株式会社アセラ 農薬部

農薬通信 Web版

『アグリ通信.ACERA』第52巻通刊593:新規展着剤「ドライバー」

2019-10-16 19:05:38 | 記事

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新規展着剤「ドライバー」は花王株式会社が開発した植物由来のポリオキシエチレン脂肪酸エステル:24.0%を成分とする濡れ性の高い機能性展着剤です。

本年8月より丸和バイオケミカル株式会社から販売されました。

展着剤は分類分けすると一般展着剤、機能性展着剤、固着剤に分けられます。

一般展着剤:希釈倍率が通常5000〜10000倍の湿展性、懸垂性のある展着剤

機能性展着剤:アジュバンドとも呼ばれ、農薬の有効成分の浸透移行性促進、溶出制御、植物に対する薬害軽減、濡れ性の改良、薬剤飛散の抑制、混用性の改善などを目的にもちいられる展着剤

固着性展着剤:主にパラフィン系を主成分とし、風や雨などから流れ落ちにくくし、しっかりと付着させる性質を持つ展着剤

農薬散布時に薬液をはじいてしまうようなワックスの強い作物に対し、特に効果を発揮するよう設計され、散布した薬液をより確実に作物表面へ付着、拡展させます。

特 長

高い濡れ性を持つ展着剤に求められる性能を、さまざまな点で改善。高い濡れ性を利用し平面に濡れ広がる能力だけでなく、隙間に入り込んでいく能力、散布した薬剤の乾きが早いこと、適用作物への安全性が高いことなども特長として挙げられます。

○  ぴたりと付着:薬液が付きづらい作物に対して高い親和性

○  スッと広がる:作物表面に速やかに濡れ広がる

○  すき間に届く:薬液の届きづらい隙間にも入り込んでいく

○  汚れにくい:農薬散布による汚れを軽減

○  乾きが早い:薬液散布後の乾きが早い

○  作物に対する安全性:適用作物に対する高い安全性

また通常濡れ性の展着剤で問題となる、薬液調製時の泡立ちを低く抑えます。

適用農薬・作物および使用方法、効果・薬害等の注意(抜粋)

適用農薬名

作物名

使用量(希釈倍数)

使用方法

殺虫剤

殺菌剤

野菜類、豆類(種実)、いも類、花き類・観葉植物、てんさい

2〜10㎖/散布液10ℓ

(1000〜5000倍)

添加

・本剤を添加する適用農薬の使用方法を厳守するとともに、次のことに留意してください。

・適用農薬の使用上の注意事項に、薬害の生じやすい作物、気象条件などが記載されている場合には、本剤の使用をさけてください。

・作物の幼苗期、高温時など、一般に薬害の生じやすい条件では、本剤の使用をさけてください。

・適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤を初めて使用する場合、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用してください。なお、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることをおすすめします。

有用昆虫への影響

ドライバー1000倍使用時の判定です。 (2019株式会社エスコ)

供試虫

試験方法

判定

セイヨウミツバチ

直接噴霧

クロマルハナバチ

直接噴霧

チリカブリダニ

直接噴霧

ミヤコカブリダニ

直接噴霧

スワルスキーカブリダニ

直接噴霧

オンシツツヤコバチ

マミーの浸漬処理

タイリクヒメハナカメムシ

虫体浸漬処理

判定基準※…◎:死亡率0〜30% ◯:30〜80% △:80〜99% ×:99〜100%

※日本生物防除協議会の評価基準(室内試験)を参照展着剤

 

展着剤ドライバー使用状況

展着剤ドライバーを使用したところ表面張力が下がり非常に広がりがよくなりました。

これまで展着剤の匂いは気にしたことがなかったのですが、有効成分特有の匂いを感じます(個人的な感想です)。

使用の際には特に問題はありません。

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