Hippo日記

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

メリークリスマス(年末のご挨拶)

2019年12月23日 | その他

 

今年一年、応援をしてくださった皆様に心より感謝申し上げます。

今年はフランシスコ教皇が来日し、世界平和や環境問題が危機的状況にある事を世界に訴えました。傲慢で自己中心な権力者の台頭は大問題ですが、それを生み出しているのは我々個々人であることを認識しなければなりません。

クリスマスは本来、キリスト教の救世主の降臨を感謝する祭儀であることはご存知かと思います。乱痴気騒ぎではなく、自分を静かに省みる週間でもあります。不平不満、自己中心といった良くある人間的な思いは抑えて、困難の中にある隣人/隣国人に手を差し伸べながら共存する人類愛と謙虚さを、私達個々人が今一度思い起こす機会だと思います。これこそが平和や環境問題の解決に欠かせない根源テーマだと思います。この事は宗教によらない黄金律ではないでしょうか。

 

 

閑話休題

人類愛と比べれば随分とささやかな仕事ですが、音楽演奏の心や感動を再現する再生装置の提供を私のミッションと考えております。

今年一年は、このミッションの障害となっている、スピーカー装置の根本問題を強く訴えつつ、その改善に注力して参りました。酷い荒れ野に種を蒔きましたので、芽が出るまで随分と時間(7年!)がかかりましたが、やっとのところで”実用的見地での究極”に達したと思います。来年は、その成果を展開する年になればと思っております。今後ともお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

改めまして

メリークリスマス!

そして新しい年が皆様にとって良いものとなりますように!!

 

A&Cオーディオ 年末年始の営業案内
休業日 12/30~1/7

 

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超硬振動板 第二段

2019年12月22日 | オーディオいろいろ

 

 

10cm超硬振動板ユニットの徹底改良中です。いよいよ完成が見えてきました。(話半分?・・・笑) 何年も苦労して、やっと超硬補強構造の黄金律が判ってきました。懸案だった硬い響きを根絶する方法も明確になりました。

新しい振動板の補強構造の要は写真(↑)の様なソロバン玉形状です。紆余曲折後、放射方向のビーム構造から思い切って転身しました。中心の筒部がボイスコイル(ボビン)の延長になります。上下の傾斜部が発音部(従来のコーン)となります。内部は中空若しくは発泡体を充填します。

この構造は、コーンとしては究極の剛体構造と思われます。筒部と上下の傾斜部の三角形断面の構造により、三辺がお互いに突っ張りあいますので、正真正銘カチカチンになります。非常に軽量ですが、手で曲げようとしてもビクともしません。しなりというものが全くなくて、最後はバキッ!と座屈破壊する事になります。

さてこの”ソロバン玉”、知人からは特許化する事を強く勧められましたが、本著作によって公知化する事にしました。登録にお金がかかる問題もありますが、剛性が高いがゆえに酷い暴れ馬で、そのままでは全く使い物にならないからです。(この暴れ馬を如何に調教するのかは、門外不出のノウハウとなります)

※ これらの写真や解説には、A&Cオーディオ社の著作権があります。当社に無断で転用する事は固くお断り致します。

 

 

そして、試作&試聴中の10cmウーファーは写真(↑)の様になっています。(Evangelist-102に組み込んで音出し中)センターキャップのように見える部分に”ソロバン玉”が内蔵されています。製品化時は、諸事情にて黒の艶消し仕上げのコーンになる予定です。見た目はなんの変哲もない感じですが、部品一つ一つの断面形状や素材が徐々に変化する、かなり手の込んだ作り込みになっています。

音の方ですが、久しぶりにオーディオ評論家の高橋和正先生のところに持参して聴いていただきました。

一聴して、「通常のスピーカーが如何に濁った音を出しているのか、これを聴くと如実に判る。思わず欲しくなってしまう魅力感がある。」とのこと。それ以外にも、「こんなに静かな金属振動板はあり得なかった。よくぞここまでやりましたね!」とのお褒めも。

これまでは音の魅力感を訴求してきましたが、とにかく正確で余計な音を出さないので、雑味が全くない鳴り方です。濁り感の少なさでは、既にコンデンサー型等の膜型スピーカーを越えているかもしれません。

さて、音の方はほぼ納得レベルですが、何度も切り貼りして追加改造していますので、フランケンシュタイン状態です。製品化のためには、再度作りや形状を見直して洗練する必要があります。音色感ももう少し品位を上げたいと思います。

年明けからこのウーファーを展開したく、頑張り中です。

 

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第10回 最後のPARCサウンド鑑賞会!

2019年12月21日 | オーディオ イベント

 

毎年恒例のPARCサウンド鑑賞会ですが、次回は2020年4月11日(土)に開催されます。

そして、ちょっと残念ですが、この第10回をもちましてPARCサウンド鑑賞会は終了する事になりました。

そこで最終回は、少しでも沢山の方々にご出品いただきたいと思います。

とは言え、あまりに応募が多すぎても時間枠が足りませんので、予めどれくらいのご希望があるのかを調査させていただきたいと思います。

出品のご意思のある方は、事務局(A&Cオーディオ 島津)にメールでご連絡をいただきたいと思います。作品のレギュレーションなどは例年と同様です。(下記リンク先に詳細あり)

奮ってご参加ください♪

メルアドはこちら(スパムメール防止のため画像データです)

 

ご参考に → 去年のPARCサウンド鑑賞会TOPページ

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静電型/コーン型・スピーカーの宿命

2019年12月06日 | オーディオいろいろ

前回のアップで、スピーカーには加点評価と減点評価の両立が出来ない(トレードオフの)宿命があると述べました。今日はこの話題を掘り下げたいと思います。

まずは一言で表現すると・・・

・歪みの少ないスピーカーは魅力的な音を出せない!

という事です。現代的ハイエンドを支持される向きは「そんなことあるもんか!」と思うでしょう?(笑) 反対にヴィンテージファンの方には納得の行く話かもしれません。これがスピーカー技術のジレンマの縮図です。では、もう少し詳しく解説いたしましょう。

今度は二言で表現しますと・・・

・柔らかい振動板は低歪みな音が出るが、力のある音は出せない。
・硬い振動板は歪みが多いが、力のある音が出せる。

補筆します。ここで言う”低歪み”とは、正弦波応答の歪み率の事ではなくて、濁り音や耳を刺す硬い響きを指します。そして”力のある音”とは、マッシヴ感(低~中低音)、厚み感(中低~中音)、音離れ感(中~高音)といった事を指します。生楽器ならではの明瞭な発音の事であり、解像度の事です。

別の言い方をしますと、

・静電型(に代表される”柔らかい”膜型振動板)スピーカーは減点評価に強い
・コーン型(”硬い”剛体振動板)スピーカーは加点評価に強い

ですが、これは極端な言い方で、コーン型についても実際の振動板には”柔らかさ”が担保されています。金属やセラミックスの振動板であっても、薄くしなやかな作りになっているのが常識です。この様にしないと(共振のQが高くなって)硬い響きが出てしまって、実用にならないのです。なので、本気で構造補強を入れた剛体振動板というものは皆無ですし、長い歴史の中では登場しても、扱いきれずに姿を消しています。

さてところがです、教科書にあるように、「振動板は一体となってピストン運動するべし」という事は究極の重要事項です。実際に実験をしてみると、振動板に構造補強を入れて剛体化するほどに高解像度な魅力感溢れる音が出ます。(・・・がしかし、煩くて使い物になりませんが!)

以上が、「魅力感(加点評価)を出そうとすると煩い音(減点評価)になる」という、技術的、宿命的なトレードオフの詳細です。

ご注意: 膜型スピーカーが全面駆動であると言うのは正しくありません。駆動力や構造保持力に分布があるので、実際には一体運動にはなりません。一体運動をしていなくても、剛性の無い振動板のおかげで耳障りな共振音が発生しないで済む、という点が膜型振動板の利点です。

 

閑話休題

私としては、音の魅力感を追求する上で膜型振動板は無理筋であり、しかもコーン型でも剛性不足です。そうすると、技術的トレードオフに対する突破口が無い限り、私のオリジナルスピーカーは実現不可能ですね!(^^;

そして、長年の紆余曲折後に”超硬振動板”なる第三極を打ち出すに至りましたが、まだソースやユーザーによっては音の硬さが問題になる場合があって、更なる改善を継続しております。日々改良と発見がありますので、ブレイクスルー自体は可能であると楽観していますが。より有機的、微細的な構造が要求される様になって来ております。

空飛ぶ鳥は、手に載せると、見かけからは想像できないほど軽い事に感嘆します。鳥の骨の中は中空になっていたりして、神の手による精緻で絶妙な作りになっています。軽さと強度の両立を要求されるスピーカーの振動板を追及すると、その様な世界に足を踏み入れざるを得ないのかもしれませんが・・・いや、まぁ、遥かにガサツな物を作っておりますが!(笑)

現在、10cm口径の超硬振動板の徹底改良を続けております。何千回実験を繰り返したかわかりません。正直うんざりしています。しかし音楽の感動感を再現したいという思いは増々つのっております。良いご報告が出来る日を希望にして頑張り中です。

 

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偽の魅力感

2019年12月04日 | オーディオいろいろ

前回、前々回に加点評価と減点評価の話題をさせていただきました。その中で、特にスピーカーについては、”加点評価の向上をしようとすると減点評価で問題を生じる”というお話をしました。ところが実は、このトレードオフから逃れるために、加点評価が良くなったかのように装う音作りと言うものが存在します。(というか、結果的にそうやって逃げを打たざるを得ないのが現実です。)

前回のアップで、加点評価では「マッシヴ」、「厚み」、「音離れ」、「音場感」といったキーワードを上げさせていただきました。これらは耳が肥えていないと分からないかのようなお話はしましたが、実際には、特にクラシックの(いわゆるアンプラグドな)生音と直接的な比較が出来れば、どなたでもたちどころに違和感のある(加点評価の音質が欠けている)事が分かります。

また、音質評価で意見が割れる場合も、この点(偽の魅力感)が原因になっている事が多いと思います。例えば、ある人は”音離れが良い”というのに対して、別の人は”煩い音”と評価したりする場合です。

さて、加点評価のキーワードは即ち音の魅力感であるとも前回のアップで申し上げました。つまり、例えば実際には分解能が悪くても、「音離れ」的な感じがすれば魅力感を演出できる、という事です。では、具体的にどの様な”魅力感の捏造方法”があるのかの例を挙げます。


・マッシヴな低音 → ボーボーする低音

例えばクラシックの弦楽を生で聴くと、弦楽の低音が明瞭に聴きとれますが、音量は意外に低かったりします。本来は低音の解像度の問題ですが、多くのスピーカーでは解像度が不十分なので、低音域の音圧を大きくする事で代替しています。大口径ウーファーやスタガー駆動が良いとされる場合の多くの理由も音圧増強に都合が良いからです。


・厚み感 → もやもやの響き

これも本来は解像度の問題ですが、キャビネットの板鳴りや空洞共鳴(吸音材を抜くとか、共鳴管を使う等)で補うのが大人の良識(苦笑)です。或いはウーファーで振動板を意図的に300Hz近辺で強く分割振動させて、厚み感を演出しているものもあります。これらはしばしば「ヴォーカルの口が巨大」であると評されます。


・音離れ感 → 煩い音

例えば生の弦楽は明瞭で艶がありますが、しかし静かで柔らかい音です。(演奏や楽器、ホールの響きが悪いと刺す音がする場合もありますが、これは例外とします。)ところが、やはり分解能(明瞭度)が不足しているのを補うために、分割振動を強めて音に張り出し感を持たせて代替します。ヴォーカルのリアル感も演出できますが、この様にすると、特定の音程で音がひどく強調されて不自然ですし、耳の疲れる煩い音です。元気の良い紙コーンはこの傾向です。


他にも偽のスピード感、偽の音像定位等々ありますが・・・これらは特にコーン型スピーカー特有の弱点を補うテクニックであり、これらを絶妙に加減して音作りが出来るのが”名人”だと思います。また、ヴィンテージの名器が優れているのも、高性能だからという事ではなくて、音の魅力感に拘る名人がいたおかげだったという事です。

そして、近年のハイエンドたる低歪みで周波数特性のフラットなスピーカー(歪みの無い、癖の無い音)で音楽を聴いても、何かが欠けていると感じられるのであれば、それは音の魅力感が無いからです。即ち、誰でも判る減点評価ばかり追求しても、加点評価たる魅力感については問題意識が欠落しているという事です。この手の製品は、”偽の魅力感”の演出さえ否定していますので、無味乾燥な音になるのは必至です。

くどいようですが、スピーカーユニット自体の音の表現能力(分解能)は思った以上に程度が低いので、”偽の魅力感”の音作りを非HiFiとみなして排除するのは、現実的には無難しいです。

がしかし、本質的に分解能を向上する事は不可能でしょうか? 技術的なトレードオフの解決については、私の場合はライフワークとして、寝ても覚めても改良実験に明け暮れております。スピーカーには100年の歴史がありますが、まだ誰も成功していないので、いばらの道ですが諦めずに続けてまいります。

ところで、”技術的なトレードオフ”とは何かについては触れておりませんでしたので、疑問に思う方もおられたかと思います。関連する話題は振動板についてのバックナンバーでアップしていますが、視点を変えて改めて次回に・・・

 

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