Hippo日記

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

3way自作企画その10 ネットワーク設計

2015年04月18日 | スピーカー自作

 

 

やっとネットワーク設計です。

クロスオーバーは400Hzと5KHzに決めているのですが、スロープをどうするか迷っていました。気楽さのためには-6dB/octにしたかったのですが、前回の味見の段階での問題点は、

・ ちょっと大きめの音量では、混変調歪が出る。(ミッドレンジの低域が切れない)

・ 音の明瞭度(音離れ&マッシヴ=解像度)確保のためには-6dB/octではちょっと不満が・・・

私の聴感では、基本的にはスロープがシャープな方が解像度が上がります。-6dB/octは位相回りがスムース(電気屋さんの発想!)で素直な音、と教科書にはあるかもしれませんが、裏を返せば、元々ピンボケで、雑に調整しても、厳密に調整しても、あまり差が出ない方式だと思います。(=だから扱いやすい) 何故そうなるのかと言えば、スピーカーはf特も位相特性もグチャグチャなので、緩いスロープで不要帯域の音を混ぜこぜにしてしまうと、ボケた音になってしまうと言う事だと思います。

・・・などと言い訳をしながら、段々とデラックス仕様になりつつありますが・・・(^^; ポイントを押さえて最低限でやったつもりです。上の回路構成図をご覧ください。以下に、ここでの要点(ノウハウ)をご紹介します。

 

<クロスオーバー>

正確なインピーダンス補正を前提にすれば、LCの容量は、オーソドックスないわゆる教科書の簡単計算で概ね充分と思います。これはいろいろなシステムを作った経験的な結論です。但し、この後で述べますが、位相の微調整は、高度な音作りでは必須になります。調整シロを見越して、クロスポイントは少し浅目にします。

肩特性は何カーヴが良いかという話題もありますね。私はあまり拘りません。どのみち現物合わせで肩特性を調整する必要があります。何カーブかにはそれほど意味がないと思います。

 

<インピーダンス補正>

今回はミッドレンジについてのみ補正をかけています。ウーファーはクロス周波数が低いので、インピーダンス上昇は無視してOKという判断です。

「インピーダンス補正は音が悪くなるので最小限に」といった意見もある様ですが、あくまでもフィルター回路を正常に機能させるための定インピーダンス化が目的です。インピーダンス測定器で(クロスオーバー前後の帯域で)想定インピーダンスの±5~10%程度に入る様に調整する事をお勧めします。本件は聴感ではなく、機械的な調整が適しています。上記の意見は、おそらく音色調整器として使っているもので、補正を少なくした方が高音側が強調されて、結果的に好みのバランスになった、と言う事ではないかと思います。本来のバランス調整は、肩特性やアッテネーターで行うのが基本だと思います。

 

<肩特性調整: Qダンプ抵抗(QCR1~4)>

マルチシステムにおける位相の微調整は最も高度な調整で、聴覚も要求されます。通常の自作では、QCRなしで「正相/逆相の良い方を選んで下さい」程度ですませてしまいます。これでも充分なHiFiにはなりますが、市販のハイエンドスピーカーの多くも(音質的に)このレベルです。けれども、高解像度でリアルな音像や音場感を求めるとなると、位相調整は重要アイテムとなります。

ダンプ抵抗については、教科書ではあまり出てこないと思います。(-12dB/oct以上の)LCネットワークは、LCの共振でクロスオーバーの肩特性を尖らせつつ、不要帯域をシャープにカットする様になっています。抵抗器を入れる事で、共振のQ(共振鋭度)を下げて、肩特性を緩やかにします。この肩特性調整によって、クロスオーバー部での位相が馴染むように最適化する事が出来ます。

位相調整はLCの容量調整でもやれますが、これ(QCR)は精密な調整がやり易くて実用性が高いと思います。例えばトゥイーターのアッテネーターを変更すると、位相も合わせ直す必要がありますが、いちいちLCを変更するのでは大変な事になります。しかしQCRの変更でしたら容易に再調整が可能です。

位相調整については、今後の調整編でも取り上げます。

 

<コンデンサーの使いこなし>

3wayでは大容量コンデンサーを使う事になりますので、高品位な両極性電解コンデンサーは費用的に大変助かります。しかし電解コンデンサーの歪感が気になる事があります。これにはバイパスコンデンサー(小容量のフィルムコン)の併用が効果的です。私の場合、超高品位仕様では、大容量のフィルムコンデンサーに対してもバイパスコンデンサーを付けます。

今回、インピーダンス補正にも電解コンデンサーを使用していますが、ここはケチって(笑)バイパスはしていません。基本的に電力負担の重い個所程使用価値が高いので、ここは敢えて必要なしという判断です。

 

<抵抗器の使いこなし>

一か所だけ(トゥイーターのアッテネーター抵抗が)ダブルになっていますね。これも電力負担の重い所ほど効果があります。超高品位仕様では、全体にダブル、トリプル・・・とパラ使用をします。コンデンサーやコイルの音質は気にするのに、抵抗器については酸金抵抗を使えばOK程度に思っている方が多いのでは?

注意点ですが、本数を沢山にする事が目的なのではなく、電力容量を大きくするのが要件です。1Wの酸金抵抗を4本パラとか、そういう事ではなくて、20Wとか40Wといった大容量にする事が要点です。これをケチると、音がボソボソしたり、歪感が増えたり、解像度の低い音になったりします。

※ 理論的理由は不明です!(^^ 「電気→熱変換のメカニズムに関わる何か」が原因だと思いますが・・・ 但し、温度計数が小さいとか、無誘導巻きとか、スペックだけで選んでもダメですから!! 温度計数は並みなのに、音が良い抵抗器もあるのです。理屈も大切ですが、きちんと耳で検証する事が更に重要だと思います!!!

 

<部品ブランドについて>

正直商売の都合もありますし、流派もあるでしょうし・・・私の経験では、PARC AudioやSolenのコンデンサー、A&Cオーディオのトリニティ・コイルは、超高品位システムに相応しい製品だと思います・・・手前味噌ですが。(^^

 

<ノッチフィルターについて>

今回は使用していませんがオマケです。f特やインピーダンス特性のピークを潰す場合についてです。経験的には、まっ平らに潰そうとは思わない方が良いです。敢えて少しピークを残す程度の方が無難です。やり過ぎると、音像が下がって奥行き感の無い音場感になります。何ともつまらない音になります。

 

スピーカーシステムは、楽器ではありませんが、さりとて技術論だけでは扱えない生き物の側面もあります。これがオーディオ機器の中でも、特に扱いが難しい理由だと思います。なので、本当に言いたい事は実はコレです・・・

「理論は非常に大切ですが、しかし必ず聴いて確認しましょう! もしも良くないと感じた時は、発想を変えてみましょう。」

・・・自分でも耳が痛いですハイ。 (^^; 

次回からはネットワーク製作とシステム全体の調整に入ります。


コメント   この記事についてブログを書く
« 3way自作企画その9 味見② | トップ | オルガン三昧! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

スピーカー自作」カテゴリの最新記事