Hippo日記

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

17cm超硬振動板ユニット その4

2020年09月26日 | 製品紹介

お陰様で製造作業の方が忙しく、17cm超硬振動板ユニットの方はなかなか進捗しません。

しかしながら、非常に重要な事が判明しました。と言うよりも、問題は認識していたが、本気で対策をしていなかった事が問題だった事に今更気が付いたというお粗末なお話・・・(^^;

事の発端は、どうにも音離れ感が出ない、という問題でした。もっと小さな口径では問題が無かったのに、何故だろうか?と考え込んでしまいました。そこで気が付いた(再認識した)事とは、つまりこういう事です。

犯人は接着剤!

ところで接着剤(エポキシ系など)の剛性をご存知ですか?

ちょっと乱暴ですが、ざっくりまとめてしまうと、紙やPPコーンと同じ程度の剛性(ヤング率)です。ところが金属やセラミックスと比べると100分の1(!)程度の剛性しかありません。さて、そうするとどの様な問題が起こると思われますか?

上の図は従来型の例えば紙コーンをボビン(ボイスコイル)に接着したところの断面図です。接着剤は(紙に対して)十分な剛性があるので、接着部に肉盛りしてやれば、コーンネック部の補強にもなります。ここでは、接着剤の物性によって音色感にも影響が出ますので、どの様な接着剤を使うかが重要な話になります。

さて、これが金属コーンの場合は?

接着剤に対してコーンの剛性が圧倒的に高く(機械インピーダンスが低い=高音域で接着剤に対する負荷が大きく)なりますので、接着部は機械式ローパスフィルターとして機能する事になります。即ち応答が悪くなるという事です。見た目はガッチリと接着されていても、機械剛性としてはユラユラ、グラグラの状態です。紙コーンでは「接着剤のキャラクターが聴こえる」という言い方が存在しますが、金属などの硬質コーンでは「音が鈍くなる」という話になります。どんなに硬い接着剤を使っても”硬い”音にはなりません。

※ 高剛性コーンの”硬い”音質は、コーン自身の共振によるものであり、接着剤のキャラクターではありません。

さて、以上の事は元々知っていたので、接着部の母材の重なり面積を少し多くするといった(手ぬるい)対策は一応やっていましたが、問題意識が低くいせいで効果が出ていなかったことが、遅ればせながら判ったという訳です。”知っている”事と”問題意識を持っている”事では意味が違うという事ですね。(^^;

それでポイントは何かという事ですが、溶接はちょっと無理なので、とにかく母材同士を完全に密着させて、且つ接合面積もかなり大きくする、という事が必須です。具体的な接合構造の工夫や寸法の塩梅はヒミツにさせていただきますが、立体構造の超硬振動板は接合箇所が多く、これら全てを圧着接着するのはとにかく大変です。組み立て治具を10ミクロンオーダーで微調整して、なんとか具体化出来ました。

その様な訳で、きちんと音離れ感が出せる事は確認出来ました。

この様にして振動板全体の剛性が大きく向上して、面白い事に、これまで必須だったソロバン玉部の内部補強を全撤去しても、板鳴りの周波数が高く、簡単なダンプ材の添付でも共振を押さえられる様になりました。但し、この状態ではキャラクターは抑えられても音の混濁があるので、従来の普通のスピーカーと同じになってしまいます。なので、内部補強の量を加減しながら改めて様子見をしています。補強部材を組み込む手間が大変なので、少ないに越したことはないからです。

なかなか最終版になりませんね・・・(^^;

追伸

このウーファーと組み合わせる超硬振動板ドーム・トゥイーターの補強パーツについても接着構造対策版の製作治具を作り始めました。まだウーファーが仕上がっていないのですが・・・手が先に動いてしまう人種なので(笑)

更に追伸

接着剤のウンチクも結構ありますよ。(^^ 歯科用のコンポジットレジンは結構硬いとか、セラミックス系の接着剤とか・・・結論から言えば、これらは残念ながら使えませんが。

 

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