7月4日(土) センター長がパシフィコ横浜で行われたGREEN EXPOに行ってきました。
なかでも、青森県が誇る、「リンゴに愛された男」木村秋則さんの講演には感動
!!だったようで、
涙ぐみながらスタッフに話して聞かせてくれました。
そのひとつ、狸のお話。
昔、木村さんは、アメリカ式農業を目指し、森を開墾し、大規模なトウモロコシ畑を始めました。
ところが、やっとの思いで実ったトウモロコシが、ある日、何者かに喰い荒らされてしまいます。
近所の人の話によると、それは、きっと狸の仕業だろうという。
にっくき、狸め!!
と、怒った木村さんは、捕まえてとっちめてやろうと、トウモロコシ畑に「とらばさみ」という罠を仕掛けました。
その数日後、畑へいくと、仕掛けた罠にまんまと狸が捕まっていました。
棒を持って近づくと、捕まっていたのは小さな子狸でした。
こいつめ!!と棒を振り上げた木村さんの前に、森の中からお母さん狸が現れました。
そして、とらばさみに挟まれて痛がっている子狸の手をなめ始めました。
そして、木村さんを見上げ、まるで、助けてください、
殺さないでくださいというような目でじっと見つめるのです。
その姿に胸を打たれた木村さんは、子狸を罠から外し、逃がしてあげます。
ありがとう、とでもいうように、母子は何度も振り返りながら、森へ帰って行きました。
この一件で、木村さんはある事に気づいたそうです。
あぁ、この森は、狸たちの森だったのだ。
その森を自分たち人間が勝手に開墾し、狸たちの食料の木の実のなる木を切って、トウモロコシを植えたのだと。
自分たちの森にできた作物を狸たちは食べただけなのだと。
そこで、木村さんは、売り物にならない歯抜けのようなトウモロコシを、
母子が帰って行った森の入り口に積み上げて、その日は帰りました。
あくる朝、畑へ行った木村さんは驚きました。
木村さんが山と積んだトウモロコシが、一つ残らずなくなっていたのです。
でも、木村さんの植えているトウモロコシは、一つもなくなっていませんでした。
その後、動物たちに荒らされるまわりの畑をよそに、
必ず森の動物たちのために、お裾分けを続けた木村さんの畑は、荒らされる事はなかったそうです。
昔話のようなかわいいお話で、木村さんの優しさが伝わりますね。
ほんの少しのやさしさがあれば、
私たち人間と他の生き物との共存
できるんだなぁと、考えさせられました。
青森県センターが行っている、10月のあおもりアースレンジャー研修では、木村さんのりんご
園を訪ねて、木村さんのお話を伺うことになっています。
楽しみです