Hippo日記

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

jupiter-132ファイナルバージョン

2018年02月21日 | 製品紹介

 

<写真↓はJupiter-132の調整中>

すっかりご無沙汰いたしました!

ファイナルバージョン? 年末に「バージョン2」という話でしたが?・・・

はい、実は赤っ恥な不具合がありまして、Jupiter-132のユーザー様にもバージョンアップのご案内は見合わさせていただいておりました。m(_ _)m 実は延々と、寝る暇を削って改良作業をやっていたせいで、ブログもお休みさせていただきました。

問題点は、コーン裏に補強部材を固定するための接着剤が、その上に塗布するダンプ材と相性が悪く、(ダンプ材の可塑剤で)接着剤がグズグズになってしまう事に後で気が付いたという事です。タイプの異なる接着剤に変更すれば済むことではあるのですが、新しい接着剤の塩梅(硬さや粘性)を再確認中に、過去に使いこなせずに諦めた補強ビーム(写真↓)の具合が良いことが改めて判明したりしました。

そこで、「転んでもただでは起きぬ」という事で、この際、更に徹底改良して、この13cmウーファーは卒業にしようと奮起いたしました。ユーザーの皆様や、購入を足踏みされている方々にとっても、ちまちまバージョンアップというよりは、一気にファイナルバージョンの方が喜ばしいと思われますし。

以前にも話題にしましたが、音力とエレガンスの両立は本当に難しくて、この4年間悩み続けて、ありとあらゆる実験を続けています。来る日も来る日も、なん百回も似たようなものを作り直してゴミの山を築きました。そして高齢の知人からは、「はやく最終版を聴かせてくれないと、その前に俺死んじゃうよ~(笑)」なんて言われしまいまして・・・(^^;

ですが、物事、とにかく諦めないでしつこく続けることには価値がありますね! ジグソーパズルの様なもので、最初は手探りでも、ある程度組立ってくると、最後は加速度的に完成度が上がります。苦節4年目にして、ようやく明確な一段落を感じられました。結局のところ、ヴィンテージを作り上げた過去の達人達と同じくらいの苦労はしないと、もっともらしい理屈をこねたり、特殊な新素材を使っても、そう簡単にはモノにならないゾ、という地味なお話でした!(^^

さて、スピーカー(特に振動板)の難しさというのは、例えばABCの三部品で構成されているとして、ABC夫々を単独で改良して最後に組み合わせれば完成する、という様な単純な話ではなくて、超複雑系だという事です。Aを変更すると、BやCとも相互影響して、Bも変更しないとうまく行かない、といった事が当たり前に生じます。その大きな原因は、振動板の分割振動にありますし、振動板式スピーカーは、この問題からは永遠に逃げられません。という訳で、寝ても覚めてもひたすら塩梅調整の世界です。こんな事を毎日続けていたら、精神に異常をきたしてしまいそうです・・・(^^;

ところで、「超硬質な新素材を使ったから、高性能で良い音がします。」というのは宣伝としては分かりやすいですが、今の私に言わせれば噴飯モノです。たとえダイヤモンドを使っても、僅か1インチのドームトゥイーターの(しかも軸対象モードに限って)の分割振動を可聴帯域外に出すのが精一杯であって、ましてやコーンスピーカーは、どんな素材を使ってもグニャグニャ分割振動をしながら音を出すことにはかわりがありません。

なので、私が実際に苦労して学んだのは、地道な塩梅調整そのものでした! つまらない話でしょう?(笑) 高性能な新素材で解決できれば格好良いのですが! 勿論、このことには終わりがなくて、一生かけて精進するしかなさそうです。物理学科出身の私ですが、残念ながら振動板だけは機械としてまともに機能しないので、楽器の響板と同様に、微に入り細に入り塩梅調整するのがキモである、としか言い様がないです。そして、最近の理論や測定だけで全て解決するかのような風潮には、改めて問題を感じますし、音に魅力感がないのも、これが原因だと感じます。

但し、振動板の(素材論とは別に)構造的剛性が重要なことには変わりがなくて、手間(コスト)がかかっても立体的な構造物(例えば上の写真の補強ビーム)を作りこむ価値がありますし、これがガレージメーカーに相応しいやり方だろうと思います。

さて、手のひら大の振動板の中には山のようにウンチクがありますし、それでも私の知っている事は僅かなものでしょう。更にノウハウの一つ一つを話題にしても、塩梅調整が出来なければあまり意味がないので、この話題はここまでとさせていただきます。

最後に(私にとって)一番重要なことを述べさせていただきます。一般的な音作りでは、低歪みでフラットな音が注目の中心であると思いますし、その様に作る限りはクレームも出ないでしょう。けれども、本来は「音楽、或いは音の快感、魅力感」というものが最も大切なことだと思います。この音の魅力感の正体とは、私の言うところの「音力」であり、低音ではマッシヴ、中高音では音離れと表現される音の要素です。ところが、低歪みというものは、基本的に音を殺す方向の技術であり、音力を損ないます。ここが問題の本質で、構造的な剛性UPとか、塩梅調整という事で、音力を失わせずに歪みを低減する地道な工夫と努力が重要であるという事が言いたかったのです。付け加えれば、音力というものは、F特や歪み率の追及というアプローチでは全く改善出来ません。(音力とは、しいて言えば過渡応答の問題ですが、技術的には解明されていません。)そして改良作業は、現在は(多分今後も)聴感でやるしかないと思われます。

では、次回は具体的な音源(CD)を紹介しながら、Jupiter-132(ファイナルバージョン)の魅力を解説してみたいと思います。

追伸
Jupiter-132のユーザー様には、遅くなって申し訳ありませんが、やっとご案内させていただきます。日程などについては、個別にご相談とさせてください。

 

 

 


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2 コメント

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地道な努力は 必ず報われます! (pal)
2018-02-22 22:42:55
職人さんの意地の世界を 見るようです。
妥協する事なく 頑張ってくださいね〜

私は最近 ヤフオクで 1970年から1980年代のブックシェルフに 手をだしています

耳障りな高域を 気にする事なく 音楽を楽しんでおります。

ダンプド バスレフが気になり 密閉とバスレフの いいとこどりに チャレンジした先人達の努力の成果を 聴いてみたいと思っております。

この形式に対する 見解を お聞かせください。
(*´∀`*)
Unknown (Mr. Hippo)
2018-02-23 08:40:08
Pal様おはようございます。ご声援に感謝いたします。

「石の上にも三年」といいますが、今回は4年? 諦めなくて良かったと、しみじみ思います。さすがに今までとは次元が違いますので、Pal様、必ず一度お聴きになってみてくださいね!

バスレフの件ですが、共鳴現象のQ(共振鋭度)の調整方法が違うだけで、帯域バランス調整の一環として大差ないものと考えます。低音が締まるとか緩いとかいうのは、低い基音周波数の応答の良し悪しではなくて、その2倍音/4倍音成分(150~600Hzくらい)の解像度の問題であるというのが、私の結論です。(←このブログでも何度か話題にしました)

従いまして、いわゆるマッシヴ感というものが重要で、これは小口径ウーファーでさえ、振動板の剛性が大きく効きます。それもそのはず、倍音周波数の帯域ならば、既にコーンの変形が始まっているからなのです。

この話は、Jupiter-132(ファイナルバージョン)の音質にも直接関わる話です。この13cmウーファーのコーンは、構造強度もひずみ感も同時に向上させるというウルトラCが実現できましたので、そのマッシヴ感はかなりの物です。大き目のBoxと大口径ダクトで40Hzまでフラットに再生できますので、一般常識ではかなり緩い低音が出ると誤解を受けてしまいそうですが、まぁお聴きになってみてください。腹の底に響くようなチェロやコントラバスの胴鳴りが余裕で出ます。低音楽器の音程が明瞭なのも分かりやすい特長です。大口径ウーファーでないと低音は出ないと思われている「常識人」の皆様には衝撃があると思いますよ。(^^

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