株式会社アセラ 農薬部

農薬通信 Web版

農薬通信一般2014年12月号「農薬情勢」

2015-01-17 13:37:56 | 記事

|||||||| 農薬情勢||||||||

○短期暴露評価

近年の農薬はより高い安全性の確保に向け、新しい登録への変更を繰り返しています。オルトラン剤(オルトラン水和剤・オルトラン粒剤・ジェイエース水和剤等)は2014年11月17日付で登録が変更となりました。そしてこの変更に伴い、JAや小売店に流通している商品在庫のラベル変更という、従来のラベル主義では無く、登録変更時点からその使い方の変更を農薬の使用者に周知徹底するという動きです。

これまで食品衛生法における農薬の作物残留基準値は長期暴露評価をもとに、人が一生涯毎日農作物を食べ続けても健康に影響が発生しない量をもとに設定されていました。今回の変更は、国民の健康への急性的な影響が生じないようにするための残留基準値評価として短期暴露評価を設定し、今後は長期暴露評価と短期暴露評価をもとに農薬の作物残留基準値が設定されます。この動きは既に登録されている全ての農薬について見直しを行い、該当する農薬は登録作物の削除や使用日数などの短縮が行なわれます。

短期暴露評価は急性参照用量(ARfD):ヒトが24時間又はそれより短時間の間に作物を最大量摂取してもその作物から摂取する農薬がヒトの健康に悪影響を示さないと推定される一日当たりの量を元に評価される指標です。この数値は農薬が最も残留しやすい条件で使用され、しかもその農産物を一度に大量に短期間(1日)に摂取しても健康に影響を与えないものとなります。結果的に想定できる最悪の場合を前提とした評価で国民にリスクがないようにするための手法です。

 

この動向に対して各農薬メーカーは事前にARfD値を検討した結果、2014年7月殺虫剤「コルト顆粒水和剤」の登録変更および11月17日付オルトラン剤の登録縮小へと至っています。今後もさらに登録縮小の動向があります。本通信では今後の登録の動きを随時お知らせします。

 

|||||||時期の防除||||||||

○CⅩ-10 【ぶどう:生育促進(発芽時期の促進)、発芽率の向上】

植物成長調整剤シーエックステン

・生育促進(発芽時期の促進)は、落葉後(11月下旬~12月下旬)処理で発芽の前進に最も効果が見られ、品種によって若干反応性は異なるが適期に処理をした場合に5日ほどの発芽促進効果が期待できます。

・発芽率の向上は11月下旬~2月下旬までの時期であれば効果が期待できます。

結果母枝に散布又は塗布して下さい。

◇注意点◇

・芽枯れの発生しやすいデラウェアなどの品種では20倍、比較的薬害が少ない巨峰やピオーネなどの品種では10~15倍で処理する。

・芽枯れの危険性があるため、降雨や降雪があっても再処理はしない。また樹勢が弱い場合や登熟が悪い条件で助長されるため、樹勢が低下している樹や登熟不良の場合は処理を行わない。

・付着をよくするため展着剤を利用する。

・処理時期が遅れると効果は低下する。

・シアナミドは、アルコールの分解を抑制する性質があるので使用前後の飲酒は厳禁です。

 

植物成長調整剤「CX-10」シアナミド液剤(10.0%) 規格:2L/10L


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