acc-j茨城 山岳会日記

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丹沢・小川谷廊下

2009年06月09日 19時12分46秒 | 山行速報(沢)

2009/6月上旬 丹沢・小川谷廊下

記憶

古き良き時代というものが誰にでもあろう。 
郷愁にも近い感性であろうか。

父親から古いカメラを譲り受けた。 
実に私の生まれる前に世に出たシロモノらしい。 
いわば骨董か。

古きアルバムでは、このカメラが活躍していたに違いない。 
そういわれれば見覚えはある。 
あれは、小川谷にも似た渓谷の橋上からだ。 
このカメラのファインダ-を初めて覗いた記憶が蘇った。

久々の山行は丹沢・小川谷廊下。 
今シ-ズンの沢初め。 
なんとか、復活の狼煙となるといいのだが・・・。


ROKKOR

さあ、ゴルジュの始まり。 
体が鈍っているので、努めてビスタ-リペ-スで。 
平日ということもあってか、前後にパ-ティ-はなく、十分ゆったり。 
やはり、ゆったり気ままな沢旅はいい。

時に直登の滝場は登れる所は気分に任せてクライミング。 
おおむね美しい水の流れ。この美しい流れが、一時の癒しだ。 
滝場もいいが、これがまたいい。

ミノルタAL-2。1963年12月発売。 
セレン光電池式、ROKKOR-PF(5群6枚)45mm、F1.8 
いわゆる”明るいレンズ”。四角いボディ-が時代を感じさせる。


重厚

流れを遮るのは”つるつるの大岩” 
一見、傾斜もゆるく見えるものの、名の通りフリクションが効かず「ツルツル」だ。 
最初の一歩が踏ん張りどころ。 
突然「ツルっと」なんて考えずに無心で行く。

ファインダ-こそ曇りがちだが、レンズはくすんでいない。 
絞りもシャッタ-速度もマニュアル。 
シャッタ-スピ-ドが一部不安定なものの、シャッタ-自体死んでいない。 
この重厚感、堅牢な造り。この時代のカメラには感心させられる。 
現代のそれとは、アプロ-チがまったくもって別物だ。


 緊張感

石棚2段 20mは左の岩塔を行く。巻きだが、ちょっとしたクライミング。 落ち口には立派な確保支点があるので、登られているらしい。

最後の5mトイ状は、「深い釜で泳いで取り付くしかない」とあったので、 気合入れていたが、今ではすっかり埋まってしまったようで、ひざ下程度。 それでもクライミングは、ちょうどいい緊張感。

引き出しの奥にあったフィルムを装填してみる。カウンタ-を見ながらフィルムを巻く。 
撮影距離、絞り、シャッタ-スピ-ドを決めて目盛りをあわせる。 
シャッタ-を切る。「カシッ」と軽い音。

モデルは子供たち。 
三世代目が被写体となった。 
 

代物

最後に壊れた堰堤を越えて終了。 
廃墟の風情が時代を感じさせる。 
時の流れの代償とでもいうのだろうか。

懐かしき時代がある。良き日の思い出がある。 
世代の記憶と記録はここにあった。 
そんな代物を、自分は残せるのだろうか。

「山は高きを以って・・・。」あなたにとって、この後に続く言葉は何であろうか? 
志向、嗜好、思考。 
最近、山へのアプロ-チが変わってきたようにも感じている。 
今年の夏は、倅と沢歩きをしてみようと想い立つ。 
自分が後に残せるものはそう多くはないはずだ。

第三章は始まったばかり。 
あの写真はどんな風に写っているのだろうか。 


sak


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