Hippo日記

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

失敗しないシステム調整 (NMS その七)

2013年04月30日 | ネットワーク

*** 誤解があるといけないと思い、少し追記しました。 (5/1) ***

NMS(ネットワーク・モジュール・システム)のご紹介の最終回です。長々とお付き合いいただきありがとうございました。

足掛け5ヶ月の開発期間となり、たかがネットワークといえども、内容的には結構膨大なものになりました。売れなかったら悲しいなぁ・・・などという小言はさておき(^^) 最終回は、実はこれまで以上に重要かも知れない事についてご紹介します。

さて、無事NMSを組み込んで音が出ましたら、後はトゥイーターのレベル調整と位相確認です。NMSは完成品ですから、これしか弄るところはありません(^^ 平たく言えばシステム調整の最終段階である”バランス調整”に一足飛びに入る事になります。

ところがこれが堂々巡りになる事がよくあるのは諸兄の御存じのところです。(^^; NMSは、これらの問題も総括した上で提供しないと、マルチ入門者でも安心して・・・というわけには行きませんね。そこで今回はNMS使用時のシステム調整の要件を整理して提供したいと思います。

<バランス調整の阻害要因とは>
とにかくこれを明確にしないとラチがあきませんね。そこで、これまでの自分の経験から、道筋をつけてみました。お役に立つ事を心より願っています。

さて堂々巡りの原因は何でしょうか?トゥイーターのレベル調整だけでも迷走してしまうのは何故でしょうか?これは、f特測定では捉えられませんが、聴感上のf特に癖(デコボコ)があるせいで、フラットバランスに調整するのが不可能な状態になっている事が原因と思われます。そうすると、このデコボコの影響を受けない音程しか出てこない音楽では問題がなくても、その反対の場合はNGになって、曲による”好き嫌い”が出来てしまいます。これが”きまらない”理由だと思います。

更に、このデコボコの直接原因を解決出来れば良いのですが、別の手段でむりやり解決してしまうと、また別の問題が起こる。さらにその問題を別の方法で潰して・・・これが「堂々巡り」の実態だと思います。

従来はネットワーク調整もこの堂々巡りの範疇になっていましたので、この様な調整が入門者の方に勧められるわけがありません。ところが、ネットワーク以外の問題を、ネットワーク調整で解決していた部分がかなりあると思います。ここを切り分ければ、堂々巡りは大幅に解消されると思います。では、問題の本質とは何でしょうか。私の経験から、重要度の非常に高いものについて以下に解説します。

<要因1・吸音処理>
特に小型スピーカーでは、バッフルステップのせいで、低音感が出にくくなりますし、再生系のグレードによっても、厚み不足の音になってしまう事が非常によくあります。そこで吸音材を減らして、Box内を響かせる事で厚み感や低音感を補う事が出来ます。f特測定でははっきり捉える事が出来ないのがクセモノなのですが、聴感上は中低域に盛り上がりが出来ます。

ところが薬には副作用もあって、音楽によってはコモリ音が気になってどうにも困る事があります。この状態では、本来のフラットバランスに調整する事が不可能です。曲によってトゥイーターのレベルを上げたり下げたりしたくなってしまい、堂々巡りに陥ります。コモリ感を打ち消すために、派手な音のケーブルを使うといった”別の解決方法”をとってしまうと、それこそ泥沼になります。ですから、この副作用を承知の上で、「わざと」箱を鳴らすのが失敗しないコツだと思います。

また、吸音材を詰め過ぎると「音が死ぬ」という意見もありますが、再生系全体のグレードが高くなると、この問題は解消されます。しっかり吸音して付帯音を消してしまうと、再生系本来の情報不足が裸にされてしまうので、「音が死ぬ」様に感じられるというのが実態だと思われます。より自然な楽器音や豊かな音場感を再現したい場合は、吸音材はしっかり入れる方向が正しいと思います。勿論再生系全体のグレードも上げる必要があります。

※ 5/1追記
PARC Audioのユニットは非常に解像力が高いため、低音感を不足させない配慮がキモだと思います。このため、PARC Audio純正のBoxキットや吸音材は、適度に”鳴らす”事や中低域のバランス感について高度な配慮がなされています。再生系全体のバランスは非常に大切ですから、単純に吸音材を沢山詰めれば良いとは考えておりません。また特に小型スピーカーの低音感不足に関しては、下記のバッフルステップ補正の併用もご一考の価値があると思います。

この問題には、バッフルステップ(その五を参照)の影響も含まれています。バッフルステップ補正をかけた上で、吸音材もしっかり入れると、非常に楽にフラットバランスが得られます。トゥイーターのレベル調整も一発で決まるし、曲による好き嫌いも起こりにくくなります。

本音を言ってしまうと、”鳴らす”音作りは非常に難しいと思います。中低音域のレスポンス低下や情報不足を”鳴り”で補おうとしても質的に違いがあります。ある程度以上の質感を求めたくなった場合には、この手法では必ず限界(堂々巡りから抜けられなくなる)が来ます。ですから”追及し過ぎない”のが肝要だと思います。

それで、更にグレードアップをお望みの場合には、バッフルステップ補正を併用したり、システム全体のグレードアップ等をした上で、”鳴らさない”調整に移行する必要があると思います。

<要因2・板鳴りとフレーム鳴き>
板鳴りの影響も想像以上に大きいと思って下さい。基本的に吸音処理と同じ種類の傾向と対策として考える事が出来ます。Boxの制振補強はしっかりとやるのがHiFiの方向性だと思いますが、やむを得ず鳴らす必要がある場合は、副作用がある事を承知の上でわざとやるのがコツだと思います。

但し鉄板プレスのユニットのフレーム鳴きには要注意です。Boxをゲンコツでゴンとやった時に、ゴーンと尾を引く共振現象の事です。これはある種強烈な厚み感が出ますが、はっきり言って酷い癖のある響きです。トゥイーターのレベル調整も二転三転してしまい、堂々巡りに陥ります。この事は意識しておかないと、間違った解決方法をしてしまいかねませんのでご注意ください。

フレームの鳴き止めには、ちょっと特殊な方法が必要です。ユニットのお尻を別構造で支持したり、Box背面と連結したりしないといけないので、簡単には収まりません。後はユニットのお尻にダッシュポット型のダンパー(制振器)を取り付ける手があります。これはちょっと理屈を知らないと上手く出来ないので、いずれは製品として提供したいと思います。

ざっとこれらを意識しておけば、あまり不安感を持たずに調整が出来ると思います。癖のない、完成度の高いシステム程、バランス調整は簡単に決まります。不自然に感じられる場合は、大抵これら上記の問題だと思います。

またNMSでは、接点や配線、部品選択など、色々な電気的な問題もノウハウとして組み込み済みですが、以下の事にも一応ご注意ください。

<要因3・内部配線やスピーカーケーブル>
さて、これはお好みがあるでしょうから、避けて通りたい話題ですが、やはり注意点があります。特に、短い内部配線で音が変わる場合は、よほど個性の強いケーブルであると思った方が良いのではないでしょうか。特に音の煩いケーブルを使ってしまうと、必要以上にトゥイーターのレベルを下げなくてはならなくなりますので、フラットバランスに出来なくなってしまいます。普通のビニール並行コードで問題が起こる場合は、何か他に改善すべき箇所があると考えた方が良いと思います。

NMSでは音質確認済みの癖の少ない(けれども情報量はきちんと確保されている)ケーブルで統一してあります。まずは自然なフラットバランスにまとめてみましょう。お好みの調整はその後にした方が、失敗がないと思います。

<要因4・接点>
NMSでは、大型のファストン端子で各モジュールを接続しますので、問題箇所はないかと思いますが、何かの仮接続でワニグチクリップを使用する場合はご注意ください。ガサツで煩い方向になりますので、トゥイーターのレベルを余計に絞る事になる場合があります。勿論フラットバランスに出来なくなります。

それから、ユニットのファストン端子については、ここではなんですが、良好な接触状態とは正直言いにくいです。(^^; しかし腕に自信のある方は、ケーブル端末を直接半田付けしてしまう手もあります。でもトラブルがあっても製品保証は付きませんので、自己責任という事で何卒よろしくお願いします。

<最後に>
色々書きましたが、定位や音場感といった高度なお話は別にして、きちんとフラットバランスに仕上げられたら、ひとまずスピーカー自作は卒業だと思います。PARC Audioの優れたスピーカーユニットとNMSの組み合わせであれば、バランス調整がきちんと決まる完成度に到達すれば、相当にハイグレードな定位感や音場感が既に得られているはずです。

ところで、f特測定で調整をする話が出てきませんでしたね。トゥイーターのレベルや位相確認等には便利ですが、敢えてお勧めしませんでした。上記に解説したように、「バランス調整がうまくできない」とか「いい音がしない」原因はf特測定とは違う問題が大半であると考えているからです。

長々とありがとうございました。さぁ後はA&Cホームページへの製品アップですね。もうちょっとお待ち下さいね。(^^

では今日はこの辺で・・・ 

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クロスオーバー・モジュール (NMS その六)

2013年04月29日 | ネットワーク

今日は最後のモジュール、クロスオーバー・モジュールのご紹介です。

<写真>
スロープが-12dB/octタイプの場合は1パッケージになりますが、-18dB/octタイプではウーファー用とトゥイーター用の2パッケージになります。スロープは1.5倍でも、部品のボリューム(コストも)は2倍近くになってしまうのです。

因みに-18dBの場合は、ウーファー用、トゥイーター用別々の入力端子になりますから、バイワイヤー接続も可能になります。-18dBは情報量も多くなりますから、バイワイヤーの価値も高まります。

<8種のクロスオーバー・モジュール>
クロスポイントは、大型の6Ω系トゥイーター用に3kHz、小型の4Ω系トゥイーター用に4kHzで、合計2通りに絞り込みました。更に高いクロスポイント(※1)については、スロープ-6dB/octタイプの適用が考えられますが、スロープが緩くなる程に汎用性が難しくなると判断し、現状では取り扱っていません。また、2wayシステムの目的性として解像力を重視していますので、おのずとクロスポイントは低め狙いとなります。

これらに夫々スロープ-12dB/octと-18dB/octのバリエーションを加えて合計4タイプになります。更にESバージョンとHNバージョンがありますので、合計8種類となります。

※1. 高めのクロスポイントについては、ウーファー(又はフルレンジ)のキャラクターを優先する目的が主体になると思われますので、むしろウーファースルー+アドオン・トゥイーターの手法をお勧めしたいと思います。近々発売のミニ・トゥイーターBoxなどはこれに好適かと思いますので、こちらもご検討いただけますと幸いです。

<使用部品>
樹脂ディッピングしてしまうとどんなに贅沢な部品を使っていても見えなくなってしまうのが欠点ですねぇ。(^^ その反対に酷い部品を使う事も可能ですが・・・(^^; いえいえそんな事はありませんからね!スケルトンという手もありますが、カッコ良く見える様に手をかけると、その分コストが上がってしまいます。NMSはBox内部に仕舞ってしまう前提ですので、「質(見かけ)より実を取る」と言う事でご理解いただければと思います。

さてESバージョンですが、PARC純正コイルは勿論ですが、ウーファー側(ローパスフィルター)のコンデンサーはPARC純正の両極性電界コンデンサー、トゥイーター側(ハイパスフィルター)はPARCフィルムコンデンサーを使用しています。ややソフトでゆったりした鳴り方ですから、あまりアンプやプレーヤーを選ばなくても、満足感のある音作りがし易い、使い易さを重視したタイプです。

HNバージョンは、コイルはESと共通ですが、コンデンサーは全てSolenフィルムコンデンサーとなります。(結構な物量ですよ、はぃ)PARC Audioのユニットは出音が軽くて情報量が多いので、HNバージョンでは現実と仮想現実の区別がつかない様な超リアル音の世界が狙えます。但しアンプやプレーヤーもそこそこの物を推奨します。なにしろ地獄耳スピーカーになってしまうので。

おっと、誤解があるといけませんので、追記させていただきます。リアルさそのものが目的の”覗き趣味”と言う事ではありませんからね。あくまでも演奏の熱気や楽器の鳴りの良さを徹底的に再現したいというのが本当の目的です。

ところでSolenはすっかりお馴染みになってしまったので、ありがたみを感じない向きもあろうかと思います。けれどもあなどるなかれ、情報量はしっかりありながらも非常に癖が少ないので、Project Fの様な超HiFiシステムに使用してもまったく問題を起こしません。眠~くなる感じがするのは、自然さの証明だと思います。同じSolenでも他のもっと高級なタイプのコンデンサーの方がかえって良くなかったりしますので、言葉は悪いですがマグレ当たりの傑作かも知れません。(^^

さて、ここまでお付き合いいただき、お疲れさまでした。でもまだ続きがあります。(^^ 次回最終回はNMSを使用した失敗しないシステム調整についてご紹介します。

 

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バッフルステップ補正モジュール (NMS その五)

2013年04月28日 | ネットワーク

今日はバッフルステップ補正モジュールをご紹介します。

<バッフルステップ補正ってなに?>
聞きなれない名称ですよね。或いは良くない印象をお持ちの方もいるかも知れませんね。(^^

スピーカーユニットのカタログ上のf特は、標準箱という巨大なスピーカーBox(概ね1m角のバッフル)に取り付けて測定されています。ところが、実際に小型スピーカーBoxに取り付けると、バッフルが小さいために回折現象(バッフルステップ=低音がBox背面に回り込む)が起こって、中低音域が減衰した特性になってしまいます。

これが、小型スピーカーシステム特有の厚み感の薄い音の原因になっています。トーンコントロールやバスレフダクト調整、或いはサブウーファーを使用してゴーゴーいわせても、それでもこの”薄い”感じが解消しない場合がありますね。実はもっと高い音域(100Hz~300Hzあたりの中低音域)の減衰が問題なのです。

それで、この音域を補正しようというのがバッフルステップ補正の主旨なんです。従っていわゆるバスブーストとはちょっと意味が違うわけです。この補正を行うと、いわゆる低音域には限界があるとしても、大型スピーカーの様な自然な厚み感が得られるので、音楽を楽しむ上での満足感が大きく向上されます。

<バッフルステップ補正の問題点・音質劣化>
上の図が簡便なバッフルステップ補正回路の例です。自作でこの回路を組むと、非常に音が悪くなる場合があります。高品質なコイルを使用してもダメです。原因は回路に直列に入った抵抗器です。前回のアッテネーター・モジュールの紹介でも触れましたが、抵抗器は負担が重い回路ほど音質劣化が大きくなります。バッフルステップ補正モジュールでは、ESタイプで2本のセメント抵抗器、HNタイプで4本の酸金抵抗を並列使用しています。

※ 上の回路図ではユニットのインピーダンス補正回路を省いていますが、この回路もやはり定インピーダンス負荷が前提である事は言うまでもありません。

※ バッフルステップ補正モジュールでは、定インピーダンスアッテネーターと同じような原理で設計をしていますので、このモジュールの有無によらず、クロスオーバー・モジュールの負荷が一定になる様に工夫されています。バッフルステップ補正モジュールの有無が自由に選択出来るのは、この理由によります。

ところで、コイルのDCRによって低音がふやけるという意見もあります。私は自然な音の厚み感を出す方が優先度が高いと思いますが、しかしこれは好みの問題があるので、強要するつもりはありません。(^^ 但し低音感が充実するので、これを”ふやけた”と誤解される向きもあるかも知れませんから念のため・・・それから下記の注意点の項目でも触れますが、システム調整は大きく変える必要があります。正しく調整すれば、必ずしもふやける事はないと思います。

<バッフルステップ補正の問題点・補正量>
理論上は、回折現象によって6dBも中低域が減衰する事になります。しかし現実には壁や床の反射(バッフル的効果)があるので、多くの場合6dBの補正は過剰だと思います。良いあんばいというのが結構難しいですね。またBox(バッフル)のサイズによっても、補正帯域が違ってきます。

そこで、バッフルステップ補正モジュールは、次の様な製品ラインナップとしました。
・ BSC-S4型 : ~10cmユニット、小型Box用(補正帯域が高め)の4dB補正タイプ
・ BSC-M4型 : 13~17cmユニット、小中型Box用(補正帯域が低め)の4dB補正タイプ
・ BSC-M3型 : 13~17cmユニット、中大型Box用(補正帯域が低め)の3dB補正タイプ

<使用上の注意点>
通常の小型スピーカーシステム調整では、意識せずに他の方法でバッフルステップ補正を行っている事になります。「吸音材を減らしてBox内を鳴らす」「Boxの板鳴りを利用する」「バスレフ共振点を高めに調整する」「トゥイーターのレベルを低めにする」等によってです。

そこで、バッフルステップ補正を使用した場合は、上記の調整が裏目に出る事になります。モヤモヤボーボーの音になってしまいます。そこで注意点としては、
・ 吸音材   : しっかり入れる
・ Box     : 制振補強をしっかり入れる
・ バスレフ  : 低めのチューニング(ダクトを長め)にする
・ TWレベル : フラットポジションにする

これらは、HiFiシステムの基本的な方向性と一致していますから、従来の常識にはとらわれずに、自信を持って変えてみて下さい。(^^

<トゥイーターのレベル調整について>
バッフルステップ補正モジュールを使用すると、中高域のレベルが補正分だけ下がる事になります。従ってトゥイーターのレベルも低くする必要があります。補正分よりも少し少なめの減衰量を追加するのがコツです。例えばバッフルステップ補正無しの時にアッテネーターが-3.0dB設定だった場合で、M4タイプのモジュールを追加したとすると、-7dBではなくて-6.0~-6.5dBくらいにするのがお勧めです。

次回はクロスオーバー・モジュールをご紹介します。

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PARCサウンド鑑賞会 出品予定作品のご紹介

2013年04月27日 | オーディオ イベント

・ PARCサウンド鑑賞会TOPページ →こちらから
・ タイムテーブル&自作スピーカー出品募集 →こちらから
・ 当日の駐車場情報 →こちらから

 

このページでは、自作スピーカー出品のご連絡を下さった方の作品を紹介させていただきます。ふるってご参加下さいませ!写真や資料も是非送って下さいね。

 

T.K 様 (武蔵野市)

13cmケブラー+アルミドーム 2wayシステム
PARC Audioユーザーコーナーでのレポート →こちらから

 

井形 様(東京都)

13cmPPコーン トリプルバスレフ
詳細レポート →こちらから

 

take 様 (柏市)

13cmPPコーン+T114S フローティング方式
詳細レポート →こちらから

 

kanon5D 様(埼玉県)

8cmウッドコーン(DCU-F101W)
詳細レポート →こちらから
 

 

ひでじ 様(栃木県)

DCU-C171PP(コアキシャル2way)
詳細レポート →こちらから

 

さかどん 様

DCU-F081PP(バックロードホーン)
出品予定(只今製作中)

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アッテネーター・モジュール (NMS その四)

2013年04月27日 | ネットワーク

今日はアッテネーター・モジュールについてご紹介します。

<上の写真>
大きい方がアッテネーター・ベースです。配線が複数出ていますね。このモジュールには3個の定インピーダンス・アッテネーター(-0.5、-1.0、-2.0dB)が内蔵されていて、組み合わせ(コネクターの接続変更)によって-0.5~-3.5dBまでを0.5dB刻みで調整出来ます。円筒形の方は単発のアッテネーターで、必要な追加減衰量に応じて4.0、-6.0、-8.0、-10.0dBの4種類の中から選んで追加する事が出来ます。

これを自作で作ろうと思うと、結構面倒くさいですね。減衰量を変更したくなるたびに抵抗器を購入してきて組み換えたりすると、時間も交通費もかかりますね。そんな訳で、この高品位で便利な完成品パッケージをお勧めする次第です。

ところで定インピーダンス・アッテネーターとは、減衰量と無関係に、入力側のインピーダンスがいつも一定になる様に作られているのが特長です。例えばインピーダンス6Ωのトゥイーターであれば、6Ωタイプの定インピーダンス・アッテネーターを使用します。

例えばR1=3Ω、R2=6Ωとすると、R1の負荷インピーダンス(R2とトゥイーターの並列接続)は3Ωになりますね。そうするとR1:負荷=3Ω:3Ω、即ち減衰量は1/2=-6dBということになります。この時のアッテネーターの入力インピーダンスはR1+負荷=6Ωということになります。この様にして必ず入力インピーダンスが6Ωになる様にR1とR2を決めてあるのが定インピーダンスアッテネーターです。

この様にすると、クロスオーバー・モジュールに対して常に6Ω負荷になりますから、どの様な減衰量に調整しても、フィルター特性は常に一定の状態が保たれる訳です。勿論このアッテネーターは複数繋ぎ合わせる事が可能です。トータルの減衰量は、各アッテネーターの減衰量(dB表示)を単純に足し合わせたものになります。

<可変抵抗器型アッテネーターとの違い>
可変抵抗器型に対して、こちらは個定抵抗器型となります。固定式で調整可能にすれば、沢山の抵抗器が必要になるので、コスト的には割高になります。けれども摺動接点が無い事と、抵抗器一個あたりの電力負担が減る事で、音質的な優位性があります。アンプのボリュームでもスイッチ式の高級品がありますが、大きな電流の流れるスピーカーシステムでは、より影響が大きくなります。また、可変抵抗器では困難な樹脂ディッピングが可能になるので、音質的により有利になります。もう一つ、固定型は減衰量が直読なので分かり易くて正確というメリットもありますね。

<更なるアドバンテージ>
通常あまり話題にされませんが、抵抗器特有の音質劣化はばかに出来ないものがあります。平たく言いますとガサツな音になります。これは抵抗体の電流雑音(≒歪)によるものと思われます。高価なホーロー抵抗器等優れた音質のものもありますが、抵抗器を並列接続にして負担を減らす事でも大きな効果があります。

そこで、ESタイプではセメント抵抗を使用していますが、回路に直列に入る抵抗器(R1)は2個並列を標準にしています。HNタイプでは酸金抵抗を3個並列にしています。更に、回路に並列に入る抵抗器(R2)も2個並列にした贅沢仕様です。「情報量が多いのに太く滑らかな音」という通常は相反する音質改善を可能にしています。

次回はバッフルステップ補正モジュールをご紹介します。

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