株式会社アセラ 農薬部

農薬通信 Web版

農薬通信一般2014年2月号「マツクイムシ防除」

2014-03-05 15:32:17 | 記事

|||||||| 「マツクイムシ防除」||||||||

1昨年くらいから、山間部のマツ枯れが急激に広がっている場所や家庭の松が枯れる場面などが多く見受けます。マツ枯れの原因となる害虫の発生が気象要因によって増加傾向にあるのかもしれません。昨年は高温少雨という気象条件から害虫が大量発生したようにも思われます。過去を振り返ると、マツ枯れによる集団枯損したのは1905年(明治38年)長崎県で発生した頃からはじまります。それ以来九州、西日本各地に被害が拡大し現在では東北地方秋田県、岩手県まで北上し現状で未発生は、青森県及び北海道のみとなっています。研究が盛んになったのは昭和30年代後半からはじまり、1969年(昭和44年)にマツ枯れの原因としてマツノザイセンチュウが確認されました。ただしマツノザイセンチュウだけでは被害が広まらないことから、伝播する害虫としてマツノマダラカミキリが特定され、この二種類の害虫がマツ枯れに大きく起因するとされてきました。マツ枯れには諸説原因があるとされていますが、一般的なマツクイムシ防除について説明します。

 

防除方法には

①マツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリ成虫を薬剤散布で防除する方法

②マツノザイセンチュウの侵入、増殖を樹幹注入剤を処理して防除する方法

の二つがあります。

いずれの方法も100%の効果は得られないので、両方を組み合わせた防除を実施する。

 

① 越冬したマツノマダラカミキリ幼虫が蛹から成虫飛来する時期は5月下旬から8月中旬頃までです。

マツノマダラカミキリに対して防除効果のある薬剤マツグリーン液剤2を100倍で、5月下旬、6月下旬、7月下旬と月1回程度薬剤散布を実施し防除する方法

 

② マツ樹の樹液の流動の少ない11月下旬から翌年3月上旬頃の間に専用薬剤グリーンガードNEOを樹幹注入し、樹体内に流動させることで、樹体内からマツノザイセンチュウの侵入、増殖を防除する方法します(注入量は、別表の通り)。

  

グリーンガードNEO薬剤使用量

胸高直径(樹幹部)

10~15cm

15~20cm

20~25cm

25~30cm

30~35cm

35~40cm

使用本数

1本

1.5本

2~3本

3~4本

4~5本

5~6本

40cm以上は直径5cm増すごとに45~135mL(0.5~1.5本)を順次増量

 

※表記薬剤使用量は、自然生立木(公園や松林など)で手入れがしていない松を対象とします。一般家庭や寺院などで手入れ管理が行われている場合は、規定量の7~8割程度の使用量で施工してください。

胸高直径の測定:地上部より1~1.2mの高さで測定して下さい。

本剤注入後、薬剤が樹全体に移行するのには、若い木や樹勢の旺盛なものは1ヶ月程度、大木や樹勢の弱った木等は2~3ヶ月要します。

薬液の注入に最適な時間は日の出から午前11時頃までです。

 

施工方法

一般的には、必要本数分の注入穴(ドリル径6.5mmφ木工用ドリル歯)を、7~10cmの深さであけ、グリーンガードNEOを差し込み、薬剤が樹体内に吸収されるまで待ちます(6~24時間)。

吸収が終わったら、アンプルを抜き取り、付属のコルク栓で穴を塞ぎます。

アンプルを差し込む穴は、非常に狭くてキツイ穴ですが決して、それ以上太いドリル歯は使用しないで下さい。

太いものは薬害を発生させる原因となりますので注意が必要です。

 

詳しくは、弊社農薬部までお問い合わせ下さい。


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