない仕入れ業者は、自分よりも弱い
     立場の取引先に負担を回し、そうされた者はさらに弱い取引先に……
     そして結局、もう誰にも負担を押し付ける先がない、最も弱い者が
     破滅する。この繰り返しで30年が過ぎた。
     弱い者いじめができなければ生き残れない社会は
     消費税によっても形成されたのである》

 弱者・弱い立場に消費税分を「泣かせ」てゼロ税率で儲け、加えて、「輸出戻し税」分を還付されて丸儲け。《不労所得》である。デタラメ。

   『●『消費税のカラクリ』読了
     「こう云った悲劇とは裏腹に、輸出戻し税という仕掛けも。「零細事業者が
      直面させられている悲惨とは裏腹に、消費税は大企業、とりわけ輸出比率の
      高い大企業にとっては実に有利に働く。かれらは消費税という税制によって、
      莫大な不労所得さえ得ていると断定して差し支えない」。
      かたや「貰っていない税金をお前が払え」といわれ、かたや大企業は
      「不労所得」を得ているわけ! 馬鹿らしい」。

   『●消費税増税: かたや大企業は「不労所得」を得ているわけ!
   『●消費税増税: 大企業は「不労所得」を得て、
           メディアは「火事場泥棒」の助っ人

 消費税制についてあまり語られないこと…斎藤貴男さん《「仕入れ税額控除」の悪用により脱税。「正社員らに支払う「給与」」が仕入れ税額控除の対象。「いわゆる格差社会、ワーキング・プア問題の重要なテーマである非正規雇用は、他ならぬ消費税が拡大させたという現実をご存じだろうか」》? 非正規雇用は、《他ならぬ消費税が拡大させた》のだ。《派遣に切り替えると合法的に節税できる消費税》。詳しくは ⇒ 『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?』。

 最悪な税制・消費税制30年…《弱い者いじめができなければ生き残れない社会は、消費税によっても形成された》。在ってはならない税制、《存在してはならない税制》。あらゆる取引に課税され、利益が上がっていなくても担税し、消費税を絞り出さねばならない。未納の税金は消費税がトップで、なんと6割。払いたくても、払えない現実。《私たちは未来永劫、幾度も幾度も、税率の引き上げを強いられていく。彼らの単なる金ヅル、息をする財布としての生き方しかできなくされる運命を余儀なくされる》…そんなのご免だ。消費税制は廃止されなければならない。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
                   …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●薔薇マークキャンペーン《消費税増税凍結
     (むしろ…5%に減税することを掲げる…)》…むしろ消費税制廃止を
   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」
        でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
               …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●《巻き上げられた消費税は…土建屋政治や大企業の減税や、
      近年では軍事費などなど、権力の金儲けや戦争ごっこに乱費》
   『●《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な
     消費税制…《これほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない》
   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)
   『●斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』…消費税制は
     《いかに不公正で…「魔法の杖」》かを指弾した《警世の書》

=====================================================
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019102100001.html

消費税の悪魔性 仕入れ税額控除の許されない実態
あまりにも複雑で一般に理解されていない消費税。リテラシーを高めない単なる金ヅルに
斎藤貴男
 ジャーナリスト
2019年10月21日
仕入れ税額控除|付加価値税|増税|消費税

10月1日、消費税が8%から10%に上がりました。長年、消費税のあり方を追及してきたジャーナリストの斎藤貴男さんが、消費税の根源的な問題について考えるシリーズ。今回は、簡素で明快であるべき税のあり方とは逆行する消費税の複雑で不公平な構造について、仕入れ税額控除を例に引いて論じます。(論座編集部)


 消費税率が10月1日、予定通りに引き上げられた。当然のことながら、その妥当性を疑う声はなお根強い。直後の10月5、6日の両日に共同通信社が実施した全国電話世論調査によると、増税後の日本経済について、回答者の70.9%が先行き「不安」か「ある程度の不安」を感じていると答えたという。

 増税反対、というより消費税そのものを“存在してはならない税制”だと考えている私には、「わが意を得たり」の結果だと言いたいが、そう単純なはなしでもない。回答者たちが(コンピューターに発生させた無作為の番号に電話をかけるRDD=ランダム・デジット・ダイヤリング法=で調査。有権者のいる世帯から514人、携帯電話で512人が答えている)消費税の仕組みをきちんと承知したうえでそう答えたのかどうかが、まったくわからないからである。


■十分に理解されていない消費税という税制

 もちろん、世論調査とはそういうものだ。限りなく世の中総体の“ミニチュア”を目指す。

 とはいえ、消費税ほど一般に理解されていない税制も珍しい。そんなものについて問うのに、事前の説明もしないで答えさせた結果を、そもそも「世論」と呼んでよいものなのだろうか。圧倒的多数の人々が政府やマスコミの誘導を鵜呑(うの)みにし、消費者がすべて負担するのが消費税だと思い込まされているが、そもそもその根本からして間違っているのだから(どこがどう違うのかは前回の拙稿「結局、弱い者が負担を強いられる弱肉強食の消費税」を参照)。

 先の参院選における「れいわ新選組」旋風を通して、消費税の本質がある程度は知られるようになりはした。この税制そのものを争点化し、その問題点をわかりやすく伝えた山本太郎代表の功績は大きい。だが、まだまだだ。

 今のうちに消費税に対するリテラシーをよほど高めておかないと、言い方を換えると、意図的に刷り込まれてきた誤った認識をそのままにしておいたら、私たちは未来永劫、幾度も幾度も、税率の引き上げを強いられていく彼らの単なる金ヅル、息をする財布としての生き方しかできなくされる運命を余儀なくされる

 だから私は書く。今回は税の専門家や実務担当者以外にはほとんど知られていない「仕入れ税額控除」を取り上げよう。


■税の累積を避けるためにつくられた仕入れ控除制度

 消費税は、納税義務者である年商1千万円超の事業者が、顧客に商品やサービスを販売する際、本体価格に税金分を上乗せ(転嫁)した金額を預かり、必要な計算を施して納める、という体裁とされている税制だ。だが、現実には顧客との力関係次第で転嫁できたり、できなかったり。できなければ実質的に自腹を切ってでも納税しなければ差し押さえを食う弱い者いじめの化身のようなものであることは前回に指摘したので、本稿では割愛。

 どのみち納税義務者が納税義務を免れる可能性はあり得ないのだが、首尾よく消費税を顧客に転嫁できても、できずに利益を削って帳簿の上でだけ転嫁できた形になった場合でも、その分の全額がイコール納税額ではない。顧客から預かった(か、預かった形になっている)消費税から仕入れ先に支払った(か、支払った形になっている)消費税をマイナスするという計算をして、その差額を税務署にくれてやる(治める)のだ。

 この計算式を「仕入れ税額控除」という。仕入れ代だけでなく、事業用資産や事務用品の購入、賃加工や運送等の役務提供を受けることなど、いわゆる必要経費のかなりの項目も、「仕入れ税額控除」の対象にすることができる。

 なにしろ消費税は、原則としてすべての商品・サービスのあらゆる流通段階に課せられる税である。そこで、「仕入れ税額控除」の仕組みを取り入れることで、税の上に税が何重にも累積してしまうことがないように設計されているわけだ。

 ヨーロッパでは同様の税制を「付加価値税」(value added tax)と呼んでいるのは、この「控除」の部分に着目してのことだ。噛み砕いて説明するのが難しい形容ではあるのだが、あたかも消費者だけが負担させられているかのような印象ばかりを残す「消費税」とは、比べものにならないほど誠実なネーミングではあるだろう。


■輸出企業に認められた「輸出免税」の制度

 問題はここから先である。

 消費税はあくまで日本の税制だ。外国の顧客には――同じような税制があろうとなかろうと――関係がない。つまり、納税義務者が自社の製品やサービスを輸出しようとした時、消費税分の金額を転嫁することはできないし、したがって相手から預かることもできないのである。

 考えてみれば、たいがいの中小・零細企業が国内で直面している現実と似たようなものだ。ただし、輸出の場合は、輸出先との力関係で優位にある企業であっても、何が何でも転嫁は不可能という点が、決定的に異なる。

 そのため、政府は輸出については消費税を免除する「輸出免税」の制度を設けた。そうしないと、すなわち自腹を切って納税させられる、もうからないビジネス(くどいようだが、中小零細の国内商売とほぼ変わらない)ということになり、大企業が輸出を手控えるようになってしまえば、外貨が入ってこなくなることを恐れたわけだ。


■実態は免税というより輸出戻し税

 「輸出免税」では、 国内であれば顧客に転嫁されるべき消費税率に「ゼロ税率」を設定する。一方で、輸出企業は国内での仕入れや必要経費には消費税を支払っている(か、支払ったことになっている)。ゆえに「仕入れ税額控除」を活用する権利を維持しており、免税措置を受けるに当たって、「0」ー「仕入れないし必要経費に支払った(か、支払ったことになっている)消費税」という計算を行うことになる。

 すると、どうなるか?

 マイナスの消費税がかかるということは、支払った(か、支払ったことになっている消費税が戻ってくる、還付されるということに他ならない。元静岡大学教授で税理士の湖東京至氏による有価証券報告書などを基とした試算によれば、2017年度決算(主として17年4月~18年3月)のトヨタ自動車をはじめとする輸出大企業(製造業13社)の消費税の還付金額は、合計で約1兆428億円に達していた。

 上位から社名を並べると、トヨタ約3506億円、日産自動車約1509億円、本田技研工業約1216億円、マツダ約767億円、キヤノン約638億円……と続く。新日鐵住金約284億円、パニソニック約220億円、といった数字もあった。

 こうなると、単に「免税」というだけではおさまらない。立て替えた金が戻ってくるのだから「輸出戻し税」だ、と湖東氏は表現している。彼は例年、11月頃に前年度の還付金額推算をまとめるのが常だから、2018年度のデータも間もなく公表されるはずである。10%への増税がなされて以降の還付金はどう推移していくのだろう。


■輸出戻し税は丸儲けの不労所得?

 この輸出戻し税の現実をどう見るか。論じる者の立場によって、見方はまるで違ってくる。

 法律的には正当でも、消費税を転嫁できない中小零細事業と比べて優遇され過ぎている。そういう議論は当然あるだろう。

 ヨーロッパの付加価値税にも同様の仕組みがある。一種の輸出補助金として位置づけられているとされ、であれば日本も追随しないと競争に負けてしまう、という政府のスタンスに同調する意見もある。それは、それで、いい。

 ただし、その場合、建前がきちんと守られている限りにおいて、という大前提が必要だ。要するに、それらの輸出大企業が、仕入れ先や必要経費となる商品やサービスの購入先に、消費税を実質的に支払っているのか、否かということだ。 ………
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《オーストラリア各紙は黒塗り紙面で「政府があなたから真実を遠ざけるとき、何を隠しているのか?」と読者に問い掛けた》

2019年12月08日 00時00分54秒 | Weblog

[※『新聞記者』(望月衣塑子著)…《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》↑]



豊田洋一記者による、東京新聞のコラム【【私説・論説室から】豪メディアの連帯】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019110602000160.html)。

 《オーストラリア各紙は黒塗り紙面で政府があなたから真実を遠ざけるとき、何を隠しているのか?と読者に問い掛けた。同じ民主主義社会で、知る権利を守るために、各メディアが組織を越えて連帯を示したことは、報道機関がなすべき方向性を示し、新聞社で働く私たちにも勇気を与えている。日本でも権力の暴走が起きた場合、報道機関は連帯できるだろうか》。

   『●アベ様独裁・人治主義国家…《末期症状》《もはや始末に
           負えない》となって一体何年たつのだろうか…
   『●「スモモを盗った」ことを隠すためには、あらゆる記録を
          残さないことを《徹底的に実施する》アベ様ら…

 《日本でも権力の暴走が起きた場合、報道機関は連帯できるだろうか》? 《報道機関がなすべき方向性》に進むだろうか? いや、ニッポンでは、むしろ積極的に《メディアコントロール》されたがる…。新聞社を中心に東京五輪のスポンサーとなり、金(カネ)色の五つの輪の批判さへできず。軽減税率という「お零れ」を受け取った新聞社は、最悪な税制・消費税の批判もできず。
 再び思い知らされる…アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール。そもそも、コラムも云う《民主主義社会》なのかな、ニッポンは。《知る権利》なんて、情報隠蔽国家ニッポンにあるのだろうか? 《日本でも権力の暴走が起きた場合》…というか、もうすでにアベ様ら自公政権や与党自公、癒着党お維が《暴走》して一体何年たっているでしょうか?

   『●アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール…
             「一人でも権力に立ち向かう」とはいうものの…
   『●2019年7月参院選、またしても今回も「眠り猫」だった皆さん…
                   〝上手く行った〟メディアコントロール
   『●次の国政選挙に向けて、先ずは脱メディアコントロール
     …2019年7月参院選「あとの祭り」を繰り返さぬために
   『●金(カネ)色の五つの輪…《問題点を検証できる新聞のような
          メディアが軒並みスポンサーに入ってしまっては…》
   『●《安倍晋三首相は…「まったく問題はない。汚染水の影響は、
           港湾内で完全にブロックされている」と強調した》
   『●「アンダーコントロール」な訳がない…そもそもウソにウソを
      重ねて、金(カネ)色の五つの輪をニッポン誘致しておいて
   『●軽減税率というお零れと「ジャーナリズムの義務」:
        「権力の犯罪を暴くためなら、権力に対しては…」

   『●《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な
     消費税制…《これほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない》
   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019110602000160.html

【私説・論説室から】
豪メディアの連帯
2019年11月6日

 ある朝、各新聞社が一斉に、一面記事のほとんどを黒く塗りつぶして発行したら、読者の皆さんは何ごとかと驚くに違いない。そんなことが実際、オーストラリアで起きた。

 発端は、アフガニスタンに派遣された豪特殊部隊の民間人殺害を報じた公共放送・オーストラリア放送協会(ABC)本部や、市民への監視強化を報道したニューズコープ社記者の自宅が、警察に家宅捜索されたこと。

 これに対し、日ごろ競合している豪メディアが協力し、一斉に「報道の自由が脅かされる」と抗議するキャンペーンを行ったのだ

 力を持つものが不都合な真実を隠すため、それに迫ろうとする報道機関に圧力をかけるのは、常とう手段でもある。日本でも、かんぽ生命の不適切な保険勧誘を報じた公共放送・NHKに対して、かんぽ生命側が圧力をかけたことは記憶に新しい。

 オーストラリア各紙は黒塗り紙面で「政府があなたから真実を遠ざけるとき、何を隠しているのか?」と読者に問い掛けた

 同じ民主主義社会で、知る権利を守るために、各メディアが組織を越えて連帯を示したことは、報道機関がなすべき方向性を示し、新聞社で働く私たちにも勇気を与えている。

 日本でも権力の暴走が起きた場合報道機関は連帯できるだろうか日本の公共放送が権力に切り込めるか否かによる、などというやぼは、この際言うまい。(豊田洋一
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●消費税…《自分よりも弱い立場の取引先に負担を回し、そうされた者はさらに弱い取引先に……最も弱い者が破滅する》…

2019年11月06日 00時00分22秒 | Weblog

[※ 斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房(http://www.chikumashobo.co.jp/photo/book/large/9784480436023.jpg)↑]



斎藤貴男さんによる、WebRonzaの記事【結局、弱い者が負担を強いられる弱肉強食の消費税/デフレ経済で崩れた消費税は消費者が負担するというストーリー。しわ寄せはどこに?】(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019092900001.html)。

 《泣かされたままでは潰れるしかない仕入れ業者は、自分よりも弱い立場の取引先に負担を回し、そうされた者はさらに弱い取引先に……。そして結局、もう誰にも負担を押し付ける先がない、最も弱い者が破滅する。この繰り返しで30年が過ぎた。弱い者いじめができなければ生き残れない社会は消費税によっても形成されたのである》。

   『●《消費税が抱える根源的な問題》はなにか? 《常に弱い
       立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な消費税制…
    「斎藤貴男さん…【政府やメディアが刷り込んだ“消費税の目的”
     の嘘/“社会保障の充実と安定化”のための増税という
     謳い文句とは正反対の現実】」

 《泣かされたままでは潰れるしかない仕入れ業者は、自分よりも弱い立場の取引先に負担を回し、そうされた者はさらに弱い取引先に……。そして結局、もう誰にも負担を押し付ける先がない、最も弱い者が破滅する》。斎藤貴男さんのWebRonzaの最初の記事でも指摘。《消費税が抱える根源的な問題》はなにか? 《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な消費税制…。《弱い者いじめができなければ生き残れない社会は、消費税によっても形成されたのである》《弱肉強食の化身のような税》。
 消費税制を廃止しよう!

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
                   …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●薔薇マークキャンペーン《消費税増税凍結
     (むしろ…5%に減税することを掲げる…)》…むしろ消費税制廃止を
   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」
        でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
               …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●《巻き上げられた消費税は…土建屋政治や大企業の減税や、
      近年では軍事費などなど、権力の金儲けや戦争ごっこに乱費》
   『●《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な
     消費税制…《これほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない》
   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)
   『●斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』…消費税制は
     《いかに不公正で…「魔法の杖」》かを指弾した《警世の書》

=====================================================
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019092900001.html

結局、弱い者が負担を強いられる弱肉強食の消費税
デフレ経済で崩れた消費税は消費者が負担するというストーリー。しわ寄せはどこに?
斎藤貴男 ジャーナリスト
2019年09月29日
増税|消費税|益税|脱税|軽減税率

10月1日から消費税が8%から10%に上がります。長年、消費税のあり方を追及してきたジャーナリストの斎藤貴男さんが、消費税の根源的な問題について考えるシリーズ。今回は消費税が抱える構造的な矛盾について論じます。(論座編集部)


税率が違うのにどうして同じ価格?

 「吉野家」の牛丼は店内で食べるか、お持ち帰りかで値段が違います。でも、「松屋」や「すき家」だと、どちらでも同じ。ハンバーガーはと言えば、「モスバーガー」と「ロッテリア」が別価格派で、「マクドナルド」が統一価格派なんだって! ――

 最近の新聞やテレビでは、こんな話題がしばしば取り上げられている。消費税率が10%に引き上げられる10月1日には、同時に“軽減税率”なる制度も新設され、飲食料品は8%のままに据え置かれるのだが、レストランなどでの飲食には適用されない。そこで、テイクアウトも可の外食店の対応に関心が集まった。

 というわけで議論は沸騰。「店の中でも外でも料金が同じなのはシンプルでいい」、逆に「チェーンごとにバラバラなのはわかりにくい」などといった声が、メディアの世界ではことのほか喧(かまびす)しい、のだが……。

 なんだか変だ。いや、軽減税率の発想そのものや、その適用対象(飲食料品の他に週2回以上発行される新聞の定期購読)が決定された経緯などに関する疑問については、とりあえずおく。本稿が指摘したいのは、かの牛丼店やハンバーガーショップが、売り方によって異なる税率の商品を、どうして同じ価格で販売することができるのか、ということなのである。

 実は、そのことは自体は別段、おかしな話ではない。どこまでも企業内部における会計の問題だ。彼らはまず統一した販売価格を設定し、そこから2通りの本体価格を割り出していく。ごく単純化して言えば、店内消費の利益率を低く、テイクアウトの利益率を高く見積もればよい理屈だ。

 ただ、こうした考え方は、従来の通俗的な理解とはかけ離れている。政府やマスコミが繰り返し強調し、一般に深く刷り込まれてきたのは、もともとコスト+利益で決定されていた本体価格に、5%や8%の消費税分を乗せて売る、という手順ばかりだった。だからこそ、時に「10%のほうが計算がしやすくなっていい」などと言い出すトンチンカンなメディアや、それに感化された消費者が現れる

 だが、実際は違う。もちろん事業者なら誰だって、そうやって売りたい。が、そう簡単にはいかない、できないのが商売の現実だ。

 牛丼店やハンバーガーショップの動きは、はからずもそうした実態の一端を垣間見せてくれた。私たちはこの機に、今度こそ、消費税という税制の本質を思い知らねばならない。


消費税は消費者が負担しない場合もある

 ここまでの記述を、もしかしたら難しく感じられた読者も少なくないかもしれない。消費税は消費者が負担する税なのに、事業者だの商売の現実だのと何の関係があるのか、などというふうに。

 だが、そこからして間違いなのだ。負担の主を言うならば、消費税は消費者が負担している場合もあるが、そうでない場合もある、というのが正解である。これは消費税の「イロハのイ」であると承知しておこう。

 関連法規によれば、消費税とは、①原則すべての商品・サービスのあらゆる流通段階で課せられ、②年商1000万円超の事業者を納税義務者とする税である。つまり小売り段階だけでなく、商取引のことごとく(医療や福祉サービス等の例外はある)で発生し、消費者には納税義務がない。

 もっとも、②のタテマエは、納税義務のある事業者が、商品やサービスの販売価格に消費税分を上乗せ(転嫁)し、その金額を顧客から預かって、しかるべき計算を施して税務署に納める、というストーリーだ。消費税増税に賛成か否かにかかわらず、多くの人々は、このシナリオと現実とを混同してしまっている。

 ところが、日本は自由主義経済の国である。電力や水道、鉄道のような公共料金はともかく、普通の商品やサービスの価格は市場原理によって形成される。景気がよくて売り手市場、しかも競争も激しくなければ、負担は相対的に弱い買い手側に押し付けられてシナリオ通りになるのだが、現在は、というより過去20数年間は、消費税導入当時のバブル経済とは正反対の、デフレ経済下にあり続けてきた。

 近隣に“価格破壊”を謳(うた)う家電量販店を建てられた電器店や、納品先の大手メーカーに頭が上がらない町の下請け工場が、利益を出したうえ、さらに相手から消費税を預かる値決めなどできるはずがない。だからといって、納税義務が免除されるわけでもないので彼ら弱い立場の事業者は、借金してでも消費税を納めさせられる羽目になる。

     (拡大酒類が軽減税率の対象外だと知らせる案内。
      この店では消費税の税率が10%になる商品には新しい
      税込み価格をすでに明示している=2019年9月25日、前橋市元総社町)


弱いものに負担を回す社会をつくった

 苦しいのは競争が激しい都市部のスーパーも同じだ。増税即値上げでは客が離れる。やむなく価格を据え置いて、ただし人員削減や時給のカットなどによる人件費の削減、あるいは仕入れ価格に増税分を乗せさせないなどの方法によるコストダウンも可能な場合がある。後者は強要すれば公取委に摘発されかねないが、ビジネスのおける力関係が、法律だけで説明できるとは限らない。

 泣かされたままでは潰れるしかない仕入れ業者は、自分よりも弱い立場の取引先に負担を回し、そうされた者はさらに弱い取引先に……。そして結局、もう誰にも負担を押し付ける先がない、最も弱い者が破滅する

 この繰り返しで30年が過ぎた。弱い者いじめができなければ生き残れない社会は、消費税によっても形成されたのである


消費税につきまとう「損税」という現実

 消費税ほどミスリードがはびこる税もない。

 以上のような、納税義務者が価格に消費税を「転嫁」できない状態を「損税」というのだが、そう書くと必ずいちゃもんをつけてくる人々がいる。利益を削ってでも、借金をしてでも、結果的に納税できたからには帳簿上、“転嫁できた”形になるわけだ。だから、「転嫁できないなんてあり得ない」という理屈だそうである。物は言いようだと呆れるしかない。私は商売というものの実質を語っている。

 8年ほど前、NHKのニュース解説番組で消費税増税反対論をぶった私は、終了後の楽屋で、さっきまでスタジオで論争していた元大蔵官僚に、まさにそう言われたことがある。「帳簿の上では、ですね」と返した記憶があるが、彼はその数年後、大学教授および政府税制調査会専門家委員会特別委員の肩書で著した啓蒙書で、次のように述べていた。

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
 好ましいことではありませんが、転嫁できない場合もあるでしょうから、家計の負担の最大額も少なくなるはずです。「1980円の商品の価格を、消費税が上がったからといって2000円超にはできない」などといった事業者や企業の声が出ていますが、そうなれば実は家計にとっては好ましい話なのです。
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

 あるいはまた、

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
 消費税率の引き上げ分の消費者への転嫁をなるべく少なくする、という事業者の努力には大きなメリットがあります。それは消費者にとってそれほど価格が上がらない、物価が上がらないことを意味するからです。事業者にとっては大変でしょうが、前の章で書いたような物価への影響は減り、景気への短期的な悪影響も弱まる方向に働きます。ただ事業者が価格に転嫁しない代わりに人件費などを削減すると、今度はそれが消費者の給与や雇用に跳ね返ってきて、困ることになるかもしれません。(いずれも森信茂樹『消費税、常識のウソ』(朝日新書、2012年)
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

 弱い事業者の負担を好ましいと言ってみたり、転嫁できない理不尽を筋違いにも努力と呼んでみたり。あくまでも消費者の増税に対する警戒心を和らげる目的で書かれた文章で、それだけに他への配慮が著しく欠落しているのは確かだけれど、法律がでっち上げたシナリオとは異なる実態を、元大蔵官僚が公に認めた事実は大きい。この本を見つけて読んだ時、素直に嬉しいと思った。


問題は「益税」なのか?

 それでも多くの人々は、「損税」など存在しないと言いたがる。消費税に矛盾があるとすれば、それは「益税」という名のネコババではないか、と。

 「益税」とは、年商1000万円未満の「免税事業者」が商品やサービスの価格に消費税分を上乗せして販売し、とはいえ納税義務がないので、その分を合法的に利益にできてしまうことをいう。実際、政府は消費税導入に臨んで、政府が中小零細事業者らの反対を抑えるため、彼らにさまざまな“アメ”をしゃぶらせた経緯がある。納税義務の有無を分ける「免税点」も、当初は年商3000万円と、かなり高く設定されていた。

 「益税」とはいっても、免税事業者とて仕入れや必要経費には消費税を上乗せされた金額を支払うのだから、“ネコババ”とまで言われるほどの儲けにはならない。いずれにしても、彼らへの“アメ”はこの間にずいぶん小さくなり、免税点も2003年には1000万円へと引き下げられて、大方の事業者が納税義務を負った。その一方で、デフレ・スパイラルが深まって、「益税」ならぬ「損税」が常態化した。

 手元に興味深い判決文がある。1990年3月26日、東京地裁。元参院議員で「サラリーマン新党」の最高顧問だった青木茂氏(故人)ら20人が、消費税法は消費者を「納税者」、事業者を「徴税義務者」だと想定しているとの解釈を前提に、「益税」のような不合理を許した諸制度は法の下の平等を定めた憲法14条などに違反しているとして起こした国家損害賠償請求訴訟で、鬼頭季郎裁判長が原告請求の「棄却」を言い渡したものである。

 すなわち消費税は憲法に違反していない。合憲であるとされたわけだが、私たちが深く考えてみるべきは、この判断が導かれた論理だ。

 判決理由は次のように述べていた。

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
 税制改革法一一条は、「事業者は、消費に広く薄く負担を求めるという消費税の性格にかんがみ、消費税を円滑かつ適正に転嫁するものとする」と抽象的に規定しているに過ぎず、消費税法および税制改革法には、消費者が納税義務者であることはおろか、事業者が消費者から徴収すべき具体的な税額、消費者から徴収しなかったことに対する事業者への制裁等についても全く定められていないから、消費税法等が事業者に徴収義務を、消費者に納税義務を課したものとはいえない。
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

 さらに、

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
 先に述べたように、消費税相当分の転嫁の仕方は、事業者の対価等の決定如何に委ねられており、その運用如何によっては、消費者に対する実質的な過剰転嫁ないしピンハネが生じる可能性もなくはない。この点において、消費税負担者である消費者側から見れば、消費税分につき、自己の負担すべき額の決定が恣意的に行われるように見える余地はある。
 しかしながら、消費者が消費税相当分として事業者に支払う金銭はあくまで商品ないし役務の提供の対価としての性質を有するものであって、消費者は税そのものを恣意的に徴収されるわけではない。そして、法律上の納税義務者である事業者が、恣意的に国から消費税を徴収されるわけでもない。したがって、消費税法は、租税法律主義を定めた憲法八四条の一義的な文言に違反するものではない。
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

などともある。


弱肉強食の化身のような税

 消費税とは、小売商と消費者の間(事業者と顧客の間)における、要するに物価以外の何物でもない。転嫁できるもできないも、とどのつまりは売る側の腕と状況次第。力関係で勝れば転嫁に加えて便乗値上げもできようが、劣れば自分で引っ被るしかなくなる弱肉強食の化身のような税。問題だらけでないとは言わないが、税とは取れさえすればよいのであって、実質的に誰が負担させられていて、誰が死のうと一家心中しようと知ったこっちゃないという政府の論理司法も支持する。だって、だってだってお国のためなんだもん♪ とだけ、この判決は言っていた。

 「益税」を俎上に載せるための提訴ではあったが、結論は今日に至る「損税」についてもそのまま使われている。倫理や人道に照らした善悪を棚に上げておく限り、この判決は消費税の核心を抉(えぐ)ってあまりあった。

 その内容が当時から広く伝えられ、真っ当な議論が積み重ねられてきていたとしたら、消費税が時の政権によって魔法の杖”か“打ち出の小槌”のようにして使われる無残もなかったに違いない。だがこの間、マスメディアはほとんど何も報じてはこなかった――

 これは一体、どういうことなのだろう。ここまでいいかげんな税制が、いつまでも存在を許されたままでよいものなのか。

 よいはずがない、と私は確信している。


消費税の滞納者が多いわけ

 国税庁はさる8月、2018年度の「租税滞納状況」を発表した。それによれば、同年度中に新たに発生した「新規発生滞納額」は、国税全体だと約6143億円で、前年度比0.2%減。この間の法人税減税や所得税の累進性の緩和、それら直接税のデフレによる税収減および税務当局の徴収強化などの理由から、最も多かった1992年度(約1兆8903億円)のわずか32・5%にまで減少したが、税目別を見ると、消費税だけが約3521億円と、当時よりも新たな滞納を増やした例外的な現象を起こしている。

 新規発生滞納額全体の、なんと57・3%を占めたというのだから驚きだ。と思いきや、これでも60%を軽く超えていた2015年度と比べたら、まだしも少しは改善された姿だとの由。

 

 国税収入の6割が消費税だとでもいうのなら、滞納もそれに見合った数字になるのは仕方がない。だが実際は、目下のところ、国税収入に占める消費税の割合は、せいぜいが30%程度に留まっている。

 とすれば、消費税の新規発生滞納額が多すぎる状況は異常ではないか。考えられる原因はただひとつ。利益に対して課せられる法人税や所得税とは違い、消費税は利益があってもなくても、たとえ大赤字であろうとも、何らかの取引を行った納税義務者には課されるという、他に例を見ない特性だ。

 滞納には重い処罰が待っている。初めのうちは分納などの相談にも応じてももらえるかもしれないが、たび重なれば税務署員に、「そこらへんのサラ金で借りてこいとすごまれるし、期限を過ぎて差し押さえをくらえば、破滅に追い込まれるのが常である。商売をする人間の常識だ。

 だから事業主たちは、「死」にさえ一本道で通じている滞納など、滅多なことではしたくない。それでもしてしまうしないわけにはいかないのが、消費税の滞納なのである。


■無理がありすぎる税制

 無理がありすぎる税制。それが消費税だ。社会保障を充実させるためには“尊い犠牲”も必要だようんぬんと、訳知り顔は言う。だけれども、時の政権が重ねてきたその種の公約が、ことごとくウソであり続けている倒錯は、すでに前回の記事で見た通りである。

 にもかかわらず、新聞もテレビも、肝心なことは絶対に伝えない。8月の国税庁発表がまともに取り上げられなかったのは例年と同様。わずかに報じたマスコミも、見出しを挙げると、こんな具合だ。

 〈税滞納、20年連続減=ピーク時の3割以下に――国税庁〉
                (時事通信8月7日付配信)
 〈財産隠しなど国税告発最多〉(朝日新聞8月8日付東京本社版朝刊)
 〈10月消費増税/確定申告、納付額に注意、国税庁、資金確保補呼びかけ〉
                    (日刊工業新聞8月14日付)――。

 報道というより、あえて問題の本質を外した、税務署の礼賛かキャンペーンだ。そんなことですまされてよいなら、記者など必要ない。税務署に原稿を書いてもらえば、よほど“目的”に適った、正確な記事に仕上げられるものだろう。

 少々長くなってしまった。さて、次回は何を書こうか……。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《消費税が抱える根源的な問題》はなにか? 《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な消費税制…

2019年10月23日 00時00分43秒 | Weblog

[※ 斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房(http://www.chikumashobo.co.jp/photo/book/large/9784480436023.jpg)↑]



斎藤貴男さんによる、webronzaの記事【政府やメディアが刷り込んだ“消費税の目的”の嘘/“社会保障の充実と安定化”のための増税という謳い文句とは正反対の現実 斎藤貴男】(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019091900001.html)。

 《10月から消費税が8%から10%に上がります。メディアでは軽減税率やポイント還元策などが話題になっていますが、ことの本質はそこなのでしょうか。長年、消費税のあり方を追及してきたジャーナリストの斎藤貴男さんが、消費税が抱える根源的な問題についてシリーズで考えます。(論座編集部)》

   『●「この27年間の変化は法人税が9兆円…
      所得税が4兆円減り、消費税が14兆円増えたことだけなのだ」
   『●年金自助努力問題…《単なる金ヅルとして、
      社会保障の“充実”だの“安定化”だのをエサ》に消費税を増税
   『●同様に、「この28年間の変化は法人税が6兆円…
      所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」

 《消費税で社会保障が充実するなんて妄言を、実は誰も信じてなどいない。お上に何を言ってみても無駄であり、自分たちは政治権力や巨大資本の金ヅル兼労働力、ないし兵力以上でも以下でもないと、大方の日本国民は初めから諦め切っている》…それで本当にいいのですか?
 〝消費税のカラクリ〟…消費税制の廃止を! 

 《いったい何のための消費税だったのか》? 《それはただ、大企業や富裕層の減税の財源になった。すなわち、この間に政府やマスメディアが国民に刷り込んできた“消費税の目的”なるものは、何もかも嘘(うそ)だったと断じて差し支えない》。
 斎藤貴男さんは、最後に、《打開策があるとすれば、ただひとつ多くの人々が消費税というものの本質を学び、理解して、怒らなければならない時は本気で怒ることである》と。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
                   …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●薔薇マークキャンペーン《消費税増税凍結
     (むしろ…5%に減税することを掲げる…)》…むしろ消費税制廃止を
   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」
        でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
               …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●《巻き上げられた消費税は…土建屋政治や大企業の減税や、
      近年では軍事費などなど、権力の金儲けや戦争ごっこに乱費》
   『●《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な
     消費税制…《これほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない》
   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)
   『●斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』…消費税制は
     《いかに不公正で…「魔法の杖」》かを指弾した《警世の書》

=====================================================
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019091900001.html

政府やメディアが刷り込んだ“消費税の目的”の嘘
“社会保障の充実と安定化”のための増税という謳い文句とは正反対の現実

斎藤貴男 ジャーナリスト
2019年09月20日
年金|消費税増税|社会保障|自己責任論|財政健全化

10月から消費税が8%から10%に上がります。メディアでは軽減税率やポイント還元策などが話題になっていますが、ことの本質はそこなのでしょうか。長年、消費税のあり方を追及してきたジャーナリストの斎藤貴男さんが、消費税が抱える根源的な問題についてシリーズで考えます。(論座編集部)


■全世代型社会保障改革を掲げた新内閣

 「新しい社会保障制度のあり方を大胆に構想してまいります」と安倍晋三首相は胸を張った。

     (内閣改造について記者会見する安倍晋三首相=
      2019年9月11日、首相官邸)

 9月12日、第4次再改造内閣発足に臨む記者会見。「全世代型社会保障改革」を新内閣の“旗”に掲げ、その担当を兼務する西村康稔経済再生相(56)を中心に、「70歳までの就労機会の確保や年金受給年齢の選択肢の拡大」などの“改革”を進めるという。

 いわゆる年金カット法年金制度改革法)に基づくマクロ経済スライド方式の強化をはじめ、医療費や介護費用の自己負担比率増大、介護保険制度の利用者制限、生活保護の生活扶助費や住宅扶助費の減額等々、過去数年にわたって重ねられてきた社会保障の縮小あるいは削減に、よりいっそうの大ナタが振るわれていく。側近の衛藤晟一氏が担当相に起用された「1億総活躍」の国策と合わせれば、権力に近くない人間は死ぬまで働くしかない時代が見えてくる。

 ちなみに西村氏は内閣官房副長官だった2018年7月5日夜、安倍首相とその取り巻きたちによるどんちゃん騒ぎの大宴会「赤坂自民亭」の模様を、「いいなあ自民党」のコメントとともにツイートし、問題になった人物だ。翌日にオウム真理教事件の死刑囚7人の死刑執行が予定され、また中国・四国・九州地方で200人以上の死者を出すことになる西日本大豪雨がすでにその予兆を示していたそのタイミングが、今も記憶に生々しい。


■社会保障の充実と安定化のための増税だったが……

 “大胆”な社会保障“改革”の実相も、それを担う人々の資質も、しかし、マスメディアは特に報じも、論じもしなかった。新閣僚の首相との距離感や、派閥の内幕については過剰なほど詳しい新聞は、国民生活を左右する政策の意図や意味には関心がないらしく、政権側の言い分をおおむねそのまま垂れ流す。「全天候型社会保障改革」に批判的な報道が皆無だったとまでは言わないが、その場合でも、なぜか、この“改革”と、ある要素との関係だけは、とことん避けて通られているようだ。

 「ある要素」とは何か。消費税増税の問題だ

 来たる10月1日に、消費税率は8%から10%に引き上げられることになっている。そして、政府とマスメディアはこの間ずっと、“社会保障の充実と安定化”のための増税なのだと謳(うた)い続けてきた。

 それが、どうだ。現実は、まるで正反対の姿にしかなっていないではないか。


■尻すぼみに終わった「老後2000万円問題」

 例の「2000万円問題」を、改めて考えてみよう。さる6月、政府の審議会が公表した報告書に、“今後の日本社会で高齢夫婦が老後を暮らすには、支給される公的年金の他に約2000万円が必要になる”旨が書かれていて、日本中が大騒ぎになった、あの問題だ。

 だからどうするべきなのか、という問題提起ではない。金融庁長官の諮問を受ける「金融審議会」の「市場ワーキンググループ」が、あくまでも金融サービス事業者向けに、だからこういう金融商品を作って売ったら儲かりまっせ、と“啓蒙”するのが狙いの文書であり、2000万円うんぬんは、その前提となるデータとして提示されていたのにすぎない。

 目的はどうあれ、それでも多くの国民は反発しかけた。官邸前の抗議集会や、デモがあった。野党も結束して追及した……かに見えた。だが、やがて尻すぼみになり、7月の参院選でも、さしたる争点にはならなかった。

 原因は明確でない。野党のだらしなさ、権力になびく一方のマスメディアといろいろあるが、それだけでは説明できない。しかし、そうなった決定的な背景が、私にはわかるような気がする。


■消費税率は上がれど悪化する社会保障

 1988年のことである。ある不動産会社が、自社商品の宣伝本を出版した。題して『パートナーシップ』。一言に要約すると、こんな内容だった。

--- --- --- --- --- ---
 日本銀行の試算によれば、現役を退いた高齢夫妻の老後は公的年金だけでは賄えず、平均でざっと1500万円の貯蓄が必要です。だから皆さん、当社のワンルームマンションに投資して、安心な老後に備えましょう。
--- --- --- --- --- ---

 時はまさに金ピカ・バブル経済の真っ盛り。週刊誌の記者だった私は、その本を地上げ絡みのネタ元にさせてもらっていた同社幹部にプレゼントされ、思うところあって、大切に保管してきた。

 消費税が導入されたのは翌89年。“高齢化社会への対応”が前面に打ち出され、紆余曲折を経てのスタートだったが、その後も同じ理由が繰り返し掲げられ、税率が3から5、8%へと引き上げられて、ついには2桁の大台に乗ろうとしている。

 考えてももらいたい。いくらなんでも、おかしすぎはしないか

 消費税の導入前は1500万円の不足。税率10%を目前にした現在は2000万円の不足。何も変わっていない、どころか、事態はかえって悪化している。いったい何のための消費税だったのか。


■消費税は大企業や富裕層の減税の財

 ……などと吠えてみせるのもカマトトではある。財務省の資料「法人税率の推移」によれば、88年度に42%だった法人税の基本税率は、翌年に消費税が導入されてからは減税に次ぐ減税で、現在は半減に近い23・2%だ

 また、これも財務省のデータ「一般会計税収の推移」は、税収全体に占める税目別の割合が、消費税と法人税がほぼ反比例している様子を示している。この間には所得税の累進性もかなり緩んだ。99年からの8年間は累進の上限が年間所得1800万円超の37%。少し大きな会社の部長さんも、大財閥のオーナーも、同じ税率だった。

 財政健全化の財源にすると強調された局面もしばしばだった。けれども、この点にしたところで、消費税が導入されて以降も、財政赤字は膨らむ一方であり続けてきた。税収が増えると、増えた分だけ土建屋政治”や“軍拡に勤(いそ)しんできたからに他ならない。

 要するに、消費税は社会保障の充実や安定化、財政健全化のために導入されたわけでも、増税されてきたわけでもない。敢えて単純化してしまえば、それはただ、大企業や富裕層の減税の財源になった。すなわち、この間に政府やマスメディアが国民に刷り込んできた“消費税の目的”なるものは、何もかも嘘(うそ)だったと断じて差し支えないのである。


■自己責任論が強調される社会保障

     (消費増税関連法案の成立で合意(3党合意)した
      野田佳彦首相、自民党の谷垣禎一総裁、公明党の
      山口那津男代表(右から)=2012年8月8日、国会)

 もっとも、ことの善悪の一切をさて置く限り、とりわけ近年における状況は、いわば必然的な結果でもあった。民主党政権と自民、公明両党との「3党合意」で、国策「社会保障と税の一体改革」の目玉としての消費税増税が決められた2012年の冬、「社会保障制度改革推進法」が可決・成立している。その第2条の1が、社会保障を、こう定義していた。

 ――自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと。

 一般の認識とは、天と地ほどもかけ離れてはいないだろうか

 社会保障と言えば、普通は社会保険や公的扶助、公衆衛生、医療、社会福祉などの概念をまとめたものと理解されている。1950年に当時の「社会保障審議会」が打ち出した「狭義の社会保障」の定義が、多くの人々には、なお生き続けているのだ。いずれにせよ、今風の表現では「公助」のイメージだ。「社会保障制度改革推進法」の定義と対比されたい。

 そして、消費税率が8%に引き上げられる4カ月前の2013年12月、今度は「推進法」を具体化していくための「社会保障制度改革プログラム法」が可決・成立。同法では社会保障における政府の役割が規定されているのだが、こちらはもっと凄まじい。

 ――政府は、住民相互の助け合いの重要性を認識し、自助・自立のための環境整備等の推進を図るものとする。

 徹底的な自己責任論であり、政府は努力義務しか持たないと定めている。書籍や雑誌の記事、講演会などの場で、私が幾度も幾度も書き、語り、批判してきたことである。

 こう書くと確実に返ってくるのは、“消費税がなければ、社会保障そのものが解体していた”などといった反論だろう。制度の“持続可能性”を錦の御旗とする政府やマスメディアが近年多用したがるロジックだが、これほどの本末転倒もない。制度だけが持続しても、国民生活を支えることができない制度なら無意味だ。

 「社会保障は国民生活に必優なものであるから、財源が足りなければ、どこからか財源を工面して、社会保障の充実に充てるのが、政治家の仕事ではないか」と、鹿児島大学の伊藤周平教授(社会保障法)は喝破してのけている(『社会保障入門』ちくま新書、2018年)。生存権を規定した憲法25条を持ち出すまでもなく、消費税は上げるが社会保障の水準は下落の一途、などという“政策”は、本来、許されてよいはずがないのである。


■本気で怒らない国民にも責任

 2000万円問題がいつの間にか騒がれなくなった最大の理由は、おそらく、ここのところだ。

 消費税で社会保障が充実するなんて妄言を、実は誰も信じてなどいない。お上に何を言ってみても無駄であり、自分たちは政治権力や巨大資本の金ヅル兼労働力、ないし兵力以上でも以下でもないと、大方の日本国民は初めから諦め切っている。だから、どうせ野垂れ死にしかあり得ないとわかりきっている老後に、今さら2000万円がどうのこうのといわれても、本気で腹を立てることができない。あまり深く考えても。生きていたくなくなるだけではないか。

 そのような思考回路が、絶望が、現代のこの国には充満しているのだと、私は思う。

 安倍晋三第4次再改造内閣のもとで、私たちの社会保障はさらに“大胆”に、切り捨てられていくのだろう。国民の生活や生命を屁とも思っていない政権の非道もさることながら、いいように騙(だま)されて、にもかかわらず誰も本気で怒り狂おうとしない、物事を自分の頭で考えるくらいなら死んだほうがマシだと思っているフシさえ感じられてしまう国民の側にも、大きな責任があると言わざるを得ない

 近い将来にはまたぞろ、さらなる消費税増税不可避論がマスメディアに溢(あふ)れるに違いない。一時は政権批判の材料になった「2000万円問題」も、その時には消費税率の15%、20%への引き上げを正当化する“論拠”に使われることになるはずだ。

 放火魔が火事場泥棒を働く構図と言うべきか。

 そして、当然のことながら、目下の日本国民のままであれば、消費税率がたとえ30%、40%に引き上げられようと、「社会保障とは自己責任」のことなりとする政府の姿勢は、いささかも改まるまい。

 打開策があるとすれば、ただひとつ多くの人々が消費税というものの本質を学び、理解して、怒らなければならない時は本気で怒ることである。次回は、そのための一助となる記事を書く。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)

2019年10月22日 00時00分37秒 | Weblog

斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房↑]



日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/この政権の企みは消費税のさらなる大増税か安楽死の推進か】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262957)。

 《消費税がまた増税された。大義名分だった“社会保障の充実”など真っ赤な嘘。政府は今後も社会的弱者を片っ端から切り捨て、滅ぼしていく。では先々はどうか。私見だが、ごく近い将来、私たちは消費税のさらなる大増税か、安楽死の推進かの二択を迫られよう》。

   『●「この27年間の変化は法人税が9兆円…
      所得税が4兆円減り、消費税が14兆円増えたことだけなのだ」
   『●年金自助努力問題…《単なる金ヅルとして、
      社会保障の“充実”だの“安定化”だのをエサ》に消費税を増税
   『●同様に、「この28年間の変化は法人税が6兆円…
      所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」

 《消費税のさらなる大増税か安楽死の推進か》…あぁ、悲惨な国。

   『●斎藤貴男さん、大新聞社は「自分たちだけは例外。
        権力にオネダリして、そうしていただいたのである」
   『●斎藤貴男さん、税率を上げても「「スウェーデンのような
           高福祉国家を目指すんだ」なんて、誰も言わない」
   『●軽減税率というお零れと「ジャーナリズムの義務」:
          「権力の犯罪を暴くためなら、権力に対しては…」

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
     《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》
   『●《テレビマンも新聞記者も…あなた方が近年、国民を政権の
        意向通りに操ることしかしていないことの罪深さを…》

 消費税制そのものを廃止すべきです。《社会保障財源を確保》なんてデマを、軽減税率という《お零れ》を嬉々として受け取った大新聞社が垂れ流す図は、醜悪だ。毒饅頭なその《お零れ》が報道を歪ませ、市民をダママクラかす。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●内部留保と消費税増税:
     雇用「数」増加で誤魔化す雇用形態の「質」の劣化
   『●アベノサギのキモ(経済=ドアホノミクス)もサギだった
            という二重のサギな話…壮大な「あとの祭り」
   『●《キャッシュレス決済比率…89%の韓国》で何が?  
       米韓FTA同様、なぜ先達に学ぶ気が無いのだろう?
   『●キャッシュレス…アベ様の《庶民ぶりっ子に
      だまされていた日には、私たちは奴隷そのものにされてしまう》
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
                   …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●アホらしき税収不足! 日本の「報道の自由度」72位で、
           「パナマ文書を調査しない国は…と日本くらい」
   『●薔薇マークキャンペーン《消費税増税凍結
     (むしろ…5%に減税することを掲げる…)》…むしろ消費税制廃止を
   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」
        でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
               …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●《巻き上げられた消費税は…土建屋政治や大企業の減税や、
      近年では軍事費などなど、権力の金儲けや戦争ごっこに乱費》
   『●斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』…消費税制は
     《いかに不公正で…「魔法の杖」》かを指弾した《警世の書》
   『●《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な
     消費税制…《これほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない》

 《尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》。《その真意…。下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、存分に長寿を堪能できるという筋書き》。悍ましくて吐き気がする。

   『●痴れ者(しれもの)=「常軌を逸した愚か者」な
     ウルトラ差別主義者は未だに副総理・財務相…誰が支持?
    《麻生氏の病人差別、社会的弱者に対する罵詈雑言は数限りない
     曽野綾子や長谷川豊、古市憲寿、落合陽一各氏らの同類も
     少なくないが、あろうことか権力者でさえある麻生氏は誰よりも
     罪深い。…福生病院のマッドドクターたちは、麻生氏に
     エンカレッジされ、あるいは尻を叩かれた思いで、殺人に手を染めた
     のではないのか。家柄だけの痴れ者を高い地位に就け続けておくから、
     こういうことが起こる。殺人を教唆してやまない政権など、
     一刻も早く解体しなければならない。当たり前だ

   『●(政界地獄耳)《麻生に一貫して流れているスピリッツは
       弱者をさげすみ、バカにする体質》…選んだ人々の責任
    《★「食いたいだけ食って飲みたいだけ飲んで糖尿病になって
     病院入っている奴の医療費を払っている」と日常的に言い続けている。》

   『●〈猛省と自重の決意の証…議員在職中において公私一切酒を
           口に致しません〉…飲酒で片づけられる暴言か?
    《というか、そもそも松井一郎代表じたいが、今年4月の
     大阪W選挙でネトウヨサイトのデマをリツイートして拡散する
     ような政治家だ。「透析患者は殺せ」の長谷川豊氏を
     2017年総選挙に続き今年の参院選と国政選挙に擁立している
     という“実績”も忘れてはならない》

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262957

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。


二極化・格差社会の真相
この政権の企みは消費税のさらなる大増税か安楽死の推進か
2019/10/09 06:00

     (健康には個人差があるのに、なぜ「人生100年時代」
      などと言い切れるのか(C)日刊ゲンダイ)

 消費税がまた増税された。大義名分だった“社会保障の充実”など真っ赤な嘘。政府は今後も社会的弱者を片っ端から切り捨て、滅ぼしていく

 では先々はどうか。私見だが、ごく近い将来、私たちは消費税のさらなる大増税か、安楽死の推進かの二択を迫られよう

 まず、いわゆる“生活習慣病”の自己責任論が全メディアを埋め尽くす。この際、糖尿病など以前は「成人病」と呼ばれた疾病群には遺伝的要因も強い実態は顧みられない。数年前にアナウンサーの長谷川豊氏が吐いた「自業自得の透析患者なんて全額自己負担にせよ! 無理だと泣くならそのまま殺せ!」みたいな人でなしの独善が、社会全体に刷り込まれていく

 現実の動きも急だ。患者の“意向”だとして透析を中止し、死に至らしめて騒がれた公立福生病院(東京都)の院長は、3月の記者会見で森鴎外の「高瀬舟」を持ち出し、病に苦しむ弟の求めでとどめを刺した兄に自らをなぞらえていた

 事件を受けてガイドラインの見直しに乗り出した日本透析医学会は、終末期の患者に限定されていた透析中止の検討対象を広げる方針という。とすれば福生病院の行為も追認される可能性が高い。

 背景には国策がある。政府は健康や生命の格差をむしろ歓迎し始めた糖尿病患者を“金食い虫呼ばわりしてきた麻生太郎副総理に近い主張で知られる経済産業省の江崎禎英氏(現、商務・サービス政策統括調整官)が、昨年から内閣官房健康・医療戦略室次長と厚労省医政局統括調整官を兼務。新設された全世代型社会保障検討会議」の委員も、新自由主義の牙城未来投資会議」や「経済財政諮問会議」で活動する財界人らに占められた

 彼らは通常の社会保障論の枠を超え、“給付と負担のバランス”ではなく、病気や介護の“予防”を高らかに掲げる。予防の強調は自己責任論を絶対の正義に装う。賛否両論があり中断されていたが、自民党が再び法案策定を急いでいる尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならないことに鑑みれば、これらの問題すべてが結びついてくる危険を理解できる。

 健康には個人差があるのに、なぜ「人生100年時代」などと言い切ることができるのか、ずっと不思議だった。が、その真意がわかった気がする。下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、存分に長寿を堪能できるという筋書きではないのか。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●アベ様独裁・人治主義国家…《末期症状》《もはや始末に負えない》となって一体何年たつのだろうか…

2019年10月06日 00時00分26秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/情報吸い上げザル管理…二重にタチの悪い独裁国家化が進む】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262598)。

 《安倍政権はますます独裁国家色を強めている。モリカケ疑惑に象徴されるように、この政権は公文書も統計も平然と改竄する。警察・検察はロクに動かず、為政者はいくら犯罪的行為を重ねてもおとがめナシ内閣改造では人材払底が露呈し、安倍首相の覚えメデタイ側近だけが入閣した。彼らは安倍以上に低レベルでタチが悪い。いよいよ政権の末期症状である》。

   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●阿部岳さん《法が誰にも平等に適用される「法治」が衰退し、
           権力者が法を曲げる「人治」がはびこっている》
   『●阿部岳さん【「東電無罪」の論理】《「…運転はおよそ
     不可能になる」…判決は意図せず原子力制御の限界を認めている》
   『●(政界地獄耳)《五輪主催国はやり放題と思っているのか。
        寛容なのか鈍感なのか、井の中の蛙は世間知らずか》
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…高浜「原発マネー」
          が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な
     消費税制…《これほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない
          …「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」
   『●萩生田光一文科相《テロ予告や脅迫で「表現の不自由展」を
     中止させた勢力に加担する行為…表現の自由を圧殺する暴挙》
   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を
    取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》

 《末期症状》《もはや始末に負えない》となって一体何年たつのだろうか…アベ様独裁・人治主義国家になって久しい。ここ何年も、毎日毎日、ろくなニュースが流れない。
 《メディアコントロール》の下、最「低」裁を頂点とした司法も機能せず、警察や検察はアベ様らに忖度…有権者の「1/4」は自公お維を支持し、眠り猫な「2/4」な皆さんは選挙にもいかず間接的にアベ様らを支持。この構図はここ数年変わっていない。アベ様独裁・人治主義国家からいつ脱却できるのだろ…。《すべてをあきらめた社会》でいいのだろうか。

   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」
     「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
   『●《「なぜこんな世の中になってしまったのか」とあって、
      その文字に重なるようにして「今だけ 自分だけ 金だけ」》
   『●むき出しの「言論弾圧政党」は《人材の宝庫》…
     《この内閣の水準の低さ…自民党は…国民の気持ちを第一に考えな》い
    「《この内閣の水準の低さ…。自民党は…国民の気持ちを第一に
     考えな。《まもなく消費税がアップ何も問題はないとの認識だ。
     さびたアンテナで政治を進める、それを批判する者もいない
     これは政治ではないすべてをあきらめた社会ではないか》。
     「1/4」の自公お維支持者と眠り猫な「2/4」の間接的支持者の
     皆さん…酷い社会になりました」


=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262598

金子勝の「天下の逆襲」
情報吸い上げザル管理…二重にタチの悪い独裁国家化が進む
2019/10/02 06:00

     (安倍首相と萩生田文科相(左)、
      右は上野宏史前厚労政務官(C)共同通信社)

 安倍政権はますます独裁国家色を強めている。モリカケ疑惑に象徴されるように、この政権は公文書も統計も平然と改竄する。警察・検察はロクに動かず、為政者はいくら犯罪的行為を重ねてもおとがめナシ内閣改造では人材払底が露呈し、安倍首相の覚えメデタイ側近だけが入閣した。彼らは安倍以上に低レベルでタチが悪い。いよいよ政権の末期症状である。

 改正入管難民法を悪用した口利き疑惑で辞任した上野宏史前厚労政務官。安倍は「あらゆる手段を尽くし悪質ブローカーを排除すると国会答弁して自公維新で強行採決したが、何と悪質ブローカーは政策担当者だった。その上、上野は逃げ回り、逃げ込んだ先の萩生田文科相は放送法改正をチラつかせてメディア圧力を強め、忖度したNHKは上野問題について「録音データは本物だが、事実ではない」などと、上野の言い分を正当化する報道を垂れ流す。

 高市総務相もひどい。公選法や政治資金規正法の担当大臣にもかかわらず、一昨年の衆院選の最中に、公選法に違反する業者からの政治献金を受け取っていた。それがバレると、返還しておしまい。石崎徹衆院議員に至っては、傷害と暴行の疑いで書類送検されても居座り、アベ自民党は黙認だ

 国会議員は贈収賄、口利き、傷害と何でもあり。悪事を追及されたら、逃げる、言い訳する、あるいはカネを返す。それで一件落着なのだ。


■市民の個人情報吸い上げザル管理

 その一方、一般市民はマイナンバーカードを通じて政府に個人情報を掌握される上、低レベルの情報通信技術によって、データをダダ漏れにされている。あらゆる個人情報が一元管理される中、とりわけ問題なのが医療関連情報だ。国税庁のサイトでマイナンバーとパスワードを入力すれば、1年分の医療費が一覧でき、10月からは過去の投薬履歴も閲覧できるようになる。

 マイナンバーカードは図書館利用カードとしても使え、思想信条に関するデータも蓄積される。生涯を通してひとつの同じ政府管理の番号だけで、生体認証などのセキュリティーはない。カード裏面には磁気ストライプとともにICチップが内蔵されているが、それをコピーするなというのだろうか。

 政府が国民のあらゆる情報を掌握するために、ファシズム的な一元管理の仕組みをつくり、ズサンな管理で情報ダダ漏れ状態を看過している。この国は二重にタチの悪い独裁国家となりつつあり、もはや始末に負えない
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な消費税制…《これほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない》

2019年10月01日 00時00分45秒 | Weblog

斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房↑]



斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/消費税批判を巡り大新聞がケンカを買ってくれることを望む】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262224)。

 《市場原理で価格が決定される自由主義経済の下では、常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる税であること》。

   『●「この27年間の変化は法人税が9兆円…
      所得税が4兆円減り、消費税が14兆円増えたことだけなのだ」
   『●年金自助努力問題…《単なる金ヅルとして、
      社会保障の“充実”だの“安定化”だのをエサ》に消費税を増税
   『●同様に、「この28年間の変化は法人税が6兆円…
      所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」

 東京新聞の社説【<消費税10%に>景気減速の懸念は強く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019093002000128.html)によると、《消費税率が十月から現行の8%から10%に引き上げられ、飲食料品などに軽減税率が導入される。少子高齢化時代を迎え、社会保障財源を確保するのが目的だが、景気減速に対する懸念も根強い》。
 2019年10月1日、あ~ぁ、本当に消費税増税しちゃったよ…。自公お維支持者の「1/4」の皆さん眠り猫間接的支持者の「2/4」の皆さん、正気ですか? 《消費税は、常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる税》制であるのに、「1/4」「2/4」の皆さんは、《弱い立場の側》でなく〝強者〟のつもりか、それとも、諦め・諦観か?

   『●斎藤貴男さん、大新聞社は「自分たちだけは例外。
        権力にオネダリして、そうしていただいたのである」
   『●斎藤貴男さん、税率を上げても「「スウェーデンのような
           高福祉国家を目指すんだ」なんて、誰も言わない」
   『●軽減税率というお零れと「ジャーナリズムの義務」:
          「権力の犯罪を暴くためなら、権力に対しては…」

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
     《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》
   『●《テレビマンも新聞記者も…あなた方が近年、国民を政権の
        意向通りに操ることしかしていないことの罪深さを…》

 消費税制そのものを廃止すべきです。《社会保障財源を確保》なんてデマを、軽減税率という《お零れ》を嬉々として受け取った大新聞社が垂れ流す図は、醜悪だ。毒饅頭なその《お零れ》が報道を歪ませ、市民をダママクラかす。

   『●斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』…消費税制は
     《いかに不公正で…「魔法の杖」》かを指弾した《警世の書》

 斎藤貴男さん『決定版 消費税のカラクリ』を、是非、読んでくださいよ、お願いだから。
 このコラムで、斎藤さんが主張する①~⑥の主張について、逐次、独裁政権の皆さんや大マスコミの皆さん、是非、否定して見せてください。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●内部留保と消費税増税:
     雇用「数」増加で誤魔化す雇用形態の「質」の劣化
   『●アベノサギのキモ(経済=ドアホノミクス)もサギだった
            という二重のサギな話…壮大な「あとの祭り」
    《またアベノミクスの嘘を証明する統計が! 増えたのは企業の
     内部留保と役員報酬、株主配当だけ、賃金はさらに減少 
     …国民はこの数字をもっとしっかりと見るべきだろう。そう、
     アベノミクスはインチキったことを改めて証明する統計結果が
     明らかになったのだ。…つまり、待てど暮らせど、トリクルダウン
     やってこないということだ

   『●《キャッシュレス決済比率…89%の韓国》で何が?  
       米韓FTA同様、なぜ先達に学ぶ気が無いのだろう?
   『●キャッシュレス…アベ様の《庶民ぶりっ子に
      だまされていた日には、私たちは奴隷そのものにされてしまう》
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
                   …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
    「日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/消費増税と
     キャッシュレス社会の先にある「人間採点」】…《私たちは従来も、
     たとえば住宅ローンを組む際には信用度の審査を受けてきた。
     こちらも自らの情報を差し出すしかない必要がある以上は仕方がない。
     だが信用スコアは、ユーザー側の事情など関係なく
     絶えず格付けされ続ける点がまるで違う》。」

   『●アホらしき税収不足! 日本の「報道の自由度」72位で、
           「パナマ文書を調査しない国は…と日本くらい」
   『●薔薇マークキャンペーン《消費税増税凍結
     (むしろ…5%に減税することを掲げる…)》…むしろ消費税制廃止を
   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」
        でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
               …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●《巻き上げられた消費税は…土建屋政治や大企業の減税や、
      近年では軍事費などなど、権力の金儲けや戦争ごっこに乱費》

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262224

斎藤貴男 ジャーナリスト
二極化・格差社会の真相
消費税批判を巡り大新聞がケンカを買ってくれることを望む
2019/09/25 06:00

     (消費税は、常に弱い立場の側がより重い負担を
       強いられる税(C)日刊ゲンダイ)

 2ケタ税率の直前になって消費税に関する原稿依頼が相次いだ。政府の宣伝は大嘘で、実はこれほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない、とする持論の再構成ではあるものの、「サンデー毎日」とウェブの「論座」に寄せた新原稿はなかなか好評らしい。「目からウロコだ」という反応が目立つ。

 もっとも、反響のすべてが好意的とは限らないのは当然だ。まれにだが、デマ呼ばわりの書き込みもあった。

 消費税批判の本を最初に出した9年前から繰り返されてきたのと同じ。で、どれもが冷笑や罵倒だけに終始している点も、また共通している。

 私が繰り返し書き、語ってきたのは――。



消費税とは原則すべての商品およびサービスのあらゆる全流通段階で課される税であり、納税義務を負うのは消費者ではなく年商1000万円超の事業者であること。


市場原理で価格が決定される自由主義経済の下では、常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる税であること。


1989年の導入以来、強調され続けている社会保障の充実や安定化は一向に実現せず、増収分は大企業や富裕層の減税財源に費消されていること。


仕入れ税額控除という納税上の計算式が、下請けに負担を押し付ける輸出産業を不当に潤わせ、また非正規雇用を拡大させる“効果”を伴うこと。


増税“対策”とされる軽減税率やポイント還元、インボイス制度等には、人間を権力や巨大資本が都合よく操るシステム構築の狙いがあること。


消費税とはもともと歪んだ税制であり、弊害を改めようとするほど歪みは広がり、ついには社会全体をひしゃげさせる結果が招かれること。



 ……等々だ。いずれも長期の取材と調査、自営業者としての出自と体験、ジャーナリスト稼業40年弱の知見から導いた、全人格を懸けた主張ではあるのだが、しょせんは人間。完璧ではあり得ない。

 だから誰でもいい、反論があるなら、根拠をしっかり示してほしい。私は大マスコミをぶった斬ってもいるのだから、新聞社がケンカを買ってくれたらなおうれしい。大いに議論しようではないか。

 最後に私に共感してくださる方々にも一言。消費税のテーマに関心を持ってもらえたなら、ぜひ掘り下げて考えてみていただきたい。拙著の他にも興味深い文献は多くある。そうやって、事に臨んでいちいち深め、思索を重ねていくことだけが、この時代に自分自身のアイデンティティーを保ち続ける方法ではなかろうか
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする