先月ご自宅にお伺いさせていただいたFMさんが、月が変わってすっかりと秋めいた気候になった今日、我が家のリスニングルームを訪れてくれた。前回の訪問時から比べると、我が家のリスニングルームの状況は大きく変わっていた。
前回はまだTANNOY GRFが部屋の両コーナーにあって、Guarneri Mementoが併設される形でセッティングされていた。その映像がFMさんの記憶に残っているので、リスニングルームに入ると「ガラッと印象が変わりましたね・・・」と声を発せられた。
「ラックもセンターに移動したんですね・・・とてもすっきりとまとまっている感じがします・・・」と評してくれた。FMさんには、我が家のリスニングルームのセッティング変更は好印象のようであった。
FMさんは、私と同じGuarneri Mementoをお使いである。さらに以前からお使いであったVerity AudioのParcifal Encoreも併設されてお使いである。FMさんのリスニングルームはリビングルームも兼ねている。それゆえ十二分なエアボリュームがあり、2セットのスピーカーがセットされていてもゆとりが感じられる。
「どちらも個性的で良いスピーカーだったんですが、この広さの部屋に2セットのスピーカーはやはりきつきつな感じでしたので、Guarneri Mementoに絞りました。後方の空間が空いたのでスピーカー位置を下げたり、内振りを付けない平行法も試したりしたのですが、結局現在の位置に収まりました。この位置はGRFがあった時とあまり変わらない位置なんです・・・この位置にスピーカーを置くと後方に大きなスペースが確保できましたので、ラックをセンターセッティングに変更しました。」
FMさんはリスニングポイントに置かれているデンマーク製の古いイージーチェアに座ってもらい、わたしはその右隣りに置かれたイージーチェアに腰かけた。
二つのイージーチェアの間にある小さなサイドテーブルの上に置かれたコーヒーを飲みながら、しばしの雑談タイムを過ごした。今日は数日前に英国のレコードショップから届いたばかりのレコードから聴いてもらうことになった。
そのレコードジャケットを見ながら、「良いコンディションですね・・・前のオーナーのレコード収納棚にきちんと保管されていたようです・・・1967年の録音ですか・・・55年前ですね・・・」と、FMさんは呟かれていた。FMさんは、オーディオマニアでもあるが、レコードマニアとしても相当にディープである。「古いレコードジャケットの放つこの独特の匂いが好きなんです・・・」とも話された。
