昨日から開催されている東京インターナショナルオーディオショウにおいて一番話題を集めているのは、おそらくソナス・ファベールの創業40周年を記念する新フラッグシップモデル「Suprema(シュプレーマ)」であろう。
Supremaは、2筐体のメインキャビネット、2筐体のサブウーファー、1筐体のアクティブクロスオーバーネットワークで構成する2.2chシステムである。サブウーファーがシングルのモデルも用意されている。価格はシングルサブウーファー仕様が1億5,400万円、デュアルサブウーファー仕様が1億7,050万円。東京インターナショナルオーディオショウのノアのブースでは、デュアルサブウーファーモデルが展示され、試聴イベントが行なわれる。
しかし、そういった超弩級のフラッグシップに関しては、「夢があるけど、非現実的・・・」というのが多くの方の感想であろう。
ソナス・ファベールの出発点は、小型2ウェイスピーカーである。
日本でも多くのオーディオマニアの心を捉えたエレクタ・アマトールにより、その知名度は一気に広まった。
その後、ソナス・ファベールの製品ラインナップは大きく広がっていったが、そんななか比較的手ごろな価格帯で美しい姿と有機的な音の質感で人気の高かったモデルが「Concertino」であった。
一般的な日本のオーディオマニアのリスニングルームというのは、それほど広いわけではない。特に住宅事情の厳しい都会においては、我が家のオーディオルームのように狭いことの方が多い。
そういった一般的な家庭におけるオーディオ環境においても、ジャストサイズなのが、Concertinoのような小型2ウェイスピーカーである。
そのConcertinoの最新型である「Concertino G4」も、今回の東京インターナショナルオーディオショウにおいて展示されるようである。
写真で見ると、オリジナルのConcertinoを彷彿とさせる造形で纏められている。
専用のスタンドも用意されるようで、こちらも鉄と木材を融合させたもので往年のスタンドを彷彿させるデザインである。
ソナス・ファベールの伝統的な美学を継承して、キャビネットの側面には無垢のウォールナットが奢られている。
フロントバッフルには、こちらも伝統的な意匠であるブラックのレザーが後方に回り込むように貼り付けられている。
ただし、時代を反映して、本革ではなく、植物由来のレザー代替品を使用しているとのことである。
専用スタンドを含めた価格はおそらく100万円ほどになるであろう。手頃な価格とは言えないかもしれないが、最近のハイエンド系のスピーカーの価格の推移を見ていると「手頃と言っていいのかもしれない・・・」と思ってしまう。
これであれば8畳以下の広さのリスニングルームでもすっきりと収まり、なおかつ「MADE IN ITALY」の優雅な雰囲気も味わえるような気がする。