||||||| 調合ボルドー作製方法 |||||||
近年は全国的にもものせん孔細菌病の発生が報告されていますが、山梨県でも県内全域で、もものせん孔細菌病が報告され山梨県病害虫防除所から注意報が発表されました。
もものせん孔細菌病の防除方法は、生育期の伝染源となる春型枝病斑を除去することが第一となります。春型枝病斑は前年の落葉痕から侵入し潜伏越冬した細菌が春先に、気温が上昇し樹液の流動も盛んになると急に増殖して枝の組織を侵して病徴を示します。
薬剤防除は、細菌が落葉痕から侵入させないように予防防除が基本となり秋の落葉前のボルドー液の散布指導がされています。
ボルドー液は使用し易いicボルドーか、自ら作製する調合ボルドーとなります。
昔から使用されているボルドー液ですが、改めて調合ボルドー液の作製方法を説明します。
ボルドー液は硫酸銅と生石灰の混合溶液です。
水1L当たりの硫酸銅と生石灰の使用量(g数)から、4-12式ボルドー液、4-4式ボルドー液などを作りわけます。
作製には生石灰を消化させた石灰乳と硫酸銅水溶液を混ぜ合わせて作製します。
① 石灰乳を作製する。
使用する生石灰の4倍重量の水を加えて生石灰を徐々に加えて溶解させます。
※この時入れる順番を逆にすると溶けにくくダマになってしまうこと、また突沸して危険になります。ただし良質な粒子の細かい石灰乳を作製するには温度が重要で高温状態で攪拌し作製します。
※商品名「ボルトップ」使用の場合、水:ボルトップ=4:1の重量比で、水にボルトップを入れ、棒で約10秒間攪拌、その後静置しておくと約10分で良質の石灰乳が出来上がります。
※ポリバケツは変形してしまう可能性があるため使用不可です。
②硫酸銅水溶液を作製する。
使用する硫酸銅の5倍重量の水を加えて硫酸銅を加えて溶解する。
※溶解する時熱湯のほうが溶けやすい。
※金属製の容器は用いない。
③調合する時は作製全量に合わせた水の中に石灰乳を先に混ぜ、その後希釈硫酸銅水溶液をよくかき混ぜながら少量ずつ注ぎ、調合します。
※混ぜる時の石灰乳と硫酸銅の温度は等しく、できるだけ低温の方が良質なボルドー液が出来ます。
登録や作物への薬害などの観点から調合割合が様々です。
もものせん孔細菌病防除は4-12式ボルドーとなっており、硫酸銅:生石灰の割合が4:12となります。
調合ボルドーを作製する時のポイントはより均一な石灰乳をさせることです。
||||||| 汚れ落としに「ボルドクリーン」|||||||
モモせん孔細菌病、ぶどう休眠期防除やべと病防除に用いられるボルドー液。
散布後のスピードスプレイヤや散布器等は石灰で白くなってしまいます。
使用後、丁寧に洗浄しないと汚れが蓄積してしまい落とすことが困難になってしまいます。
そんな時「ボルドクリーン」を用いると汚れがすばやく落ちます。
ボルドクリーンは他の塩素系溶剤と違い金属面のサビを誘発することなく使用でき、ボルドー液や石灰硫黄合剤が付着し固定化したものの除去に効果を発揮します。
商品規格はスプレータイプの1Lとポリ容器入りの2.5kg、5kgがあります。
使用には、汚れの状況により原液、または3〜5倍に希釈してスポンジ等を用いて使用してください。
使用すると石灰が浮き出るように汚れが落ちます。
希釈液を使用する場合は、綺麗になるまで丁寧に使用すると汚れが落ちます。
原液で使用した場合は、塗装やパッキン類の保護のために水で洗い流してください。
また使用する際は手袋を着用してください。
ボルドクリーン使用前
原液、2倍希釈液使用前後の写真
使用後は水を流し乾いた状態で写真を撮影しています
4倍希釈液を使用したところは水で洗い流したところ、あまり綺麗になりませんでした。
その後使用量を多く使うと綺麗に汚れが落ちました。
やはり汚れの程度に合わせて使用量の多少を調整することで汚れを落とすことができます。
使用している様子