Hippo日記

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

超硬振動板とは? その1/3

2019年07月21日 | オーディオいろいろ

 

超硬振動板についてのまとまった解説がなかったので、作成してみました。今日は前半として、音質上の問題点の明確化、次回は技術上の要点についてまとめてみます。

<はじめに・・・音質上の問題点の明確化>

なぜ、超硬振動板が必要なのか? 音質上の具体的な問題意識とは何か?

先日、読者の方から、「超硬振動板の様なものを今までのメーカーが作らなかったのは、その必要性を感じていなかったからではないか。」という趣旨のコメントをいただきました。とても良い問題提起をいただきましたので、引用させていただきます。

さて、この問題提起は、半分正解で、半分不正解だと考えます。

まずは「半分正解」の部分について、

そもそも生演奏のリアルな音は所詮望めない(むしろ好みにあう音作りをする)、というスタートラインがごく常識かもしれませんが、そうすると、ほとんどのスピーカーに望めない”マッシヴ感”とか”躍動感”、”押し出し力”のある音、或いは”明瞭なのに硬さを感じない”音といった具体的な欲求は起こりにくいと思われます。ワイドレンジで歪みのない音といった漠然とした音質イメージしかお持ちでないのが一般的かも知れません。

私の場合は、過去に録音された音楽遺産を、生演奏さながらに再現したいという欲求が強いです。なので、フェアに出展される様なウン百万円のスピーカーでもまったく納得出来ません。しかも値段が高すぎると思います。

では、そこまで拘る必要性が本当にあるのか・・・こればかりは、超硬振動板システムを実際に聴いていただいて、実感していただく事で問題提起をするしかないと思います。このコーナーにいろいろとコメントをいただけるのはありがたいのですが、論より証拠、とにかくお聴きになってみて下さい。オーディオに関心のない女性からプロの録音関係者まで、デモをやりますと、どよめきが起こります。それほどに、今までの常識とは違います。

そして、”半分不正解”の部分について、

超硬振動板(立体構造補強による構造剛性の非常に高い振動板)という考え方については後程解説しますが、基本的に公知技術であり、過去に製品もありました。但し、フォーミュラカーの様に使いこなしが難しく、製作の手間(コスト)もかかります。よって、音質上の問題意識は大昔からありましたが、商業的に見合わないのでやめてしまった、というのが現実です。例えば過去のタンノイでは補強リブ(写真↓)を取り付けて、振動板の構造剛性の向上をはかっていたのです。

 

 

さてそれでは、なぜ”超硬振動板”が必要なのかについて、

「ワイドレンジで低歪みな音を追求しても、音の魅力感は増さない」、この事は常識的に認知されていると思います。音の肉質感、躍動感、リアルな存在感といったものが魅力感には欠かせませんが、これらは再生帯域や歪み率とは技術的に異なる要素である事に注意が必要です。

ところで、オーディオの電子系(アンプやプレーヤー)は飛躍的に物理性能が向上しました。ところが、振動板に関しては、変形せずに正確にピストン運動する事が求められているのに対して、現実には中低音域から既に波打ちながら音波を発生するという、100年前からの旧態然とした状態が解決していません。しかも困ったことに、オーディオマニアでさえ、メーカーお仕着せの”高剛性振動板”という言葉を鵜呑みにしており、この問題を正しく認知していません。

そこで、基本に立ち戻って、本気で剛性の高い(波打たない)振動板を追求した結果、従来うやむやに扱われてきた音の魅力感やリアリティーを大幅に(誰でも聴いてすぐに分かるレベルで)改善できた、という事なのです。

 

次回は超硬振動板の技術解説をしたいと思います。あわせて、一般に高剛性と言われている金属やカーボン、ダイヤモンドを使っても、ダメなものはダメである理由も分かり易く解説します。

 

 


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2 コメント

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Unknown (マイクロ・トレーダー)
2019-07-24 11:32:33
昔から、スピーカーは「楽器」か「変換機」か? という議論があります。「立体構造補強による高剛性振動板」という方法は、「変換機」であるという説を地で行く、正論中の正論的アプローチだと思います。

しかし、メーカーによる量産には不向きで、手仕事でしか実現しないという。「楽器的」から離れるためには…、「楽器」(多分、ストラディバリウス)をも作りうるような高度な職人技で挑むしかないという、オーディオならではの倒錯的世界が、ここに展開しているように思います。「だから、オーディオはやめられない!!!」と思いました。
Unknown (Mr. Hippo)
2019-07-24 13:42:50
マイクロ・トレーダー様、こんにちは。

まったくもって御意!です。

但し、現在は職人技でしか作れない物も、例えば3Dプリンターが大進歩して、極薄の金属製立体構造物が無人製造出来る様になったら、状況は急変すると思います。

まぁ、私の”職人”としての仕事は、それまでの繋ぎだろうと思います。自分が生きている内にその様になるのかは分かりませんが。(^^

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