アコログ

色んなコトを感じ思ったこと。 誰かに伝えたくなったこと。 日々の記憶。忘備録。

お父さんへ

2013-04-14 16:20:31 | 日記




いやなんです

あなたのいつてしまふのが...


花よりさきに実のなるやうな
種子よりさきに芽の出るやうな
夏から春のすぐ来るやうな
そんな理屈に合はない不自然を
どうかしないでゐて下さい...


高村光太郎の智恵子抄の「人に」が好きである。


そんな理屈に合わない不自然なことに
なってしまった。

留めたくとも、留めきれない、
その命。

果敢無くも、そこにはもういない、命。

こんなにも、あっけなく、人はいなくなるのかと
日々当たり前に過ぎる、穏やかな平穏な日々が、
居ることが当たり前だったことが、
その自然さが、本当は、とても貴かったことに、
今更ながら、気づくことの、なんと愚かなことか。


だけども、まだあたしは、お父さんがこの世界には
もう居ないのだと云うことが、信じられないんです。



長い旅行に行ってて、まだ帰って来てないような
そんな感じにしか思えなくて。。。


それでも、一人欠けたこの家は、悲しみで満ち満ちている。

だけど、唯々悲しむだけでいることも出来ないのだ。

日々、私達をざわつかせる事柄や、
目まぐるしさに、疲弊し消耗してる。



だけど、お父さん。
あなたは、なんと愛された人であったことか。

みんな、みんな悲しんでいるよ。
行きつけの飲み屋さんとか、電気屋さんとか
長年来の友達に、檀家さんに銀行員の方さえも。
誰も彼もが落胆し項垂れて、悲しみに暮れる。

色んな人が、父を愛していたことに。

お母さんが泣いているよ。
毎日、悲しんでるよ。

あたしも悲しい。
位牌の写真の笑顔を見る度に、涙で曇る。

東北の春は、遅い。まだまだ寒い。
だけどもお父さんの畑には、少しずつ春が見える。

漸くチューリップの緑の芽が出てきたよ。

梅が、やっと咲きました。

お父さんの好きな春が、やっとやってきたよ。
大好きな花の、彩りの季節だよ。