Hippo日記

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

バスレフダクトの調整と問題点

2013年11月13日 | スピーカー自作

今晩は。すごーく遅くなってしまいましたが、やっと新製品の自作用のバスレフ・ダクト・フランジをホームページの方にアップしました。(→詳細はこちらから

そこで今日はちょっとお堅いタイトルになりましたが、自作時のダクトチューニングのご参考情報を提供出来ればと思います。

ところで最近はシミュレーションが非常に便利になりましたね。その代わりに下の図の様な体系的理解のための資料を見るチャンスが少なくなってしまったかもしれませんね。

 昔はシミュレーターもないし、便利な測定器もなかったので、こんな感じの資料を見ながらほとんど手探りでやっていましたから、本当に苦労したというか、ちっともうまく行かなかったですねぇ・・・(^^; でも、お客様から相談を受けたりすると、上の図の様な「傾向と対策」の理解の重要性を改めて感じる事があります。

以下17cm程度以下のいわゆる小型スピーカーシステムを前提に、傾向と対策をお話ししてみます。

まずはじめに、バスレフ方式は非常に便利ですが、しかし欲張ろうとすると上手く行かない、と言う事を理解しておきましょう。上の図の様に、ダクトを伸ばして共振周波数を低くすると、増強効果も低くなります。反対に短くすると中低音域が充実する代わりに、深い低音が出にくくなります。そこで、いいあんばいのところで妥協するしかない、と言う事になりますね。

この時に注意が必要です。ベースの低い音や、バスドラムの音程に注目して調整すると、ダクトは長めにしたくなります。この様にしたくなるのが人情かと思いますが、しかし中低域の厚み感、或いは低音感が薄くなってしまうのは問題ですね。

私的には、低い音は妥協し、ダクトは短めにして低音感を充実させた方が、バランスの良いシステムに仕上げ易いと思います。また小型システムでは、バッフルステップ(低音の回折現象)の影響で中低音域の音圧が緩やかに低下するため、元々低音感が出にくくなっていますので、これを補うためにも、意図的にダクトを短めにした方がバランスがとりやすいと思います。

それではベースの低い音を出したい時はどうするかと言えば、やはりBox容積を大きくするしかないと思います。容積を大きくすると、各カーブ全体が左(低音)側にシフトする感じになりますので、低音再生限界が低くなります。しかし”バスレフ特有の中弛み”も大きくなってきますので、やはりダクト長は欲張らない方が良いと思います。

また、ここで改めてお勧めしておきたいのはバッフルステップ補正です。中弛み問題が大幅に軽減されますので、ダクトチューニングもぐっと低音側に持っていく事が出来るからです。

さて、ダクトの長さ調整だけでは解決しない問題もありますので、最後に思いつくままに列挙してみます。

・ 共振周波数での共振鋭度が高すぎて、特定の音程でボンつく場合
意図的に大口径のダクトを使用した場合にこの問題が生じる事があります。この場合は一回り細いダクトにすると良いですが、他の解決方法として、ダクト内面にフェルトを貼ると効果があります。

・ 中低音域の特定の音程で”ぽんっ!”と鳴ってしまう場合
ダクト固有の気柱共鳴によるもので、内面にフェルトを貼る事で軽減出来ます。

・ 低音の応答が遅れる場合
その様に言う方がいますが、私の場合はその様な経験をした事がありません・・・(^^; むしろ部屋の定在波の方が問題であると思います。例えば、ほとんど物のない四畳半の部屋では、丁度グランカッサ(大太鼓)の音程で猛烈な共鳴がおこります。ダンッというしょっぱなの打撃音の後、一瞬音が無くなって、0.3秒位かけてドロドロドロ~ン!と音圧が立ち上がるので、これは非常に不自然です。

・ ダクトから中高音が漏れる場合
これもしばしば話題になりますが、では楽音に対して具体的にどの様な影響があったのか、私は残念ながらきちんとした説明を聞いた事がありません・・・(^^; 私の場合は音離れの劣化や音像が低くなる事が心配です。それで私の確認した範囲では、Box内部の吸音処理を充分にやる限りは案外問題が無い様です。むしろ気柱共鳴の方が問題に成り得ると思います。そのためにBox背面にダクトを設置するのは賛成です。但し低音増強効果は減少するので、バッフルステップ補正は併用したいですね。

ざっとこんなところでしょうか。

それでは今日はこの辺で・・・

2018/5/14 追記
このページは閲覧が多いようなので、最新の見解を追記致します。下のリンクをクリックしてご閲覧下さい。

→ 「バスレフは低音が遅れる」の誤解

 

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4 コメント

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Unknown (石田)
2013-11-15 08:44:01
 スピーカのパラメータが判ればシミュレーションは簡単にできるようになりましたが、実際は部屋でのセッティングで定在波の影響も大きいので読取り方が中々難しいですね。2π空間の結果というのもあまり知られていないですし。

 ユーザーの環境が千差万別なので類型化するのは難しいかもしれませんが、典型的は6畳、8畳間ぐらいの広さでどうなるかなどというのは雑誌などで特集してくれると良いのですが。
Unknown (Mr. Hippo)
2013-11-15 10:24:46
石田さん、ご無沙汰しております。

低音域のセッティングをどうするかというのは、設置環境の影響が大きくて本当に難しいですよね・・・ とは言っても提供側としては「これで良し」というレベルは決めなければならないので、まぁ永遠のテーマかもしれませんね。

但し環境に強い、弱いという事はある程度コントロール出来るのではないかと思っています。特にバッフルステップ補正は、低音感をしっかりさせる事で、環境にあまり左右されないでバランス良く鳴らすのには好適な様ですね。

シミュレーションや測定という作業は、本末転倒な事態に陥ってしまいがちですが、石田さんの様な”音の違いのわかる”方がシミュレーションや測定のノウハウを整理整頓して下さると、自作ファンには貴重な安心情報になると思いますので、今後もブログのご発展を期待しております。
Unknown (keik)
2013-11-15 19:22:21
製品紹介ページでは触れられていませんが、この製品の重さは、ポート自体の制振に結構効いているのではないかと思っています。前にMDFで同様な物を作った時より、効きが良い印象がありますので
Unknown (Mr. Hippo)
2013-11-15 20:38:52
今晩はkeikさん。

おっと、そうですね。もう少し重さについてアピールしておきましょう。 (^^

ポートまわりは音圧が高いせいか、意外に敏感ですね。フランジと塩ビ管の嵌め合いが緩いかわりに接着層が厚くなるので、フランジの自重と合わせて制振構造になる様ですね。

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